大谷翔平

登録日:2024/02/18 Sun 12:50:00
更新日:2025/01/16 Thu 03:57:59
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大谷(おおたに)翔平(しょうへい)とは、日本のプロ野球選手である。
国籍的には日本だけど多分人間ではなくて野球星人。

【プロフィール】

本名:上記と同じ
生年月日:1994年7月5日
血液型:B型
出身地:岩手県奥州市(旧水沢市)
背番号:11(2013~2017)、17(2018以降)
身長:193㎝
体重:95㎏
所属:花巻東高校(2010-2012)→北海道日本ハムファイターズ(NPB)(2013-2017)
→ロサンゼルス・エンゼルス(MLB)(2018-2023)→ロサンゼルス・ドジャース(MLB)(2024-)
プロ年数:12年(2024年シーズン時点)
守備位置:投手・外野手・指名打者
投打:右投左打

愛称は『ショータイム』・『オオタニサン』等

また、ずば抜けた活躍をする選手を動物に例えることはメジャーリーグでもままあるが、オオタニサンの場合は余りに現実離れしすぎている存在ということからユニコーン(一角獣)=架空生物に例えられている。
その他、身長体重の数値が極めて近似していることに加えて北海道のチームにいたことや八面六臂の大活躍からガブリアスとも。

【プロ入り前】


日本の東北地方・岩手県奥州市(旧水沢市)に1994年7月5日、元社会人野球選手の父徹とバドミントン選手の母加代子の次男として誕生する。兄弟構成は兄が1人・姉が1人いる3兄弟の末っ子であった。

小学生になった大谷少年は3年生の時に野球を始め、5年生の時には球速110kmを記録した程の非凡な素質を見せていた。幼少期にはバドミントンと水泳を習っていた模様で、本人も基礎体力向上の効果があったと認めている。

中学生になった大谷は奥州市立水沢南中学校に入学後、一関リトルシニアに所属し全国大会出場も経験した。中学3年生の時、自身より3学年上の当時、花巻東高校のエースであった菊池雄星(西武→マリナーズ→ブルージェイズ)に憧れて、同校に進学を決意する。

進学後は最速147km(高1)→最速151km(高2)→最速160km(高3)と球速もプロの選手を凌ぐ程の投手として成長していき、甲子園にも出場し、ダルビッシュ有を彷彿とさせる姿から『みちのくのダルビッシュ』としてプロ球団の注目を集める事になるが、大谷最後の夏に甲子園に出場することは叶わなかった。

卒業後は、当初はメジャーリーグでのプロデビューを希望しており、実際にいくつかの球団と交渉を進め、渡米の意向を正式に表明。
だが、彼の決意に待ったをかける球団があった。2012年オフのドラフト会議では渡米の意思を聞いたことで各球団が指名を避ける中、北海道日本ハムファイターズだけはそれを振り切って彼を1位指名したのだ。
当然入団には難色を示していたが、当時監督であった栗山英樹、GMである山田正雄らの粘り強く誠意ある交渉が伝わり、彼も直接MLBに渡るのは思い留まることとなった。そして、まずはNPBを経て実力を磨く方が野球選手としても良い選択になるとして、大谷本人と両親も球団の交渉を納得して受け入れ、最終的に北海道日本ハムファイターズ入団を決意するのであった。

なおその時大谷が見た資料が後に公開されたが、あくまで「ファイターズが欲しい」のではなく「大谷翔平という選手をMLBで活躍させるには」という内容に終止している。
今までメジャーリーグに行ったプロ野球選手だけでなく、直接渡米した選手や韓国の野球選手、海外で活躍するサッカー選手らの現状や実例を網羅し説得力がある資料となっている。
そして彼は日本でその実力を磨くだけでなく、他の野球選手がいまだ歩んだことの無い「二刀流」という道を切り開いていくのである。
もし、当時指名を押し切って直接渡米していたら今頃どうだったかはもちろん知りようもない話だが、今の彼の活躍を見る限りは少なくとも日本ハムの指名と彼の葛藤も十分報われていると言っても差し支えはないだろう。



【北海道日本ハムファイターズ時代】


入団1年目からチームの主力として活躍し、2013年は高卒新人でオールスター出場。2014年はあのベーブ・ルース以来となるシーズン2桁勝利&2桁本塁打を達成。この記録はNPB史上初で、ルースが行ったのは96年前というとんでもない記録なのである。
2015年は開幕投手に指名され、野手としてはイマイチだったものの投手としては好調で投手三冠を達成。

2016年には1番:投手として出場し先頭打者弾を放った上でそれが決勝点となる完封勝利という異次元としか言えない記録を残すなど二刀流として投打ともにフル回転でパリーグMVPに輝き、チームも日本一を達成。
NPB最終年となる2017年は故障の影響もあり出場試合数が大幅に減ったが、過去3人しかいない通算40勝&40本塁打*1を達成し、NPBではもうやることがないぐらいの結果を残した。

