悪軍鉄馬

登録日:2024/10/02 Wed 16:12:14
更新日:2024/10/05 Sat 23:50:02
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さあ祭りだぁ~

派手にいこうぜ


悪軍(おぐん)鉄馬(てつま)とは漫画『バトゥーキ』(著:迫稔雄)に登場するキャラクターである。


【人物】

日本でも有数の半グレ組織である「悪軍連合」のトップであり喧嘩師。
筋骨隆々な体をした男性であり、体の線に張り付くほどピチピチのTシャツを着用している。また愛煙家であり喧嘩の最中でも煙草を吸っている。
主人公である三條一里が倒すべき敵であり、無秩序の暴力を振るい周りから軽蔑と共に畏怖される悪のカリスマである。
基本的に己の気に入らない事があるとヤクザをもぶん殴る気性の持ち主だと認識され、気心が知れた幹部でもムカつかせたら鉄拳で制裁してくると思われている。
「ケェーッケッケッ」という独特な笑い方をし、更に気分が良いと「ブヒッ」と吹き出す笑いをする。

顔は笑っているのに唐突に暴力を振るってくるアウトローとして世間では知られている。
寿司屋で隣に座ってきて「新しく作る半グレ組織のリーダーとして祭り上げたい」と言ってきた王部は椅子を蹴って吹っ飛ばしたり、ビール瓶で頭をカチ割ったりされて、
高校時代のクラスメイトである千堂竜大の回想では、校内でも伝説的に強いと噂される先輩達を見に行こうと誘ったらいきなりその先輩達に殴り掛かって大規模な喧嘩に発展

悪軍連合が成立する前は、その辺の地下格闘技場に出没して対戦相手を血祭りにあげる事を主にやっており、
孤独を愛する気質があるのか、周りに人数を侍らす事なく少数メンバーで行動しており、人前に姿を見せたがらない気質がある。
ルールは嫌いだから悪軍連合の構成員は好き勝手にやってもいいとしているが、どうしてか自分の目の届く範囲での薬物の使用・売買は御法度というルールを作ったりしている。*1
破った相手には殴りかかり、ステロイドで筋肉増強してる奴もアウトという有様*2



【悪軍連合】

鉄馬をカリスマとして、冷酷なNo.2である王部信成がシノギを考える巨大半グレ組織。
オレオレ詐欺、売春、芸能事務所で稼いでおり、変わり種の一つとして地下格闘技賭博を開催するなどが収入源である。
何故か幹部がやたら滅茶苦茶多い特徴がある*6

またシノギの一つは地下格闘技場は、どこぞの体育館を借りて開催している。飛び入りは自由だが客を沸かせる為の殺戮ショーの生贄として見込まれている
なお、飛び入り後に気が変わって試合前に逃げ出すのは可能*7
しかもこの地下格闘技場はダウンした瞬間にレフェリーが試合を止めようとしたり、眼窩底が骨折した疑惑が出た際にはドクターチェックが入り、リングに大勢が乱入した時にはアナウンスで制止が入るなど。
下手な格闘技より健全な試合展開をしているんじゃないかという疑惑すらある。



【本編の動向】

B・Jワークショップにて一里が倒すべき敵の一人として登場。
作中で出ていた強さ表では真ん中の強さである(ドゥロ)の最初の相手だが、その実はより強い枠である戦士(ゲヘイロ)
この時点では勝てなくて当然であり、負けてから奮起させる事を目的*10とした悪辣なイベントを企てられていた*11
実は戦った以外での一里との接点がほぼ無かったりする

戦うための場をセッティングするために、一里の仲間たちが文字通り骨を折って交渉していた所、王部派たちの横槍で深夜のアスレチック場で連れて来た構成員共々大規模な戦いに発展。
その時に悪軍連合も育ったが成長が頭打ちになり、麻薬の売買は実質的に厳禁となった現状を打破するために王部が造反*12
鉄馬派と王部派で争いだし始める。

王部がコカインの袋を構成員に配り始めた事とフラッシュバックが襲いかかったことでトラウマが刺激され完全にブチ切れ、自分に付いてきた仲間すらも血祭りに上げる凄惨な状態に突入
そこにやってきた一里と死闘を開始。途中で正気に戻り、久々に楽しい喧嘩が出来たと述べて敗北。
鉄馬派として付いてきた仲間達となら群れるのも我慢できるとしてその場を去り、悪軍連合も実質的に崩壊した。

