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へきわろ

登録日:2025/12/03 Wed 21:10:51
更新日:2026/05/05 Tue 16:01:51
所要時間:約 4 分で読めます




グワギギャキヤキヤウギィー!

へきわろとは、アーテインから発売された漫才体験シミュレーションゲーム『メガミの笑壺』に登場する妖怪。このゲームのラスボスも務めている。
CV:平井啓二

概要

慶納(よしの)神社に古くから伝わる妖怪で、「よしのむらのもののけ」とも称されている。鼠色の肌に髪の毛が数本しかないハゲ頭、三本しか持たない手指に二本しかない足指、尖った耳に醜い顔だち、痩せ細ったちっこい体つきといった風貌。全体的なイメージとしては日本の妖怪というよりは、グレイ型宇宙人やゴブリンやインプに近い。

その性格は非常に嫉妬深く根本から歪んでおり、自分よりも才能に満ちた人間の存在を許さず、見つけ次第妨害してくる危険な存在。嫉妬に狂っているのか、奇声ばかりあげており、意思の疎通や対話は不可能。おまけに普通の人間には姿を目視する事が出来ない。

一方でサブい芸人の体が妙にしっくりくるらしく、それに該当する人間だった場合は体を乗っ取ろうとする事も。
なにこのタチの悪いメンヘラ


ちなみに、公式サイト内の表記はカタカナで「ヘキワロ」だが、ゲーム内ではひらがなで「へきわろ」と何故か表記揺れが発生しており、当項目では後者の表記で記載する。

作中での活躍

よしのむらのもののけ


むかーしむかし、この辺りがまだ慶納村と呼ばれていた頃の話じゃ。

さっきまで“じゃ”とか言ってなかっただろ。

イキフンは大事よ。

その昔、慶納村という小さな村に妖怪へきわろが住み着いていた。彼は情けない姿やみっともない姿を晒してはいつも村人達に笑われていたが、彼にとっては村人達が笑顔になってくれる事が何よりも嬉しかったため、日々奇行に精を出していた。
今でいうリアクション芸か。だまってろ!

そんなある日、村の祭りに旅芸人の一座が訪れて来る。
彼等が披露する歌や踊りは村人全員が釘付けになり、へきわろの存在を忘れるくらい夢中になっていった。完全に無視されたへきわろは旅芸人の芸に嫉妬心を爆発させ、怒りの赴くままに村中を暴れ回り、村人達の歌や踊りを禁止にしてしまった。

このままでは祭りが行えないと困り果てた村長は、芸事の神「五弁天」「アイツまじウザイんで、シメちゃって下さいよ」と時代考証ガン無視した台詞と共にへきわろの封印を懇願、弁天達はこれを承諾。

引き受けた五弁天は………

アタマ悪そう・・・

キモイ!

アンタ、トシいくつや?

・・・ダルイわよ

・・・・・・

全員でへきわろを取り囲み、容赦ない罵詈雑言を浴びせ続けた。
ただの陰湿ないじめじゃねーか!!

メタクソに罵倒されまくったへきわろは立ち直れなくなるくらいにまで弱ってしまい、隙をつかれて大岩に潰される。そして、その岩を要石として五弁天に結界を張られて封じ込められて封印された。
封印後に五弁天は村人に、「二度とへきわろのツラをみたくなくばわらわ五人を祀るホコラを建てその前で、祭りをやり、芸を見せ続けよ」と神言を残した。
五弁天の祠を打ち建てた村人達はその神言に従い、毎年祠と要石の前で歌や踊りを披露する様になり、これが「慶納岩伎祭(よしのいわきさい)」の始まりとされ、現代にまで続く祭りになったそうな。

………………………………あれ?よくよく考えたら、一番悪いのは村人と旅芸人じゃね?

