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ラブレター(カードゲーム)

登録日:2026/05/09 (土曜日) 19:00:00
更新日:2026/05/15 Fri 22:14:20
所要時間:約 30 分で読めます






~prologue~


ここではない場所、今とは違う時代。

とある小さな王国に、美しい姫がいました。

姫は気立てが良く、誰とも分け隔てなく接したため、

国のみんなから好かれていました。


そんな姫に心から思慕を募らせた若者たちは、

姫の心を射止めるべく、恋文をしたためる事にしました。


城に仕えるさまざまな者たちに協力を仰ぎ、

自らの思いを姫に伝えようとする若者たち。

彼らは一癖も二癖もある協力者たちの力を借りて、

見事姫に恋文を届ける事ができるでしょうか?




【概要】


『ラブレター』は2014年よりアークライト社から販売されているカードゲーム。ゲームデザインはカナイセイジ、イラストは杉浦のぼるが担当。
自分の手札を隠しつつ相手の手札を推察して相手を脱落させて勝利を目指すゲームだ。


プレイ人数は概ね2~5人程度、プレイ時間はゲーム形式にもよるが大体5~30分前後。
元は2012年に同人作品として発表されたものだが、使うカードは8種16枚のみというシンプルさ、分かりやすくも悩ましいカードの能力、相手の手札を推察しつつ自分の手札を読まれまいとする駆け引きが受けて人気を博し、商品化されたという経緯がある。
2012年に国内のゲーム大賞を受賞後、海外にも広まり、多くの派生型が生まれたり2014年にドイツのゲーム賞で第4位に入賞するなど国内外で高く評価されている。

現在ではオリジナル版に追加カードを同梱した第2版が販売されているが、結構な数の派生型やアレンジ版も販売されている。
本項目では第2版およびBGAでプレイ可能なバージョン(BGA版)について解説する。




【ゲーム進行】

本項目で解説する第2版およびBGA版ともゲームの流れはほぼ同様。


準備~ゲーム開始まで


まずカード全てをシャッフルして山札を作り、そこから1枚を引いてゲームから取り除く。この取り除いたカードは裏向きのままで公開しない。
2人での対戦の場合のみ、更に山札からカードを3枚ひいてゲームから取り除くが、この3枚は推察の参考の為公開する。

その後、プレイヤーは1人につき1枚山札からカードを引く。これが手札となるので、他のプレイヤーには見せないようにする。
そのあと、プレイヤーを一人決めて、そのプレイヤーから手番を開始。

このとき最初に番を始めるプレイヤーの決め方だが、ゲームに同梱されている羽ペンタイルを使うのが一般的である。
この羽ペンタイルをルーレットよろしくクルッと回し、ペンが指すプレイヤーから番を開始するというものである。


ゲーム中


プレイヤーは自分の番がくるたびに山札のカードを1枚引く。
ここで手札が2枚になるはずなので、どちらか1枚を選んで場に出す。(全員に公開する)

1枚引いて1枚を場に出し……を繰り返すのでプレイヤーが持つ手札は必ず1枚か2枚であり、そこから増えたり減ったりはしない。
また、「カードを引いたけど出さない」もできない。

カードにはそれぞれ効果があるので、場に出したらそのカードに罹れている効果の効果処理を行う。
このとき、出したカードの効果は必ず処理しなければならない。「[兵士]を出したけど宣言しません」とかはルール違反である。

効果処理が終わったらそのカードは場に出したまま放置し、以降は「捨て札」として扱う。
その後自分の番を終え、次のプレイヤーの番になる。
こうして山札がなくなるまで全員でこのサイクルを繰り返す。

ちなみに、対象に出来るプレイヤーがいない場合に対象のプレイヤーを指定するカードを使うこともある(例えば2人対戦で相手が僧侶を使った後、自分の手番で兵士を使う時)が、その場合はいわゆる空打ちとなり、効果処理は何もしない。


勝敗決定


山札が0枚になりカードを引けなくなったら、参加しているプレイヤーは全員、持っている手札のカード(1枚のはず)を公開する。
全員でそのカードの左上にある数字(強さ)を比べ、一番大きかったプレイヤーがゲームの勝者。

