登録日:2025/09/15 (曜日) 21:23:10
更新日:2025/09/16 Tue 06:04:30NEW!
所要時間:約 17 分で読めます
MILGRAMとは、『
Caligula』シリーズ等で知られるゲームプロデューサーの山中拓也と、『ラビットホール』『ヴァンパイア』などを手がけたボカロPのDECO*27による視聴者参加型メディアミックスプロジェクト。
ストーリー
ここは正体不明の監獄、ミルグラム
あなたは監獄の看守です。ただしあなたには記憶がありません。
収監されているのは10人の囚人。
ただし、彼らの罪はわかりません。
あなたの仕事は、彼らを管理すること。
ただし、彼らの罪を赦すかどうか選択すること。
彼らに共通するのは、『何者かの死に関わったこと』
それだけがわかっています。
あなたは彼らの楽曲から【真相】と【理由】を考察し紐解いていきます。
全てを知ることで、あなたが今まで囚人に抱いていた愛着ににた印象は反転するかもしれません。
囚人たちが犯した罪は少しずつ明らかになっていきます。彼らがその罪に対してどう考えているのかも。
「過去は過去、今の彼らが好きだから大丈夫。」
「絶対に許さない、何故のうのうと生きているのか」
どちらの反応も当然のもの、あなたは看守、囚人たちの行末を決める権利がある。
あなたは彼らを
赦す。 赦さない
(公式HPより)
システム
視聴者が監獄「ミルグラム」の看守「エス」となり、期間中に公開される楽曲、ボイスドラマ、尋問等から、収監された10名の囚人を「赦す」か「赦さない」かを決定する。
実際に行われている三審制にのっとり、「面会」「観察」「審判」「処置」の4つのフェーズからなるシーズンを1人ごと、合計3回行う。
面会
ミルグラムでは囚人の心象風景が楽曲と映像として抽出される。
その抽出された映像と曲がMVとしてYoutube上に公開され、そこから彼らの心情に触れる。
各シーズン、キャラごとにMV付きの曲が1つ公開されていき、看守である視聴者はそれを聴くことで彼らの心境と罪の捉え方を垣間見ることが出来る。
シーズンが進むごとにその囚人のの内面と犯した罪、そしてその罪をどう考えているかにより踏み込んだ内容となっていく。
また楽曲の公開と同時にボイスドラマも公開される。
ボイスドラマは看守のエスによる各囚人への尋問という形式で行われる。
楽曲の抽出はこの尋問の直後に行われているため、楽曲を考察するにあたりボイスドラマも重要な手がかりとなる。
このボイスドラマを聞くか聞かないかで印象が大きく変わる囚人もおり、興味がある方は曲に加えてボイスドラマも聴くことをおすすめする。
観察
公開されたMVを元に彼らの罪、心境を考察する。
曲、映像の細部まで観察し、時に他人と話し合いながら考察を深める。
あわせて募集した質問を実際に囚人に投げかける「尋問」が行われる(通称 紙尋問)。質問の募集は公式アプリにて行われ、公式Xや公式アプリ上にて解答が公開されている。
今の心境や犯した罪についてはもちろん、家族構成、趣味嗜好などについても聞くことができる。MVから読み取れない情報や、囚人たちの手書きによる解答という形式のため、キャラの心境が筆跡にも表れてくるなど、より深く囚人たちを理解できる。
審判
今まで得た情報をもとに、1日1回、その囚人を「赦す」「赦さない」のどちらかに投票を行う。投票は公式HP,アプリのどちらかから行うことが可能。