蘇ってしまった災い

が、時が経つにつれて祠での祭りが廃止されていき、へきわろや五弁天の事を語り継ぐ人間がいなくなってしまう。
完全に忘れ去られてしまった五弁天は、芸を見せてもらえなくなった不満から*1祠に引き篭もってしまい、それに連動するかのように結界も弱体化。その影響かどうかは不明だが弁天の周りが変人共の溜まり場と化してしまう。信仰が失われた祠はただの小屋」とは言ったものである。

唯一、慶納神社での祭りは継続されていたため、首の皮一枚繋がっているだけの状態ながらも封印は保てていた。


しかし、カラテスパイダーが祭りの舞台に上がってもはや漫才と呼ぶのも差し出がましい醜態を晒し、その結果封印が完全にブッ壊れてへきわろが世に放たれてしまう。
どんだけ酷かったのかというと……

  • 登壇した途端観客からブーイングが飛び、カラテスパイダーは萎縮。
  • ちとせが台詞を噛んでしまうも、イッキは一切フォローなし。苦し紛れに捻り出したネタも観客にボケ潰しされる。
  • 余りの酷さに観客が次々と離れていき、同調するかの如く要石に亀裂が入り、観客が減っていく度に亀裂が大きくなる。
  • その辺でやめときゃいいのにもう手遅れだけど観客が誰もいなくなった後も、もうヤケクソと言わんばかりに漫才でも茶番ですらないナニカを晒し続けた結果、突如発生した落雷が要石に直撃、粉々に砕け散る。落雷に巻き込まれたカラテスパイダーは気絶し、謎の空間で笑の神と名乗る男に説教されている。←イマココ


こ れ は ひ ど い

どうしてこうなったのかを説明すると、当初カラテスパイダーは裏方の仕事に専念していて岩伎祭の舞台に上がる予定はなかったものの、本来の参加者である花吹雪マッチポンプが仕事をバックれたが為に強制的に立たされたのが理由。
社長の大門寺が言うには、マッチポンプは巡業から帰って来てそのまま参加する体になっていたが、帰還前に二日酔いでダウンしてしまったとの事。しかもその連絡がマネージャーのカレンに届いたのがマッチポンプの登壇前。 欠席の理由がしょうもなさ過ぎる……
笑の神はカラテスパイダーではなく、自己管理すら出来てないマッチポンプを責めるべきだった

当然カレンに問い詰められるも、大門寺は打開策も弁明も何の説明もなく能天気に「あとヨロ」とだけ言い残して、通話を一方的に切った。責任から逃げるな
部下に後始末を全て丸投げしておいて自分は逃げるという、社長にあるまじきマネである。
そんなんだからちとせにも「アホな社長」呼ばわりされるんじゃね?しかも漫才のネタで

カレンは急遽カラテスパイダーに代役を命じ、乗り切ろうとしたが結果はご覧の有り様である。
客に事情を説明して中止にした方がマシだったんじゃあ…

ちなみに、これが原因で祭が滅茶苦茶になり、やり直しまで一ヶ月要したそうな。

じゃ「あとヨロ〜」


へきわろに狙われたイッキは、笑の神からクソダサいメガネを強制的に押し付けられる。
なお、このメガネはへきわろがの姿が視認出来る様になる上に妨害を防ぐ力を持っている一方で、
へきわろを封印するまでは絶対に外れない呪いの装備みたいな副作用を持っており、力づくで外そうとしても強力接着剤で貼り付けたかの如く顔に張り付いている。そのため、外して欲しければ笑の神の言う通りにしなければならない。 顔洗う時どうするんだ?
しかも現実に戻るとイッキの顔に、そのメガネがかけられていた。

こうしてカラテスパイダーは、封印を壊してへきわろを世に放ってしまった責任を取るべく、笑の神からへきわろ封印の使命を兼ねた漫才修行をする様告げられたのであった。


カラテスパイダーの漫才修行

イッキは気乗りしないものの重い腰を上げて、弁天の祠がある場所で漫才の巡業をする事になる。へきわろはこの時点では直接邪魔してくる事はなく、ストーキングのみに留めている。カラテスパイダーが笑の神によってへきわろが見えるようになった為か。

しかし巡業先でクリアに失敗すると、イッキのメガネが割れてしまい、待ってましたと言わんばかりに現れたへきわろに体を乗っ取られてゲームオーバーになる。*2

クリアした後は弁天の祠に赴き、どの弁天もカラテスパイダーの漫才を芸と呼ぶには程遠いものと評しながらも、それでも久々の芸だったのか一応力を取り戻して結界を張り直す程までには回復したので、芸の奉納に感謝するという反応をとる。
へきわろの反応はというと、最初は地団駄を踏むだけだが、ストーリーが進むにつれて結界が戻ってきたのか、死にかけの顔で苦しんでいく。