その後は一里の仲間の一人に手助けに入ったり、バズる動画を作るために隠し撮りされたり、前述したように一里の義父ペドロを知り合いの寿司屋に匿ったりなどちょくちょく出番があったりする。


【能力】

一切の鍛錬をしていないが転生の肉体及び才能、そして実戦で培った経験のみで戦うタイプ。
連合の誰も一度も筋トレをしている所を見ておらず、喧嘩のみしかしていないと言われているが、全身がこれ筋肉の塊とでも言うべき鉄の肉体を持つ。
穴が開いてる所に指を入れずボーリングの球を普通に掴み上げる、規格外の握力の持ち主。

「やってきたのは喧嘩だけ、それでしれっとあんな肉体してやがる」
「あの人はまるで虎か獅子みてーに強くなる事が遺伝子に組み込まれてんだよ」
「ド天然のナチュラル100%"雄"」それが悪軍鉄馬だ

  • 予知パン
「本当か知らねぇが鉄さん曰く、喧嘩やりすぎてある日どこに拳とばせば当たるかってのが見えるようになったらしい」
当て勘つうかまるで予知パン

鉄拳とも言うべき強烈な威力を持つが、喧嘩屋のただのぶん回しに見えるようなパンチが異常な精度を持つ。
総合格闘家のノーモーションパンチからのタックルというコンビネーションでも、タックルが来る場所が分かるかのように顔に拳を叩き込めて、
カポエイラという初見の格闘技でもパンチを避けた先に、狙いすましたようにパンチが置かれる
更に時間が経つごとに狙いは磨かれていき、動く先が分かるように先制してパンチが待ち受けるというべき精度に進化していく。
脳震盪が起こって意識が飛んだ状態でも、相手の顔面に正確に拳が放つなど、ただの当て勘ではすまされない正確性。

  • 鉄塊
「この平常顔だぜ」
避けもガードもせず全部モロに喰らって
「この頑丈顔」
耐えられねー悪夢だ精神ボロボロに崩れおちるぜ

投げられたボーリングの球が顔に当たっても微動だにせず、格闘では相手の攻撃を避けずに全弾受けきって平気な顔をするとてつもないタフネスさを持つ。
種明かしとしては、優れた動体視力により肉体と精神の同意の下、受け入れ体勢を整える事によって全てを耐えきる準備をする。
予測を超えた攻撃さえ当てればいいのだが、それをしても前述の通りにパンチをしてくるので倒したと思った瞬間こそが危険だったりする。

はやい話が痩せ我慢ではあるため、決着の一撃以外ノーダメージに見えた一里との対戦後には「いてー」と呟いている*13
しかし相手からは「全く効いていない」と思われるためにだんだんと心を折るという面もある。

  • 鉄さんウォーク
「ここで出すかよ喧嘩道」
堂々と間合いに侵入する格闘のセオリーを無視した闘技者殺し

無造作に歩んで殴りにいくだけだが、既存の格闘技のそれとは別物の軌道を描くので格闘経験者程に虚を突かれる。
特に閉所においては更に回避が困難になる。


【関係者】

  • 父親
前述の通りに子供の頃の鉄馬に麻薬を注射しているので、尋常の親と子の関係性では無かった事が分かる。
成長した後の鉄馬は、病院のベッドに繋がれて廃人同然の父親を煙草を吸いながら見舞うぐらいの気持ちはあるようだが、
父親の事をどう思っているかは不明。麻薬嫌いの一因になってるのは間違いないが。

  • 溝ノ口春海
髭面の筋肉モリモリマッチョマンのノースリーブなバンカラ服着た番長スタイルな男。鉄馬とは少年の頃からの付き合いで、鉄っちゃんと話し掛ける仲。
見た目通りに古き良き不良番長みたいな言動をしており、酒を嗜む愛酒家。父親が寿司屋を営んでおり、よく鉄馬が入り浸っている。
長い付き合い故に、鉄馬の暴力衝動の事もよく知っていて無二の相棒と言っても良い関係であり、
鉄馬の凶暴性を復活させた王部に、「鉄馬はお前の玩具じゃない!」と怒鳴りつけたり、そして鉄馬がわざと一人でいる事に悲しい顔を見せるなど鉄馬の理解者である。
ちなみに幼少期は線の細い美少年だった。