このオフに大谷はポスティングシステムを利用したMLB移籍を要望。球団側も彼が今まで果たしてきた多大な貢献を尊重し、何より入団交渉以来の義理を果たすという意味でももはや引き止める理由がなかった。

当然これだけの実績を残した選手がMLBでも声が掛からない筈がなく、数多の球団が獲得レースに参戦したが、最終的に大谷獲得に成功したチームはロサンゼルス・エンゼルスであった。

こうして、NPBでも確かな太鼓判を受け取った彼は改めて4年越しのメジャーへと渡っていった。遠回り…?否、寧ろここは満を持して海を越えてきたと言うべきだろう。

【メジャーリーグでの活躍】


メジャーリーグに舞台を移した大谷は移籍初年度のスプリングトレーニングでは投打ともにアジャストに苦戦し、現地メディアからは二刀流への懐疑的な声も囁かれた。
NPBよりも速く動く速球へ対応するためバッティングフォームをすり足のノーステップ打法へと短期間で修正し、開幕に合わせて適応してみせた。
開幕すると投手として初登板で初勝利を達成した他、打者として本拠地開幕戦で第1号ホームランを放つとそこから3試合連続でホームランを記録。
最終的に投手としてはシーズン途中で右肘靭帯の損傷により離脱を余儀なくされるも打者としては試合出場を続け、MLB史上初の10登板・20本塁打・10盗塁を達成し、ア・リーグ新人王も当然のように受賞。日本人でア・リーグ・新人王受賞は2001年のイチロー以来の快挙であった。
また22本塁打は日本人野手のMLBデビュー年としては城島健司の18本を抜いて最多記録となった。

2019年は日本人初のサイクル安打を達成し最終的に18本塁打を記録したが、9月に左膝の手術を行った。

2020年はMLBでも新型コロナウイルスの影響で開幕が延期され短縮シーズンとなったが、大谷にとっても前年の膝の手術の影響に加え、右肘の筋損傷にも見舞われるなど苦しいシーズンとなった。

2021年、MLB移籍後初めて「2番・投手」として出場した他、別の試合では投手降板後に右翼に守備位置を変更し試合終了まで出場するなど投打に大活躍を見せた。
松井秀喜が記録した日本人のシーズン本塁打最多記録31本をオールスター前に更新(前半戦だけで33本塁打)するという猛打ぶりを見せつけ、ア・リーグの指名打者として最多得票を獲得しオールスター選出、日本人として初のホームランダービーに出場した。
後半戦は他チームから警戒され勝負を避けられがちになった他疲労の蓄積もあり調子を落とし日本人初の本塁打王は逃すものの、打率.257、46本塁打、100打点、26盗塁、防御率3.18、9勝2敗、156奪三振という異次元の成績を残しMLB移籍後初めて大きな怪我なく二刀流としてシーズンを完走し、ア・リーグMVPを満票で受賞(史上19人目)するなど飛躍の年となった。

2022年

NPB時代を含めて初の満塁本塁打を記録。
日本人最多記録となる1試合8打点を挙げた翌日に自己最多13奪三振を奪い勝ち投手となる他、日本人投手最長となる32イニング連続自責点0を記録するなど投打ともに大暴れし、8月にはベーブ・ルース以来となる同一シーズン二桁勝利&二桁本塁打を達成した。
最終的に打率.273、34本塁打、95打点、11盗塁、防御率2.33、15勝9敗、219奪三振を記録。ベーブ・ルースでさえ成し得なかった同一シーズンで規定投球回&規定打席ダブル到達という前人未到の偉業を成し遂げた。
2年連続ア・リーグMVPこそ62本塁打を放ちア・リーグのホームラン記録を更新したアーロン・ジャッジに阻まれるものの、二刀流選手として充実したシーズンとなった。

2023年

開幕前に行われた第5回WBCでも大活躍*2し、大会MVPを受賞する等、チームの大黒柱として牽引し、日本代表の世界一に貢献した。
この時の錚々たるメジャーリーガー揃いの米国代表との試合前に言った言葉『憧れるのを辞めましょう』という言葉は反響を呼んだ。
なお円陣を組んでいた周東等は「メジャーリーガーじゃなくておめーに憧れてんだよ」と内心ツッコんでいた