日本一のお笑い芸人

カラテスパイダーが全ての弁天の祠を巡った後、岩伎祭の再開が発表されると同時に「N-1グランプリ」という若手芸人達による漫才バトル大会が開催が決定された。
カラテスパイダーの騒動を発端に様々な噂が立ち、それをテレビ局が嗅ぎ付けて「またあそこで何か起こるんじゃないか」と思ってこの大会を設立したらしい。そして、カラテスパイダーが特別枠として大会から招待される事となった。

しかし、N-1の司会を務めるエイティつるまろが司会者のくせにカラテスパイダーに舐め腐った態度を取り観客の前でディリまくったり、そしてカラテスパイダーの対戦相手は全員知名度と人気抜群の若手芸人コンビばかり。謂わばトーナメントとは名ばかりの、カラテスパイダーを徹底的にこき下ろして赤っ恥をかかすための出来レースであり、完全にアウェーの立場で戦わなければならない。


M-1グランプリで出される漫才は、これまで巡業で披露したネタがランダムで選ばれる。使い回しって言っちゃダメ漫才の長さは最長のLv3で固定されており、一戦一戦が長丁場になる。水増しって言っちゃダメ*3

その他、ここにきてへきわろが直接手を下しにくるようになり、観客に紛れ込んだへきわろがプレイヤーの心情を代弁するかの如くゴミを投げつけて妨害して来る「へきわろの邪魔」が発生する。 妖怪のくせに方法が原始的でしょっぱ過ぎやしませんかね
これはアクションツッコミとは違い何の説明もなしに発生するが、一度操作方法がわかってしまえば対処は簡単なので慌てる事はない。
機種によって内容が違う為、二つ纏めて紹介する。

PSP版では投げつけてくるゴミを叩き落とすものであり、ゴミによって押すべきボタンが違う為、書かれているボタンのマークをしっかり見て覚えていれば大丈夫。最後の一撃が妙に速かったりする事もあるので、気を抜いてはいけない。
それでも操作方法に癖があり過ぎるため、何も出来ずに失敗する事が多々ある「ヤジ」に比べれば遥かに簡単という事実

一方DS版では操作形態がガラリと変わり、左右に動き回りながらゴミを投げてくるへきわろにゴミを投げ返すものに変更。
手形のカーソルを動かしてゴミに触れると自動でキャッチし、離すとそのまま投げ返す。3回当てるとへきわろが地団駄を踏みながら撤退していく。
わかりやすくいうなら、自分で弾を発射できない代わりに敵の弾を跳ね返すシューティングゲームみたいなもの。
キャッチしたらすぐ投げ返せば自分から当たりに行くので、PSP版に比べれば対処は楽。

それぞれ、撃ち漏らすとキタイゲージが下がるが、成功すると上昇するのと同時にイッキがへきわろを煽る。ちなみに発生パターンと攻撃頻度は完全ランダム。

カラテスパイダーが勝ち進む度に、つるまろは彼らに「空気読めよ!かませ芸人が」「いいかげんオチろ!」などと苦虫を噛み潰したような顔をして心中で貶す。カラテスパイダーに吠え面をかかせてやるつもりが、目論見が外れて逆に自分が吠え面をかくハメに。 そんなに勝つのが嫌か
その裏ではへきわろが封印の穴に吸い込まれそうになっており、必死に悪足掻きしている。


そして最終的に、カラテスパイダーの優勝が決定。つるまろと運営は完全敗北し、否が応でも彼等を称える事となった。カラテスパイダーボロカスにけなしてたスタッフ息してるー?
そしてへきわろはというと、もう穴に下半身を突っ込んでいる状態になっており封印も時間の問題と思われたが………

ウジキチバタピダジャバガ!

(ママー!)

