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日本橋三越本店

登録日:2026/09/06 Sun 16:05:45
更新日:2026/09/21 Mon 16:07:00
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日本橋三越本店とは、東京都中央区日本橋にある三井グループ(旧・三井財閥)の百貨店(デパート)である。


概要

日本橋三越本店とは、1904年に開業した日本橋室町にある三越ブランドの本店である。*1

古い西洋建築のような貫禄がある建物が特徴的であり、
もはや一般的なデパートの枠を超えており「デパート自体が芸術作品」と評価されることも多い。
そのため日本橋三越本店は「買い物をしなくても、行くだけで十分価値がある」という特別なデパートなのである。
現在では同じく日本橋にある日本橋高島屋と共に、国の重要文化財に指定されている。重要文化財になっているデパートはこの2店舗だけである。

本店2つの象徴

暖簾(のれん)がある正面玄関(国道4号線側)の脇には一対のライオン像がある。
この像は1914年に創業支配人の日比翁助氏がイギリスに外注し、そのモデルにはトラファルガー広場にあるライオン像が採用されたもの。
座った姿勢で台座に乗っており、その大きさは全長269cmで全高120cmと実際のライオンより一回り大きく設計されている。
なので人が跨れなくもない大きさで、実際に第二次世界大戦中に海軍省へ供出したが溶解を免れ、戦後に東郷神社で放置されていたのを発見し再度戻されたという強運のエピソードから「誰にも見られずに背に跨ると願いが叶う」という都市伝説がある。
だが実際には安全面や周囲への迷惑に繋がるため跨るのは禁止で、そもそも正面口にあり常時監視カメラ2台による警備が敷かれているので誰にも見られずという前提条件を満たす事自体がほぼ不可能。
2024年のライオン像110周年記念イベントで、レプリカ像に跨って写真を撮るイベントはあったので、そうした機会にチャレンジしよう。
ちなみにエイプリルフール企画によれば、このライオン像、なんと深夜になると本当に命が宿ってお散歩をすることがあるんだとか…。

本館の吹き抜けになっている中央ホールには天女(まごころ)像という巨大な木製の像がある。
1960年に彫刻家・佐藤玄々氏によって製造されたこのモニュメントは「天女が瑞雲に包まれて、花芯に降り立つ瞬間の姿」というコンセプトで誕生したのだが、全長10.91mで重さ6,750キロという木像では破格の大きさがある。
特に天女よりも遥かに大きく豪華な背景の装飾類が目を引くが、これは当初の仮組で天女のみを置いたところ空間との調和が上手くいかなかった事から後付けで設計したもので、過剰とも形容できる絢爛な見た目には当初400万円の予算のはずが、時間と共に膨れ上がって最終的に10億円まで跳ね上がったという逸話がある。
さらに大きさからも察せられる通り、佐藤玄々氏だけで制作・組立ができるはずもないので、弟子や外注などの協力者がおよそ10万人ほど集まったとされている。*2

各階の特徴

中央ホール付近の2階にはバルコニーがあり、主に休日にパイプオルガンの演奏が行われる。
このパイプオルガンは無声映画や演劇の伴奏用に作られた「シアターオルガン」に分類される楽器で、2009年に中央区有形文化財に登録された。
スケジュールや演目に関してはHPに記載されているが、スタジオジブリやFINAL FANTASYシリーズの主題歌・テーマソングなども垣根を超えて扱っている。
過去には公式コラボ期間中*3ということで『艦これ』の楽曲限定の回が開催されたこともあるなど、意外と選曲は自由だし、アニヲタ方面の曲を選ぶこともむしろ多め。

エスカレーターの放送が上品なことも特徴。興味がある人はYouTubeで聞くか、実際に三越本店に行ってみよう。

三越本店には沢山の高級レストランが存在し、和食や洋食を楽しむことができる。
本館の2階にはカフェウィーンが、4階には「四季茶寮 えど」があり、前者はパンケーキが、後者はクリーム餡蜜が名物である。ただし、前者は常に混雑しているので注意しよう。

本館の6階には三越劇場があり、ミュージカルや歌舞伎、落語などを楽しむことができる。デパートの中にある劇場は日本はおろか世界的に見ても珍しい。

屋上にはかつて遊園地があったが、2026年現在は廃園している。
その代わり庭園として整備されており、リフレッシュできる空間となっている。
また、期間限定でビアガーデンが開催される。

本館だけでなく別館もあり、3階、7階、地下1階にある連絡通路で結ばれている。
その別館の5階に八重洲ブックセンターがあったが、2020年1月7日に撤退しているため現在は本屋さんの類は無い。
ただし意外にも別館の6階・7階にビックカメラがあり、そこでおもちゃやゲームを買うことはできる。


そもそも「三越」とは?

