登録日:2025/10/12 Sun 02:56:09
更新日:2025/10/12 Sun 03:00:59NEW!
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概要
別称 |
海魔獣 |
体高 |
30m(志摩)→90m(名古屋) |
体長 |
50m(志摩)→150m(名古屋) |
体重 |
2000t(名古屋) |
舌の長さ |
100m |
走行時速 |
180km |
ジャンプ力 |
200m |
水中速度 |
70ノット |
初登場は『
小さき勇者たち~ガメラ~』。本作のメインヴィランをつとめる。
元々は普通のトカゲだったのだが、
ギャオスの肉片を食べたことにより怪獣となった。
ゴジラシリーズで言うところの
G細胞で
誕生した怪獣枠。
外見はエリマキトカゲに似ており、ガメラシリーズの怪獣にしては極めてオーソドックスなデザイン。東宝映画に出てくる怪獣の方が近い。
っていうか背びれがバランにそっくりなのだが怒られなかったのだろうか。
最初は軟体生物怪獣としてデザインされていたが、
バイラスと被るということで没になった。トカゲは
バルゴンと被るが、二足歩行だからセーフらしい。
名前の由来は「ギャオス(G)データユニット(D)」とギリシャ神話に登場する海の怪物「ケートス(Cetus)」を組み合わせたもの。
そして「G-Dust」…すなわち、
「ギャオスから出たゴミ」「ガメラの遺した者」という負の遺産的なニュアンスの意味合いを掛けている。
また、エリマキトカゲ怪獣つながりで「
ジラース」も掛かってるかもしれない。
ガメラ怪獣でもトップクラスに性格が悪いのが特徴。非常に残忍で獰猛。そして人間を好んで食べる食性を持つ。まだ幼さの残るトトを執拗に攻撃する姿は完全にチンピラもしくはいじめっ子。
あるいはガバラ。
技名も「喧嘩キック」とがらの悪さを強調している。
前作の
イリスと同じく、ギャオス無しには生まれ得ない存在だが、何を考えてるかわからないけどやってることはとにかく狡猾・邪悪・外道なイリスとはまったく異なるタイプの悪役である。
紛れもない親戚だが、絶対相性悪い。
ただ、ジーダスの性格の悪さはギャオスの肉片と共に残った
怨念の影響でもあり、ジーダスもまたギャオスの被害者と言える立場でもある。
武器は「ハープーン舌」と呼ばれる長い舌と、舌先と爪先から出す溶解液。ハープーン舌は血液を内部の網目状の組織に充満させて硬化させたもので、厚さ50㎝の鋼鉄板やガメラの甲羅さえも貫通し、溶解液はかすり傷でも敵の肉体を腐食させる効果がある。
上記の通り舌の長さは100mなのだが、どうやって仕舞ってるのかは謎。
他には「サイケエリマキ」を極彩色に輝かせて威嚇をし、「ジーダス邪眼」で目から異様な輝きを放って相手の身動きを止めようとする。
ゴジラのごとく器用に尻尾を武器として用いることも。
体表はゴムのような質感の球形の鱗で覆われていて、戦艦のミサイルを弾く他、皮膚にはステルス能力がありマイクロ波、音響探知、レーザーパターン、熱源探知、全てを無効化する。
更には強靭な網状の筋肉組織に覆われた「剛毛心臓」を持つと防御方面も抜かり無い。
また、背びれの付け根には「ジーダスフィン」と呼ばれるエラのような器官があり、水中でも呼吸可能。
驚くべきことにこれでもまだ成長途中だったらしく、小説作品では
- 他のG怪獣を統率する。
- 翼が生えて飛行可能になる。
- 死後に爪が勝手に動く。
と、よりギャオスに近づいていく描写がなされている。
生まれてまだ数日のトトが相手をするには、あまりにもオーバースペック。実際、二度もパワーアップしてようやく辛勝できた相手である。ゴジラシリーズで喩えるなら
卵から出てきたミニラの対戦相手がカマキラスじゃなくて3式機龍だったレベルの衝突事故。
ただ、志摩でも名古屋でもハープーン舌を使用した時の隙を突かれて敗北しているので、学習能力は低く詰めが甘い。
活躍
沖縄近海で船舶を襲撃し5隻ほど沈めた後、三重県志摩市へと上陸。瓦礫で逃げ場を失った人々を、瓦礫の隙間に隠れた克也を除いて血の一滴も残さず綺麗に平らげた。小説版では更に舌で串刺しにして口内に運ぶという、えげつない描写が追加されている。
その後、トトのタックルで吹っ飛ばされたことで交戦を開始。体格差もあってトトを橋まで追い詰めるが、ハープーン舌を使用した際にトトがカウンターで放った火炎弾が口内に直撃したため悶絶し、そのまま落水した。
その後、ジーダスは名古屋へと運ばれたトトを追う。上陸の際には志摩の時よりも大きくなっていた。
トトも雨宮達の手によって成長を促進させられたが、それでもジーダスの方が巨体でありやはりトトを圧倒。尻尾に噛みついたトトを遠心力を利用して放り投げ、名古屋ツインタワービルの片方に激突させて身動きを封じる。
更に反対側のビルをよじ登り、ハープーン舌でトトの脇腹を貫通。その後トトを叩き落とすべく屋上を目指す。
だが、ここで「トトの殺害」よりも「よりトトを痛め付けること」を選んだことがジーダスの命運を分けた。この間に透がトトに赤い石を届けたのだ。
更なるエネルギーを得たトトはついに飛行能力を獲得。ジーダスはスピードで優位を取られることになる。
それでも接近戦に持ち込んで、トトに噛み付きからのハープーン舌での貫通というコンボ攻撃を行うも、トトはガメラ──人間を守るためなら「肉を切らせて骨を断つ」戦法でも平気で行う。
ジーダスはトトに舌を引きちぎられ、大きく怯んだ隙に放たれたトトインパクト!が直撃し、爆散して絶命した。
余談
映画『小さき勇者たち』は「ガメラは少年のために、少年はガメラのために」というキャッチコピーの通り、ガメラであるトトと、透をはじめとする子どもたちの交流を重点的に描いており、それ以外は必要最低限の描写にとどめている。
もちろんジーダスもその影響を受けており、大半の能力が小説のみで映像としては描写されていない。というかそもそも「ギャオスの肉片を食べたことで怪獣化した」という誕生経緯にすら触れられていない。ただ映画を見るだけでは「特になんの説明もない舌の長いエリマキトカゲ怪獣」でしかないのだ。
「悪役であるジーダスの魅力を描ききれなかった」というのも、『小さき勇者たち』の評価が微妙なことの一因だろう。おかげで2000年以降に登場した数少ないガメラ怪獣なのに、シリーズではマイナー寄りの存在になっているという、なかなか残念な怪獣である。
東宝怪獣を強く意識されてデザインされたジーダスだが、もっとも意識されているのはおそらく
マグロ食ってるやつことエメリッヒ版ゴジラ。その証拠にビルをよじ登る姿がそっくりである。
エメゴジは「不利な状況では徹底して逃げ、有利な状況を作り出してから攻撃する」「単性生殖が可能」という点から一部で
「それはゴジラじゃなくてギャオスだろ」と突っ込まれることがあり、ガメラシリーズ側としては思うところがあったのかもしれない。
また、頭部の被膜に長い舌という特徴は『
GAMERA -Rebirth-』のエスギャオスに受け継がれた。
追記・修正はギャオスの肉を食べてからお願いします。
ギロン「無理」
最終更新:2025年10月12日 03:00