登録日:2025/08/23 Sat 17:37:58
更新日:2025/09/13 Sat 17:50:25
所要時間:約 10 分で読みたまえ!
日本が世界に誇る横スクロールアクションゲーム『
ロックマン』シリーズ。
その醍醐味と言えば、何と言っても
ワイリーのジャンピング土下座特殊武器システムであろう。
ゲーム中に登場する8体のボスを倒した際、そのボスの有する特徴的な攻撃方法を手に入れ、ロックマンが使いこなすのである。
特殊武器を使用するには、ロックバスターと違いそれぞれの武器ごとに設けられた武器エネルギーが必要になる。
つまり使用回数には制限があり、道中で獲得できるエネルギー補充アイテムの存在を加味してもおいそれと使えるわけではないが、ただ真横に弾が出るだけのロックバスターとは一線を画す性能が揃う。
横にしか撃てないロックバスターの死角である上・下・斜め方向をカバーできたり、特定の敵を瞬殺できたり、階層移動直後に敵に囲まれた状況を打破したり。
ある物は特殊な刃を作り出して敵にぶん投げ、またある物は様々な軌道で液体や炎や電撃を射出したり、接近戦で敵を撃退する。
中にはそれこそ画面全体にも及ぶ広範囲を攻撃したり、敵からの攻撃を防いだり、果てには周囲の時間まで操作してしまう代物もある。
光ある所には影も生まれる。
それら特殊武器の中には「いくら何でも使いづらすぎるし弱すぎるんだけど!?」と言いたくなるようなクソ武器も存在してしまっているのだ。
この項目では、そんな悲しい特殊武器の数々を紹介していく。
(※なお、本項目では「ワイヤー」や「スーパーアロー」といった「本来の用途はロックマンの移動の補助だが敵に当てればダメージを与えられるアイテム」は含まないものとする)
本項目が立った背景には動画サイトや過去作を遊べる環境の充実・成熟により、プレイヤーが武器の性能について実践する機会が増えたところが大きい。
【弱い特殊武器の特徴】
弱いと酷評されやすい武器には以下のような特徴がある。
- 「ジャンプ中使用不可」「水の中では使用不可」など、使える条件があまりにも厳しすぎる
- 燃費に比べて威力が弱い/範囲が狭い
- 弾の軌道に癖がありすぎる
- 次に攻撃できるようになるまでタイムラグがあり、別の敵に対処しづらい
- 同じ作品内にほぼ上位互換となる特殊武器が存在する
- 獲得順が悪い
- ゲームシステムやステージギミックと噛み合っていない
加えて、以下のような特徴を持つ武器は、他系統の武器に比べて使い所を特に選ぶ傾向にあり、他の悪条件も重なると下記に記す「弱い特殊武器」となってしまう。
(以下の分類名は俗称であり、正式な用語ではないことに注意)
- 「地を這う系」:空を飛ぶ敵にはほぼ無力。「ロックバスターの射線より下を行く敵に当たる」という長所はあれど、上・下・斜めを攻撃できる武器や軌道をプレイヤーが操作できる武器があると見劣りする。
- 「反射系」:壁に当たると跳ね返る。ゲーム的には面白そうだが、狙った相手に当てるには計算や慣れが必要。なかなか画面から消えないので連射できない場合は隙だらけになる。
【正統シリーズの弱い特殊武器】
◇スーパーアーム(#1)
ガッツマンから獲得。
ステージ各所に設けられた四角いブロック(以下「岩」)を掴んでそれを前方に放り投げる。
岩の挙動は素直で威力もなかなかだが、岩がなければ何もできないのが大問題。
ファイヤーマン・ボンバーマン・アイスマン・ワイリーステージ2の道中には一切岩が置かれていないためそもそも使用不可。それ以外のステージでも欲しいタイミングで置かれているとは限らないし、わざわざ岩を拾いに行かないと攻撃ができないため非常にスキが大きい。
火力や攻撃範囲でもサンダービームやファイヤーストームなどの強武器より優れているというわけでもない上、「邪魔な岩をどかす」という用途に関してはサンダービームでも代用可能になっているため、攻撃・移動補助のどちらに関してもサンダービームにアイデンティティを奪われるという悲惨なポジションに置かれてしまっている。