「赦す」「赦さない」の基準は看守たる視聴者に任されており、倫理、法律、感情、性癖、何に基準をおいても良い。顔が好みだから赦す、なども全て看守であるあなた次第である。
処置
投票の結果赦す、赦さないが決まり、それに応じて囚人たちに処置が行われる。
赦された囚人には「思想の肯定」、赦されなかった囚人には「思想の否定」と「身体的拘束」が行われるとされている。
これらの処置により囚人たちの心境、関係性が変化していき、それに合わせて楽曲も変化する。
看守の選択により囚人たちの運命は大きく変化していき、選択によっては囚人同士で事件が起こる。
その事件に対してどう判断するかも看守であるあなた次第である。
ミルグラムでの裁判中に亡くなった場合、その囚人の楽曲の公開や尋問は当然行われず、楽曲公開のタイミングでそのキャラが亡くなる直前の映像がYoutubeに公開される。
キャラクター
監獄の管理人
エス
「僕にはこの監獄を管理する義務がある」
CV:
天海由梨奈
主人公であり、あなたの依代となる存在。
記憶がなく、気づいたときには監獄『ミルグラム』の看守となっていた。特に己の出自に疑問も意思も持っておらず、ジャッカロープから聞かされるままに、日々看守としての役割を全うしている。エスは、囚人たちの犯した罪とその理由を解き明かし『赦す』『赦さない』を判断するため、彼らと触れ合っていく。
儚げで美しい容姿をしているが、性別は不明。
(公式HPより)
主人公であり、看守であるあなたのアバターのような存在。
囚人たちを管理し、尋問等を通じて彼らの赦す、赦さないを決めるのが役割ではあるが、投票が行われていない期間は意識を失っているかの様な描写がある(尋問の際囚人たちに「久しぶり」と呼ばれるなど。)
当初は看守として冷静かつ淡々と仕事をこなしていたが、尋問を通して囚人と親交を深め、彼らへの愛着とミルグラムへの疑問を抱いていく。
ジャッカロープ
「よぉくかんがえて選ぶこと、おめぇが、いやおめぇらがやることはそれだけだ。」
CV:
福山潤
ツノの生えた野うさぎ。
アメリカのワイオミング州に棲息すると言われるUMAのはずだが、何故かエスと共に監獄の看守をしている。
『ミルグラム』の案内役も務めており、エスに監獄のことや看守の仕事を教えてくれる存在。
人語を介し、おしゃべり好きでひょうきんな性格。だが、その声はエスにしか聞こえていないようだ。
(公式HPより)
ミルグラムの案内役であるUMA。記憶をなくしているエスに看守としての役割を教える。
基本的には明るく振る舞うが、ミルグラムで起こる殺人も含めた様々な事件もあっさりと認め楽しんでみせるなど悪辣さものぞかせる。
監獄の囚人たち
ハルカ/櫻井遥
「馬鹿でごめんなさい!」
CV:
堀江瞬
常に伏し目がちの物静かな青年の囚人。
最初はエスの問い掛けにも一言二言つれない言葉を返すだけ。面会を通して心を通わせることで、徐々に口数が増えていく。 会話が成立するようになると、彼の本来の気質である優しい性格が伺えるようになる。
気性はおとなしく、ミルグラムの環境にも不満の色は見せない。エスや他の囚人とも苦手なりにコミュニケーションをとるがどこかズレておりいまいち噛み合わない。
(公式HPより)
囚人番号001。おとなしく、他の囚人たちに対してもおびえているような様子を見せ、小動物や子供であるアマネにもおびえる態度を見せていた。(ミコトいわく「虫も殺せなさそうな性格。」)
会話をしてもいまいち要領を得ない事が多く、彼の心象から抽出された曲には「歌詞に簡単な漢字とひらがなしか使われていない」という特徴があるが…?
