Numer0n

登録日:2025/10/12 Sun 13:05:30
更新日:2025/10/12 Sun 18:16:35NEW!
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Numer0n」とは、フジテレビ系列の深夜で放送、あるいはdTVチャンネル・ひかりTVチャンネル+でネット配信されていた番組であり、そこで行われていたゲームの事でもある。
表記的には「o」が数字のゼロであり、項目冒頭のようにスラッシュの入ったものが使われる。
ちなみに名前はイタリア語などで「数字」を意味する「Numero」に「人」を意味する「On」を足した造語で、「数字の人」を意味する。遊戯王の方とは無関係。

ℕ 概要(ゲーム)


お互いに設定した数列「ナンバー」を、ヒントを元に推理し合って先に当てた方が勝ちとなる対戦型推理ゲーム。
ボードゲーム好きにざっくりと説明すると、「マスターマインド」や「ヒット&ブロー」、「コードブレイカー」として知られるアナログ推理ゲームを対戦形式にアレンジしたものである。

ℕ 基本ルール

まず2人のプレイヤーはお互いに自分だけが分かる「設定ナンバー」を作る。
番組では3ケタもしくは4桁で、数字の被りはなしというルールで行っていた。

また、ゲーム中に使用する持ちアイテム(後述)があれば、ナンバー作成時に宣言し提示する。
なお0~4は「LOWナンバー」、5~9は「HIGHナンバー」とされ、この種別はアイテムの効果に大きく影響する。

その後何らかの手段で先攻・後攻を決めたら先行プレイヤーターンでゲーム開始。
自分のターンが来たらナンバーコールをするか、攻撃アイテムを使用する事ができる。

ナンバーコールをする場合、相手の相手の設定ナンバーを推理し、
必ず相手の設定ナンバーと同じ桁数の番号をコールする。
コールされた相手は自分の設定ナンバーとコールナンバーを比較して、以下の判定を下す。

  • 数字が含まれ、かつそのケタの位置も合っている → EAT
  • 数字が含まれるが、ケタの位置が違う → BITE
例)設定ナンバー「963」に対して「361」とコール → 「1EAT-1BITE

ナンバーコール後、防御アイテムを持っていればそれを使用することができる。
防御アイテム使用後、あるいは未使用を選択したら、相手のターンに移り、同様に攻撃を行う。

これを繰り返し、ナンバーコールで全てのケタがEATする=先に完全に相手の設定ナンバーを的中させれば勝利となる。

ℕ アイテム

プレイヤーは持っていればゲーム中にアイテムを使用する事が可能。
基本的にゲーム開始前に自分が使いたいアイテムを決め、持ちアイテムとしてストックする事になる。

アイテムは攻撃アイテムと防御アイテムの2種類に大きく分けられ、それぞれ使用タイミングは先述した通り。
1ターン中に使えるアイテムの制限はなく、複数使用可能。またアイテムを使ってもナンバーコールは行う。

攻撃アイテム

通常のナンバーコールでのヒントとは別に、相手の設定ナンバーのヒントを得ることができる。
使用タイミングは自分のターン中、ナンバーコールをする前であれば何個も使用可能。

DOUBLE

1ターン中に2回ナンバーコールができる(通常の物に追加で1回コールできる)。
が、代償として相手が指定する1桁の中身をオープンしなければならない

効果に対して代償がかなり大きく、特に候補が出そろっていない序盤で数字の種類も位置もオープンされるのはかなり痛い。
よって使いどころとしてはお互いに候補が絞り込めた終盤戦となる。
こちらがあと数択にまで候補を絞り込めていれば、これを使う事で相手の攻撃チャンスが来る前に仕留められる可能性が大きい。