  • 溝ノ口の父親
薬物漬けにされた鉄馬を息子と共に発見。その際には鉄馬を抑えながら「子供になんてことしやがる!」と薬物漬けにした鉄馬の父に激怒している。
現在でも口喧嘩をし嫌々ながらも鉄馬の面倒も見ており、ペドロを匿うことも引き受けている。

  • 千堂竜大
高校時代の付き合いであり、溝ノ口のおそらく次ぐらいには古い付き合いの男。大きく裂けた口をしているのが特徴。
校内で伝説的な先輩である不良達を一緒に見に行った際に、暴力のスイッチが入った鉄馬が喧嘩を始めて仕方なく一緒にやりあう事となる。
死ぬ思いをしながらも鉄馬と共に、先輩達全員を叩きのめした後。鉄馬の労いの言葉を掛けられた事で、鉄馬に唯一認められた相棒と自認するようになったのか、
新参者が鉄馬に気に入られるたびに敵意を剥き出しにするようになる。*14厄介ファン

  • 王部信成
悪軍連合の設立者であり、鉄馬の暴力性に惹かれていた男。
タチの悪いことに表の顔は弁護士*15
何の躊躇いもなく殺人や遺体処理の指示を行うなど、鉄馬とは別方向に危険な人物。
型にハマった自分とは違う無法者としての姿に憧れて、ビール瓶で頭をかち割られても頼み込む一途さを見せる。
悪軍連合の番頭*16なので鉄馬派と王部派に分かれた際には、人格の好き嫌いを抜きにして古参幹部の一人である雨宮駿でも王部派に付くという商売上手。
しかし、連合の看板にしたことで鉄馬が大人しくなったのを見て、その暴力性を再び目覚めさせるために絶対厳禁の麻薬の売買に手を出す。
完全にブチ切れて往年の凶暴性を見せ殺す勢いで殴ってきても、昔の悪軍鉄馬が戻ったと大喜びする。厄介ファン
なお平常時の鉄馬からは憎からず思われているようで、ブチ切れた後に正気に戻った後は、王部の期待に応えられなかった事を詫びたり、結果的にとは言え久しぶりに楽しい喧嘩が出来た感謝の言葉を述べたりされる。



俺ぁ~追記すんの向いてねぇんだわ、でもまぁ修正ぐらいなら…我慢できるかぁ~

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最終更新:2024年10月05日 23:50

*1 「俺に知られずにやる分には構わない」とは言っているが、見つかったら制裁がくるので事実上の禁止と言っても良い

*2 幹部の1人である倉掛春人の筋肉がステロイドによるものと見抜いた時、彼の「悪軍連合に多大な金銭的な貢献をしている」という弁解も聞き入れ、「ステロイドの使用は使用者も内臓肥大等のリスクを背負ってやっている」と一見理解を示したかに見せかけて「俺の目の届くところでやった」ということで制裁している

*3 覚醒剤を持ち、刺青があるなどまともな人間には見えない

*4 電話越しに10億持ってこい馬鹿って言えという指示

*5 ぼったくって100万円を請求してきた相手に、分かり難く1000万円とペンで書いたコップの下敷きを渡して、お釣りの900万円を渡せと要求する

*6 幹部級などと言及されたのを計算すると10人以上いる

*7 幹部の一人である梶山丈青はむしろ逃亡を推奨していたりする

*8 相談役の八頭手英二にも断りも入れずにやっていたので王部の完全な独断

*9 勧誘した際にはそういうのが嫌いな鉄馬からビール瓶で頭をかち割られたりしたが、諦める事なくしつこく頼んだのでおもしれー奴として認められた

*10 負けた際には一里の義父と義母の指を切り取って送り付ける

*11 これを仕組んだB・Jにとっては「挫折を乗り越えてこそ」という歪んでこそいるが彼なりに一里の成長に期待したがゆえであり、鉄馬に勝利した際には驚愕している

*12 本当の目的は「ぬるくなった」鉄馬にかつてのアウトローの象徴としての強さを取り戻させるため。王部にとっては実のところ自分たちが勝っても負けてもどうでもよかった。それを見抜かれた結果、八頭手英二からこれ以上付いていけない切り捨てられる事となる

*13 一方で薬物漬けにされた後遺症で痛覚を失ってしまっているのではないかという疑いもある

*14 他の幹部達からも鉄馬に気に入られたら竜大に血祭に上げられると認識している

*15 現実でも国内外で反社組織と法曹関係の人間が繋がっている事例はある

*16 作中で言及があるが、悪軍連合の美味いシノギを回すなど経営部分を一手に引き受けていた