登録日:2026/07/06 Mon 08:49:37
更新日:2026/07/22 Wed 20:31:35
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NHKで放送された藤子・F・不二雄 SF短編ドラマにおいて2023年に実写化された。
その時の演者は遠藤憲一。
概要
「いくら何でも法外だ!!節度ってものがないのか!」
「昔はね、酒一杯パン一個で魂を売るやつがいたもんだ……」
「あ~~あ、悪い世の中になったなあ」
外見は耳が尖り尻尾が生えている悪魔調。スーツを着た男性。
地獄で勤務する営業マンであり、人間の願いを叶えた後で死後に魂を奪う契約を生業としている。
うだつの上がらない風貌は実際その通りで近年は営業成績が悪く、現代になって非科学的な事を信じる人が少なくなったのかは分からないが、まず第一に自分達の悪魔の存在を信じさせる事が難しいと語っている。
契約のためなら何でもやる同僚達をガツガツしているとバカにしつつも内心では焦っている。
心臓に持病があり、驚いたりなどの強いショックを感じると蹲ってしまう。
地獄から現世に転移する能力があるのだが、大量の硫黄の煙と共に出現するため、部屋の中などの密閉空間に転移すると大変なことになる。
また厳密にキリスト教的世界観のルールに縛られている悪魔というわけでもないようで、
この世界は彼曰く「シャカもアッラーも匙を投げている」と言う世相らしく、全体的に神仏も悪魔も古代よりはだいぶ無気力ムードで縄張り意識も無くシラけている事が示唆されている。
契約
地獄から割り当てられた予算。当時(漫画が発表された1979年が妥当か)の日本円に換算して、人間一人につき3000万円の範囲内で契約者の願いを叶える事ができる
これは物理的な金銭を直接的に渡すのではなく、その金額相当の願い事を叶えるという意味であり、
- (3万円が欲しいと言った男が)手近なラーメン屋の屋台に入って無銭飲食をしたら、怖そうな屋台の親父が1000人目のお客さん記念として3万円を渡す。
- (別れた幼馴染を彼女にしたいと言った男が)エリートの男に騙されたのを知ったのを切っ掛けに、幼馴染が男とよりを戻す。
と言った感じで、因果を歪めている風に願いを叶えている。この契約の代償は死後の魂を悪魔に渡す事である。
ちなみに、現場の裁量で契約内容は自由に変更可能であり、地獄から割り当てられた予算を超過するなどした場合の責任は担当者の悪魔に全て降り掛かる。
関係者
現在に至るまで契約が中々に取れないメフィストと契約をした男。
見た目は冴えない小太り。昔は優秀なのだが、友人に裏切られて失職。その後に遊び続けていたために幼馴染にも見限られて振られる。
その後は家賃にも困る貧困生活を送っている。
かなり図太い性格をしており、悪魔の存在を全く知らなかった当初ですらメフィストがいきなり出現した時にも一切慌てずに、タバコを要求したり、
悪魔は願いを叶えると説明された時に、自分を石油王にしてくれ、と。いきなり言うなど。メフィストの方が困惑する行動をしてくる。
この態度にメフィストも危機感を抱けば良かったのだが……
ドラマでの演者は又吉直樹
地獄の上司。
契約の不備をしっかり説明するなど、メフィストより明らかに有能である。
メフィストが心臓にショックを受けて蹲った時は、心配したように仕事を辞める事を勧める。無能な部下に対する嫌味かもしれんが
ドラマでの演者は大和田伸也
営業成績
高松健との会話で、「今時三千万ぽっちじゃ……」と高松に言われた時に、自分の事を棚に上げて商売がやり難いのを地獄の上層部は分かってないと愚痴るなど。
やる気も少なければ工夫もしないという営業マン。
それで前述したメフィストの台詞から分かるように、古代の頃の契約者がちょろい相手だった事による成功体験が全く抜けていない。例えれば、バブル期の良い思い出のみが強い駄目営業マンになるか。
前述した通りに、予算の上限がどれぐらいかを正確にぶっちゃける上に、しかも契約を取る事に目が眩むのか、上司に連絡をせずに現場の裁量だけで全ての契約を決めてしまう近視眼的な行動がある。
本編でもその隙を突かれる事が起きて……
契約書に含まれない願いを最初は嫌がったメフィストだが、高松健が人間の値段を説明した事で承諾。
だが後に上司は冷徹に告げる。
人間の値段は、死亡事故の賠償金を算出する要領で、その人物が生涯で得る予定の全所得、家事労働等は賃金に換算して算出される。
この場合の値段は5726万。超過分はメフィストの今後の給料から差し引かれる事となった。