第三審の楽曲公開のタイミングでPVが公開され、罪の内容も明らかになった。彼の犯した罪は少女を殺害したこと。彼は学習障がいを抱えていたが、過保護な両親はそれを認めることができず彼は適切な療育を受けることができなかった。
結果として彼は高校生の段階で小学校低学年レベルの読み書きや計算しかできない状態となっており、彼の歌詞のギミックもこれを反映したものとなっている。
そんな彼に対し親は過保護から反転して無関心となっていく。
親が自分への興味を失っていく中で、彼は関心を引くために母親の大切にしてるものを盗み出すなどの行為に及ぶようになり、それはだんだんとエスカレートして他の家のペットなどを殺害するという行為に及ぶ。小動物を殺害することで自分より劣っている命があるということへの安心感を感じ、ペットが殺されたことで泣き叫ぶ他人を見て「世界とつながっている感動」を感じた。
犯行はすぐ警察に発覚することとなる。自分のために警察に呼びだされた親をみて失神するほどの興奮を感じた彼は、警察から解放されたその日に親からはぐれた子どもの首を絞め殺害した。
ミルグラムでは一審にて赦されたが、監獄内で自分に関心を向けてくれるムウと共依存関係となっていき…
ユノ/樫木優乃
「…今までどうでもいいと思ってたとおもう。。…一緒に居すぎたね、私たち。」
CV:
相坂優歌
清楚な見た目の女子高生の囚人。 おっとりのんびりマイペースな性格の美少女。意外と空気が読め、周囲との軋轢を産まない器用さもある。すぐに金銭を要求する冗談を言うクセがある。人との距離の詰め方が早く、エスに対しても最初からかなりフレンドリー。
特別扱いを好み、贔屓されると素直に喜ぶ。誰のどんな話でもニコニコ聞いてくれるが、暑苦しい精神論のようなものは嫌い。
(公式HPより)
囚人番号002。フレンドリーであり、最初の尋問でもエスをからかってみせるなど明るく振る舞っていた。
ふざけてるように見える一方で監獄内の状況をよく観察し、ミルグラムのシステムを「看守が赦す、赦さないを決めるミルグラムは結局個人の好き嫌いでしかない」と述べるなど、どこか冷めた目で見ている面もある。
第一審で抽出された曲「アンビリカル」は「へその緒」という意味であり、曲にも「繋がり」を連想されるワードが使用される。
第二審「TearDrop」は一審で赦されたことに対し、嫌悪感のようなものが表され、MVでも彼女の行動がよりはっきりと描かれる。
そして第三審「ライフ」では今までの彼女の心境がストレートに表され、ある人物の影響を受けてか曲調もやや変わっている。
第三審MVの発表に合わせ、罪の内容が公開されている。彼女の犯した罪は胎児を堕胎した事。彼女の昔から人の顔色を読むのが得意で、どういうふうにすれば大人が喜ぶかを何となくわかっていた。そのため特に人間関係で問題を起こすこともなく、品行方正であるとの評判を得ていた。そんな普通の学生生活を送る一方で彼女は、社会で生きていくことに対するつまらなさと面倒さを募らせていくこととなり、その不満を誰にも明かさず、だんだんと心を冷めさせて言った彼女は、援助交際に手を出していった。上辺と本音を使い分ける社会の関係よりもただ欲と嘘でつながる援助交際のほうが彼女にとっては快適な関係性だったのである。
援助交際を繰り返した結果、ある日彼女は妊娠する。当然相手は誰か分からないが、これから自分に起こることは容易に想像できた。
頭が混乱する中で、朦朧とした彼女は屋上から転落事故を起こし、胎児のみが死亡、彼女は生存した。
尋問中などに覗かせていた冷めた様子も彼女の人間関係や社会に感じていたつまらなさから来たもの。そんな彼女の心も、ミルグラムでマヒルと出会ったことで変化していくこととなる。
フータ/梶山風汰
「悪いやつ、発見…」
CV:
ランズベリー・アーサー
意志の強そうなツリ眼が特徴の青年の囚人。
ミルグラムの面々の中ではもっとも直情的で気性が荒い。
正義感が強く、間違ったことに対しては強く反抗する。エスに対しても正当な権利を主張し、待遇の改善を要求してくる。
感情の起伏が激しく言葉も強いため誤解されがちだが
悪人ではなくむしろ善人で小心者。