HIGH & LOW

相手の設定ナンバーの並びを「HIGH」と「LOW」で知る事ができる。
例えば設定ナンバー「963」なら「HIGH-HIGH-LOW」となる。

文句なしの強アイテムその1。
単純に各桁の数値の範囲を絞り込むことが可能で、初期状態で使っても一気に候補数を半分ほどに絞り込むことができる。

また番組準拠で同じ文字を設定できないルールで遊んでいると、同じタイプの数字が多いことが使っている数字の絞り込みやすさにも繋がる。
そのため、LOWだけ、HIGHだけの設定ナンバーを作り辛くなるという、心理的プレッシャーを持っているだけで相手に与えられる強力な誘導効果も期待できる。

TARGET

数字を1つコールし、相手の設定ナンバーに入っていれば位置が分かる
入っていない場合はコールした数字が未使用である事が分かる。

DOUBLEのような代償もなく、また仮に外したとしても使っていない数字が1つ分かるのは大きい。
序盤~終盤にかけて使い方およびタイミングが複数あり、プレイスキルによって輝くアイテムといえる。

SLASH

相手の設定ナンバーのうち、最大値と最小値の差「スラッシュナンバー」を知る事ができる。
例えばスラッシュナンバーが「7」なら「9-2」「8-1」「7-0」の組み合わせのうちどれかが含まれていることになる。
つまりスラッシュナンバーが「9」の場合、「9-0」の組み合わせが使われていることが確定する。
また、番組同様に数字の重複NGルールで遊んでいた場合、スラッシュナンバーが設定ナンバーの桁数より1少ない値だったら、使われている数字がすべて連番になっている事が確定する。

文句なしの強アイテムその2。まさにバッサリと候補数を絞り込む事ができる。
しかし使われている数を位置関係なく組み合わせで捉える性質上、残った候補や可能性の管理をキッチリやっておかないと無用な混乱やミスリードを産む可能性も高い諸刃の剣。
半面相手に詰められていることを悟らせずに推理を進めることもできるため、やり方によっては全く特定できていないような盤面から一気に数値を4つ絞り込むこともできる。

またこちらもHIGH&LOW同様に相手のナンバー設定にプレッシャーをかけることができる。

防御アイテム

自分の設定ナンバーを変更できる。
使用タイミングは自分がナンバーコールをした後~相手がナンバーコールをする前。

実際に遊ぶ場合、自分の番が終了したら防御アイテムを使うか使わないか宣言して、その後に相手ターンに移るのが望ましい。
番組では防御アイテムタイム→相手ターンのように時間を区切って進行していた。

なぜわざわざこんなルールが決められているかというと、防御アイテムを使わせないよう相手のコールが終わった後即自分のコールを言う見苦しい「ケンカ殺法」がよりによって番組中に発生してしまったため。リアルファイトに繋がりかねないダーティな戦法はやめましょう。

SHUFFLE

自分の設定ナンバーの並びをシャッフルできる。
シャッフルしたと見せかけてそのままでも良いが、使っていない数字との取り換えは出来ない。

序盤で使っても後半で使ってもかなり強力なアイテムで、一気に相手が特定した情報を消す事ができる。
しかし使用数字はあらかた分かっているものの、ケタの位置まではわからない、という状況で使ってもあまり意味はない。
それどころかプレイヤーの性格や状況を加味したメタ読みで再び一気に追い詰められてしまう事もありうる。
HIGH&LOWやTARGETのような位置を特定してくるタイプのアイテムへのメタ的な側面も持つ。

CHANGE

自分の設定ナンバーのうち1桁を別の数字に変更できる。
ただしHIGHの数字は別のHIGHの数字、LOWの数字は別のLOWの数字にしか交換できず、かつその種別は相手にオープンされる。
また、同じ数字への変更は不可能で、もし変更できない状況の場合は無効。

こちらはTARGETやSLASHといった数自体から絞り込んでくるようなアイテムへの対抗策となる。
ただ「同じ数字への変更不可能」「数字タイプの変更不可」の縛りはかなり大きく、使いどころを見誤ると逆に候補を絞り込むヒントになってしまう恐れもある。