- 契約者「呼吸停止も心臓停止も脳死も、それで死亡確認とは言い難い」「あらゆる細胞の最後の一個の死亡が確認された時点で魂の所有権を渡す事にする」
メフィストもうんざりするぐらいに細かい契約をしてきた契約者。へとへとになりながらもやっと契約するメフィスト。
前述の幼馴染の件は失態だが、魂を奪ったと言い張るのだが、ここも上司は冷徹に言い放った。
契約では『高木健の身体を構成するあらゆる細胞の最後の一個の死亡』をもって死亡したものとすると書かれている。
だがその高木健はアイバンクに登録しており、角膜を死後移植用として保存される事になっている。
そこで問題になるのは移植した後の細胞。移植された後は当然だが、代謝により移植者の細胞と同化していくのだ。だが、そうなっても高木健が死亡したと言える状況では無い。
高木健は生きてるとも死んでるとも言えず、契約書にある細胞一個の死亡確認は無理難題であり、高木の魂を手に入れる事は不可能。
つまりメフィストは願い事をタダで叶えた事になってしまった。
一言で言えばメフィストは無能である。滅茶苦茶細かい契約をする時とか、契約外の願い事を付けて来た時は上司に連絡ぐらいしとけよ……。
余談
原作の時代設定を現代的にしたので、ドラマ版は変更点が幾つかある。
物価の上昇を考慮して、メフィストの予算を8000万円に増額して、幼馴染の値段は1億5726万円に増えている。
この現代の価値観に適応できない人外キャラクターというのは、他の藤子・F・不二雄の短編にも登場している。
『福来たる』という短編の福の神は、3000年程に渡って現世を見ている福の神だが、昔の価値基準に凝り固まっており、物価のインフレなどを一切考慮していない。
最終的に主人公と言い争いをした挙句が、現代がどれほど恵まれているかを認識させるために意識を転移させて、遥か昔の何も無い貧農にするという暴挙に出る。
その理屈を突き詰めると、生きてるだけで幸福を感じろという話になるが、もはや福の神というより疫病神。
追記・修正は契約書をしっかり確認してからお願いします。
- 高木の子供は高木の細胞が生きている扱いになるのだろうか? -- 名無しさん (2026-07-06 14:12:44)
- 同じメフィストモチーフの喪黒に対しお粗末な奴 -- 名無しさん (2026-07-06 21:38:46)
- メフィスト個人が無能なのはそうだとして悪魔側の社会そのものが人間に合わせようとしすぎてるのが違和感すごい -- 名無しさん (2026-07-07 10:48:08)
- 福の神の方は作者が福の神の行動が正しいものとして書いてそうなのが怖い。ストーリーからオチまで何もかもがズレている…。 -- 名無しさん (2026-07-07 10:57:55)
- そもそも福の神は「うつで100年休養してた」の上に、主人公の生活を観察したら「現代人の暮らしは自分の力でもうこれ以上幸せにならない」からの判断だから全然違う話だろ -- 名無しさん (2026-07-07 13:05:05)
- 福来るの部分いる?あれは身近な幸せに気付けなくなることを描いた作品に思えるのだが。 -- 名無しさん (2026-07-07 15:17:01)
- まあどちらかというとよくある「現代の物質的な生活への風刺」だと思う、F先生のこういう作品(ドラえもんでも)は結構あるし -- 名無しさん (2026-07-07 15:45:46)
- 設定が面白い 予算制とは…… -- 名無しさん (2026-07-08 18:04:04)
- ところで「悪魔に魂を売り渡す」って具体的なデメリットはこの作品ではなんなんだろうか……?「生前だったら善性を喪い邪悪な人格に変わり果てる」「死後だったら地獄行きが確定し、永劫苦痛に満ちた恐ろしい死後を送る宿命を強いられる」辺りだけど…… -- 名無しさん (2026-07-08 18:08:37)
- ぶっちゃけF先生もそこまで考えていなくて、ただ時事(得べかりし所得とアイバンク)を取り入れた話を描きたかっただけじゃないかな… -- 名無しさん (2026-07-08 20:18:53)
- ↑2死んだら悪魔に魂がわたるので地獄行きになる -- 名無しさん (2026-07-08 20:31:01)
- 悪魔に魂を渡すということは死後、地獄行きが確定するってくらいかな -- 名無しさん (2026-07-09 08:54:14)
最終更新:2026年07月22日 20:31