M-1グランプリ

登録日:2021/12/21 Tue 21:17:52
更新日:2025/03/19 Wed 08:47:38
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ただ、証明したい。

俺たちが——

一番——

おもしろい……!



M-1グランプリ』とは、吉本興業・ABCテレビ主催のお笑いコンテストである。

●目次

【概要】

日本で一番面白い漫才師を決める」というコンセプトの大会で、島田紳助と当時吉本社員であった谷良一を発起人として企画された。
紳助自身は「島田紳助・松本竜介(紳竜)」というコンビで人気を博していたが、ダウンタウンなどの吉本総合芸能学院(NSC)出身の若手(いわゆる「お笑い第3世代」)の台頭に己の限界を感じたことからわずか9年で解散。
不完全燃焼感が残っていたことから「漫才への感謝・恩返し」と「漫才師が辞めるきっかけを作る」ことが大会の原動力になったという。
この理由から、「結成から10年以内*1」である若手漫才師のみ参加可能という出場規定が設定された。
この10年という期間も、漫才を9年続けて辞めた紳助の「10年やって3回戦にも上がれない奴は才能がない。向いてない奴が延々と漫才やり続けるのが一番不幸」という考えに基づいている。

それまでの漫才コンテストは関西ローカルがほとんどであったが、
優勝賞金1000万円」「決勝戦は全国ネットのゴールデン枠で生放送」「全国からプロ・アマ関係なく参加者を募る」「他事務所の芸人の参加も認める
など、当時としては前例の無い大規模な大会であり、優勝には届かなくとも本大会をきっかけにブレイクしたコンビも多い。

名称は『F-1』『K-1』がモチーフになっており、特に演出面でも『K-1』に似た派手な煽りVTR・英語のナレーションが使われていることも大きな特徴。
本番開始後もファイナリストの漫才の前にCM含めて一時間ほどある長尺の煽りVが挿入されるなど演出面にはかなり力が入っている。長すぎると批判の声もある一方で、その完成度の高い煽りV含めて『M-1』の魅力という声も多い。
セットについても当初は地下格闘技をイメージした暗めのものだったが、2005年以降は「ラスベガスのショーで漫才を披露する」というイメージから派手で明るいものとなった。

決勝登壇時の出囃子として使われているのはFatboy Slimの「Because we can*2」の冒頭部分で、現在では『M-1』だけでなく漫才を象徴する音楽として高い知名度を誇る。YouTubeの洋楽でコメントが日本語だらけになっている楽曲の一つ。また、せり上がりの際に流れる音楽は『トイ・ストーリー2』の「Zurg's Planet(ザーグの惑星)*3」である。
そのほかにも『スター・ウォーズ』、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』などの有名な洋画のサントラもBGMとして使われている。
ただしDVDやTVer以外での配信では著作権の関係から、いずれも違うものに差し替えられている。

決勝は毎年12月の第3週前後にABCテレビ・テレビ朝日系全国ネットで放送される。
会場は2005年以降テレビ朝日のスタジオを使用。但し制作自体はABCテレビ単独で、テレビ朝日はスタジオを貸しているだけ。
毎年高視聴率を記録しており、同時間帯で放送される『NHK大河ドラマ』『ザ!鉄腕!DASH!!』『世界の果てまでイッテQ!』といった人気番組の視聴率を抜く事は当たり前*4
2020年には当時社会現象になっていたアニメ『鬼滅の刃』、2022年には大河ドラマ『鎌倉殿の13人』最終回とバッティングし大きな話題を呼んだが、見事時間帯1位を死守した。

番組のスポンサーには一般スポンサーと優勝賞品を提供する「プレミアムスポンサー」に分かれ、後者は本編限定のオリジナルCMを製作して放送することが多く、とりわけ日清「どん兵衛」は毎年本気の悪ふざけCMを流しており、これを楽しみにしている人も多い。
また、一社スポンサーが降板すると翌年以降新たに同業他社が参入することもあり*5、本番組のスポンサー効果の高さをうかがい知ることができる。

【歴史】

今では信じられないかもしれないが漫才は1980年代初頭の爆発的なブーム後、長期低迷状態が続いており、特に関西ではダウンタウンの後継者と目され各種賞を総なめにしていたベイブルースが河本の急逝→解散後、次世代の漫才師がほとんど育っていない状況だった。
この背景には当時の関西芸人(千原兄弟、ナインティナイン、バッファロー吾郎等)は、ベイブルースの実力の高さから漫才で勝負することをあきらめ、コントをメインに選んだのも大きな理由である。
また、テレビの世界でも『電波少年シリーズ』『めちゃイケ』に代表されるロケーションタイプのバラエティが主流、ネタ見せ番組としては『爆笑オンエアバトル』や『ボキャブラ天国』が存在していたものの*6、いずれも関東芸人がメインを張っていた。

そのため、この時代は若手の関西芸人、特に漫才師の活躍する場所が無い「お笑い冬の時代」とも呼ばれており、この状況を打破するため2001年に吉本興業が「漫才プロジェクト」を立ち上げ、その責任者に谷良一が選ばれた。

当初は関西ローカルで興行や特番の放送を実施していたが、ある時谷が読売テレビを訪れた際、たまたま楽屋に来ていた紳助にプロジェクトの話をしたところ、紳助から全国区でのコンテストの提案がなされたのが始まりとなる。

従来にない大会ということで前述の条件が決まり、筆頭スポンサーとして大阪が発祥で、当時吉本の経営方針に興味を持っていたオートバックスが就くことが決定した。
放送局についてはキー局各社に持ち掛けたものの軒並み断られていまい、結局大阪のABCテレビに決定。これは在阪局の方が漫才のカメラワークなど撮影技術に長けていたことや、ABCのキー局であるテレビ朝日に企画が持ち込まれた際「漫才の大会なのに在阪局がこのまま黙っていていいのだろうか?」とABC側が動いたことが理由*7

本大会をきっかけに、
など、各局で全国規模のお笑いコンテストが創設されるようになり、お笑い賞レースという言葉も生まれるようになった。
そしてここに書き表せないほど多くの〇-1グランプリが生まれては消えていった

尤も、これらの大会が創設された現在でも大会の知名度および影響力は絶大なものとなっており、後述する漫才論争の際はABCテレビ側が「(論争が沸き起こるのは)『M-1』が国民的行事になった証拠」とも述べている。
実際、お笑いの賞レースで出場者のみならず審査員や司会者の一挙手一投足、果てはネタで取り上げられた著名人や企業・団体が話題になるのはこの大会ぐらいだろう。

2010年に「大会を通じて、漫才が隅々まで広まった。10年の節目をもって発展的解消することが、次につながる」という理由でいったん終了。
後継兼つなぎ大会として『THE MANZAI』(フジテレビ)が開催されたのち、2015年から規定を「結成15年以内」に改め、再度復活を果たしている。

余談だが、復活後の『M-1』では、
  • 昨年2位のコンビが出場すると、必ず何かしらの形で決勝に進出する
  • 昨年3位のコンビは必ずストレートでの決勝進出を逃す
  • 準決勝で大トリの一つ前にネタを披露したコンビが決勝に進出する(2018年以外)
  • 後述の「笑神籤」導入後、敗者復活組の出番が4組目以内になり(2018年以外)、必ずファーストラウンドで敗退する
という不思議なジンクスが起こっている。


【優勝の報酬について】

上記の通り「優勝賞金1000万円」と「優勝トロフィー」、「大会ごとの数々の副賞」こそが形式的な優勝の報酬とも言えるが、正直に言ってしまえばその莫大な優勝賞金すらおまけに等しいとすら言える。
『M-1』優勝者という圧倒的な知名度と栄誉こそが真の『M-1』の報酬と言え、その力は日本全国規模の凄まじい影響力を及ぼす。
例えば今まで無名に等しく、仕事スケジュールが空白だらけで副業にアルバイトをやらないと芸人として食っていく事も出来なかったといった芸人が優勝して一夜を明けたら全国ネットで放送される年末年始の大型特番を筆頭に、数カ月間スケジュールに一切の空きが無くなったという逸話が代表的なものであり、
更には
  • 誰もが知る大企業のCMキャラクターに抜擢される
  • 全国誌の表紙を飾り単独インタビューが組まれる
  • 営業や劇場でのギャラや待遇が跳ね上がる
  • 今後全国ネットのゴールデン番組にレギュラー出演する機会が与えられる
…等、今まで無名だった芸人が一躍一流芸能人の仲間入りをするようになり、正に『M-1』に出場するか否かで人生が変わると言った芸人も多数存在するのだ。

ブレイクしてもギャラの上がり具合が渋い事でよくネタにされる吉本興業において一番ギャラが上がる項目とされているのが「『M-1グランプリ』での優勝」とされている辺り、所属事務所からもどれだけ重要視されているかもよく分かるだろう。

余談ではあるが、仕事量が激変するのは担当マネージャーにとっても同じであり、担当したコンビが優勝した瞬間、仕事依頼の電話やメールが殺到してパンク状態になり、優勝直後は徹夜でスケジュール調整する嬉しい悲鳴を上げる事態になるのも珍しくないという。その為、ファイナリストのマネージャーは不測の事態に備えてスマホの充電器を常備しているとのこと。


【大会について】

大会は毎年夏からエントリーが開始され1回戦は全国各地の8地区で開催される。2021年からエントリー数が加速的に増え続けており、2024年では遂に10330組の大台に達した*8
出場者にはプロ・アマのお笑い芸人のみならず、アイドルや漫画家、声優、政治家、果ては猿回しとコンビを組んだバーチャルYouTuberまでありとあらゆる話題作りありきの即興泡沫ユニットがエントリーするのが特徴。
そういったユニットは大抵すぐ落とされるものの、2006年ではアマチュア女性コンビの変ホ長調が決勝に進出しているほか、復活以降では準々決勝や準決勝に進出するアマチュアコンビもよく出ており、『M-1』をきっかけにプロに転向したコンビもいる。2019年に準決勝に進出し、ブレイクの兆しを作ったラランドが顕著な例だろう。
2016年からはベストアマチュア賞という制度が実装されている。

前年度王者は基本的に翌年の大会に観覧ゲストとして出演するが、大会への再出場を制限するルールはなく、優勝してもラストイヤーまで出場が可能。
これまでも再優勝を目指して決勝に再出場したコンビが4組(フットボールアワー・NON STYLE・パンクブーブー・令和ロマン)おり、いずれも最終決戦まで出場している。長らく審査員からの票を得た例はなかったが、2024年に令和ロマンがその壁を崩し連覇を果たしている。