(公式HPより)
囚人番号003。説明の通り直情的な気質であり、ミルグラムに対しても「プライバシーの侵害」と不当を主張する、看守にも暴行を加えようとするなどの行動を起こしているが、「人殺しはしたのか」と聞かれると途端に弱気になるなど、小心な部分を覗かせる。
曲はロック調の勇ましい曲調であるが、「事変上等」では曲、MVとも勇ましく悪と戦っているような内容だが、「バックドラフト」では彼の様子に変化が生じ、第三審、「天晴行進曲」では…
「悪いのは俺だけじゃない」という発言や、MV、ボイスドラマのタイトルは「火」をテーマとされており、彼の罪や内面を表すと考えられるが…
第三審MVの発表に合わせ、罪の内容が公開されている。彼が犯した罪はインターネットの炎上を扇動したことにより少女を自殺に追い込んだ事。確かな目標もなく、退屈していた彼は、ある日飲食店店員の不適切行為の動画を見つけ拡散、企業に謝罪文を出させたことをきっかけとして、炎上系インフルエンサーとして活動を開始した。ネットで「悪いやつ」を見つけて拡散し私刑を加えることにかれは自分の正義感が満たされ、良いことをしていると思っていた。
ネット上で有名人となった彼は、とある女子中学生の投稿を見つけた。彼女は大した悪事をしてなかったが、彼はこれを炎上させられると直感した。何故なら彼女は非常に美しかったから。同類の性質を知り尽くした彼は瞬く間に彼女のSNSを炎上させ、彼女の個人情報を特定すると、彼の近所に住んでいることが発覚。自宅への凸行為などを行いさらに炎上を加速。
ある日彼が家の前を通ると、彼女の家で葬式が行われていた。
彼が「俺だけじゃない」と言っていたのは誰の書き込みが直接のきっかけとなったかは分からないため。ただ炎上を起こしたのはフータのため、間違いなく元凶の一人ではある。
虚勢を張り、自らの罪に対して責任転嫁をしてきた彼は第一審で赦されず、コトコの襲撃を受け、カズイの救援もあり一命は取り留めるものの右目を潰される重傷を負う。傷を負い、罪と向き合い、救いを求める彼がたどり着く先とは…
特に第三審の彼は曲だけ聴くのとボイスドラマを聴くことで印象が大きく変わる。気になる方はぜひ。
ムウ/楠夢羽
「ひどいよ…」
CV:香里有佐
日本人離れした透明感のある容姿の美少女の囚人。
線の細い見た目に反して思ったことはハッキリというタイプで、ミルグラムという異常な状況に反抗している。エスに対して最初は強い警戒心を持っている。
ひとつひとつの所作には育ちの良さを感じさせ、おそらく裕福な家庭に産まれたであろうことを想像させる。そのせいかプライドが高く、他人と衝突するとすぐに涙ぐんでしまい弱音を吐きがち。
(公式HPより)
美しい容姿の少女。ミルグラムに着いた直後は警戒心をあらわにし、周りの囚人にもおびえている様子を見せていたが、第一審が終わるころには、ユノに誕生日を祝うように要求する、何でも言う事聞いてくれるからという理由でハルカと友達となるなど、自分勝手な側面も見えるようになる。
裕福な家庭の生まれらしく、同じく山中拓也氏の手がけるWebアニメ『ネガティブハッピイ』に同じく実家が裕福であり、同じ苗字であるという共通点を持つ楠ハナコというキャラがいるが、おそらく関係はない。
曲では第一審「アフターペイン」では自分が消えればよかった、悪いところが自分にもあったなどと否定的な歌詞が並ぶが、第二審「悪くないもん」では一転して自分は悪くない、やってしまったのはしょうがないなどの自分を肯定する、被害者ぶるような者が目立つ。
2025年9月時点で罪の内容は明かされていない。ただ、第一審MVの時点で同級生とおぼしき女子高生をカッターで刺すシーンが描写されており、尋問から彼女の名前が「レイ」ということが判明している。一審では彼女がいじめられていると思われていたが、2審ではムウが他の生徒をいじめているとおぼしき描写がある。彼女のMVは時系列が意図的にねじ曲げられていると考えられており、考察のうえではその点を考慮する必要がある。第一審では赦され、ハルカと親交を深め、共依存関係となる。彼女にとってハルカは「何でも言うことを聞いてくれる友達」とのことだが…