ℕ 概要(テレビ番組)


前述したゲームを芸能人同士で対戦する番組。
番組MCはバナナマンの2人で、日村がサイバーな番組と全く世界観が合っていない王様の服装をした「ヌメロン王」、設楽がその執事、という設定。
基本的にどちらか片方のナンバーを視聴者・観戦者に向けてオープンし、そちら側の視点に立ってみるような作りになっていた。

2011年9月11日の深夜にフジテレビ系列で第1回大会が特番として放送され、以後好評だったためか第6回大会までは特番として放送された。

その後23時台で30分のレギュラー放送が開始。1つの大会を1~2試合ずつ分割する形で放送していた。
が、マニアックな内容で視聴率が追いつけなかったか、グランドチャンピオン大会を終えた所でレギュラー放送は終了。
2014年まで再び深夜特番として放送されていた。

2019年にはネット配信番組としてdTVチャンネル、ひかりTVチャンネル+で「Numer0n Ⅱ」として2大会が配信された。
MCはスピードワゴン(芸人の方)に代替えし、小沢が王様、井戸田が執事。

ℕ 番組でのルール

  • 総当たりでの予選ラウンドを行った後、成績トップ2が決勝ラウンドで戦い優勝を決める。
第1~2回大会では4人参加で総当たり、第3回以降は6人参加者をA,Bブロックに3人ずつ分けて総当たりを行い、その勝者で決勝戦。

  • 設定ナンバーは予選が3ケタ、決勝は4ケタ。
なお決勝に勝ち優勝すると、賞金として設定ナンバー×100円が授与される。
最大で98万7600円だが、その欲の張り方を見破られて負けるプレイヤーも少なくはない。

  • 数字は全てカード化されており、勝ったプレイヤーは負けたプレイヤーが設定ナンバーに使っていたカードを奪い取る。
このため負けたプレイヤーは、次の試合は仕える数字が少ない不利な状況に追い込まれる。
なお、HIGHナンバーカードは2枚、LOWナンバーカードは1枚だけ支給されて始まるため、HIGHナンバーカードの方が気軽に使いやすいと言えるが、もちろんこれもメタ読みの材料になりうる。

  • アイテムは6種類の中から3つを選び、持ちアイテムとして装備。一度使ったアイテムは以後の試合でも使えない。
アイテム乱打戦を避けるためのルールではあるが、第3回以後は1人当たりの試合数が減ったため効果は減っていると言える。
なお強力なアイテムであるHIGH & LOWSLASHは同時に装備不可能*1
また、決勝戦は予選で使わなかった+装備しなかったアイテムをすべて持った上で、3つまで使用可能。

  • 1ターンの持ち時間は予選が1分30秒、決勝が2分。
なおターン終了後に15秒間、防御アイテム使用のための猶予時間が設けられる。

  • テレビなのでしゃべること。
設楽「あのーみなさん真剣になっちゃうんでメモ用紙に書かせて頂きました」


ℕ 余談



このNumer0nから派生して、数字と数式を使った麻雀のようなカルコロン(Calcolon)や、サイコロを使ったオセロっぽい1回しか放送されなかったRotolon(ロトロン)などのゲームも存在した。


番組がレギュラー放送されていた時、なぜか5分ほど謎の短編ファンタジーアニメーションが合わせて放送されていた。
「青伝遊承 Numer0nSaga」というタイトルで、主役キャラに戸松遥柿原徹也を起用というちゃんとしたキャスティング。
ちなみにこの番組のプロデューサーはフジ系アニメ深夜枠「ノイタミナ」の立ち上げ・命名を行った人で、そちらの伝手で制作されたものと思われる。




0EAT-1BITEが続いてもめげずに
追記・修正お願いします。


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最終更新:2025年10月12日 18:16

*1 このルールができる前はほぼ全てのプレイヤーがHIGH&LOW,SLASH,SHUFFLEを選択するという選択式が意味のない状態となっていた。