なお吉本興業が主催であるが、決して吉本所属芸人を贔屓しているなんてことはない。しかし必然的に母数が多い吉本所属の出場者が多く、かつ専用の劇場を多く抱えていることもありレベルも高いので決勝戦進出者は吉本勢が多数となることが多い。

【王者への長い道のり】

予選

以下は特筆のない限り最新回のもの。
なお、1回戦から準決勝まですべての予選で、ネタの持ち時間を15秒ほど経過すると終了時間の目安となるサイレンが鳴り出し、さらに15秒が経過すると爆発音と共に赤照明が点灯し強制終了となる。


敗者復活戦

2002年より、準決勝で敗れたセミファイナリストは、敗者復活組として決勝当日昼に開催される敗者復活戦に参加する。
司会は2010年までは中田なおきとはりけ~んず、2015年~2017年でははりけ~んず単独、2018年からは陣内智則と主に女優が務める。

勝ち上がれるのはたった一組という厳しい状況、なおかつかつては真冬の屋外で行われていたことからこの一戦を「地獄」、敗者復活者を「地獄からの生還者」と呼ぶことも多いが、実際には同世代の芸人が一堂に会すこともあり出場者間の連帯感も強く、復活者決定後は快く送り出す画も見られる。

ネタ時間は4分*12。これまでの予選と同様、制限時間を過ぎるとサイレンや爆破音のSEが鳴る。
しかし赤照明が点灯しないため、2021年のハライチのように爆破音のSEが鳴った後もネタを披露し続けるコンビもいる。

ネタ選びには特に制限はないので、決勝を見据えて本ネタを温存するコンビもいればこの時点で準決勝ネタを披露するコンビもおり、その選択はコンビによってまちまち。
他にもナイツやハライチのようにラストイヤーの最後の舞台だからこそ「勝ちに行くネタ」ではなく「自分のやりたいネタ」を披露するコンビもいれば、ニッポンの社長やさや香のように知名度故に勝ち目がない事を見越して、「全力でふざける」事で爪痕を残すコンビもいる。

初回から2010年までは、会場の一般審査員とプロの審査員が投票。その1位が敗者復活を果たし、決勝の舞台へ移動する権利を勝ち取る事が出来た。
2005年からは会場とは離れた場所*13で行っていたため車で移動しなければならず、しかも年末ということもあり渋滞に巻き込まれることも多く、途中でさらにバイクなどに乗り換えるシーンも見られた。

復活後2022年までの会場はテレビ朝日すぐ隣の「六本木ヒルズアリーナ」。2015年と2019年以降では呼ばれた直後に出番となる為、ネタ合わせの時間はほぼなかった。
17時に港区の防災無線にて街頭に流される「夕焼け小焼け」がネタに被るというハプニングがあったことから、2021年からはその時間帯にCMを流し被りが起きないように時間調整がされている。

この復活後は日本全国の国民投票で結果が決まるようになった。
その結果、勝ち上がったコンビは過去に決勝進出経験があるコンビ*14ばかりとなり、無名のコンビが勝ち上がる事はほとんどなくなってしまった。
そのため「単純なネタの面白さよりも知名度や人気が結果を左右してしまっている」と批判する声もあった(これは2016年以降、面白かった1組だけではなく3組を選ぶという点も理由にある)。

こうした状況を踏まえ、2023年からは敗者復活戦の大規模なリニューアルを実施。
準決勝で敗退した21組を3ブロックに分け、1組ずつのネタ終わりで審査するノックアウト方式を取り、そこで勝ち上がった3組を最終審査して決める。
ブロック戦は当日の観覧客、最終審査は主に歴代M-1王者がそれぞれ審査を担当する。
会場も屋内となり「新宿住友ビル三角広場」で開催される。

現在は敗者復活戦の模様も配信されるものの、決勝同様歌ネタは著作権のため無音もしくは映像ごと丸々カットされてしまうという場合も多い。


決勝戦

  • ファーストラウンド
準決勝を勝ち上がった9組+敗者復活戦を勝ち抜いた1組、計10組がネタを披露する*15
決勝戦の順番は当初事前に決定しており、敗者復活組は必ず最後にネタを披露していた。
ところが、序盤だと審査員は様子見でそこまで高い点をつけられないほか、観客のウケ方も空気が”暖まってきた”中盤以降のほうが良いため、いいネタでも「序盤でなければ…」などと同情されることも多い*16
この指摘を受けて、2017年以降は放送当日に「笑神籤(えみくじ)」とよばれる特製のくじを引いて決める方式に変更され、敗者復活組の出番も最後とは限らなくなった。くじ引きはその年に活躍したスポーツ選手が担当することが多い。

ネタ時間は4分。予選と違い、制限時間を大幅に超えても強制終了にはならない。また、タイムオーバーによる運営側からの減点やペナルティなども実質的にはない*17*18

漫才終了後、審査員は1人100点満点で審査。その合計点を競い、得点の高かった3組が最終決戦に進出する。
暫定上位3位以内に入ったファイナリストは、暫定ボックスと呼ばれる部屋に移動。最後まで暫定ボックスに残ることができればそのまま最終決戦に進出できるが、後続のコンビに押されて4位以下となり、敗退が決定した場合は退出することになる。
そして暫定ボックスから出る際には、そのファイナリストが何かしらボケをかますのが定番となっている。
当然、漫才終了後の採点で合計点が暫定4位以下の場合はそもそも入ることができない。

  • 最終決戦
最終決戦ではファーストラウンドを勝ち抜いた3組が「2本目」の漫才を披露。
各審査員が最も面白かったコンビに票を入れ、最も票を得たコンビが晴れて優勝となる。

ネタ順は当初はランダムだったが、2006年からはファーストラウンド3位→2位→1位の順番でネタを披露することになる*19
「これまでとは違う戦い」と称されており、KOCとは違いファーストラウンドでの点数は数字上は一切反映されない為、ファーストラウンドを1位通過しても油断は一切できない。
むしろ逆にファーストラウンドで高すぎる評価を得てしまうと最終決戦でのハードルが上がってしまうというジレンマであり、ネタの「選び方」も漫才師としての腕の見せ所といえる。
実際に2024年までの全20回のうち、過半数の11回でファーストラウンドで2位・3位のコンビが逆転優勝している*20

最終審査結果の発表は2005年以降、審査員の頭上にあるモニタにて向かって左側から順番に発表される*21
各審査員の票が一つずつ順番に発表されていくさまは手に汗握るものである。

【審査員】

審査員はお笑い界のレジェンド達が担当。

当初は紳助が「この人に審査されるのなら全員が納得するだろう」という意向から選定された。なお紳助は審査委員長・実行委員長を務めていたが、紳助引退後はこれらのポジションは設けられていない。

それまで(というより現在も)お笑いコンテストの審査員は放送作家や芸人のほか、漫才にあまり詳しくないタレントを起用することが多かったが、視聴者の前で点数を出すという前例のない審査だったためそうした審査員は原則排除された。
芸に点数や順位をつけるべきではない」という信条や、審査員の審査自体が視聴者から評価されるといる重圧から、オファーがあっても審査員はやらないと公言していたり、実質的にオファーを断った中堅・ベテラン芸人もおり、審査員のなり手不足は毎年スタッフの悩みの種となっている。

審査員は基本コンビ・トリオ芸人経験者が多く(紳助や上沼恵美子も元漫才師である)、2015年では歴代優勝コンビの片方(アンタッチャブル除く)が勢ぞろいした。
漫才師以外では2001年では作家や落語家、タレント出身の政治家が審査に参加している。

その審査員の言動も話題になるのが他の賞レースにはない特徴で、とりわけ上沼恵美子の発言はネットニュースに取り上げられることが多かった。

2023年大会からは敗者復活戦のルール変更に伴い、そちらにも審査員制度が実装。
新旧混合の『M-1』チャンピオンらを中心とした"芸人審査員"なる5人が、敗者復活戦を勝ち上がるコンビを決める最終審査を担当する。

以下、審査員を現役・過去・敗者復活戦の順に紹介。




【出演者】

勿論番組を盛り上げるのは審査員やファイナリストだけではない。本項ではそういった出演者を記す。

  • 今田耕司(2003~)
司会進行担当。初登場であった2003年では、2002年でも司会を務めた西川きよしの補佐役も務めたが、2004年はきよしが審査員に回り単独司会となる。それ以降はきよしが事情により降板し、現在に至る。
ユーモアを織り交ぜたスムーズかつテンポの良い進行には定評があり、決勝の舞台でネタを終えたファイナリストを労り、軽快なトークや時には審査員すらイジって場を盛り上げる正に縁の下の力持ち。基本的に司会という立場のためネタの批評等はしないように心がけているが、これは嘗てネタの批評を述べた際に審査員であったオール巨人にその場で公開説教を食らったことに起因する。
余談だが彼が毎年つけているコサージュは毎回花のデザインが違っており、毎年彼が何のコサージュをつけているのかはファンの間で密かな注目ポイントとなっている。

  • 上戸彩(2008~)
本業の女優業のみならず歌手としても活動する多彩なマルチタレント。オスカープロモーション所属。2008年に初めて出演し、それ以降は現在に至るまで今田と2人体制で司会進行を務めている。
twitterでは「上戸彩 綺麗」が毎年トレンド入りするのは当たり前、今田とのイチャイチャ芸や明るい相槌で今田をサポートし、場を盛り上げる。
最終決戦終了後の結果発表での「それ(結果)は……今年もCMの後です!」で全員がずっこけるのはお約束。
余談だが、上戸が産休から本格的に復帰することとなった番組も2015年の『M-1』である。

  • 陣内智則(2015~)
皆さんご存じ笑いのニューウェーブ再婚して子供もいるのに初婚ネタをイジられることでおなじみ。大会復活以降の敗者復活戦の司会を務める。
しかし今田と比べると、ラランドを最後まで「ララランド」と言い間違え続けた結果「ララランド」の方をTwitterトレンド1位に浮上させてしまったり、野外開催故に発生するトラブルに振り回されたり、それほど親交のなさそうな芸人を急に下の名前で呼んだことで「名字が読めなかった疑惑」が発生したり*30、観客投票の結果を見て「(得票率)51%とってもギリ勝てるかどうかわからへん*31と発言するなどポンコツな一面が目立つ。
とはいえその一方で、観覧席ゲスト達とトークで会場を盛り上げ、ネタを終えてなおボケまくるセミファイナリスト達をうまく捌いて場を温めるその手腕は確実にベテランの風格を感じさせる。
また、2016年・2018年では決勝の「M-1リポーター」として、出場者へのインタビューなどを担当した。
余談だが、芸人の間で「『M-1』ファイナリストが大会本番直前に陣内に遭遇すると優勝する」という都市伝説が囁かれていることも有名*32