こんな状態に陥っても抵抗し続ける往生際の悪さを見せつけると同時に、「ママ」なる存在を呼び寄せる。
ていうか、妖怪がママって…

叫びと同時に落雷が発生すると同時にへきわろのママが顕現。
その姿は山姥の顔に蛇のような下半身と肉塊乳房ではありませんが垂れ下がったへきわろ以上の異形の姿をした禍々しいもの。

出てきて早々カラテスパイダーに襲い掛かろうとしたが、観客の笑い声に思いっきり苦しみ出していた。出オチやん
「笑いが弱点」だと見抜いたカラテスパイダーは今度こそトドメを刺すべく、優勝したついでとしてもう一度漫才を見せる体で迎え撃つ。
この延長戦が真のラストバトルになるが、へきわろの攻撃が激しくなるとかそう言ったものは別にない。


嫉妬に狂った妖怪の末路と、カラテスパイダーの未来


うぎゃあああああ!


う゛ぁん ぶもーっ!

こうして抵抗虚しくへきわろは母親ごと封印され、イッキの顔にへばりついていたメガネも漸く外れることとなった。

無事に封印に成功した上に日本一のお笑い芸人の座を手に入れたカラテスパイダーは、これを機にメジャーデビューの道を歩んで………………

・・・・・・。

・・・・・・。

・・N-1に優勝したしよ。・・メガネも取れたけどよ・・・。

なんで仕事こねぇの?
・・・ハァ・・・。

・・だって、社長いないじゃん。

・・いま、ウチの事務所、
・・存在してないらしいよ。

いなかった。

どれだけ待てど仕事が一向に来る気配がなく、項垂れる日々を送っていた。何故なら、彼等の所属している事務所の人間が一人残らず行方不明になり、会社としては事実上倒産してしまっているからである。 へきわろに狙われる前よりも悪化してるんすけど

所属者の失踪理由とは言うと、社長の大門寺は突然ビジネスチャンスの予感といって東南アジアに行ったきり消息を断ち、マッチポンプは看板番組のプロデューサーと喧嘩して芸能界追放、マネージャーのカレンはカラテスパイダーに何も言わずに蒸発*4と、どれもやたら生々しいものばかりだった。

日本一に輝いたのはいいが、一転して絶望のどん底に叩き落とされたカラテスパイダー。フリーでやっていけるだけの実力や人脈もないため、何も出来ずに項垂れるだけの日々。そんな笑えない現状の中で、この状況を面白がった笑の神から「この不幸話をネタに漫才を作りまくれ」と、ありがたくないお告げを頂くのであった………………。

カーカッカッカッカッ!

メチャクチャ オモシレーじゃねぇか!

いーかテメーら、
これを「オイシイ」っつーんだよ!

テメーらは追いつめるほど、
ウデ上げやがるからな。

この不幸話をネタに、
漫才を作って作って作りまくれエ!

ハッハッハ・・ハァーッハッハッハッハ・・・
ハーッハッハッハッハ!!


しかし、2008年に開発元のニューが、2011年には発売元のアーテインが倒産してしまっているという、このゲームのエンディング以上に笑えない結末を迎えてしまっている。倒産したのもこのゲームが直接的な原因、ではないと思いたいが………、会社の辿る道を予言してしまったかのように見えなくもない。





あにをた村のうぃきごもり

演出 編集者
脚本 建て主
絵 アップローダー

むかーしむかし、
あにをたというちいさなうぃきに

あらしという、いっぴきの
うぃきごもりがすんでおりました

あらしは、たいそうなめだちたがりやで
いつもへんしゅうしゃにわらわれていましたが

あるひ、りょうこうもくにやきもきをやいて
ついきやしゅうせいをふうじてしまいました

こまったたてぬしは
かんりにんのめいでんさまにおねがいして

あらしをこらしめてもらいました
そしてとうとう、あらしは

あくせすけんげんを
ふうじこめられてしまいましたとさ


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最終更新:2026年05月05日 16:01

*1 祠の前での祭りが行われていた期間は、弁天曰く「たったの300年」程。

*2 なおこのゲームオーバーの展開が見られるのは一周目だけであり、このゲームにおける周回要素となる「オファー」では、既に弁天が力を取り戻している為かへきわろのへの字も登場しない。

*3 その為か、一戦クリアする度にセーブ画面になる。

*4 イッキ曰く「付き合っていた男と何かがあったらしい」との事。また、「最悪マネージャーさえいれば何とかなっていた」と言っていた事から、事務所の経営はほぼカレン頼みだった事が窺える。尤も、大門寺が社長のくせに能天気でいい加減だから反面教師にしているだけなのかもしれないが