クッパ(沢田ユキオ版スーパーマリオくん)

登録日:2025/09/08 Mon 22:29:34
更新日:2025/09/16 Tue 05:07:46
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本項で紹介するクッパは、コロコロコミック連載の漫画『スーパーマリオくん』、通称「沢田マリオ」に登場するキャラクターである。

概要

お馴染み、マリオの宿敵にしてクッパ軍団の大魔王。
作中では専らピーチ姫を攫い、マリオたちと敵対するが、ピーチ姫を救うためにマリオたちと協力したり、時にはすごろくやゴルフなどで遊ぶこともある。
敵対時は圧倒的パワーや悪知恵を駆使してマリオたちを苦しめ、協力時はマリオたちと共に勇敢に敵に立ち向かうが、自爆して墓穴を掘ってしまったり壮絶なバトル中に謎のボケをかましたりと良くも悪くもマリオと並んでコミカル。

同時に特筆すべきなのはメインキャラの中でも特にデザインの変化が大きいことだろう。
具体的にはふっくらと丸みを帯びた全身のシルエットに加え、顔面・目・口がデフォルメされて大きく描かれ、ギャグ顔適性も相まってどことなくユーモラスで愛嬌のある出で立ちになっている。

人物像

一人称は連載初期の「スーパーマリオワールド編」から「スーパーマリオ3Dワールド編」までは主に「ワシ」、稀に「オレ」あるいは「オレさま」、「スーパーマリオオデッセイ編」以降からは「ワガハイ」。また自身への愛称として「クッちゃん」を使うこともある。

本人はお茶目と自称しているが、実際は粗暴でワガママで意地悪にして狡猾、それでいてマリオと同じくらい底抜けのバカでアホでマヌケな暴君。
そのおバカっぷりたるや、「NewスーパーマリオブラザーズWii編」の最終決戦において、自分を落とすスイッチを押そうとするマリオたちを払いのけたのにも関わらず、自らそのスイッチを安堵しながら押してしまうという清々しい自滅っぷりを見せたほど。*1

マリオとは普段は敵対しているが、「マリオとワリオ編」や「スーパーマリオRPG編」「ペーパーマリオRPG編」終盤や「スーパーペーパーマリオ編」「ペーパーマリオ オリガミキング編」などでは「ピーチ姫の救出」を主とした利害の一致で彼と協力することがある。
気の迷いや成り行きで足を引っ張り合うこともあるが、一方で「スーパーマリオUSA編」最終話でマムーに対し「マリオはオレの獲物だ!お前にはやらん!」と啖呵を切り、「ワリオの森編」最終話では「マリオはワシが倒すんだもんねー!」と言いつつもマリオたちに助け船を渡し、「ペーパーマリオRPG編」では自身の甲羅の中にマリオと仲良さげに殴り合う写真を大事に納めていたりと、マリオを生涯のライバルと認識している印象的な言動が多い。
他にも「スーパーマリオ オデッセイ編」ではマリオ・ピーチと月の地下に閉じ込められた窮地にて自身へのキャプチャーをマリオに提案したり*2、「ペーパーマリオ オリガミキング編」ではマリオに助けられたと思って友情を感じるといったシーンも見せることもあった。

ピーチ姫に対しては彼女のことを「ピーチちゃん」と呼んだりと甘々のデレデレで、原作シリーズと違い彼女を攫う動機は「結婚して自身の妻にするため」でほぼ一貫している。
「スーパーマリオワールド編」特別編や「スーパーマリオオデッセイ編」の終盤では結婚式の挙式中にマリオたちが乱入して阻止される展開が多く、また挙式する際は必ずと言っていいほどピーチではなく自身がウェディングドレスを着用して登場するというギャグを用いる。
一方でさらってからの彼女には、強気に出られないこともあってか、ノリ良く尻に敷かれたり作中屈指のフィジカルで城や軍団をかき乱されたりすることもしばしば。
一方で「スーパーメイズコレクション編」では5回目のピーチ姫の誘拐に嫌気が差したマリオが「もうピーチ姫を助けに行かない!!」と言い出した際はそれを聞いてキレてマリオに岩を投げつけるピーチにドン引きしながらも「助けに来ないとピーチ姫の命はないぞ!」と脅迫してマリオをその気にさせ、終盤ではピーチを囮に城に仕掛けた爆弾で彼女もマリオたちと共に爆殺しようと置き去りにするという非情な行為を働いた他、「マリオパーティ2編」や「マリオパーティ3編」ではお邪魔キャラとしてマリオたちもろとも攻撃対象に入れたり自身が用意したミニゲームに巻き込んでいる(…とはいえ魔法で動物に変えて無力化したり強制的にリタイアさせるぐらいに留めるのみで直接危害を与えるような真似はしていない)。