なお、後述の「兵士」を筆頭に、このゲームには途中脱落(強制敗北)の概念がある。
途中脱落してしまったプレイヤーはその時点でゲームから外れ、最後の強さ比べにも参加できない。
ゲームの進行次第では自分以外のプレイヤー全員を脱落させて一人勝ちなんてこともよくある。


その他、補足


オプションルールとしてラウンド制で遊ぶ事も可能。
その場合、ラウンドの勝者はゲームに同梱されている好意トークンを一つ受け取る事になり、このトークンを規定数集めたプレイヤーが最終的な勝者となる。
もちろんトークンを使わず数字で管理しても問題ない。


BGA版は始めからラウンド制であり、2人対戦の場合は6ポイント、3人対戦の場合は5ポイント、4人対戦の場合は4ポイント、5人対戦の場合は3ポイント先取したプレイヤーが最終的な勝者となる。



4人対戦の場合だと山札は11枚でスタートするので、山札からカードを引けるのは2,3度。
その短い機会で相手の手札を推察して相手より強力なカードを確保する、あるいは相手を脱落させる手立てを取る事が重要になる。
割と理不尽な運ゲー的な展開になる事も多い為、負けてもあまり気にせず気持ちを切り替えてプレイして欲しい。




【第2版】

現在メインで流通しているバージョンで、2022年にオリジナル版から改版されて販売されている。
パッケージはオリジナル版の姫様のイラストが描かれたものから、第2版は赤地のものに変更されている。
カードのイラストも基本的には同じだが、オリジナルが顔を中心にしたアップだったのが上半身中心に描かれているものに変更されている。


基本カード

オリジナル版で使われていた、兵士 / 道化 / 騎士 / 僧侶 / 魔術師 / 将軍 / 大臣 / 姫の8種類。
このまま使ってもいいし、後述する追加カードと差し替えあるいは追加しても良い。



追加カード

続いて追加カード。
こちらは 町娘 / 使用人 / 占い師 / 商人 / 執事 / 学者 / 犬 / 女侯爵 / 伯爵夫人 / 姫(次女) / 姫(三女) / 王子 / 王の13種。
多いように思えるが、基本的には基本カードと同じ強さのカードと差し替える形で使用する事が想定されている。
例えば追加カードの女侯爵(強さ7)を追加する場合、基本カードの大臣(強さ7)と入れ替える形になる。
勿論混ぜて併用しても良い。ただ、どのカードを入れ替えるあるいは併用するかは、必ずプレイ前に、プレイヤー間で同意を得ておく事。ゲーム展開上の事ならともかく、ゲームの仕様について後から文句を言われてもお互い困るだろう。

ちなみに、王は5人以上での対戦時のみ追加する事が強く推奨されている。理由は個別の解説で。
なお、追加カードを利用する場合、姫の妹達と弟が参加する都合上基本カードの姫は姫(長女)という名称に読み替える必要がある。




【BGA版】

2026年4月24日にBGAに実装。
キャラのイラストがやや濃いなという印象を受けるが、まぁ許容範囲だろう。

ゲーム自体が軽く見やすく作られており、操作でまごつく事もないだろう。
また画面右側のログに、誰が誰に対してどのカードを使ったかとその結果も記録されているので、ちょっとよそ見をしていてゲーム展開を見逃したりしても安心な作りになっている。

ただBGAのゲームに共通だが、各手番に制限時間が設けられている。制限時間を使い切ってしまうと最悪ゲームから追放されしまうのでご注意を。



ゲームシステム自体は第2版と同じであるが、幾つかの点で相違がある。


  • ゲーム自体は日本語化されているのだが、カードのアートワークは英語の為、イラスト上のカード名は英語のままになっている。

  • 参加人数は2~6人。大体3~4人で募集されている事が多い。

  • ラウンド制になっており、ラウンドに勝利したプレイヤーに好意点が1点与えられる。

  • 2人対戦なら好意点を6点、3人対戦なら5点、4人対戦なら4点、5人対戦では3点、6人対戦なら2点先取でゲームの勝利となる。

  • なので1ゲームあたり大体30分程度の時間が掛かる事もある。

  • 新しいカードが追加されている他、既存のカードも一部名前や能力が変更になっている。

  • 卓を作成する際に指定するバリエーションの設定によって利用するカードセットが変わる。ちなみにデフォルト設定ではフルゲームとなっている。
 フルゲーム:以下で説明しているカードが全て利用可能
 基本ゲーム:以下で説明しているカードからSpy(密偵)、Chancellor(宰相)が除外される