余談だが、『メガワールド』ワイリータワー編にはスーパーアームを使えるブロックはワイリーステージ1の分岐路の片割れに1つが存在するのみ。1~3の特殊武器を好きに選抜し装備できるこのモードだが、こちらではまず採用する価値は皆無と考えて良い。
とは言え岩をどかさないと進めない局面(ワイリーステージ1など)では道中有用なサンダービームのエネルギー節約のためにこっちを使う選択肢も視野に入るので、そう考えればスーパーアームにも「一切必要無い」場面は存在しないことになる。
また、弱点ボスであるカットマンとCWU-01Pに対しては非常に大きなダメージを与えられ、挙動的に当てづらくもないので普通に有効。ただしカットマンに関してはワイリーステージでの再戦時は岩が置かれていない。
アーケードの「ロックマン ザ・パワーバトル」と「ロックマン2 ザ・パワーファイターズ」でも登場しているが、ゲーム内容の仕様上バスターから岩を発射する性能に変更されている…
しかし、こちらではどちらも1コースのみとはいえ、強制ダウン効果ありだったり弱点とするボスが複数いたりと、むしろ壊れ方面で強化されている。
初代ロックマンのリメイク作品「ロックマンロックマン」ではオリジナルとほぼ同様の使い勝手なのだが、
ガッツマンを使用している場合は攻撃ボタンで前方に攻撃を防ぐブロックを発生させた上で使用できるので、
むしろ防御兼攻撃性能の主力技に昇華する事になった。
『
W5』に登場した「ディープディガー」も同じく岩を投げるが、スーパーアームの反省点を活かしているのか装備中にもロックバスターを撃てるようになっていた。
それを加味しても微妙な性能だが。また、岩を退かすことにより隠し通路を切り開くという見せ場が生まれた。
ボンバーマンから獲得。
丸くて導火線が付いた、よくある爆弾を前方に放り投げる。しばらく経つと爆発して、その爆風でダメージを与える。
名前といい攻撃方法といいよくハドソンからクレーム来なかったな
「投げた爆弾そのものに攻撃判定が無い」という点が最大の問題点である。
実際に爆発するまでに約2.5秒というとんでもないタイムラグがあるため、とにかく隙が大きい上に当てづらい。
当然爆発時には爆弾は着地しているわけで、空中の敵に対してはほぼ完全に無力。
射程も短く、燃費も1発あたり2目盛り消費とあまりよくない。
「目の前の敵を処理する効率」に関してはロックバスターにすら劣る。
また、スーパーアームと違い障害物を除去するのにも使えない。
これだけ当てづらくて燃費も悪いなら威力の方はさぞかし……と期待したくなるところだが、残念ながらそんなでもない。
高いことは高いのだが、1発1目盛消費で攻撃範囲も広く、素直な弾道で非常に当てやすいサンダービームとほぼ同値なのだ。
サンダービームよりハイパーボムで攻撃した方がダメージが大きいザコを以下に列挙する。
- スーパーカッター(カットマンステージに出てくるハサミ)
- ピッケルマン(ガッツマンステージに出てくるツルハシ投げてくるロボット)
- スナイパージョー
以上。
うちスーパーカッターは動きの関係でほぼ当てようがなく、ピッケルマンはファイヤーストームでも一撃。
ジョーに至っては背後に投げても盾構えてる限りノーダメ。というかボンバーマンステージにしかいないのでハイパーボムを持って挑む状況がまず無い。
一応ガッツマンの弱点武器でもあるが、動きのすっとろい彼相手にすら慣れていないと若干当てづらい上、彼にはロックバスターが1発につき2ダメージ通るため、ハイパーボムを使う必要性自体がかなり薄い。
一応、自分より下に向けて投下できるので、崖やハシゴの上から下の敵を攻撃することは可能だがテンポは悪い。