  • 麒麟 川島明(2019~)
大喜利からMCとなんでもこなせる今や朝の顔となった元じゃない方芸人。M-1で3年連続3位の実力者で『R-1ぐらんぷり』ファイナリスト経験者。さらには『R-1』や『THE W』にて審査員を務めたことも。
2019年のみ「M-1リポーター」として控室リポートや暫定ボックスでの芸人へのインタビュー等を担当。それ以降は「いきなり生電話ライブ」や決勝進出者発表会見、開催記者会見のMC等として毎年のM-1グランプリに何らかの形で関わっている。
決勝進出者発表会見では緊張していたり、所構わずボケまくる決勝進出したてホヤホヤのファイナリスト達を見事に捌くその姿に、視聴者から「介護」とネタにされることも。2022年以降は決勝進出者発表会見のMCの座を後輩のかまいたち・マヂカルラブリーに譲り、自身は開催記者会見のMC等を担当している。


【歴代王者/主なファイナリスト】

M-1の長い歴史ゆえに多くのチャンピオン・活躍したファイナリストがいるため個別項目を参照。


【大会の歴史&歴代結果】

  • 最終順位、コンビ名、所属事務所、ファーストラウンドの出番順と得点、最終決戦での得票数の順に記載
    • コンビ名の太字は敗者復活組
    • 特筆の無い場合、最終決戦の出番順はファーストラウンド3位→2位→1位の順

オートバックス M-1グランプリ2001

順位 コンビ名 所属 キャッチコピー 1st出番 1st得点 最終得票
1 中川家 吉本興業 笑いのDNA 1 829 6
2 ハリガネロック 吉本興業 武闘派 10 809 1
3 アメリカザリガニ 松竹芸能 3オクターブの衝撃 4 796 -
4 ますだおかだ 松竹芸能 実力主義 8 770 -
5 麒麟 吉本興業 無印(ノーマーク) 7 741 -
6 フットボールアワー 吉本興業 奇蹟の顔面 2 726 -
7 キングコング 吉本興業 驚異のルーキー 6 707 -
8 チュートリアル 吉本興業 お笑い陰陽師 3 637 -
9 DonDokoDon 吉本興業 無冠の帝王 9 614 -
10 おぎやはぎ プロダクション人力舎 東京の星 5 540 -
  • 初出場:初回のため全組が該当
  • ノーシード:同上
  • ラストイヤー:中川家
  • 最終決戦出番順:抽選により、先攻が中川家、後攻がハリガネロックに決定

総エントリー数は1603組。
…なのだが、実際のエントリーは約1350組で主催者側が水増ししたことが後年明らかにされている。
1603組としたのは徳川幕府成立の年に因んだものだが、端数なことから逆に信憑性があがったとも語っている。

2010年まではオートバックスセブンが冠スポンサー(特別協賛)を務めた為『オートバックス M-1グランプリ』という名称であった。
審査員は島田紳助、松本人志、鴻上尚史、ラサール石井、春風亭小朝、青島幸男、西川きよし、そして一般審査300名(東京、大阪、福岡)

大まかなルールは現在とほぼ同じだが、出場資格が「結成10年未満」であり、敗者復活戦が無く、最終決戦は2組のみ、そして採点方式に至っては審査員7人に100点ずつの計700点のみならず、札幌・大阪・福岡会場の客それぞれ100人に1点ずつ持ち点を与え、合計1000点を用いて審査であるなど一部異なる部分も。
しかし、この一般客審査は特におぎやはぎの悲劇大阪の客の非吉本・東京勢に対する採点が辛く、松本が放送中に苦言を呈したほどで、本大会以降は廃止された*33
また、サブ司会の赤坂泰彦がハリガネロックのことを「アメリカンロック」と言ってしまう*34など、全体的な段取りは生放送としては第1回ならではといえるややgdgdな面も見られた。赤坂はその場で謝罪し、それ以降は出演していない。
当時としては異例である「ゴールデンで賞金が出るネタ番組」であったとはいえ、この頃は社会的な注目度も低く、優勝者の中川家は放送終了直後に審査員からネタをダメ出しされたというエピソードもある。

関西出身からの決勝進出9組は最多記録である。

オートバックス M-1グランプリ2002

順位 コンビ名 所属 1st出番 1st得点 最終得票
1 ますだおかだ 松竹芸能 2 612 5
2 フットボールアワー 吉本興業 5 621 2
3 笑い飯 吉本興業 6 567 0
4 おぎやはぎ プロダクション人力舎 7 561 -
5 ハリガネロック 吉本興業 1 545 -
6 テツandトモ ニチエンプロダクション 4 539 -
7 スピードワゴン M2カンパニー 9 535 -
8 ダイノジ 吉本興業 3 534 -
9 アメリカザリガニ 松竹芸能 8 525 -
  • 初出場:笑い飯、テツandトモ、ダイノジ、スピードワゴン
  • ノーシード:笑い飯、テツandトモ、スピードワゴン
  • ラストイヤー:ますだおかだ(規定変更により翌年も出場可能に)
  • 最終決戦出番順:抽選により、フットボールアワー、笑い飯、ますだおかだの順に決定

総エントリー数は1756組。
審査員は島田紳助、松本人志、大竹まこと、ラサール石井、島田洋七、中田カウス、立川談志。

この回より敗者復活戦が実装。敗者復活戦は東京ビッグサイトの目と鼻の先にある国際展示場駅前の広場で行われ、さらに2002年と2004年はコミックマーケットの日程と重なったこともあり、多くの見物客が足を止めて立ち見する光景が見られた。
吉本興業所属の決勝進出コンビが半数を下回ったのはこの回のみで、ますだおかだの優勝により初めて非吉本の芸人が優勝した大会である。また、何故かこの大会のみキャッチコピーが存在しない。

オートバックス M-1グランプリ2003

順位 コンビ名 所属 キャッチコピー 1st出番 1st得点 最終得票
1 フットボールアワー 吉本興業 悲願 7 663 4
2 笑い飯 吉本興業 ∞ infinity 4 656 3
3 アンタッチャブル プロダクション人力舎 敗者復活組 9 616 0
4 2丁拳銃 吉本興業 ラストチャンス 5 608 -
5 りあるキッズ 吉本興業 最年少 8 601 -
6 スピードワゴン ホリプロコム 正門突破 3 572 -
7 アメリカザリガニ 松竹芸能 3度目の正直 6 564 -
8 麒麟 吉本興業 返り咲き 2 554 -
9 千鳥 吉本興業 無印(ノーマーク)。 1 552 -
  • 初出場:2丁拳銃、千鳥、りあるキッズ、アンタッチャブル
  • ノーシード:アンタッチャブル
  • ラストイヤー:2丁拳銃
  • 最終決戦出番順:抽選により、笑い飯、アンタッチャブル、フットボールアワーの順に決定

総エントリー数は1906組。
審査員は島田紳助、松本人志、南原清隆、島田洋七、ラサール石井、大竹まこと、中田カウス。松本と南原の共演が話題になった。

参加資格が結成10年以内に、ネタの持ち時間が4分に変更となり、より現在の形式に近づいた。
この回から司会に今田耕司が起用された。

オートバックス M-1グランプリ2004

順位 コンビ名 所属 キャッチコピー 1st出番 1st得点 最終得票
1 アンタッチャブル プロダクション人力舎 悲願の正面突破 8 673 6
2 南海キャンディーズ 吉本興業 初物尽くし 5 639 1
3 麒麟 吉本興業 敗者復活組 9 634 0
4 タカアンドトシ 吉本興業 直球勝負 2 615 -
5 笑い飯 吉本興業 予測不能 7 615 -
6 POISON GIRL BAND 吉本興業 支離滅裂のアーティスト 6 603 -
7 トータルテンボス 吉本興業 The渋谷系 4 587 -
8 東京ダイナマイト オフィス北野 "ビート"の遺伝子 3 583 -
9 千鳥 吉本興業 リベンジ 1 582 -
  • 初出場:東京ダイナマイト、タカアンドトシ、トータルテンボス、南海キャンディーズ、POISON GIRL BAND
  • ノーシード:東京ダイナマイト
  • ラストイヤー:アンタッチャブル、タカアンドトシ
  • 最終決戦出番順:抽選により、アンタッチャブル、麒麟、南海キャンディーズの順に決定

総エントリー数は2617組。初めて総エントリー数が2000組を超えた。
審査員は西川きよし、南原清隆、大竹まこと、島田洋七、春風亭小朝、ラサール石井、中田カウス。
2010年までで唯一、島田紳助と松本人志が出演しなかった回。紳助は2004年10月に自身が起こした傷害事件で書類送検され、芸能活動を自粛していたため。松本は紳助が出演しないことと、決勝戦の裏番組に相方の浜田雅功が出演する『ジャンクSPORTS』の特番が放送予定であったことからそれぞれ不参加となった。

アンタッチャブルが優勝したことによって初めて関西出身でないコンビが優勝した。
また、初めて東京NSC出身の決勝進出コンビ(トータルテンボス、POISON GIRL BAND)が出るなど、関東勢の躍進が多く見られた。

笑い飯が制限時間を大幅にオーバーし6分30秒近くネタをしてしまい*35物議を醸したことで、以降ネタ時間のルールについて厳密化が図られた。

オートバックス M-1グランプリ2005

順位 コンビ名 所属 キャッチコピー 1st出番 1st得点 最終得票
1 ブラックマヨネーズ 吉本興業 モテない男たちの逆襲 5 659 4
2 笑い飯 吉本興業 予測不能のWボケ 1 633 3
3 麒麟 吉本興業 M-1チルドレン 8 646 0
4 品川庄司 吉本興業 不屈のお調子者 6 626 -
5 チュートリアル 吉本興業 暴走するイケメン漫才 4 622 -
6 千鳥 吉本興業 敗者復活組 9 607 -
7 タイムマシーン3号 ケーアッププロモーション アキバ系カリスマデブ 7 571 -
8 アジアン 吉本興業 骨と肉のハーモーニー 2 564 -
9 南海キャンディーズ 吉本興業 相方以上恋人未満 3 552 -