シドウ/桐崎獅童
「俺は死刑を望んでいます。」
CV:
仲村宗悟
長身で柔和な表情の男性の囚人。
ミルグラムの中では比較的年長者ということもあり、冷静で落ち着きはらっており大抵のことでは動じない。
看守に対しても、あくまで年下の子供と認識しているようであやすように子ども扱いしている節がある。状況がわからないミルグラムの中においても、自分が囚われている現状に対しては納得済みであり自ら極刑を望んでいる。
(公式HPより)
囚人番号005。尋問においても「嘘を付くつもりはない」と語るなど、穏やかで冷静な人物。子供好きな一面を持ち、アマネをはじめとした年少の囚人たちにも心配の目を向けている。
趣味は絵を描くことで、紙尋問では実際に彼の描いたジャッカロープや自画像を見ることが出来る。
「体に悪いことをしたくなった」という理由で喫煙者でもあり、カズイ、ミコトとは喫煙スペースでよく交流し、仲を深めている。特に最年長のカズイとはよく話しており、ともに大人として、子どもたちを守ろうと語り合っている。
第一審「スローダウン」では彼とともに多くのドナーカードが宙を舞う様子が描かれており、また人型に花を挿していく様子などから臓器提供が連想される。第二審「トリアージ」では一審から二審に掛けてのシドウの心境変化が強く表れており、また家族がいることなどが明かされる。
2025年9月時点で罪の内容は明かされていない。彼は医者であり、MVや発言の内容から「臓器提供」、「脳死」が関わっているだろうと考察されている。MVにはドナーカードがでてくるシーンがあり、「人の臓器を取り出したことがありますか?」などの発言もある。
妻と子供が2人いたことも明かされており、それも彼が罪を犯したことに深く関わっているのだろう。彼は何らかの形で「命の選択」を行ったようであり、おそらく彼は家族を優先したのだろう。
第一審終了後に起こったコトコによる襲撃事件により負傷したフータとマヒルの治療に医者としてあたり、極刑を望んでいた彼の心境にも変化が生じてくる。しかし一方で、彼による治療はアマネに取っては赦されない行為であり、さらなる事件を呼ぶこととなる。
マヒル/椎奈真昼
「マヒルは…愛のために生きるって、決めたから!」
CV:
岡崎美保
良くしゃべり、良く笑う、太陽のような女性の囚人。
誰に対しても分け隔てなく接し、献身的。女性陣最年長ながら純粋な性格で、嘘に騙されたりからかわれたりするが常にへらへら笑っている。彼女の存在がミルグラムの中で癒しになっている一面も。
面談でよくしゃべることになる看守に対しては特別な思いが芽生えており、普段の明るい表情とは違う寂しそうで大人びた表情を見せることも。
(公式HPより)
囚人番号006。誰にでも明るく優しく話す女性。女性陣最年長の22歳ながら、ゆるく純粋な性格をしている。
尋問では「誰かを愛することの素晴らしさを知っている。」「恋とはいつか爆発するもの」と語り、エスに対し「仕事を真剣にする人が好き」とときめくなど、恋愛に対し強い思いがあることがうかがえる。
第一審「愛なんですよ」では明るい曲調でストレートに好きな人への気持ちがラップも交えて歌われるが、ソファで寝ていた彼女が起きた瞬間、何かを見つけ絶望するような顔を浮かべるシーンで終わる。
第二審「だいすき」では、負傷している状況も反映されてか明るい曲調を残しつつも、ラップパートやMVにネガティブな面が見え隠れし、そして最後には…
現状罪の内容は明かされていない。ただMVの描写等からおそらく彼女の恋人が何らかの経緯で自殺しており、それにマヒルの恋愛感情が関わっていると見られる。MVでのネズミを食べさせている描写やボロボロの服、「愛なんですよ」で多くの衣装を着ているがそれらが全て「本人私物」と書かれていることなど、愛を表すために浪費した結果貧困に陥ってた可能性や、束縛を匂わせるような歌詞から監禁等を行っていたの可能性もある。
第一審で赦されなかった彼女はコトコの襲撃を受け、瀕死の重傷を負う。シドウとユノの2名で彼女の治療にあたることになるが、精神、肉体とも限界に近い状況まで追い込まれる。