導火線型爆弾の挙動としてはリアルかもしれないが、ガンガン進んでなんぼのアクションゲームの設計とは根本的に食い合わせが最悪だったとも言える。
せめてボンバーマンが使うもののように「爆弾を直接敵か地形に当てた時点で爆発」ならまだ使いやすかったのだろうが……。
スーパーアームもそうだが、シリーズ最初の作品故に調整がまだ手探りだったことを感じさせられる。
『ロックマンメガワールド』ではワイリータワーのボス、ハイパーストームHの弱点武器に設定。エネルギーゲージが2本あることを除けば、吸い込み→押し出ししつつ弾を発射→ジャンプしながらメットール召喚のパターンしかない相手なので、動作の少ない彼相手にようやく活きる形になった。
その後『
ロックマンロックマン』にて念願の接触起爆を獲得し強化。ボンバーマンがプレイアブルとして使う場合は方向キーで投げ分けも可能となった。
スーパーカッターには一転して完全無効になったが、だからどうしたレベルの変化ではある
『
スマブラfor』ではロックマンのカスタム必殺ワザの1つとしてハイパーボムが採用されたが、さすがに本編での性能を完全再現すると使い物にならないからか、接触時に即起爆・8方向に投げ分け可能と「ロクロク」に近い形での強化を受けている。
◇スパークショック(#3)
スパークマンから獲得。
直進し、着弾させるとダメージは与えられないが麻痺させる電気の弾を発射する。最大で2発まで発射できる。
『1』に登場したアイススラッシャーの後継だが、あちらと違い敵を麻痺させたまま武器チェンジができないという致命的な欠陥がある。
麻痺させたところで倒すことはできないので、アイススラッシャーのように厄介な敵を固めて安全に処理するという使い方は不可能。
ビッキーや帰ってきたモンキングなどの大型ザコを空中で固めて素通りするということはできるが、安全に通過できるタイミングを見計らって固める必要がある。
しかもビッキーはハードナックル、帰ってきたモンキングはタップスピンでそれぞれ瞬殺できてしまうため、知っていればわざわざこちらを使う意味はかなり薄くなる。
また用途上そうであって困るという場面はそこまで多くないが、麻痺させた敵に他の敵が触れると、触れた方の敵に麻痺が移り、触れられた側は再度動き出すという妙な挙動がある(バグか仕様かは不明)。
そのため敵が多数いる場面では思ったように拘束できなくなりがち。
ボス戦では麻痺効果が出ない代わりにダメージを与えられる。軌道が実質バスター同等なのも相まって特効ボス相手ならばそこそこ有用……なんだけどねぇ。
『W3』では前述の別の敵の接触で麻痺が解除される仕様が無くなり、画面内に2体までしか拘束できないという制約が無くなった上に、麻痺中も武器選択画面を出せるようになり扱いやすくなった。
◇パワーストーン(#5)
ストーンマンから獲得。
ロックマンを中心として反時計回り・らせん状の公転軌道で飛んでいくミートボール小さな岩を3つ同時に重さを感じる効果音とともに発射する。
「反時計回り・らせん状の軌道で飛んでいく」──この一文を見た時点で察しが付いたあなたは正しい。
あまりにも弾道のクセが強すぎて狙った敵に当てづらいのである。
反時計回りに射出されるため、ユードーンなど「頭部だけ弱点」の敵には下半身に阻まれダメージを与えられないなんてことも。
また、連射できないのに3方向にバラバラに出るという特性のせいで、「なかなか次弾が撃てず隙だらけになってしまう」という状況が往々にして発生してしまう。
一応「5」では武器選択画面を開くことで画面内の弾を消せる仕様のためフォローが利かないこともないが、当然テンポは悪くなる。
ここまで当てにくければ「硬い岩だし当たれば強い技では……」とも思えるのだが、その威力は
大多数の敵に1ダメージしか入らないというかなりしょっぱいもの。
2ダメージ以上入る敵も、先述のように無敵部位を持っていたりそもそもチャージショットで確定1発だったりと、雑魚敵への通りは劣悪の一言。