総エントリー数は3389組。
審査員は島田紳助、松本人志、渡辺正行、大竹まこと、島田洋七、ラサール石井、中田カウス。

アジアンが女性コンビで初となる決勝進出を果たした。
一方で、2002年以降で初めてノーシードからの決勝進出コンビが出なかった。

この回から決勝戦会場がテレビ朝日本社になった。その為か、笑い飯のジャッジの際に島田洋七の審査点数が表示されず口頭で得点を発表する、タイムマシーン3号のジャッジの開票の際に直前に出た品川庄司の点数がそのまま出てしまうなどトラブルが頻発した。
今大会から「ネタ時間が4分を超えると減点の対象」のルールがアナウンスされた。これは前述の通り、前年の2004年にて笑い飯が6分30秒近くネタをしてしまったことが原因とされる*36

オートバックス M-1グランプリ2006

順位 コンビ名 所属 キャッチコピー 1st出番 1st得点 最終得票
1 チュートリアル 吉本興業 華麗なる妄想族 6 664 7
2 フットボールアワー 吉本興業 帰ってきた王者 2 640 0
3 麒麟 吉本興業 空腹のファンタジスタ 4 627 0
4 笑い飯 吉本興業 予測不能のWボケ 8 626 -
5 トータルテンボス 吉本興業 ハンパねぇ渋谷系漫才 5 613 -
6 ライセンス 吉本興業 敗者復活組 9 609 -
7 ザ・プラン9 吉本興業 5人の漫才革命児 3 597 -
8 変ホ長調 (アマチュア) 史上最強のアマチュア 7 576 -
9 POISON GIRL BAND 吉本興業 暴走する異次元漫才 1 570 -
  • 初出場:ザ・プラン9、変ホ長調、ライセンス
  • ノーシード:なし
  • ラストイヤー:ライセンス

総エントリー数は3922組。
審査員は島田紳助、松本人志、南原清隆、渡辺正行、島田洋七、大竹まこと、中田カウス。

初のアマチュアでの決勝進出(変ホ長調)、初のコンビ以外での決勝進出(ザ・プラン9)、初の過去の王者の再参戦(フットボールアワー)など、いろいろと初物づくしとなった異例の大会。この内アマチュアとコンビ以外のファイナリストは未だに彼らのみである。
アマチュアの変ホ長調を除き、敗者復活組を含めた決勝進出コンビの所属事務所が全て吉本興業だった唯一の大会でもある。

オートバックス M-1グランプリ2007

順位 コンビ名 所属 キャッチコピー 1st出番 1st得点 最終得票
1 サンドウィッチマン フラットファイヴ 敗者復活組 9 651 4
2 トータルテンボス よしもとクリエイティブ・エージェンシー ハンパねぇラストチャンス 5 646 2
3 キングコング よしもとクリエイティブ・エージェンシー 帰ってきたスーパールーキー 6 650 1
4 ハリセンボン よしもとクリエイティブ・エージェンシー (デブ+ヤセ)×ブサイク=爆笑 7 608 -
5 笑い飯 よしもとクリエイティブ・エージェンシー 予測不能のWボケ 1 604 -
6 ザブングル ワタナベエンターテインメント 奇跡の顔面 3 597 -
7 ダイアン よしもとクリエイティブ・エージェンシー お笑い月見草 8 593 -
8 千鳥 よしもとクリエイティブ・エージェンシー オレ流漫才 4 580 -
9 POISON GIRL BAND よしもとクリエイティブ・エージェンシー 屈辱からの脱出 2 577 -
  • 初出場:ハリセンボン、ザブングル、ダイアン、サンドウィッチマン
  • ノーシード:ハリセンボン、キングコング
  • ラストイヤー:トータルテンボス

総エントリー数は4239組。
審査員は島田紳助、松本人志、上沼恵美子、ラサール石井、オール巨人、大竹まこと、中田カウス。2021年大会までM-1グランプリの筆頭審査員として活躍したオール巨人と上沼恵美子が初めて審査員として出演した。

第1回大会ファイナリストのキングコングが6年ぶりに決勝進出を決めた。また、笑い飯が6回目の決勝進出となり、決勝進出回数の単独最多記録を樹立した。

敗者復活からの生還を果たしたサンドウィッチマンが優勝するという、史上初となる偉業が成し遂げられた。
また、サンドウィッチマンは当時フラットファイヴ所属のため、アンタッチャブル以来となる非吉本での優勝者となった。

余談だが、今大会の1回戦開催中に吉本興業が「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」に所属タレントを移管している。

オートバックス M-1グランプリ2008

順位 コンビ名 所属 キャッチコピー 1st出番 1st得点 最終得票
1 NON STYLE よしもとクリエイティブ・エージェンシー ストリート系漫才 7 644 5
2 オードリー ケイダッシュステージ 敗者復活組 9 649 2
3 ナイツ マセキ芸能社 浅草の星 4 640 0
4 笑い飯 よしもとクリエイティブ・エージェンシー 孤高のWボケ 2 637 -
5 U字工事 アミー・パーク I ♥ とちぎ 5 623 -
6 ダイアン よしもとクリエイティブ・エージェンシー お笑い月見草 1 619 -
7 モンスターエンジン よしもとクリエイティブ・エージェンシー 変幻自在の高性能漫才 3 614 -
8 キングコング よしもとクリエイティブ・エージェンシー 逆襲のスーパールーキー 8 612 -
9 ザ・パンチ よしもとクリエイティブ・エージェンシー ラストチャッチャチャーンス 6 591 -
  • 初出場:ザ・パンチ、ナイツ、NON STYLE、モンスターエンジン、U字工事、オードリー
  • ノーシード:なし
  • ラストイヤー:ザ・パンチ

総エントリー数は4489組。
審査員は島田紳助、松本人志、上沼恵美子、渡辺正行、オール巨人、大竹まこと、中田カウス。

この回から女性司会者が上戸彩で固定されるようになった。

9組中6組が初出場。一方で5大会ぶりに決勝進出者に女性芸人がいない大会になった。
最終決戦進出の3組が全て決勝初出場コンビになったのは、2002年以降ではこの回のみ。また、最終決戦進出の3組の事務所が全て異なったのもこの回のみである。

今大会は歴代最高視聴率を記録しており、関東では23.7%、関西では35.0%を記録している。


オートバックス M-1グランプリ2009

順位 コンビ名 所属 キャッチコピー 1st出番 1st得点 最終得票
1 パンクブーブー よしもとクリエイティブ・エージェンシー 9年目の正直 8 651 7
2 笑い飯 よしもとクリエイティブ・エージェンシー 孤高のWボケ 5 668 0
3 NON STYLE よしもとクリエイティブ・エージェンシー 敗者復活組 9 641 0
4 ナイツ マセキ芸能社 浅草の星 1 634 -
5 ハライチ ワタナベエンターテインメント 原市生まれM-1育ち 6 628 -
6 東京ダイナマイト よしもとクリエイティブ・エージェンシー 逆襲の異端児 3 614 -
7 モンスターエンジン よしもとクリエイティブ・エージェンシー ネタの精密機械 7 610 -
8 南海キャンディーズ よしもとクリエイティブ・エージェンシー 漫才という名の赤い糸 2 607 -
9 ハリセンボン よしもとクリエイティブ・エージェンシー 恋する漫才師 4 595 -
  • 初出場:ハライチ、パンクブーブー
  • ノーシード:なし
  • ラストイヤー:なし

総エントリー数は4629組。
審査員は島田紳助、松本人志、上沼恵美子、東国原英夫、オール巨人、渡辺正行、中田カウス。当時宮崎県知事だった東国原英夫の審査員就任は話題となった。

決勝初出場が過去最少の2組だけで、ラストイヤーも初めてゼロに。また、大阪からの決勝進出コンビも2組だけとこちらも過去最少となった。

今大会で島田紳助が笑い飯に出した100点は史上初かつ史上唯一の記録である。

オートバックス M-1グランプリ2010

順位 コンビ名 所属 キャッチコピー 1st出番 1st得点 最終得票
1 笑い飯 よしもとクリエイティブ・エージェンシー 孤高のWボケ 6 668 4
2 スリムクラブ よしもとクリエイティブ・エージェンシー 無印(ノーマーク)島人 3 644 3
3 パンクブーブー よしもとクリエイティブ・エージェンシー 敗者復活組 9 668 0
4 ピース よしもとクリエイティブ・エージェンシー 笑いのアーティスト 8 629 -
5 銀シャリ よしもとクリエイティブ・エージェンシー 昭和をまとった新世代 4 627 -
6 ナイツ マセキ芸能社 浅草の星 5 626 -
7 ハライチ ワタナベエンターテインメント 進化するムチャぶり漫才 7 620 -
8 ジャルジャル よしもとクリエイティブ・エージェンシー スーパールーキー 2 606 -
9 カナリア よしもとクリエイティブ・エージェンシー 羽ばたけ!ラストイヤー 1 592 -
  • 初出場:ピース、ジャルジャル、カナリア、スリムクラブ、銀シャリ
  • ノーシード:ピース
  • ラストイヤー:最終回のため全組が該当(後に大会復活時の規定変更により出場権付与)

総エントリー数は4835組。
審査員は島田紳助、松本人志、南原清隆、大竹一樹、渡辺正行、宮迫博之、中田カウス。

ファーストラウンドで笑い飯とパンクブーブーが668点で同点となり、より高い点数を付けた審査員の多かったパンクブーブーが1位通過扱いとなった。

M-1グランプリ2015

順位 コンビ名 所属 キャッチコピー 1st出番 1st得点 最終得票
1 トレンディエンジェル よしもとクリエイティブ・エージェンシー 敗者復活組 9 825 6
2 銀シャリ よしもとクリエイティブ・エージェンシー 昭和をまとった新世代 再び! 6 818 2
3 ジャルジャル よしもとクリエイティブ・エージェンシー フリースタイルが止まらない! 5 834 1
4 タイムマシーン3号 太田プロダクション 器用なおデブさんは好きですか? 8 816 -
5 スーパーマラドーナ よしもとクリエイティブ・エージェンシー 震える子羊ボケまくる! 3 813 -
6 和牛 よしもとクリエイティブ・エージェンシー 心にさされ!非情な愛のボケ 4 806 -
7 メイプル超合金 サンミュージックプロダクション 誰も知らない超ダークホース 1 796 -
8 馬鹿よ貴方は オフィス北野 静かなる毒舌漫才 2 791 -
9 ハライチ ワタナベエンターテインメント 澤部、今日も騒ぐってよ 7 788 -
  • 初出場:和牛、馬鹿よ貴方は、スーパーマラドーナ、メイプル超合金、トレンディエンジェル
  • ノーシード:同上
  • ラストイヤー:タイムマシーン3号