成金の格好で「金持ちのクッちゃん」と自称したりと羽織りのいい態度を見せることがあるが、「スーパーマリオワールド編」でタタンガから『スーパーマリオランド』の敵キャラをレンタルする際、「1匹100円!全部で5000円!」とレンタル料を請求するタタンガに対して「高い!50円にしろ!」と値引き交渉を行うなどドケチなところもあり、正月では部下たちにお年玉をあげる際は「お年玉をやるのはマリオを倒したヤツだけだ!」と条件を提示している*3。また「スーパーマリオワールド編」ではクリボンが「軍団の給料が安すぎる」との理由からアイテム売りのアルバイトをしていたり、クッパとピーチ姫との結婚式では予算不足からタキシードとウェディングドレスが看板だったりと、寧ろ経済事情は芳しくない事が伺える。
なお、「ヨッシーアイランド編」では部下にコインを集めさせているようで、部下たちがコイン集めをやらなくなった際は一気に貧困に瀕していた。

部下への扱い

普段はワガママ放題を働いて部下をコキ使ってばかりいる。特に連載当初の「スーパーマリオワールド編」は「粗暴な悪の大魔王」としての側面が強く、失敗したアッパレを「グリグリの刑」や「カベぺっちゃんの刑」などで部下への見せしめとして折檻したり、逃げ帰ってきたブンブンたちクッパ第2軍団をモーニングスターで制裁した上で3軍への降格処分を下すなどの恐怖政治を敷いている*4のが特徴的。
また戦いを好まない気弱な者*5やあまりにもマヌケすぎて失敗ばかりの者*6、戦力にならないぐらいに弱体化した者*7などは「不良品=戦力外」としてゴミ捨て場へ追いやったり、軍団から追放することもある。

このような調子なので、当然ながら部下たちには表面上は忠誠を持たれつつも何かの拍子に掌返しされる程度には恨まれている。
その結果、ピーチ姫に強いところを見せようと手加減するよう耳打ちしつつも部下たちの攻撃に耐えるという提案を受けた際は「日頃の恨みを晴らすチャンスだ!」容赦ない集団リンチに見舞われた*8他、チョコレー島に配備されたトゲゾーたちから「ドケチでインケンでスケベで無能でドジでブサイクでほんっとどーしようもねーよな~!!」と陰口を叩かれ、「マリオ&ルイージRPG3!!!編」の番外編では秘書のクリボーがクッパのワガママに嫌気が差してマリオたちに寝返ることを画策し、「マリオカート7」を題材にした特別編では優勝者はセンターで歌って踊れる次回主役になれるという報酬を耳にした途端に周囲を固めていたノコノコ・ヘイホー等の手下たちから総攻撃を食らう、などといった醜態を(ほぼ自業自得だが)晒すことが少なくない。
また、「スーパーマリオワールド編」では相手が動けなくなろうが執拗に攻撃する超絶サディストな巨大トゲゾーや見境なく暴れまわるホネメットといった自身の手に余るほど狂暴かつ凶悪な部下には厳重な封印を施す場合もあった。

しかしその一方で「マリオ&ルイージRPG3!!!編」で囚われたクリボーたちを「大切な部下」だと救出せんと奮闘するなどなんだかんだで部下を大切に想っており、また戦力外として追放した部下でも手柄を立てれば素直に褒め、さらにマリオたちを倒せば軍団復帰を約束するなど徹底とした実力主義な側面を見せることもある。