もう一つおまけに、
敵弾に接触すると弾かれて明後日の方向に飛んでっちゃうという誰得な個性まで持っている。
正直な話、こんなもん使うくらいならスーパーロックバスター・ジャイロアタック・グラビティーホールドのどれかで十分である。
「梯子の上で待ち構えるパワーマッスラー(大型のプレス敵)を安全に倒すのに有用」という意見もあるにはあるが、言うまでも無く時間がかかる為さっさと進みたいならナパームボムで速攻撃破したほうが楽。
へんてこりんな軌道のせいで特効ボスのチャージマンやダークマン4にも微妙に当てづらく、スーパーロックバスターで戦った方が早い。
そのため、ストーンマンは
シリーズ全体から見ても倒しやすい部類に入るが初手で倒すのには向いていない。
正直スターマンやグラビティーマンやジャイロマンもそこまで強くはないし。
一応クリスタルアイ……というか大半の特殊武器と同じく硬直中でなければいつでも撃てるし、射出時にウザいモーションが付くわけでもないという良さはある。
『W4』では後半で入手する武器なのだが、
ハードの都合上、画面比率が狭い事から、オリジナルから一転して当てやすさが向上。
加えて、弱点としているボスはオリジナル同様にチャージマンなのだが、ワイリーマシン・アイアンゴーレム第一形態にもダメージが入る。
同ボスは弱点部位が画面の上方向という関係上、通常ならパンチ攻撃に合わせて腕の上に乗る事で初めてダメージが与えられるという形式なのだが、この武器の場合は床の上からジャンプするだけで弱点部位に当てる事が出来る。
オリジナルでは散々な評価だったのが、携帯機リメイクでラスボス第一形態の有効攻撃へと変化するという、まさかの大躍進となった。
『ロックマン2 ザ・パワーファイターズ』でも登場しているが、ゲーム内容の仕様上、岩でできた巨大な手が出現するという武器になっている。
◇ウォーターウェーブ(#5)
ウェーブマンから獲得。
高圧力で圧縮した3本の水柱を発射し、波のように前進させる。
敵弾に触れた際に一方的にかき消す効果を持つ。
前述した「地を這う系」武器の悪しき例の代表とも言えるのがこれである。
まず根本的な問題として、ロックマンが接地している状態でないとそもそも使えない。
ジャンプ中やハシゴの昇降中だけでなく、グラビティーマンステージの逆さ天井やスターマンステージの長い足場でも使用不可。
威力は水柱1本あたりロックバスター1発分で、3本とも命中すればまあ燃費なり……と言いたいところなのだが、ザコにも短時間ながら無敵時間が存在する本作の仕様との噛み合いが極めて悪い。
一撃で倒せない敵に当てた場合、最初の1本の無敵時間中に残る2本が当たってしまい、ロックバスター1発分の火力しか出せずに終わってしまうのである。
一撃で倒せる敵が地上に並んでいる状況なら活かせないこともないが、本作には高威力・高貫通性能のスーパーロックバスターがあるため、そのためにこっちを選ぶ必要性もほぼない。
また、個性のはずの弾消し能力も
- 破壊可能な弾であればバスター連射でも相殺可能
- 破壊不可能な弾を射出する敵もスーパーロックバスターで仕留めた方が早い
- メットールK-1000(機関車に乗ったメットール)が出す3WAY弾は水柱の高さが微妙に足りず打ち消してくれない
- クリスタルジョー(弾を生成している間は無敵)に撃っても弾を消した瞬間次弾を生成するので無意味
と、基本的にこの武器をわざわざ使うよりも別の手段で対処した方が楽で、ボス戦を除けば役に立つ場面は絶無。
とまあとにかく強みが薄くクセばかり目立つというかなり厳しい性能の武器ではあるが、他の武器と比べてこっちを使う意味があるかという点は置いておいて、「段差の下にいる敵を安全な場所から狙う」というこの手の武器の最低限の役割は果たせるので、「そもそも当てづらすぎる」「使える状況が限定されすぎている」類の武器に比べると使いやすくはあるか。