5年ぶりに大会が再開され、出場条件が結成15年以内に引き上げられた。
総エントリー数は前回より少ない3472組。
審査員は礼二、増田英彦、岩尾望、吉田敬、徳井義実、富澤たけし、石田明、佐藤哲夫、哲夫。全員が初参加で、アンタッチャブルを除く歴代優勝コンビから1人ずつ審査員を務めることが話題となった。また、9名での審査はこの回のみ。

敗者復活戦の会場が、大井競馬場から六本木ヒルズアリーナに変更された。
また、この年から敗者復活戦が生放送で中継され、選出方法も視聴者投票になった。
それまで50組以上が争っていた敗者復活戦も、この年から20組以下と大幅に絞られることになった。

M-1グランプリ2016

順位 コンビ名 所属 キャッチコピー 1st出番 1st得点 最終得票
1 銀シャリ よしもとクリエイティブ・エージェンシー 王道漫才 4 470 3
2 和牛 よしもとクリエイティブ・エージェンシー 敗者復活組 9 469 1
3 スーパーマラドーナ よしもとクリエイティブ・エージェンシー 虚弱×最強 7 459 1
4 さらば青春の光 ザ・森東 予測不能 8 448 -
5 アキナ よしもとクリエイティブ・エージェンシー 変幻自在 1 446 -
6 ハライチ ワタナベエンターテインメント シン・ハライチ 6 446 -
7 カミナリ グレープカンパニー ダークホース 2 441 -
8 スリムクラブ よしもとクリエイティブ・エージェンシー 一撃必殺 5 441 -
9 相席スタート よしもとクリエイティブ・エージェンシー 婚活系漫才 3 436 -
  • 初出場:カミナリ、アキナ、相席スタート、さらば青春の光
  • ノーシード:カミナリ、アキナ、スリムクラブ
  • ラストイヤー:なし

総エントリー数は3503組。
審査員は上沼恵美子、松本人志、博多大吉、礼二、オール巨人。この回のみ5名での審査だった。

大会復活後、ファーストラウンド敗退コンビの平均点が全て90点未満だったのはこの回のみ。

M-1グランプリ2017

順位 コンビ名 所属 キャッチコピー 1st出番 1st得点 最終得票
1 とろサーモン よしもとクリエイティブ・エージェンシー ついにキターーー!! 3 645 4
2 和牛 よしもとクリエイティブ・エージェンシー 3度目の正直 9 653 3
3 ミキ よしもとクリエイティブ・エージェンシー 兄弟漫才 8 650 0
4 スーパーマラドーナ よしもとクリエイティブ・エージェンシー 敗者復活組 4 640 -
4 かまいたち よしもとクリエイティブ・エージェンシー 史上初の2冠へ 5 640 -
6 ジャルジャル よしもとクリエイティブ・エージェンシー 帰ってきたフリースタイル 10 636 -
7 さや香 よしもとクリエイティブ・エージェンシー 無印(ノーマーク) 7 628 -
8 ゆにばーす よしもとクリエイティブ・エージェンシー 野生女×インドア男 1 626 -
9 カミナリ グレープカンパニー 進化のどつき漫才 2 618 -
10 マヂカルラブリー よしもとクリエイティブ・エージェンシー 摩訶不思議 6 607 -

総エントリー数は4094組。復活後初めて4000組を超えた。
審査員は前回の5名に加え、渡辺正行と春風亭小朝がこの回限定で復帰した。

今大会から正規の決勝進出者が9組となり、第1回大会以来約16年ぶりに決勝が10組で争われるようになった。
さらに決勝戦のネタ披露順が笑神籤による抽選方式となり、それに伴い敗者復活戦の勝利者を番組冒頭で発表する形式になった。

ゆにばーす・はら、さや香・新山といった平成生まれの芸人が初めて決勝進出を果たした大会でもある。

M-1グランプリ2018

順位 コンビ名 所属 キャッチコピー 1st出番 1st得点 最終得票
1 霜降り明星 よしもとクリエイティブ・エージェンシー 縦横無尽 9 662 4
2 和牛 よしもとクリエイティブ・エージェンシー 第4形態 10 656 3
3 ジャルジャル よしもとクリエイティブ・エージェンシー フリースタイル再び 4 648 0
4 ミキ よしもとクリエイティブ・エージェンシー 敗者復活組 7 638 -
5 かまいたち よしもとクリエイティブ・エージェンシー 史上初の2冠へ 3 636 -
6 トム・ブラウン ケイダッシュステージ 無秩序 8 633 -
7 スーパーマラドーナ よしもとクリエイティブ・エージェンシー 最後の逆襲 2 617 -
8 ギャロップ よしもとクリエイティブ・エージェンシー 輝け!いぶし銀 5 614 -
9 見取り図 よしもとクリエイティブ・エージェンシー 声高ダークホース 1 606 -
10 ゆにばーす よしもとクリエイティブ・エージェンシー 今年もイェエエエイ! 6 594 -
  • 初出場:霜降り明星、トム・ブラウン、ギャロップ、見取り図
  • ノーシード:トム・ブラウン、ギャロップ
  • ラストイヤー:スーパーマラドーナ、ギャロップ、ジャルジャル

総エントリー数は4640組。
審査員は巨人、礼二、松本、上沼に加え、サンドウィッチマン・富澤が3年ぶりに復帰し、ナイツ・塙と立川志らくが初参加。

10組中6組が決勝連続出場で、過半数を占めた。また、ラストイヤーのコンビが3組いるのは過去最多である。

この年は『R-1ぐらんぷり』を濱田祐太郎が、『キングオブコント』をハナコが制しており、3大大会を20代の若手芸人が席巻。「お笑い第七世代」が台頭していくこととなった。

また、放送終了直後のインスタライブにて前年王者とろサーモン・久保田かずのぶとスーパーマラドーナ・武智が飲酒の末に審査員の上沼に対して暴言を吐き、大炎上してしまった。

M-1グランプリ2019

順位 コンビ名 所属 キャッチコピー 1st出番 1st得点 最終得票
1 ミルクボーイ 吉本興業 ナニワスパイラル 7 681 6
2 かまいたち 吉本興業 憑依する漫才 2 660 1
3 ぺこぱ サンミュージックプロダクション ツッコミ方改革 10 654 0
4 和牛 吉本興業 敗者復活組 3 652 -
5 見取り図 吉本興業 真逆の個性 6 649 -
6 からし蓮根 吉本興業 火の国ストロング 5 639 -
7 オズワルド 吉本興業 新・東京スタイル 8 638 -
8 すゑひろがりず 吉本興業 令和の伝統芸能 4 637 -
9 インディアンス 吉本興業 ノンストップ 9 632 -
10 ニューヨーク 吉本興業 漫才ジョーカー 1 616 -
  • 初出場:からし蓮根、ミルクボーイ、ぺこぱ、オズワルド、すゑひろがりず、ニューヨーク、インディアンス
  • ノーシード:ミルクボーイ、ぺこぱ、オズワルド、すゑひろがりず、ニューヨーク
  • ラストイヤー:かまいたち

総エントリー数は5040組。
審査員は昨年と同じ7名。この顔ぶれは2021年まで固定された。

この年から敗者復活戦のネタ時間が3分から4分に変更された。
また、この年から敗者復活戦の勝者を、「笑神籤」で出番が決まった直後に発表し、そのまますぐに会場に向かいネタを行う形式になっている。

決勝進出10組のうち7組が初出場、うち5組がノーシードでの進出とテレビ的にほぼ無名のコンビばかりの決勝戦となり、その一方で和牛を含むファイナリスト経験者や四千頭身ら当時圧倒的支持を得ていた第七世代が軒並み準決勝敗退と開催前から世間を大きく騒がせた。
そのため開幕前は不安視する声も上がっていたが、結果としては審査員が口をそろえて「過去最高レベルの大会」「どのコンビを支持するか悩んだ」と絶賛する過去に類を見ない盛り上がりを見せた回となった。

余談だが、今大会開催までによしもとクリエイティブ・エージェンシーが「吉本興業」に社名を変更している*37

M-1グランプリ2020

順位 コンビ名 所属 キャッチコピー 1st出番 1st得点 最終得票
1 マヂカルラブリー 吉本興業 我流大暴れ 6 649 3
2 おいでやすこが 吉本興業 個性と技のハーモニー 5 658 2
3 見取り図 吉本興業 真逆の才能Ⅲ 4 648 2
4 錦鯉 SMA おっさんずバカ 9 643 -
5 ニューヨーク 吉本興業 ダークにリベンジ 3 642 -
5 オズワルド 吉本興業 NEO東京スタイル 7 642 -
7 インディアンス 吉本興業 敗者復活組 1 625 -
8 アキナ 吉本興業 覚醒するファンタジスタ 8 622 -
9 ウエストランド タイタン 小市民怒涛の叫び 10 622 -
10 東京ホテイソン グレープカンパニー 静ボケ 剛ツッコミ 2 617 -
  • 初出場:おいでやすこが、東京ホテイソン、錦鯉、ウエストランド
  • ノーシード:おいでやすこが*38
  • ラストイヤー:なし

当時は新型コロナウイルス流行により開催自体が危ぶまれていたが、1回戦を無観客で開催、過去の準決勝経験コンビに特例シード付与*39、3回戦の廃止などの感染対策を施して開催された。
総エントリー数は5081組。

この大会から2回戦以降のネタが大会公式のYouTubeチャンネルにアップロードされるようになった*40

非吉本の事務所所属の芸人が複数組出場。これは2016年以来となる。
錦鯉・長谷川が49歳かつ芸歴25年でM-1グランプリの最年長ファイナリスト・最長芸歴を更新。
さらにピン芸人のおいでやす小田とこがけんによる2019年結成のユニットコンビ「おいでやすこが」が決勝進出を果たした。正式ではないグループが決勝進出を果たしたのは初。

上述の通り、この大会の結果で優勝したマヂカルラブリーのネタに対し「あのネタは漫才といえるのか」という異論が唱えられたことから「漫才論争」が勃発した。

M-1グランプリ2021

順位 コンビ名 所属 キャッチコピー 1st出番 1st得点 最終得票
1 錦鯉 SMA 50歳おバカの大冒険 8 655 5
2 オズワルド 吉本興業 シン・東京スタイル 6 665 1
3 インディアンス 吉本興業 快速ボケ特急 9 655 1
4 ロングコートダディ 吉本興業 やわらかハード 7 649 -
5 もも 吉本興業 なにわNEWフェイス 10 645 -
6 ゆにばーす 吉本興業 NO M-1,NO LIFE. 3 638 -
6 真空ジェシカ プロダクション人力舎 屈折のエリート 5 638 -
8 モグライダー マセキ芸能社 やんちゃとぶきっちょ 1 637 -
9 ハライチ ワタナベエンターテインメント 敗者復活組 4 636 -
10 ランジャタイ グレープカンパニー 奇天烈の極み 2 628 -
  • 初出場:もも、真空ジェシカ、モグライダー、ランジャタイ、ロングコートダディ
  • ノーシード:もも、真空ジェシカ、モグライダー
  • ラストイヤー:ハライチ