戦闘能力

原作同様にクッパブレスや豪腕から放たれるパンチなどでマリオたちを苦しめるなど大魔王に恥じないパワーを誇るが、時には自身が有利に進めるために細工や不意討ちなど手段を問わない狡猾な手口を執ることもある他、レースやテニスなどのスポーツ関連・並びに一部『パーティ』シリーズ編のミニゲーム対決ではコースの先々でトラップを仕掛けたりルールガン無視な工作を展開することが多い。
中でも「スーパーマリオ64編」では、NINTENDO64を操作してマリオのこれまでのセーブデータを消去するというとんでもない暴挙に出た事がある。

わんぱっくコミック版のクッパ

かつてわんぱっくコミックで連載された『マリオくん』の前身ともいうべき漫画『スーパーマリオブラザーズ2』に登場するクッパは基本的な役回りは『マリオくん』と同じだが、腹心であっても「当てになんかしてない」と切り捨てたり、役立たずと判断した部下を躊躇なく粛清するなど『マリオくん』に比べると冷酷な悪の大魔王の面が強調されている。

ピーチ姫を攫う理由として「幼い頃の想い人の魔法使い・メロンにそっくりだったから」と挙げており、魔法も彼女から師事を受けて使えるようになったと述懐している。本人曰く「メロンちゃんとは1000年以上過ごした」とのこと。
ベビィクッパに相当する幼少時代のクッパは泣き虫なチビガメで、いつもノコノコたちに虐められてばかりでその都度メロンに助けられていた。その過程でメロンから「いつまでも泣いてばかりの子は嫌いよ」と窘められたことでノコノコたちに負けないくらい強くなることと彼らを束ねる大魔王になることを宣言し、彼女の許で魔法の師事を受け、現在のクッパ軍団の首魁へと生まれ変わるに至るが、それと同時に良心が封じられ悪心が芽生えてしまった。

最後の戦いではメロンの「悪の心に染まったクッパちゃんを助けてほしい」という懇願によって勇者へと覚醒したマリオと対峙するも、本物のクッパはマリオ2最終回手前で後述のにせクッパと交代。戦いはマリオ3へ持ち越されたが、掲載誌休刊の影響でマリオ3は2話で終了し、真の決着が描かれることはなかった。

にせクッパ

クッパ城に突入したマリオたちが魔法使いカメカメのリセット魔法によって一旦キノコ王国へ飛ばされている間にクッパが別のクッパ城へ避難する際に用意した影武者で、原作での最終ステージに登場するクッパ・アオに相当するキャラクター。
外見は本物のクッパと寸分違わないが、額に大仏さまみたいに黒子がある。

最終回では前話との間に密かに本物のクッパとすり替わっており、巨大化し激しい激突を繰り広げた末、最後はマリオが持つ勇者の剣で胸を貫かれ、悪の心を消滅させられたことで改心した。

追記・修正はピーチ姫にチャンピオンベルトのような指輪をプレゼントしてからお願いします。

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最終更新:2025年09月16日 05:07

*1 これを踏まえて、「スーパーマリオ3Dランド編」においてはスイッチをセメントでガチガチに固める対策を施している。

*2 クッパへのキャプチャーは原作でも同状況で行ったが、そちらでは気絶したクッパに帽子を被せることで一方的に行っている。

*3 その結果「誰がマリオを倒すか」で言い争いが発生し、危うく仲間割れが発生しそうになった

*4 後者に関しては1軍の昇格を約束しており、憤慨した理由についても「逃げ帰ってきた」ことを挙げている

*5 「スーパーマリオワールド編」の弱虫インディなど

*6 「スーパーマリオ64編」のガマクチクン・キラーブック・キラーピアノからなるボケモントリオなど

*7 「スーパーマリオ64編」でマリオに二度に渡って倒され、マリオたちの足元にまで小さくなったバッタンキングなど

*8 前述でクッパから折檻されたアッパレも「さっきはよくも~!」と仕返しとばかりにリンチに加わっていた