また、弱点ボスの1体であるダークマン1号に対しては、向こうが常に接地している上に弾消しも活かしやすいため非常に有効。
彼は行動パターンは単調ながら加速していく体当たりとショットの組み合わせがいやらしく、バスターだと結構苦戦を強いられがちであるため、ここでウォーターウェーブがしっかり刺さるのはありがたい。
もう一体の弱点ボスであるスターマンに対してもバリアを無視して攻撃できるという強みがある……が、こっちは地上にいないことも多い上に距離を詰めて攻撃するだけでバリアを無視できる仕様のため、相性としては微妙なところ。
◇バーニングホイール(#7)
ターボマンから獲得。
四つの炎の玉を身に纏うようにロックマンから展開し、それらを車輪状にして発射。
発射された炎は地面を転がり、壁に当たるまで前進する。
展開した炎はYボタンを長押しすることで1秒ほど周囲に保持できる。
副次効果として、シェードマンステージの蝋燭に火を灯したり、スラッシュマンステージの森林を燃やして蜂の巣を無力化することも可能。
またしても「地を這う系」である。
燃費が悪く、単発貫通属性な上、炎の玉を展開する際に冗長な隙ができるため即効性に欠け、攻撃時の隙もデカい。
フレーバーテキスト的な仕様として、水中で展開すると周囲が一瞬煮え立ち攻撃判定が発生するだけで発射できないという短所もある。
炎を保持する能力も
- 出が遅いので敵の初見殺し体当たりなど咄嗟の事態に反応できない
- 1秒ほどで転がって行ってしまうのでバリアにできる時間が短い
- 展開する炎がそれほど広くないので上からの襲撃には対応できずダメージを喰らう
- 高威力で隙も少なく持続力にも優れるジャンクシールドとバリア系武器としての立ち位置が被ってしまっている
と、攻略にほとんど貢献できない微妙な個性しか無い。
さらに追い打ちをかけてくるのが、『7』のステージ選択の仕様。
本作(と『8』)は「8大ボスのうち4体を撃破した後、中間ステージを経て残りの4体に挑む」形式なのだが、ターボマンは後半組。
すでにより使い勝手の良い武器を持っているという状況が避けられないという悲しいおまけまでついてしまっている。
しかもこれを弱点とするボスには、いずれも同じダメージでより使いやすい弱点武器が別に存在しているため、弱点ボスに対してさえ使う必要性が薄い。
「7」の他の武器同様、ビートの救出に関するステージギミックの発動に必要なので、本当に一切使い道がないというわけではないのだが。
アーケードの『ロックマン ザ・パワーバトル』でもロックマン7コースで入手できる特殊武器の一つとしてターボマン共々登場。
弱点となるボスはバーストマンが不在という事からクラウドマンに変更されているが、
性能が性能という事もありお察し下さい。
というか、「殆どバスターで十分」な今作にとってはほぼ空気の様な物である。
◇サンダーウール(#10)
シープマンから獲得。
バスター発射口から出た雷雲がゆっくりと上昇し、壁もしくは天井に阻まれるか一定量上昇すると一定時間真下に雷を落とす。
前作『9』に比べ、『10』では全体的に特殊武器の性能が抑えられ、当て方や撃ち方にひと工夫しないと十分に効果を発揮しないクセ強な武器が多数登場している。
その極北とも言えるのが、このサンダーウール。
- 雷発生があまりにも遅く即効性が無い(雲を出してから雷が落ちるまで1.5秒)
- 燃費は1発あたり4目盛分とFC時代の全画面攻撃並みに悪い
- 単発の威力は高いがDPSがバスター連射より低い
- 雷雲そのものにも攻撃判定があるが、威力はバスターと同じ。しかも敵に当たると消えてしまって落雷が出なくなる
- 落雷に防弾能力があるが、タイムラグや位置関係のせいであまり役に立たない
- 雲は2つまで出せるが、落雷を2本当てても1本分のダメージしかでない
とまあ、基本性能は「悲惨」の一語に尽きる。「歴代最弱武器は何か」という話題になるとそこそこの頻度で候補に上がってくるほど。