新型コロナウイルス感染拡大防止に細心の注意を払いつつも、3回戦の復活など従来の形式に戻して開催された。
総エントリー数は6017組。

吉本興業以外の事務所所属のコンビが5組(敗者復活組を含む)決勝進出を果たした。これは2002年に並び最多タイ。
そのうちストレートで決勝に進出した4組は関東のお笑い興行を一手に担う「K-PRO」ライブの常連メンバーであり、自らも出場者であるロングコートダディ・堂前がこのメンツを「週4くらいでお笑いライブに通っているお笑いファンが高熱の時に見る夢みたいなメンバー」と評するなど、本番前から昨年の漫才論争以上の大波乱が予想されていた。

ファーストラウンドで錦鯉とインディアンスが655点で同点となり、より高い点数を付けた審査員の多かった錦鯉が2位通過扱いとなった。
一方で、同大会からファーストラウンドで敗退した場合は合計得点のみで順位をつけるようになっている。

錦鯉の優勝により2007年のサンドウィッチマン以来、実に10大会ぶり(14年ぶり)に吉本興業以外所属コンビが優勝した。
また、長谷川(当時50歳)は初の50代ファイナリスト兼優勝者、渡辺(当時43歳)も史上初の40代での優勝者となり、コンビでとろサーモンの2人(当時38歳)が持っていた優勝の最年長記録を更新した。

M-1グランプリ2022

順位 コンビ名 所属 キャッチコピー 1st出番 1st得点 最終得票
1 ウエストランド タイタン 小市民怒涛の叫び 10 659 6
2 さや香 吉本興業 熱血リベンジ 5 667 1
3 ロングコートダディ 吉本興業 ゆるハイブリッド 4 660 0
4 男性ブランコ 吉本興業 あぶない地味男 6 650 -
5 真空ジェシカ プロダクション人力舎 アンコントロール 2 647 -
5 ヨネダ2000 吉本興業 なかよし奇想天外 8 647 -
7 オズワルド 吉本興業 敗者復活組 3 639 -
8 カベポスター 吉本興業 草食系ロジカル 1 634 -
9 キュウ タイタン ノーリアル 9 620 -
10 ダイヤモンド 吉本興業 クレイジーな輝き 7 616 -

総エントリー数は7261組。準々決勝進出者が昨年よりも絞られた一方で、準決勝の枠が2つ増えて27+1組になった。
審査員は上沼と巨人の勇退により、博多大吉が5年ぶりに復帰し、新たに山田邦子が加わった。

大会史上初の歴代ファイナリストの1回戦敗退、大会復活後初の前年度ファイナリストの3回戦敗退、準決勝の時点で前年度ファイナリストが3組だけ、
前年度3位の準々決勝敗退*41、大会史上初のストレートでの決勝3回目以上なし……など、今まで以上に過酷な大会となった。M-1はファイナリスト経験者にさえ容赦しない。

タイタンからファイナリストが2組選出されており、吉本以外の事務所では第1回と第2回に2組選出された松竹芸能以来、さらに言えば関東圏の事務所では初の快挙である。
また、史上初めて2年連続で吉本興業以外所属コンビから王者が誕生した。

M-1グランプリ2023

順位 コンビ名 所属 キャッチコピー 1st出番 1st得点 最終得票
1 令和ロマン 吉本興業 エキセントリックルーキー 1 648 4
2 ヤーレンズ ケイダッシュステージ ノンストップ・ウザ 6 656 3
3 さや香 吉本興業 激情リベンジ 3 659 0
4 マユリカ 吉本興業 ずっとキモダチ 5 645 -
5 真空ジェシカ プロダクション人力舎 アンコントロールⅢ 7 643 -
6 カベポスター 吉本興業 草食系ロジカルモンスター 4 635 -
7 モグライダー マセキ芸能社 メジャーポンコツ 10 632 -
8 ダンビラムーチョ 吉本興業 M-POP 8 631 -
9 シシガシラ 吉本興業 (敗者復活組) 2 627 -
10 くらげ 吉本興業 純情!ワイシャツとアロハ 9 620 -
  • 初出場:令和ロマン、マユリカ、くらげ、ダンビラムーチョ、ヤーレンズ、シシガシラ
  • ノーシード:なし*42
  • ラストイヤー:なし

総エントリー数は8540組。準決勝の枠が昨年よりさらに増やされ、30+1組となった。
敗者復活戦のリニューアルに伴い芸人審査員が新たに設けられ、柴田英嗣、野田クリスタル、渡辺隆、山内健司、石田明の5人が担当。
決勝審査員は志らくの勇退に伴い、新たに海原ともこが加入した。

最終決戦の結果発表では審査員席の順にヤ(ヤーレンズ)→令(令和ロマン)→ヤ→令→ヤ→令の順ときれいに投票結果が分かれ、文字通り松本の一票で王者が決まるというM-1史上最もスリリングな発表となった。
さらに中川家以来となるトップバッターからの王者が誕生した。また、平成生まれ及び20代のコンビが優勝するのは霜降り明星以来であり、これまで霜降り明星の芸歴の5年11か月だった記録を更新する芸歴5年9か月での優勝を果たした

M-1グランプリ2024

順位 コンビ名 所属 キャッチコピー 1st出番 1st得点 最終得票
1 令和ロマン 吉本興業 Champion 1 850 5
2 バッテリィズ 吉本興業 浪速のド直球 7 861 3
3 真空ジェシカ プロダクション人力舎 アンコントロールIV 3 849 1
4 エバース 吉本興業 雑談ファンタジスタ 9 848 -
5 ヤーレンズ ケイダッシュステージ 逆襲のノンストップ・ウザ 2 825 -
6 トム・ブラウン ケイダッシュステージ ラスト無秩序 10 823 -
7 ダイタク 吉本興業 双子無双 5 820 -
7 マユリカ 吉本興業 (敗者復活組) 4 820 -
9 ジョックロック 吉本興業 爆音ダークホース 6 819 -
10 ママタルト サンミュージックプロダクション デカすぎるにもほどがある! 8 812 -
  • 初出場:ママタルト、ジョックロック、エバース、ダイタク、バッテリィズ
  • ノーシード:なし
  • ラストイヤー:トム・ブラウン、ダイタク

総エントリー数は10330組。ついに1万組を超えた。
審査員は石田明、海原ともこ、柴田英嗣、哲夫、博多大吉、塙宣之、山内健司、礼二、若林正恭。
柴田、山内、若林が初めて決勝戦の審査員席に座ることになった。
それまで長く審査員を務めていた松本人志の芸能活動休止により審査員の人選が注目されていたが、2015年大会以来となる9人体制となり話題となった。
敗者復活戦審査員は井口浩之、久保田かずのぶ、斎藤司、野田クリスタル、渡辺隆。
井口、久保田、斎藤が初めて審査員に起用された。

ファーストラウンドの「笑神籤」にはパリオリンピックにて金メダルを獲得した3名のアスリートが招かれたのだが、中でも柔道の阿部一二三選手が担当した1~3組目にて、令和ロマンが2年連続となるトップバッター、2番手に昨年準優勝のヤーレンズ、3番手に4年連続決勝進出の真空ジェシカと大会序盤に優勝候補上位3組が出尽くす波乱の展開となった*43そして元凶の阿部選手は番組関連ワードのTwitterのトレンドランキングで一位になった

その後バッテリィズが令和ロマンを大差で引き離しファーストラウンド1位通過を決めたものの、殆どのコンビが上記3組の牙城を崩せず最終的に全ネタ終了時点で暫定ボックスに入れたコンビは僅か4組と過去最少となり、敗退コメントもヤーレンズのみという結果となった。
最終決戦では5票を獲得した令和ロマンがM-1史上初となる2連覇を成し遂げた。

ところが、2025年の違法オンラインカジノ問題でM-1関係者が複数人摘発される中、よりにもよって令和ロマンの髙比良くるまも関与していたことが発覚。優勝したばかりの芸人が出演する番組の放送・配信中止や内容差し替えが多発する異常事態となってしまった。


【意外な出場者】

先述したとおり、結成15年以内であれば老若男女を問わず参加できる今大会において非芸人の参加は非常に多い。
その中には他のジャンルで有名になっている人も少なからずおり、その中から特筆すべき人物をここに記す。

  • えべっさん(現・菊タロー)(2001)
当時、大阪プロレス所属のプロレスラー。同団体の社長であるスペル・デルフィンと「なんで家いるか・えびす」を結成し、本職の芸人相手に3回戦に進出する快挙を見せた。
また、2003年には相方を同団体のタイガースマスクに代えて1回戦を突破している。

絶体絶命でんぢゃらすじーさん』シリーズで知られる漫画家。
友人とコンビ「こち亀5、6巻」を結成し参加。しかし1回戦でコンビ名がウケただけでそこから先は地獄だったという。

  • 福島暢啓(2007~2009・2018・2022~2024)
MBS毎日放送のアナウンサー。
現在はTBSテレビ制作の『THE TIME,』で関西・徳島地区の中継を担当。
初出場は大学時代で、大学の落語研究会の先輩とコンビ「志ん茶」を組み、アマチュアながらも準決勝まで2度勝ち進んだ
若本規夫のモノマネを得意としており、漫才でも披露している。
コンビの活動は2人とも就職した事で終了しているが、ベストアマチュア賞がこの時からあったなら間違いなく彼らが獲得していただろう。
また、2018年と2022~2024年には三遊亭好楽の弟子である落語家の錦笑亭満堂(旧:三遊亭とむ)と「ヤングタウン」を結成し、2023年には準々決勝まで進出している。

  • 仁井谷正充(2007)
ぷよぷよの開発元、および倒産後の元社員からの暴露によりしくじり企業として知られているコンパイル社の社長。「MOO仁井谷」の名でサタンさまの声優をしたりコスプレしていた姿を覚えている人間も多いだろう。
2007年に新作ゲームの宣伝も兼ね「歳の差コンビならウケるだろう」という目論見で20歳の女性みちゃきと「たにんどん」というコンビを結成し出場。
結果は1回戦敗退だが、ぷよぷよ開発者というネームバリューからあらびき団やAbemaTV『日村がゆく』といった番組にコンビで出演。
しかしあらびき団ではスベリ芸扱い、日村がゆくでも『M-1ナメてるグランプリ』という企画での出演である。