シドウの治療がなければ死んでしまう状況に置かれた彼女の運命は…
カズイ/椋原カズイ
「許されたって全部一緒さ。俺が俺を許せていないんだから。…何も変わらない。」
CV:
竹内良汰
ミルグラムの面々の中で最年長の中年男性の囚人。
飄々としており、場を和ますための冗談を口にすることも多い。体格は長身でスマートながらも筋肉質。なにかしらの格闘技の経験があるらしい。
集団の中では柔和で楽天的な人物のように振る舞うが、看守との個別の面会ではまるで何かを観察するような目線でジッと睨みつけてくる得体のしれなさがある。
(公式HPより)
囚人番号007。全体の中の最年長、39歳であり、「嘘つき」を自称する飄々とした男性。
筋肉質な体格をしており、格闘技の経験もあることからおそらくタイマンでは囚人の中で最強。
尋問ではミルグラムを探るような動きをみせ、抽出される曲も抽象的な描写が他の囚人に比べて多く、わかりにくくなっている。
第一審「Half」では演劇に見立てて、かなうことのない恋を胸に秘める苦しみが歌われ、第二審「Cat」では奇術師に扮しながらも、本当に愛されたかった気持ちなど本音と思しき気持ちを吐露している。
2025年9月時点で罪の内容は明かされていない。ただ、被害者は彼の妻であった椋原雛子と明かされている。「感情を優先した結果失敗した」「嘘をつき続ければ良かった」と彼は語っており、彼が感情を優先し、何らかの嘘を付くのをやめた結果として彼女は死んでしまったと思われる。また「普通に産んでほしかった」「普通でないことが苦しい」と語り、第二審MVでも妻の他にもう一名男性が描かれており、その男性に「もしお前のこと好きって言ったらどうする…?」と聞いていることから、確定ではないものの男性が恋愛対象だったのではないか、と考察されている。そして「Cat」という曲名からカズイはタチではなくネコと推察されたりした
一審では赦され、コトコによる襲撃事件ではフータを襲撃したタイミングで駆けつけ彼を守った。結果としてフータは致命傷を負わずに済んだが、カズイは全員を守ることができなかったと悔やんでいる。
普通に戦えばカズイが勝ち、コトコを制圧することも不可能でははずだが撃退にとどまったのはカズイはなるべく傷つけないように加減することなどを考えていたのに対し、コトコは本気で殺しに来たため。
アマネ/桃瀬遍
「私はあなたのほうが間違っていると思います。」
CV:
田中美海
ミルグラムの中で最年少の少女の囚人。
年齢の割に大人びた性格をしており、冷静で礼儀正しい。常に薄く笑みをたたえており、ミルグラムという異常な状況に動揺するそぶりすら見せない。
囚人たちの中で起こる諍いの中でも端っこにちょこんと座り参加しようとする意志はあまりない。大人びた言動とは裏腹に神様の存在を強く信じていたりと子供らしいピュアさがうかがえる。
(公式HPより)
囚人番号008。囚人の中で最年少の12歳。ただ言動は大人びており、「子どもだからといって意思が軽んじられるのはおかしい」と子ども扱いされることを嫌う。
神様の存在を信じ、勉強は娯楽であると良い、肉は食べないなど、 純粋ながら、特殊な環境で育ったことを思わせる。
第一審「おまじない」は子供向け番組のようなマスコットとアマネがMVで描かれており、曲調もポップなものとなっているが、傷ついた猫を助けたアマネに対しマスコットたちが「雷」「水」「打撃」「音」を浴びせるような描写があり、そのシーンの直後にでてくるアマネは目の中に渦巻きが描かれ、背景もサイケデリックなものに変化している。
第二審「粛清マーチ」は曲調や声色こそ前回同様明るいが、「制裁」「ちゃんと喉をつぶしてあげましょう。」など物騒な歌詞が並ぶ。MVでは「おまじない」ではイラストとキャラクターにて抽象的に描かれていたアマネの家庭環境や犯行までの経緯が描かれる。
2025年9月現在、罪の内容は明かされていない。
ただ、MVの描写や尋問等から彼女は、いわゆる宗教2世であり、親から虐待じみた教育を受けていたらしいことはほぼ間違いない。
その宗教の教義については「粛清マーチ」で歌われており、「人は運命を生きよ」「人は卑しきを捨てよ」「信じたものに納めろ」「道を外れずに果てよ」というもの。