だがしかし、本当にものすごく局所的ではあるが使える場面が無いわけでもない。
まずコマンドマンステージの砂地獄地帯に出現するボムポットン(ロックマンの背後から現れ、頭上を飛び越してから爆撃を仕掛けてくる)に対しては、雷雲を直撃させやすい上にちゃんと一撃で倒せるので普通に有効。
他の特殊武器と比べてもトリプルブレイドはジャンプ中は対空攻撃できないので当てにくく、ソーラーブレイズはジャンプのほぼ最高点からでないと当たらないのでややシビア、リバウンドストライカーもこいつが来た時に向き直って上に攻撃する必要があるのに対し、サンダーウールなら発射しただけでボムポットンの軌道上に流れていくので砂地獄上を動きながら攻撃するのに最適解。装弾数7発に対しステージ内のこの敵の出現数が(難易度ノーマルにて)6機という点も絶妙な調整を感じられなくもない。
それに加えて「落雷が当たっている敵に直接雷雲を当てると、雷雲本来のダメージに落雷と同等のダメージが加算される」という裏技的な特性が存在しており、これを利用すれば特効ボスであるポンプマンを瞬殺可能。トリオ・デ・トリデやスザク&フェニックなどの一部中ボスの速攻撃破にも一役買う。
【ワールドシリーズの弱い特殊武器】
◇クイックブーメラン(#W1)
クイックマンから獲得。
ボタンを押しっぱなしで連射できる小型のブーメランを発射する。
基本的な性能はオリジナル作品と大きく変わらないのだが、本作のクイックブーメランは「複数作品の抱き合わせ」「8ボス戦が前半と後半に分かれている」というワールドシリーズの仕様の割を思いっきり食ってしまっている。
というのも本作には「1」から弾道がほぼ同じローリングカッターが輸入されているうえ、そちらが多段ヒットするようになり火力面が大幅に強化されたせいで、実質ほぼ下位互換になってしまっているのだ。
加えて本作は後半4ボスがボスラッシュ形式となっているため、入手しても使える期間が対弱点ボス+ワイリーステージ後半部分のみと極めて短い。
前半で入手できる武器が軒並み強力なこともあり、ほぼ完全にそれらの陰に隠れる形になってしまった。
◇サクガーン(#W2)
クイントから獲得。
ホッピング機能付きの削岩機であるサクガーンにまたがりピョンピョン跳ねながら下の削岩機部分で攻撃する。
8ボス攻略後に現れる、所謂ロックマンキラーポジションのボスから貰える武器で、説明書にも「とても大事な武器」と期待を持たせるようなことが書かれている。
……が、その肩書きに反し、性能の方はちょっと擁護の言葉が見つからないほどに悲惨。
威力はかなり高いのだが攻撃判定が小さい上に乗っている間はずっと跳ね続けるため制御しづらく、相打ちにならずに敵に当てるのが難しい。
そもそものエネルギー消費量が大きい上に跳ねるたびにエネルギーを消費するため恐ろしく燃費が悪く、乗っているとあっという間にガス欠を起こす。
乗り物系の武器なのでトゲへの耐性なども期待したくなるところだが、そういうのも特にない。むしろ跳ね回る性質上突っ込みやすくて危険。
根本的な問題として本作には同じく高威力近接攻撃枠のタップスピンがあるため、威力の高さというほぼ唯一の利点さえ死んでしまっている感が否めない。しかも入手タイミングもタップスピンの方が先。
挙げ句の果てに弱点を突けるワイリーマシンW2号戦ですらほとんど使い物にならない。エネルギーを使い果たしても3形態あるうちの1形態分のライフしか削ることができないうえ、E缶を使わないと当てた際に受ける接触ダメージとのダメージレースに勝てず、先にこっちが死ぬ。
ちなみにクイントは倒した場合、ティウンティウンせずに上空に転送される。
撃破されずに正気に戻ったのかもしれない。
追記・修正は『ロックマン12』の特殊武器に期待と不安を抱きながらお願いします。
最終更新:2025年09月13日 17:50