なお、既に立っている卓に参加するのは無料会員でも可能だが、新たに卓を作成できるのは有料会員のみ。
BGAの仕様上途中離脱は基本出来ないし無理にやるとプレイヤーに悪評がつく場合もある為、参加時にゲーム人数とバリエーションはよく確認して参加して欲しい。



【カードの能力】

BGA版では密偵 / 兵士 / 聖職者 / 男爵 / 女中 / 王子 / 宰相 / 王 / 伯爵夫人 / 姫の10種類。
同じ名前でも第2版とは能力が違っていたりするので、特に慣れているプレイヤーは注意して欲しい。




【派生型】

国内外問わず、色々な派生型が発売されている。
変わった所では「宝石の国」や「とんがり帽子のアトリエ」などのコミックの単行本に付属していたもの等もあるし、海外版では日本では流通していないものもある。
が、どれも発売からそれなりに時間が経っているせいか入手難なものも多い。
その為手に入りやすいものを紹介しておく。



◆ケン・ニイムラ版ラブレター
2016年に発売された派生型、というよりデザインを変更したラブレター。
カードイラストがケン・ニイムラ氏による絵本風イラストに変更されている事、カードサイズが少しコンパクトになった他は原版と同じ。
子供達に供するのであればこちらの方が良いかも?


◆ラブクラフト・レター
2017年に発売された、ラブクラフト世界の狂気的な世界観に合わせたラブレター。
プレイヤーとカード自体に正気状態と狂気状態が設定されており、それぞれで能力も違ってくるなど、かなりの変更がされているが、それでもラブレターというゲームの原型は保っている。
この世界お馴染みのSAN値チェックで脱落したり、正気状態のプレイヤーを脱落させる効果のカードがあったりゲーム自体を勝利させるカードがあったりとラブレターよりも展開が派手ではあるが。

ラブレター派生型ゲームとしては割合手に入りやすく、派手な展開が好きなプレイヤーなら気に入りそうなゲーム。


◆異世界ラブレター
最近はやりの異世界転生を果たしたラブレター。2022年発売。
キャラの一新と追加、光/闇の切り替えで強さの判定が変わる、1発で脱落にならない、モンスターを倒してラウンドの勝敗とは別にポイントを稼げる等割と別ゲームに仕上がっている感じはあるが、それでもラブレターの面白さは継承されている。
ちなみに原作者も制作に関わっており、テキスト等の監修を務めたとか。


◆ラブレター10周年記念版
2022年に、ラブレター発売10周年を記念してクラウドファンディングで作成された記念版。
オリジナルである基本カードに加えて、世界中で発売された派生型の中から選んだ16種類のバリエーションルールとカードを一度に収録したもの。
カードのイラストもオリジナルを手がけた杉浦のぼる氏が書き下ろした新規イラストに変更され、どのバリエーションルールを混ぜてプレイしても問題が無い様調整されている。どうやればおそ松さん世界とラブクラフト世界を統一的に扱えるようになるのだろうか…
その為、オリジナル版に100枚近い追加カードと16種のバリエーションルールを備えた超巨大拡張パックと言えそうなものに仕上がっている。

経緯からしてかなり希少な品ではあるが、まだそこまで時間が経っていない為かいくつかのサイトで購入する事は可能な様子。


◆ラブレターストーリーズ
2025年に発売されたラブレターの続編のような、そうでないような。
基本的にはラブレターと同じなのだが、そのゲーム結果によってストーリーが分岐展開されていき、最終的にどんなエンディングに辿り着くのかを楽しむゲームとなっている。

ラブレターのゲーム結果を、ラブレターの世界観に合わせて脳内ストーリーを紡いでいった経験のあるプレイヤーは多いと思うが、そのプロセスをゲーム化したものとでも言えば良いだろうか?




追記修正は、最近誰かにラブレターを捧げた方にお願いします。



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最終更新:2026年05月15日 22:14