医療行為は「神から与えられし試練を奪うもの」として禁忌とされており、その他の娯楽や食事についても大きく制限されている「信じたものに納めろ」はおそらく寄付を推奨するもの。
当然周りから「かわいそう」や「間違っている」などの言葉を浴びせられて来たアマネだが、本人はその純粋さゆえに宗教を信じきっており、「正しくきれいに生きられている自分は幸せ」「間違っているのは周囲の方である」との考えを持つ。
彼女は第一審では赦されなかったが、コトコからの襲撃は受けなかった。(コトコ曰く「時間切れ」。)ただし赦さなかった場合の処置である「思想の否定」により、かえって彼女の思想は強固なものとなってしまう。
そしてコトコの襲撃事件により負傷した者たちへアマネの宗教では禁忌となる医療行為を行うシドウに対し明確に殺意を向けるようになる。
ミコト/榧野尊
「僕が一体何の罪を犯したっていうんだろう…」
CV:
花江夏樹
中肉中背の一般男性。 クセが強めなミルグラムの面々にいつも戸惑ってばかりの常識人。常識人なりに常に状況に対して順応しようとしている。 自分の罪を認識している他のメンバーとは違い、自分が何を犯して囚われているのかが全く分かっていない。何かの手違いで混ざってしまったのだと信じて疑わない。 夜中になってもミコトの監獄からは物音がするため、いつ寝ているのかがわからないと囚人の間で話題。
(公式HPより)
囚人番号009。なぜ自分がここに収監されたのか分からないと語る青年。ミルグラムの中でも常識的な感性を持ち、当初はミルグラムをドッキリの撮影であると疑っていた。
コミュニケーション能力は高く、周囲への気遣いは欠かさない他、距離を詰めるために「マッピー(マヒル)」「カズさん(カズイ)」など人のことをニックネームで呼ぶ。ただ人は選んでいるようで、子供と「近寄りがたいタイプ」については名前で呼ぶ。(それを聞いたニックネームをつけられていなかったフータは「俺はどっちだテメェ」と詰め寄っていた。)
第一審「MeMe」はティザー等で公開されたサビだけ聴くとスローテンポな曲だが、フルで聴くとデスボイスも使われたバリバリの激しいメタル調の部分とスローなバラード調の部分が交互に現れる曲である。MVはミコトについての描写の他、映されたタロットカードなどが考察の材料となる。
第二審「ダブル」はより激しいメタル調の部分が強くなる。MVでは彼が深夜になるまで働かされ、なお帰ることを咎められている様子や、その後彼が電車で起こした犯行が描写される。
彼の独房からは深夜からも物音がするらしく、また第一審の尋問では「囚人は看守に暴力を行うことはできない」というルールがあるのだが、彼にのみなぜかそのルールが適用されず、コトコの救援がなければそのまま暴行されるところであった。
それが意味するところとは…
ジョン
「まだボコられたりねぇみたいだな、看守のガキ。」
CV:花江夏樹
尊が生み出したもう一人の榧野尊。名前はエスが海外での身元不明の男性に着けられる仮称「ジョン・ドゥ」から名付けた。一人称は主人格と異なり「俺」。
周囲に常に気遣いし続けるストレスと、それに加え過労が加わったことで限界を迎えつつあった彼を守るために生まれた人格であり、彼がストレスをためた場合に出現する。犯行もジョンの人格が行ったものとジョンは語っており、ミコトに罪の意識がないのはそのため。
性格はストレスから生み出されただけあって凶暴かつ攻撃的で、最初に出現した際はまともなコミュニケーションは取れなかったが、ミルグラムによる長期の拘束と、一審で許されなかったことによる「処置」よりミコトにストレスがたまっていったことでだんだんジョンの人格でいることが長くなった結果、二審の尋問では普通に意思疎通が可能になっていた。(ただし紙での尋問で見られる彼の手書きの筆跡を見ると非常に不安定である。)パワーについてはミコトの時よりも大幅に向上するようで、一審でミコトが赦されずコトコの襲撃を受けた際も、ジョンの人格だったため撃退に成功している。
