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イタリア代表(野球)

登録日:2026/07/25 Sat 16:46:20
更新日:2026/08/07 Fri 18:48:09
所要時間:約 10 分で読めます



我が野球代表『アズーリ』が
本場アメリカの地で彼ら(アメリカ代表)を破ったことを思えば、
これから何が起きるか想像もつきません。*1


本項では、野球におけるイタリア共和国の代表チームについて解説を行う。

●概要

長年にわたりオランダ代表と並んでヨーロッパ野球界の二強として知られ、欧州選手権では優勝経験も多く、世界大会の常連国でもある。

サッカー大国として知られるイタリアでは野球は決してメジャースポーツではないものの、第二次世界大戦後にアメリカ軍の影響などで競技が普及。サッカーと同じ「セリエA」の名称を持つ国内リーグが存在しており、半アマ半プロの立場ではあるものの欧州野球リーグとしては高い競技レベルを維持している。



●特徴

そうはいっても、野球イタリア代表は主にイタリア系アメリカ人のメジャーリーガー・マイナーリーガーで構成されている。

この背景には、19世紀末から20世紀初頭にかけて起こったイタリア人の大規模なアメリカ移民がある。

1861年にイタリア王国が成立したものの、国内では貧困や失業が深刻な問題となり、多くのイタリア人が新天地を求めてアメリカへ渡った。当時、急速な工業化を進めていたアメリカでは労働力が不足しており、数百万人規模のイタリア移民を受け入れたことで、全米各地にイタリア人コミュニティが形成された。
ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』で主人公のマリオとルイージがブルックリンに住むイタリア系の配管工という設定になっていることからも、アメリカ社会におけるイタリア系コミュニティの存在の大きさがうかがえる。


その子孫たちがアメリカで国民的スポーツである野球に親しみ、多くのメジャーリーガー・マイナーリーガーを輩出。WBCでは祖父母まで遡った代表資格が認められているため、彼らを招集してチームを構成できるのが野球イタリア代表の強さを支えている。


そういうこともあって、見る人が見ればイタリア代表とは名ばかりのアメリカ代表Bチームみたいな扱いであり、基本的に本土のイタリア人の野球興味は薄い

それでもイタリアの国籍はイタリア人としての血統を重んじる純血主義であり、その原則に則っていれば血統による国籍取得や二重国籍も認められている。先祖の故郷を探しに行くルーツ・ツーリズムといった文化もあり、イタリア系アメリカ人コミュニティでもそこそこ本土への帰属意識が残っていることから、アメリカ系であってもイタリア人としてある程度の結束力がある。


野球イタリア代表にもいくつかそういったルーツと向き合うような姿勢を見れる場面があり、例えばWBCの前にアメリカ組がイタリア本土の球場へ訪問し、数少ないイタリア本土組とコミュニケーションを取ったり、試合ではダグアウトにイタリア発祥のエスプレッソマシンを置いて飲んだり得点セレブレーションに使ったりしている。

また、これだけアメリカ系の選手を集めて強いチームを形成しているのも優秀な成績を収めることができれば本土の野球知名度向上や強化費用を獲得できるからであり、そうして築いた土台がイタリアの発展につながるというのが野球イタリア代表の考え方である。
実際、WBC2026での快進撃は最近、本来大得意だったはずのサッカーとかモータースポーツで元気がない*2イタリアスポーツ界にとっては嬉しい出来事であり、本土でニュースにもなれば、冒頭の通り首相がアメリカに勝ったのをノリノリで報告する程話題になった。


●主な選手・監督

  • マイク・ピアッツァ
90年代のMLBファンであれば「野茂とバッテリーを組んだ捕手」として知る人も多いアメリカ系の名捕手。
MLBドラフトでは下位のおまけ枠のような扱いで指名されたという経緯があり、そこから捕手最強の打者・MLBの殿堂入りにまで上りつめた努力の人。
現役引退後はイタリア代表のコーチー・監督を務め、イタリア代表の強化に努めており、2023年の準々決勝にて東京で侍ジャパン戦を指揮した。

  • フランシスコ・セルベーリ
イタリア系ベネズエラ人。
現役時代2017年に代表選手として戦った経験がある。
2026年WBC監督としてイタリア代表を指揮し、アメリカ戦の勝利やベスト4進出を成し遂げることになった。


  • アレッサンドロ・マエストリ
オリックスバファローズでプレーした経験を持つ本土イタリア出身の投手
NPB初のイタリア生まれ・イタリア育ちという当時のNPBとしては非常に珍しい選手だった。夏頃の入団でありながらシーズン終了までに4勝しており、当時暗黒時代だったオリックスを支えた助っ人外国人の一人。
代表歴も長く、2006年から2017年のWBCまで希少な本土枠を維持し続けていた。引退してからも欧州選抜のコーチとして2024年再び来日。その後オリックスのオープン戦で特別始球式に参加した。
その経歴故にイタリア本土の野球強化に熱意を入れており、自身も引退後、国内でスポーツショップを営んで道具面で競技を支えている。


  • サム・アルテゲーリ
数少ないイタリア本土出身のメジャーリーガー
速球を武器に試合を組み立てるサウスポー。
愛用のグラブにはイタリアの国旗がプリントされており、イタリア人として強いアイデンティティを持っている。