  • 森田まさのり(2018)
『ROOKIES』で知られる漫画家。
お笑い芸人を題材にした『べしゃり暮らし』の作者で、同作用の取材のため吉本興業の養成所「吉本総合芸能学院(NSC)」に入学までしている*44ほか、2008~2010年のM-1ポスターで同作の主人公コンビを描いている。
漫画家仲間の長田悠幸との即席お笑いコンビ「漫画家」で参加。本職でないにもかかわらずなんと準々決勝にまで勝ち上がる健闘ぶりを見せ、ベストアマチュア賞を獲得した。

事務所の後輩(当時)・野津山幸宏とともに、自身が代表を務める事務所と同名のコンビ「ラッシュスタイル」を結成して出場。
声優ならではの滑舌を活かした芸風だが、惜しくも3回戦には届かず。

  • つ~ゆ~(2019・2020)
福田悠太と辰巳雄大の二人からなるジャニーズ事務所所属のアイドル
ジャニーズアイドルとして初のM-1出場となる2019年には3回戦まで進出し、話題を呼んだ。
また、2020年には彼らが所属しているグループ「ふぉ~ゆ~」の残りのメンバーである松崎祐介と越岡裕貴も「おつゆ」として出場、こちらは1回戦を突破している。
さらに2024年には「ふぉ~ゆ~」名義で4人で参戦、2回戦を突破した。

  • 冨宅正浩(2022)
2017年から務めている大阪府柏原市の現職市長
かねてからの友人であり同市在住の芸人・山本哲史とともに「市長・市民」を結成して出場。
現職市長の参戦、並びに1回戦突破は大いに話題になり、ネットニュースをにぎわせた。
また、同年には福井県若狭町長の渡辺英朗も出場しており、こちらも1回戦を突破している。

  • ウクライーニヤン(2022)
ロシアによるウクライナ侵攻からの避難民であるユリヤ・ボンダレンコ氏とその支援者かつ企業社長の吉村大作氏によるコンビ。
結果は1回戦敗退だが、時節が時節だけに大きな話題を呼び、ナイスアマチュア賞を受賞。

  • 我らワールド(2022)
自転車系漫才…と言われるレベルで軽妙なトークを繰り広げるJ SPORTS Cycle Road Race実況解説の栗村修と、『金曜ロードショー』やラジオでおなじみのドイツ人ナレーター・サッシャのコンビ。
何を間違ったのか『M-1』に参戦し、1回戦を突破してしまう。
流石に2回戦敗退だったが、「J SPORTS」で放送されている普通はスポーツマンの裏側まで密着取材する番組『The REAL』にて、何故かこの2人の『M-1』参戦記まで取材される事に。

  • くまモン(2023)
ご存じ熊本県が誇るマスコットキャラクター。
大阪くまモン隊で活動しているお姉さんとコンビを結成し、1回戦を突破した。

  • ケイン・コスギ(2023)
三大特撮制覇を成し遂げた、perfect bodyなアクション俳優。
ジム仲間であった筋肉芸人、なかやまきんに君とのコンビ「パーフェクトパワーズ」を結成し挑んだ2023年大会では、なんと準々決勝まで進出する快挙を成し遂げ注目を集めた。


【予選で話題を集めたコンビ】

決勝戦に残れずとも、予選にて披露したネタが動画サイトで話題を集めたコンビも多い。

  • まえだまえだ(2007)
兄の前田航基と弟の前田旺志郎の兄弟からなるコンビ。松竹芸能所属。
2007年当時9歳と7歳の史上最年少で準決勝進出し、話題になった。
現在は兄弟ともに俳優として活動しており、コンビ解散こそしていないが漫才は休業状態である。

  • 完熟フレッシュ(2016)
頼りない父、池田57CRAZYとその実娘池田レイラからなる親子漫才師。2016年に3回戦、翌2017年には準々決勝にまで進出し「ベストアマチュア賞」を受賞した。
芸風は実話を基にして頼りない父が繰り出す自虐ネタにレイラが辛辣な毒舌で返すというパターンで、2018年1月の『おもしろ荘』にも出演。前述の通り元々はアマチュアコンビだったが、これをきっかけに注目を集め、同年1月8日付でワタナベエンターテインメント所属となりプロに転向しブレイクした。
現在はテレビ出演こそ減ってはいるものの、Youtubeで披露したレイラのメイク動画が話題になった。錦鯉と同時に漫才協会に加入している。
しかし2024年は再エントリーで1回戦敗退に終わるという憂き目にあうも、レイラがグラビアアイドルとしての活動を開始し注目を集めた。

  • 怪奇!YesどんぐりRPG(2018)
Yes!アキト、どんぐりたけし、サツマカワRPGのそれぞれが一発ギャグを得意とする三人のピン芸人からなるお笑いユニット。
『M-1』に出場こそしているもののボケ、ツッコミの役割の概念は基本的に無く、全員がギャグを担当する風変わりな芸風が持ち味。もはや漫才ではない
初出場であった2018年の3回戦にて、それぞれがローテーション式に一発ギャグを披露していくもどんぐりのみが自己紹介ギャグを繰り返す「プレイヤーチェンジ」のネタが大きな話題となり、プチブレイク。
その後も数多くの芸風を試し、2021年には遂に準々決勝にまで進出。さらにサツマカワRPGとYes!アキトは2022年に『R-1グランプリ』で決勝進出を果たしている。
余談だがサツマカワRPGは2024年大会においてこたけ正義感とのコンビ『頭虚偽罪』で準々決勝進出、どんぐりたけしとのコンビ『ロボドカーン』、森本サイダーとのコンビ『ゲットバックインターネット』で3回戦進出している。

  • 金属バット(2018~2022)
長身坊主の小林圭輔とガリガリ猫背でロン毛の友保隼平からなるコンビ。
特徴的な容姿や覚醒剤や不倫をネタにするブラックな芸風といった一般ウケには程遠そうな要素ばかり持ちながら、独自性あふれる漫才はお笑いファンからだけでなく中田カウスや海原ともこらベテラン勢からも高く評価されており、本大会ではワイルドカードに2回選出されるなど支持の厚いコンビ。
また、友保が『M-1』のプレミアムスポンサーであるどん兵衛のケータリングを毎年楽屋から大量にガメていくことが話題になり、その結果製造元である日清食品に捕捉され、贖罪代わりか「どん兵衛どろぼう」として北の大地できつねダンスを踊るCMが制作されるに至った。
2022年にラストイヤーを迎えたが、その翌年から『THE SECOND』に参加し2年連続でグランプリファイナルに進出。2023年大会でアンバサダーを務めた松本人志からは以前からその存在に注目していた旨をコメントされるなど、存在感を発揮している。ただし1回戦で戦ったマシンガンズと名前を間違えられてはいたが

  • Dr.ハインリッヒ(2020)
姉の彩と妹の幸からなる双子の姉妹コンビ。
双子ではあることはネタにほぼ取り入れず、ファンタジー色の強い話題かつ独特な雰囲気を纏ったしゃべくり漫才が特徴。ラストイヤーであった2020年は準々決勝敗退。
しかし、全国的な知名度としては全くの無名ながらGYAO!で配信されたネタ動画は60万超の再生回数を記録。ワイルドカード枠にこそは入れなかったものの大きな評判を集め、2021年3月に行われた単独ライブではチケットが10秒で即完するなど、“『M-1』決勝に行かないドリーム”を成し遂げた。
因みに女芸人のNo.1を決める「THE W」には初回こそ周りからの強い勧めもあり初回に出場しているが、自分達の良さが出ないという理由からそれ以降出場していない。

  • ラパルフェ(2021・2024)
ワタナベエンターテインメント所属の都留拓也と尾身智志からなるコンビ。
ボケ担当の都留が阿部寛のモノマネをしながら漫才をするという独特の芸風が特徴。しかし2021年の『M-1』ではそれに加えて「大会主催の吉本興業所属の芸人でないと勝ち残れない」という『M-1』審査の都市伝説をネタにする漫才を披露し爆笑をかっ攫い、会場を大いに沸かせた。
Twitterでは「ラパルフェ 反則」がトレンド入りして話題となり、公式Youtubeチャンネルでの再生回数が準々決勝敗退コンビで唯一100万回再生を越えるといった偉業を成し遂げたものの、ワイルドカードには入れずあえなく敗退。しかし決勝には偶然にも4組もの非吉本芸人が進出。さらに最終的には敗者復活枠含めて歴代最多の5組の非吉本芸人が決勝進出を果たした。
因みに都留の阿部寛ネタは本人公認で、これ以外にも森泉やウッディのモノマネ芸で「細かすぎて伝わらない」の常連として知られ、2022年の大会では優勝を果たしている他、2023年の『R-1グランプリ』では決勝に進出している。また、尾身も堺雅人や水曜どうでしょうの「ミスター」こと鈴井貴之などのモノマネを得意としており、2023年のM-1ではVIVANTネタを披露した。
2024年大会においては準々決勝に進出したが、そこでなんと都留が屋敷の、尾身が嶋佐のモノマネで2019年大会のニューヨークのネタや審査時のコメントを完コピするという暴挙に出て、大爆笑をかっさらいそのまま敗退、ワイルドカードでも圧倒的な支持を得ながらも落選するという伝説を残した。

  • コウメマイルド(2021)
息の長い一発屋のコウメ太夫と、地味に『R-1ぐらんぷり』王者の三浦マイルドからなる、共にピン芸人同士のユニットコンビ。
コウメ太夫に扮したマイルドに対してコウメ本人はスッピンかつツッコミという出オチにも程がある出で立ちから絶大なインパクトを残し、話題となった。
実はTBSの特番「クイズ 正解は一年後」での企画として結成されたコンビであり、彼らがどこまで勝ち進められるかを予想するのが番組内でのクイズとなった。
芸風は支離滅裂なコウメ太夫本人のピンネタを三浦マイルドが完全再現し、それをコウメ太夫がリアリティがないとツッコミを入れるが最後は三浦マイルドから「これが普段のお前や!」と逆にツッコまれ、コウメ太夫本人の「チクショー!」で締めるというもの。
三浦マイルドは「1、2回戦ではウケていたが3回戦では全くウケなかった。空気が変わり、お前らが来るところじゃねぇと言われているようだった」と語っている。
なおコンビを組む以前はほぼ面識のなかった2人であったが、これをきっかけに良い飲み友達になったとのこと。