罪については「その辺にいたやつ」を殺したと語り、殺した人数は不明ながらジャッカロープの「殺した人数ではダントツ」との発言やMVの描写から観ても無差別に4、5名以上殺害していると思われる。
凶暴な性格をしているが、ミコトを守りたいという気持ちは本物のようで、二審にて、「ミコトを守るためなら何でもできる」と語り、罪を犯したのはジョンであり、自分が消える代わりにミコトを赦せとエスに迫った。
コトコ/杠琴子
「…わかる人には、わかるから。」
CV:
愛美
切れ長の目が特徴の容姿も性格もクールな女性。
長身でモデル体型。ゆるい性格の人間が多いミルグラム女性陣の中で、珍しく論理的で理性的。
頭の回転が早く、弁も立つ。
見た目や言動のせいで一見冷たく見えるが、歯に衣着せない性格なだけで悪意はない。エスよりもミルグラムの面々を観察している節があり情報交換を持ちかけてくることもある。
(公式HPより)
囚人番号010。「弱者を虐げる悪を赦さない」という信念を持ち、エスに協力を持ちかける女性。優れた思考力と観察眼を持ち、囚人側からしか得られないような囚人たちの情報を提供する代わりに、ともに協力して囚人たちを裁こうと提案してくる。
格闘技(テコンドー)の心得があるため女性ながらかなりの戦闘能力を持つ。
ジャッカロープから「一目見ただけでヤバい奴とわかる」と評されており、ハルカやムウなどからも初対面時はかなり怖がられていた。
一審「HARROW」では彼女の「強者として弱きものを助け、弱きものを虐げる悪を赦さない」という正義が歌われるが、「正しさに溺れてたい」という部分に彼女の本音のようなものが見える。
二審「ディープカバー」では彼女は看守に扮し、チェスの駒に見立てた他の囚人たちを砕き罰を与える様が描かれる。歌の中では赦された囚人たちについても罪を責め立てているが…
2025年9月現在罪の内容は明らかになっていない。
ただしMV内に彼女のことを記した記事が写っており、
それによると彼女は一人の少女が男に襲われていたところを助け、結果として男を殺害したようである。
この件について彼女は正当防衛で無罪をを勝ち取っているとしているが、写された記事には殺された被害者が権力者の息子であり、少女の「コトコが守ってくれた」という発言も取り下げられさせているようだ。
MV等をみる限りコトコは以前から現状の法律、制度に不満を感じており、そこから犯罪、事件について独自に調べ、警察等より早くその犯人を見つけ出すということを行っており、それらの犯人たちへの私刑を行っていたようである。
悪人を見つけ出し、それを私的に罰するという点ではフータと類似しているが、手段は決定的に異なり、コトコ本人も一審の尋問で「行いが似ていのはフータだが、一番似ていないのもフータ」と話している。フータの側も二審の尋問で似ている囚人を「コトコだと思っていた」としている。(ただし、二審前にコトコによる襲撃を受けているためフータはその後「あいつはおかしい」とコトコを責めているし、フータは一審の時点で「暴力に訴えるやつはクソ」という考えを表していた。)
第一審で赦された彼女は「エスが自分との協力関係を承認した」と捉え、「エスの代行者」を称して一審で赦されなかったフータ、マヒル、アマネ、ミコトに対して襲撃を行う。
「ディープカバー」のMVはこの時の彼女の心境を表しており、エスのことを「11番目の囚人」として糾弾する内容も含まれるなど、代行者どころか自分が看守にでもなったような心持ちだったのだろう。
前述の通りミコトについてはジョンにより応戦され引き分けという形で撤退、フータについてはカズイが助けに入ったことで撤退を余儀なくされ、アマネについては襲撃を行うことが出来なかった。
全員の粛清には失敗したとは言え、エスにとっても予想外だった彼女の襲撃事件は監獄内の人間関係に大きな影響を与えた。
派生作品
小説
波摘(著)・DECO*27 / 山中拓也(原案)
『MILGRAM 実験監獄と看守の少女』
『MILGRAM2 正当な善なる殺人』
琊依(漫画)・波摘(原作)・DECO*27 / 山中拓也(原案)『MILGRAM 実験監獄と看守の少女』
看守の皆様、追記・修正よろしくお願いいたします。
最終更新:2025年09月16日 06:04