  • アーロン・ノラ
フィリーズの屋台骨として長らくチームをけん引するアメリカ系投手。
高い制球力と変化球を武器に、MLBで通算100勝という輝かしい実績に加え、10打者連続奪三振というギネス記録を持つ紛れもないイタリア代表のエース。


  • アダム・オッタビーノ
長年リリーバーとして活躍し、通算700試合以上登板してきたアメリカ系の大ベテラン。2009年、2026年はイタリア代表だが、2023年にはアメリカ代表として出場している。


  • ビニー・パスカンティーノ
イタリア代表としてWBCに2大会連続出場しているイタリアの主砲。通称イタリアン・ナイトメアアメリカ生まれだけど
イタリア代表としてのチーム愛も強く、ホームラン時のエスプレッソセレブレーションを考案したり、代表選手勧誘にも奔走した。
2026年WBCではメキシコ戦において大会史上初となる3打席連続ホームランという驚異的な記録を叩き出し、3杯もエスプレッソを飲んで大量のカフェインを摂取する事態に。
なお、この時に飲んだ最初の1杯が熱すぎたらしく「エスプレッソは前もって淹れておいて少し冷ましてから渡す」という新たなルールも生まれたとか。

  • ジャック・カグリオン
大学時代、投打の二刀流として異次元の活躍をしており、次世代の大谷「ジャックタニ」として期待されていた超新星スラッガー。
ただし、MLB入りしてからピッチャーは封印しており、打撃一筋で若くしてMLBロースター入りしている。


  • マテオ・ボッキ
2023年代表投手の一人で、数少ないイタリア本土組。
その名前のせいで日本人に見つかってしまった結果ネタ選手扱いされる羽目になったかわいそうな人。
ちなみに表記は「Bocchi」なため、辛うじて「ボッチ」表記できなくもないのだが、どっちにせよ酷い扱い。
2023年WBCはブルペン待機のみの登場だったが、2024年の欧州選抜では満を持してヤスアキ不在のヤスアキコールと共に登板。
持ち前のスライダーを武器に侍ジャパンに対して無失点で凌いだ。

  • ビニー・ニットーリ
2023年代表投手の一人で、またしても日本人に見つかってしまった結果、村上宗隆・岡本和真に4点程「お値段以上」の献上をしてしまったかわいそうなネタ選手


  • デビッド・フレッチャー
2023年代表選手。弟のドミニクも同大会で代表に加わる。
エンゼルス時代の大谷のチームメイトで、試合後も大谷と仲良く写真を撮っていたりと非常に仲が良かった。
加えて大谷の元通訳水原一平とも親しく、来日した後はラーメン屋を紹介してもらうなどまだこの時は日本人にとっていい意味でよく知られる選手だった
しかし、2024年水原による大谷の財産窃盗および賭博が発覚するとフレッチャーにも疑惑が向けられてしまう。
その後は内野手からナックルボーラーとして投手に転向するも再びMLBに昇格する機会は得られず、2025年に現役を引退した。


●日本との関係

基本的にはアンダー世代やアマチュア主体の世界大会で戦うことがある位の関係で、NPB選手を総動員して戦った機会はアテネ五輪の予選リーグとWBC2023年の準々決勝の2回しかない。いずれの試合も日本が勝利している。
とはいえ、WBC2023の試合においては先発に大谷翔平をぶつけられながらも巧みなデータ分析によって大谷の攻撃を凌ぎつつ、徐々に疲れ始めた大谷の隙を逃さずに2得点を上げてノックアウトし、他の攻撃陣もかなり極端なシフトを敷いて日本人観客をどよめかせた。
だがその大谷もイタリア側に「データの上を行く投球をしていた」と証言させたピッチングや、お笑いコンビ千鳥が番組の野球版対決企画でふざけて行った大谷の送りバントをまさかの本人が実行して守備の牙城を崩す等、漫画みたいな展開で対応した。

そんなわけで実際にプロ野球選手がイタリアの野球と関わりが持つことは少なかったが、過去にはエラーの代名詞GG佐藤がイタリア本土のリーグに参戦したり、上記のようにマエストリがオリックスで数年活躍しており、個人の活動では決して縁がなかったわけではない。


そして2026年7月、イタリア野球とNPBに画期的なニュースが入って来る。
埼玉西武ライオンズがイタリア野球ソフトボール連盟(FIBS)の会長と面会し、選手・コーチの育成に協力することで合意。
今後、イタリアはライオンズと共にさらなる強化を図ったり、日本との強化試合が組まれる機会も増えるだろう。




追記・修正はエスプレッソを飲みながらお願いします。



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最終更新:2026年08月07日 18:48

*1 WBC2026にて1次ラウンド・プールBでイタリア代表がアメリカ代表に勝利した後、イタリア首相メローニの上院議会演説の一節にて。

*2 2026年度W杯、つまりWBC2026と同時期のサッカーワールドカップではイタリア代表は予選で敗退しており、グループリーグ(4国リーグ戦のあれ)にすら進めていない。モタスポはイタリアにおける旗手であるスクーデリア・フェラーリ(フェラーリ公式ワークス)が長期にわたって成績が振るわず、特にF1では「戦略面のマズさによるポイント獲得ならず~ギリギリポイント圏内を繰り返してチームランキングが大幅に後退」・「単純にマシンの戦闘力が足りておらず以下同様」のどちらかを繰り返している有様。