登録日:2025/10/13 Mon 04:30:027
更新日:2025/10/13 Mon 04:42:56NEW!
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イブ=ツトゥル(Yibb-Tstll)は、
クトゥルフ神話大系に登場する邪神。
創作したラムレイの小説内では旧支配者とされているが、後世の資料では外なる神など分類がぶれる。
ブライアン・ラムレイの短編小説『Cement Surroundings』で名前だけが挙がり、『黒の召喚者』(原題:The Caller of the Black)で始めて登場した。
■概要
ヨグ=ソトースと共に、旧神によってあらゆる時間と空間と隣接した特異な宇宙に封じられた旧支配者。ヨグ=ソトースとは近縁関係にあり、バグ=シャーシと共に主と仰ぎ仕えている。
人間の魂を捕食して、体内に取り込み永遠に終わらない責め苦を与え続ける。
『水神クタアト』に記された第六サスラッタを適切な条件の真夜中に、13人の人間が3回連続で唱えることで召喚できる。
最低でも7人の達人が参加して事前に「ナーク=ティトの障壁」で護りを固めていなければ、出現したイブ=ツトゥルは恐ろしい「逆転」を引き起こすことがある。「逆転」が起きると物理的な破壊や、狂人が正気に戻り正常な人間が発狂するなどの変化が引き起こされる。
また、第六サスラッタを唱えるだけで詠唱者の夢の中に姿を見せるようにもなる。
自身を象った偶像を化身として動かす力もあり、偶像自体がそのまま動き出すパターンと、偶像を媒介に霊体として出現するパターンが存在する。
「黒きもの」と呼ばれる血液は本体と独立して行動できる。
第六サスラッタを記した紙を生贄に渡した上で、召喚の呪文を唱えることで黒い雪のような姿で召喚され生贄を溺死させる。
流水は「黒きもの」を払う力を持ち、生贄が水を浴びていた場合は、「黒きもの」は召喚者を溺死させる。
■この神の姿形や特徴について
全身、薄緑色の光を帯びている。
人間に近い体格だが、身長は成人男性の3〜4倍ほどの長身。頭部は腐敗しており赤い目が滑るように顔中を移動し続けている。
外套で覆われた胴体は男性であるにも関わらず複数の乳房が存在し、無数のナイトゴーントがしがみついている。
出現時には常に回転し続けており、移動中もゆっくりと回転している。
■登場作品
特筆ないものはブライアン・ラムレイの作品。
初登場作品。本体ではなく「黒きもの」のみが登場して魔術師に使役される。
- The Horror at Oakdeene(日本語未翻訳)
本体の初登場作品。
精神病棟の患者たちが医師を巻き込み、第六サスラッタの詠唱で召喚を試みて「逆転」が引き起こされる。
旧支配者の中では比較的自由に動ける立ち場であることから、同胞の封印を解く役目を担っている。
旧支配者に通じる大穴が存在するシャドの地下闘技場付近に石像が置かれており、不死を求めた魔術師のブラック・ヨッパロスに儀式を行わせていた。
ヨッパロスには旧支配者の復活後、人類の頂点に立つ存在にすることを約束したが、イブ=ツトゥルが幻視させた未来ではヨッパロス以外の人間は滅ぼされており、生贄を捧げることができなくなったヨッパロス自身も滅びることになると推測された。
幻夢郷の魔術師スィニスター・ウッドが「原初のもの」からイブ=ツトゥルを召喚する方法を学び、石像に化身を宿らせる。
作者はリン・カーター。
登場はしないがナイトゴーントを統べるイェグ=ハに関連して名が挙がり、這い寄る混沌の息子と設定された。
- The Night Music of Oakdeene(日本語未翻訳)
作者はジョセフ・S・パルバー・シニア。
「The Horror at Oakdeene」の後日談であり、新たに赴任した医師が第六サスラッタが書かれたメモを見つけ、患者が怯え大人しくなることからカセットテープに録音して利用する。
病棟の壁などに反響し続けた再生音声が12も重なり、「The Horror at Oakdeene」の主人公の「逆転」した医師が詠唱を行ったことで、13人の人間が詠唱を行う条件が満たされてイブ=ツトゥルが出現しテープを再生した医師を捕食する。
追記・修正お願いします。
最終更新:2025年10月13日 04:42