  • ラブリースマイリーベイビー(2023)
ほののとあいりの二人の小学生女子(2023年当時)からなるアマチュアコンビ。
初登場した2023年大会でナイスアマチュア賞を受賞し2回戦に進出すると、YouTubeの公式動画がSNSでバズり注目を集める。
3回戦にこそ進めなかったものの、高い注目を集めたことから3回戦進出者を差し置いて「ベストキッズ賞」を受賞し準決勝会場で表彰された。
テーマのみを決めフリートークのように話すスタイルの漫才はインパクトを残し、スーパーマラドーナ武智ら芸人の間でも評価を得た。
翌年も出場したが残念ながら1回戦敗退。

  • スタミナパン(2023・2024)
ボケの麻婆と、ツッコミのトシダタカヒデからなるコンビ。SMA所属。
幾度の路線変更を繰り返すものの長らく1・2回戦敗退が続いていたが、2023年大会に突如として準決勝進出。YouTuberをテーマにした漫才を披露し、そこで麻婆が放った「ほーんとにうんちしてまーす!」というフレーズが大ウケした。
続く2024年も準決勝に進出し、敗者復活戦ではオズワルドを破る大金星を上げる。後に登場したインディアンスに敗れたものの爪痕はしっかり残せており、2024年では「自分たち以外で1番面白かったコンビは?」と質問された高比良くるまが彼らの名前を挙げた。

  • ネコニスズ(2024)
ボケで元相方が『水曜日のダウンタウン』内の企画『S(スベリ)-1グランプリ』優勝者のエンジンコータローである舘野忠臣と、ツッコミでフリースタイルラップが得意なヤマゲンからなるコンビ。
元々は「センス系の芸人」として大学の後輩であるミルクボーイの2人からも憧れられる存在だった舘野が2024年になってから突如41歳にして「赤ちゃんキャラ」に転向
すると、赤ちゃんとして振る舞う舘野にヤマゲンがツッコミを入れる漫才で躍進し、同年のM-1でも準々決勝まで進出し話題に。
ワイルドカードでもかなり高い支持を得ながらロングコートダディに敗れてしまったが、決勝戦後の年明けに放送された『ぐるぐるナインティナイン』の企画『おもしろ荘へいらっしゃい!』で優勝するなど、ブレイクの兆しを見せている。


【余談】

開始当初各局に企画を持ち込んだ際、テレビ東京では澤田隆治*45を経由してからとあるディレクターを紹介された。
そのディレクターが提案したのは「家族に病人がいるなど、何らかの事情を抱えたコンビに密着してそれを追っかける」というもの。
かなり無茶苦茶な提案だったため即座に断ったものの、後年ファイナリストを密着した『M-1グランプリ アナザーストーリー』という企画をやっていることを考えると、テレ東のディレクターは先見の明があり過ぎたのかもしれない。

お笑い賞レースの中では珍しく屋外広告にも力を入れており、開催が近づくと御堂筋線や阪急・阪神の大阪梅田駅大江戸線六本木駅をポスタージャックするのが恒例となっている。
2023年大会では世帯視聴率が最も高いという理由から、青森県内の施設に歴代王者・ファイナリストのネタを津軽弁・南部弁に変換したポスターが設置された*46

大晦日に放送されている『NHK紅白歌合戦』で、近年は歌手の三山ひろしがけん玉ギネス世界記録に挑戦するのが定番となっており、2021年に放送された第72回では『M-1』決勝の出場者紹介ムービーのパロディとなっており、ナレーションも本家と同じく畑中ふうが担当した。
また、『M-1』決勝経験者では2019年(第70回)にNON STYLEの石田明とミルクボーイの内海崇、2021年(第72回)にぺこぱの松陰寺太勇、2022年(第73回)にテツandトモのテツ、2023年(第74回)にタイムマシーン3号がけん玉ギネス世界記録挑戦に参加している。


今田「さあ、優勝のコンビは誰でしょうか?彩ちゃん、お願いします!」
上戸「今年のM-1王者、それは……」
上戸「追記・修正の後で!」
一同ズッコケ

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最終更新:2025年03月19日 08:47

*1 2002年までは番組内で「10年未満」と表記された。

*2 本来は映画「ムーランルージュ」用に制作された楽曲である。

*3 映画の冒頭で流れる曲。ちなみに『M-1』で使用されているのはバズ・ライトイヤーがザーグの惑星に突入するシーンの部分。

*4 敗者復活戦に出場するコンビも多く、大量の芸人の裏かぶりを回避する為に他局は総集編や非お笑い番組など捨て駒企画を組まざるを得ない事が多い。

*5 オートバックス→イエローハット、ファミリーマート→セブンイレブン等。

*6 関西芸人が出演しなかった理由として、一説には「ボキャブラ」は視聴者投稿をメインとした番組だったため、若手芸人が参加する番組という認識が無かったとされる(同じ吉本でも東京事務所所属の芸人は頻繁に出演していた)。

*7 当の吉本側も全国区ということでキー局にしか目が行かず、在阪局が全国ネットの枠を保有していたことを忘れていたという。

*8 2017年からは再エントリーを含めたのべ組数で表記されており、2024年の実質的なエントリー数は9604組。ちなみにその9604番はTKO木下とこたけ正義感のユニットだった。

*9 2022年までは準決勝進出組、2020年のみ1回でも準決勝以上を経験した組。

*10 アマチュアには特に大きな難関であり、過去に準々決勝を突破できたアマチュアコンビはわずか1組。

*11 2020年までは再生回数、2021年・2022年は動画視聴人数、2023年からは得票数。

*12 2015年~2018年のみ3分

*13 2005年は神宮球場、2006年は有明コロシアム、2007年~2010年は大井競馬場。

*14 特に2016年から2022年までの敗者復活戦勝者はすべて歴代ファイナリストで、そのうち2021年のハライチ以外は前年度のファイナリストでもある。

*15 2001年は準決勝通過10組、2002年~2016年は準決勝通過8組+敗者復活1組。

*16 実際中盤~終盤のコンビが高得点になりやすく、2002年~2016年の11大会中、敗者復活戦勝者の最終決戦進出回数は8回にも及んだ。このため「準決勝で一度敗退したのに有利な条件で決勝に出られるのか」という批判が多かった。

*17 一応、2005年で「4分30秒を超えると1秒につき1点減点」とアナウンスされたが、実際に運用されたかどうかは不明。

*18 ミルクボーイは、「暗黙の了解として、決勝は5分くらいまでなら延びても大丈夫だと言われていた」と語っている。

*19 正確に言えば、2005年~2019年・2022年以降はファーストラウンド1位→2位→3位の順番で各コンビが自分達の順番を決めることになるのだが、2005年を除いて必ず後の出番から選ばれるため意味がなくなっている。

*20 そのうちファーストラウンド3位からの大捲りを見せたのは、とろサーモン、ウエストランド、令和ロマン(2023年)の3組。

*21 2001年は舞台上で各審査員がボタンを押して投票。2002年~2004年は全審査員の票が同時発表。

*22 ただし2021年では登場の仕方がいつもと違っていたためギャグができず、その代わりに司会の今田と上戸が前説を担当しているバイク川崎バイクのモノマネを披露する形となった。2023年は登場こそ普通だったが、コメントの際にギャグを披露した。

*23 芸歴が極めて複雑なため、先輩や兄さんとは言い難いことから「アメトーーク」で使用されて以降一気に普及した。

*24 実は2001年のみ偽名を使って出場している。これは福岡からのエントリーが少なかった事から、福岡吉本からも1組出場させたい吉本興業側から出場要請を受けたことが理由。準決勝まで進んだが結局は失格扱いで決勝には進めなかった。

*25 事実、談志とテツトモにはその後も交流があった様で、ケチで知られる談志が両者にチップとして1万円ずつ手渡したというエピソードもある。

*26 哲夫が土器を掘り起こす業者を演じたくだり。そのときの哲夫の演技が横山やすしに似ていたから等の諸説はあるが、真相は謎のままである。

*27 関西テレビで放送されていた上沼恵美子の冠番組。2020年7月に終了。

*28 12月4日にYoutubeで公開された動画で志らくだけが映らなかったのが伏線だったという声もある。

*29 後日これについて山田本人は「平均点を80点と設定した上で真空ジェシカがトップレベルで質が高いと感じた、カベポスターも悪いと思ったわけではない(大意)」と述べている。

*30 2022年大会にて、別事務所の後輩であるママタルト・檜原(ひわら)洋平を急に「洋平くん」と呼んだ。

*31 2コンビを比較した上で支持する方に投票する方式のため、当然ながら過半数となった時点で勝ちである。

*32 トレンディエンジェル、銀シャリ、ミルクボーイ、マヂカルラブリーが遭遇している。

*33 審査員には紳助から「最低50点を出してくれ」と伝えられており、実際審査員の最大点数差は紳助の30点差だったが、一般審査員の最大点数差は札幌63点差、大阪80点差、福岡75点差ととても無視できる差ではなかった。

*34 ユウキロックがとっさに「(アメリカザリガニと)一緒にやりましょうか?」とネタにした。

*35 後年、本人たちが伝え聞いた話として語ったところによると、彼らのネタ中に舞台袖で番組進行担当のスタッフが「あいつら番組潰す気か!!」と烈火のごとく怒っていたとのこと。

*36 ただし審査員の合計点数から超過分が差し引かれるわけではなく、タイムオーバーをどれだけ減点に反映するかは審査員に一任されている。

*37 旧吉本興業は「吉本興業ホールディングス」に社名変更。

*38 本来の規定ではアキナ、ウエストランドも該当。

*39 ファイナリストの中ではアキナとウエストランドが該当。

*40 2回戦・敗者復活戦・決勝戦の全ネタと、準々決勝敗退コンビのネタが該当。翌年からは3回戦の復活に伴い、2回戦ではなく3回戦のネタが公開される。

*41 前年度2位も準決勝敗退しており、4年連続で最終決戦経験者のストレート進出なしという結果に終わっている。

*42 前年度までの規定ではくらげ、モグライダー、シシガシラが該当。

*43 事実上記3組は出番順含め番組公式の3連単予想キャンペーンのTOP3であった。

*44 NSC東京10期生となり、同期はオリエンタルラジオ・はんにゃ・トレンディエンジェル等

*45 朝日放送出身のディレクターで、在籍中に番組制作会社の「東阪企画」を立ち上げ、『花王名人劇場』等数多くの演芸番組のプロデュースを担当したほか、上方芸人に関連した著作も多数残している。

*46 設置された施設を地図上の線でつなぐと「M-1」になるという大掛かりなギミックもついている。