三越とは、明治時代からある老舗の名門デパートである。

その起源は江戸時代(4代将軍・徳川家綱の時代)まで遡る。
三重県松阪市出身の商人である三井高利が江戸本町1丁目(現在の日本橋本町)に「三井越後屋呉服店」(越後屋)を開業したのが始まりである(後に駿河町、現在の日本橋室町に移転)。
この越後屋の最大の特徴としてはお客様に店舗に来てもらって、直接お金を払って商品を買ってもらう」という現代的な買い物のスタイルを初めて確立したことである。

その前の時代の呉服店では訪問販売のようなやり方が主流であり、お店の人がお得意様(大名・武家、豪商など)に商品の見本を持っていき、後から商品を届けて現金を受け取るという非効率なやり方だった。
また越後屋以前のやり方では待ち時間が長すぎて非効率的なだけではなく、お得意様が財政難になると未払いになってしまうリスクがあったり、そもそも商品の値段が定まっておらず呉服店側が(未払いのリスクを考慮して)高めに設定していたりなどのデメリットが目立ったのである。

そこで効率的な商売のやり方を「現金(払い)、掛値なし」のキャッチフレーズで確立したのが越後屋なのである。慣用句の「掛け値なし」=言葉の通りの(高い)能力・性能、の由来もこれであろう。
ただし現在でも訪問販売スタイルのやり方が完全に廃止されたわけではなく、三越を含む多くのデパートで「外商」として残っており、お客様に楽しく・快く買い物をしていただけるような「接客のエリート・オブ・エリート」が配属される部署となっている*4。
ロボットアニメのエース部隊や、先述した『艦これ』における岩井爆戦や岩本ゼロ戦の妖精さんたち*5のようなものとも言えるか。

また、それまでは大きなサイズでしか買えなかった着物をお客様の要望に応じて必要なサイズだけ切って売るいうスタイルを確立したのも越後屋であり、そのおかげで庶民でも着物を買いやすくなったのである。

明治時代(1904年)になってからは日本で初めて本格的なデパート事業を始めたため、現在でも(売り上げはともかく)歴史・格式的には日本国内で最強のデパートと評価されることが多い。
また、日本においてデパートは「呉服店を起源とするもの」(三越、伊勢丹、松屋、松坂屋、高島屋、大丸など)と「私鉄系のグループ会社が運営しているもの」(東武百貨店、小田急百貨店、京王百貨店、阪急百貨店など)に分かれるが、一般的には呉服系のデパートのほうが格上であり、その中でも特に三越ブランドはトップ(最強)の地位に君臨していると言われることも多い。
そしてその最強ブランドである三越の店舗の中でも特に日本橋本店は「デパートの王様」「デパート界の絶対王者」と評価されることが多い。

現在は日本橋だけでなく銀座、札幌市、仙台市、名古屋市(栄、星ヶ丘)、広島市、高松市、松山市、福岡市にも店舗がある。
また、それ以外の都市にもお菓子や雑貨などに絞った小型店舗(サテライト店舗)がいくつかある。
※かつては新宿区、横浜市、新潟市、金沢市、大阪市、鹿児島市、那覇市にも三越があったが、現在は撤退している。

ただし現在はかつてライバルだったブランドの伊勢丹と経営統合した三越伊勢丹ホールディングスとなり法人としての三越は残った*6ものの、実質的な経営の主導権は伊勢丹に握られてしまっているという状態になっている。

海外での展開

実は海外にも三越の店舗がある。
その代表例が中華民国(台湾)の新光三越である。これは台湾の新光グループと日本の三越伊勢丹が共同で立ち上げたデパートで、首都・台北市を中心に複数の店舗を運営している。
日本の三越との大きな違いは、若者にも強い人気があることである。この点は三越の盟友である伊勢丹にも近い。

他にもマニラ(フィリピン共和国)やバンコク(タイ王国)、オーランド(アメリカ合衆国フロリダ州)にも出店している。
このうちバンコクの三越は主に(日本のデパ地下にありがちな)食料品を中心に販売している。
オーランドの三越はウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートの日本館に出店しており、主に日本文化や和食について発信する役割を持っている。

かつてはソウル(大韓民国)や香港(中華人民共和国)、ユジノサハリンスク(ロシア連邦サハリン州)、ロンドン(イギリス)、パリ(フランス共和国)、デュッセルドルフ(ドイツ連邦共和国)、ローマ(イタリア共和国)、マドリード(スペイン)、ホノルル(アメリカ合衆国ハワイ州)などにも出店していたが、現在はいずれも閉店している。
このうちソウルの建物は現在は「新世界百貨店」、「ユジノサハリンスク」の建物はサハリンデパートとして営業している。

交通アクセス

東京メトロ(銀座線、半蔵門線)の三越前駅が最寄り駅であり、三越本店の地下1階に直結している。
というか三越前駅はそもそも銀座線の建設計画を説明された時に、三越本店が「じゃあスポンサーになりますから、より『三越と一体の』構造にできませんか?」として駅の命名権を買い取ったためこうなった*7。この経緯については銀座線の項目も参照。
JRの場合は総武快速線の新日本橋駅が最寄り駅であり連絡通路でつながっている。

