虹村凶作

登録日:2025/01/01 Wed 00:00:01
更新日:2025/04/12 Sat 12:51:42
所要時間:約 5 分で読めます





あの本は君の父親が書いたものだ

そしてこの私はその技術を全て受け継いだ
正統後継者である

☆父の後継…
 心が強ぇ
 敵なのか…!?

虹村凶作は超ド級の漫画『ドリトライ』の登場人物である。



【人物】

裏社会の拳闘大会“炎涛拳技會”の120人の会員の一人。29歳。
浅黒い肌と鋭いツリ目が特徴的な青年で、身なりのいい様相をして口調も語尾に♫が付くほど紳士的。

しかしその内面は非常に荒んでおり、極めて危険な精神を持つ。
後述する過去の出来事から常に生命を脅かされるような恐怖を感じており、拳闘で格下の相手をなぶり痛め付けることで安心を得ている。
新人会員を実験と称して嬲り殺しにすることを楽しむ様から、“狂実験”の虹村と呼ばれる。

更に恐怖をかき消すために頻繁に“薬”を打っており、「これに頼らねばやっていけなくなってしまった」と言うほどに依存している。
劇中で“薬”を打つシーンが数回描かれているが、その度にツリ目が90°に達するようなものすごい顔芸を披露し、まるでホラー漫画のワンシーンのような禍々しい絵面になる。

元は商人の息子で家業を継ぐ予定であったが、商才はなかったらしい。


♫過去

戦時中は満州へ出征し、青空の父・大神夕日の分隊に所属していた。
休息の合間には夕日から拳闘の稽古をつけてもらい、このときに夕日の拳闘の極意を教わって様々な“技”を身に付けた。
虹村を含め分隊の仲間たちも夕日を慕い、彼の説く“心の強さ”を支えにしていた。

しかしある日、戦場で奇襲を受けて傷ついた仲間たちは駐屯地への帰路の中でついに心が折れてしまい、気づけば互いに殺し合いを始めるほどに抑え込んでいた恐怖や不安が爆発してしまった。
尋常ならざる叫び声を聞いた虹村が駐屯地から様子を見に行くと、そこには仲間たち全員を殴り殺した(ように見える)夕日が一人立ち尽くしている姿があった。

その大神夕日という存在に心の底から恐怖を感じた彼は軍務も何もかも投げ出して駐屯地から脱走。
漁村の村人を殺害して船を奪い、運良く日本まで逃げ延びた。
そして下関の浜辺で身を隠しつつ終戦を迎えた。

夕日は満州で戦死したとタカを括って安心していたが、ある日町中で偶然夕日の姿を見かけてしまう。
恐怖の象徴を再度目にした彼は一目散に逃亡。東京まで流れ着き、色々と金策を練ったが上手くいかなかったようで、拳闘で賞金を稼ぐようになり今に至る。


【戦闘能力】

拳闘のチャンピオンである大神夕日から技を受け継いでおり、実力はかなり高い。
炎涛拳技會の会員の中でも賞金8万円を誇り、作中でも上位の戦闘能力を持っていることが窺える。

また“実験”によって人体の弱点なども熟知していると思われ、高い拳闘の技術を存分に発揮できるものと考えられる。


♫技

  • 瀑受転巌(ばくじゅてんがん)
攻撃してきた相手を一瞬のうちに弾き飛ばすカウンター技。
実態は普通のクロスカウンターだが、彼は夕日の正統後継者を名乗るだけあってノーモーションで目にも止まらぬ早さで繰り出すことができる。


【活躍】

初登場は第9話「正統後継者」。
黒岩が青空の対戦相手を手っ取り早く見つけるため、彼を殺してぇ奴を募集した際にいの一番に名乗り出る。

その場にいたレフェリーを適当に煽ったかと思いきや、挑発に乗って殴りかかったレフェリーを一瞬のうちに吹っ飛ばしてみせた。
そして“大神”に復讐すると意味深なことを言い残し、二週間後に試合をすることを一方的に決めつけて去っていった。

数日後、“技”を習得するために修行に励む青空の前に姿を現して彼の父・大神夕日の正統後継者と名乗る。
父を知っているのかと問う青空に対して前述した過去の出来事を語り、大神の血がいち早く絶えることを願っているといって形見のお守りを燃やした。
止めに入った生野と一触即発の状態になったものの、“薬”を打ってハイになった様子を見て戦意を喪失したためその場ではお流れとなった。

そして試合当日。やる気のなさそうな顔をした部下の紙吹雪を受けつつリングに上がり、体格・技術・経験の全てにおいて劣っている青空に優位に試合を進めていく。
だが青空に心の弱さを見抜かれて動揺し、更に何度倒れても心の強さで立ち上がって戦う彼の姿を見て恐怖(青空夕日)を感じとる。

恐怖に囚われた虹村は部下の懐から“薬”を奪い取って打ち、失格を宣言したレフェリーの目を潰すという凶行に走る。
顔芸の域を越えて作画がバグるほどに完全にプッツンした様子で噛みつきなどの反則技も交えて青空に襲いかかるが、戦いの中で覚醒した彼には全て冷静に見切られてしまう。
どこからか取り出した凶器での攻撃も見切られ、真・瀑受転巌をモロに喰らってついにダウン、停止した。

そして父について知っていることを問い詰められ、最後に下関辺りで目撃したことを伝える。
しかしその直後、ドーピング、審判への攻撃、反則技や凶器の使用など度重なる違反行為により、その場で運営から銃殺刑に処されてしまった。
それでも虹村は怯えきっていた先ほどとはうって変わって満足げな顔をしており、ついにあの男から逃げ切って恐怖から解放されることに安堵の表情を浮かべながら死亡した。


【余談】

  • ジャンプ本誌掲載時、彼が登場する回の煽り文がやたらとノリノリなものが多かった。
    項目冒頭の台詞が出た第9話の「父の後継… 心が強ぇ敵なのか…!?」が特に有名だが、他にも第10話冒頭の「因縁MAXの怪しい相手!!」や第11話の「恐怖しやがれ!虹村ァ!!」もなかなかノッている。

  • ネット上で『ドリトライ』のシュールさやシリアスな笑いがネタにされてネットミームとなった際には、キャラの濃さや強烈な顔芸、そして上記の煽り文から真っ先にネタにされた。
    ドリトライ構文などと呼ばれたそれらは虹村関係のものが大半を占めていた。
    • たまに間違われることがあるが「正後継者」ではなく「正後継者」が正しい表記である。

  • 例の正統後継者を名乗る際のコマ(通称:正統後継者のポーズ)は、本誌掲載時には手の向きが逆になっている作画ミスがあったが単行本にて修正された。





☆追記・修正…心が強ぇ項目なのか…!?

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最終更新:2025年04月12日 12:51