他にもJR東京駅*8や、日本橋駅も徒歩圏内である。

首都高速道路の場合は都心環状線の神田橋出入口、または1号上野線の本町出入口が最寄りのインターチェンジとなる。
かつては呉服橋出入口または江戸橋出入口が最寄りのインターチェンジだったが、現在はどちらも廃止されている。

三越前駅

その名の通り三越本店に直結している駅であり、その建設費も三越および三井グループが負担している。
駅構内にも三越関連の広告が多く、もはや三越のために造られた駅といっても過言ではない。

当駅には三越本店だけでなくコレド室町というショッピングセンターも併設されており、コレド室町内にあるTOHOシネマズ日本橋(映画館)目当てで利用する人も多い。
また、三越本店には本屋さんが無いが、コレド室町の地下にタロー書房がある。

当駅周辺には東洋経済新報社*9やアステラス製薬、第一三共などの本社もあり、ビジネスマンの利用者もまあまあ多い。
また当駅周辺には地方銀行を含む様々な銀行の東京支店があり、日本銀行(日銀)の本店の最寄り駅でもある。

JR新日本橋駅とつながっているため、総武快速線との乗り換えも可能である。
ただし銀座線と半蔵門線は改札内ではつながっていないため、乗り換える場合(JRを含む)は一旦改札外に出る必要がある。

新日本橋駅

JRにおける三越本店および日本橋エリアの最寄り駅である。
JRの駅としては総武快速線のみが乗り入れている単独駅となっているが、実際には銀座線や半蔵門線との乗り換えもできる。

改札口は三越前駅と同じ地下1階にあるが、ホーム自体は地下4階の非常に深い場所にある。
中間階として地下3階があり、地下1階(地下2階は無い)とは長いエスカレーターで、地下4階(ホーム)とは階段で結ばれている。
ホームと改札(地下1階)をつなぐエレベーターは地下3階をスルーして直接結ばれている。

ちなみに当駅から徒歩圏内に神田駅(中央線快速、京浜東北線など)があり、歩いて10分くらいで着く。連絡通路で直接つながっているわけではないが、地上に出れば意外と近い。


アニヲタ向け情報

  • 絵本作家のやなせたかしさんはかつて三越で働いていたことがある。また、三越の包装紙のロゴを考えたのもこの人である。
  • 実は日本初のディズニーランドは千葉県浦安市の東京ディズニーランド(1983年開業)ではなく、三越本店の屋上遊園地である。1957年に期間限定で開催された。
  • 先述のように艦これと定期的にコラボすることで知られており、雑貨を中心にグッズが販売されたり、艦娘が三越の制服を着ている描き下ろしイラストが公開されることもある。
  • 三越本店の周辺(日本橋エリア)にはアニメショップや同人ショップの類は少ないが、東京駅(キャラクターストリートがある)や末広町駅(アニメイト秋葉原店が徒歩圏内にある)まで電車で近い上に乗り換え無しで行けるので、そんなに困らないかもしれない。


追記、修正は三越本店内でアンモナイトの化石を見つけたらお願いします。
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最終更新:2026年09月21日 16:07

*1 ちなみに伊勢丹ブランドの本店は伊勢丹新宿本店である

*2 この協力者たちの名前は、宝石の埋め込まれた台座に刻まれている

*3 ゲーム内にいわゆる「課金ガシャ」がないため、こういった完全な他業種とコラボした方がむしろ収益面では有利(コラボ商品のライセンス料を主にした方が計算がつきやすい)…という艦これ側の事情もあった

*4 噂によれば、後で責任のお伺いさえ提出すれば「外商担当さんの独断で」駐車場料金などの追加サービス料金の人情による踏み倒しの許容が認められている、なんらかの商品不具合があった際に新幹線で当該のお客様を大阪まで追いかけて不備を修正するための品とお詫びの品を渡した、など、三越販売スタッフのエースとしての特別権限もあるんだとか

*5 この2つは定期的にプレイしていれば期間限定要素無しでも入手可能な装備だが、「史実では人が乗りこむ」タイプのものとしては驚異的に高い性能を誇る

*6 正確に言えば、三越が伊勢丹を吸収合併した(ブランドとしてはともかく、法人としての伊勢丹が消滅した)という感じである。

*7 少なくとも日本では史上初の駅のネーミングライツ売買契約ではないかともされる

*8 実は東京駅の日本橋口または八重洲口からは徒歩10分くらいで三越本店に行けるので、新日本橋駅との差はあまり大きくないとも言われている。

*9 日本で最も有名なビジネス系出版社の一つ。「東洋経済オンライン」というニュースサイトも運営している。