MLBレギュラーシーズンでもWBCの勢いそのままに打ちまくり、6月には月間15本塁打を記録*3、3年連続でオールスターへの出場を果たした。
7月27日のデトロイト・タイガースとのダブルヘッダーでは1試合目に投手としてMLB移籍後初完投初完封勝利、45分後に行われた2試合目では2打席連続本塁打を放つというまさに鬼神の如き働きを見せた。
しかしWBCからフルスロットルで走り続けてきた代償か、身体の痙攣のため欠場するなど大谷の身体も悲鳴を上げ始め、右肘の内側側副靭帯を損傷し投手としてシーズン終了。9月頭に試合前の打撃練習で脇腹を痛め故障者リスト入りし、打者としてもシーズン終了となった。
怪我の影響により残り25試合を欠場するも打率.304、44本塁打、95打点、20盗塁、OPS1.066、132イニングで167奪三振、防御率3.14、10勝5敗と前年に続き二桁本塁打&二桁勝利を達成。
日本人どころかアジア人初の本塁打王満票で複数回受賞は史上初となる2度目のア・リーグMVPを獲得した。
3年連続で最優秀指名打者となるエドガー・マルティネス賞を受賞*4、その年最も優れた打者に贈られるハンク・アーロン賞も日本人及びアジア人として初めて受賞した。

MLBは2000年代後半以降、セイバーメトリクス*5の過度な適用や試合時間の長時間化等で人気が低下傾向にあったが、セイバーでは測れない氏の活躍ぶりでMLBの観客動員数を増加に転じさせ、いつしか『大谷はMLBの救世主』と呼ばれることとなった。
2023年にはユニフォーム売り上げランキングでジャッジやアクーニャJr.といった人気選手を抑えNo.1に。気づけばMLBファンすべてと言っていいほどの支持を受けるようになり、彼が活躍すればどこのスタジアムだろうと万雷の歓声が鳴り響き、相手チームが敬遠を選択すればそちらのファンからも容赦のないブーイングが飛んでくるほどにまでなった。

しかし、自身がこれだけの活躍をしても、在籍した6年間で一度もプレーオフに進めず、「なおエ*6」「ナイトメア*7」と揶揄されるエンゼルスの弱さに対する不満が内心なかった訳でもないらしく、FA権を行使して2024年からはロサンゼルス・ドジャースへと移籍することとなった。
その際には10年契約の契約金の97%を後払いにしてチームの他の補強へ負担をかけない契約を自ら提案する等、とにかく「勝ちたい」を前面に押し出した契約を行っている*8
またオフに入籍を発表した。

2024年

この年は2度目の肘の手術のリハビリのため、投手としては全休で打者に専念。リハビリとは…。
開幕してしばらくはアベレージこそ残すも第1号を打つまで自己ワーストとなる40打席かかるなど本塁打は低調なまま推移したが、5月から徐々に状態を上げ、7月13日にMLB200号を記録。またこの年はルール改正もあって走者有利となったことから盗塁企図も多く、7月4日にはイチローに次ぐ日本人歴代2位の盗塁数に到達。
7月16日に行われたオールスターゲームにも4年連続で選出。本戦では日本人としてはイチロー以来となるホームランを記録*9し、MLB史上初のオールスターゲームでの勝利投手&ホームランを達成した*10
8月3日に日本人史上初の30-30*11を達成。
更にここから本塁打・盗塁もハイペースで量産し、8月17日に残っていたセントルイス・カージナルスから本塁打を放って30球団本塁打を達成。そして8月23日には40盗塁を記録。
この時点で39本塁打を記録しており、史上5人しかいない40本塁打40盗塁(40-40)達成に期待が高まる中、なんと同じ試合の9回裏に回ってきた打席でサヨナラ満塁ホームランを放ち、40-40を達成。出場126試合での達成は史上最速である。
残りの試合も40試合近く残っており、人類史上初の50-50への期待が高まった。

……この手の記録を前にすると、プレッシャーから調子を落としてしまったり相手から勝負を避けられたりで記録が停滞してしまう事は珍しくない。
が、彼にはそんな陳腐な一般論など通用しなかった。
その後も着実に数字を伸ばし続け迎えた9月20日のマーリンズ戦、48-49の状態からまず2盗塁を決めると、6回・7回に2打席連続本塁打を放って人類史上初の50-50を達成。更におまけでドジャースのシーズン本塁打の球団記録まで樹立し、敵地であるにもかかわらずカーテンコールが起こる。
そして彼はなんとここで止まらず、9回。この時点で既に大差がついており、マーリンズ側は消耗を抑えるべく野手を登板させていたのだが、そんなことは関係ないとばかり3打席連続本塁打を放ち一気に51-51まで上積みしてしまった*12
この日の大谷の成績は6打数6安打3本塁打10打点2盗塁
本塁打以外の安打は単打1と二塁打2で、二塁打のうち1本は三塁タッチアウトとなっているためもし三塁アウトになっていなければサイクルヒットがおまけで付いてきていた。この現実離れしたパフォーマンスにはMLB公式すら笑うしかなかった。
なお、この日の10打点で松井秀喜が保持していた日本人シーズン最多打点記録の116打点を一気に更新した。
奇しくも、この日は右肘の2度目の手術から1年という日での記録達成であった。(持ち味の片方を封じられてもキッチリと結果を出すユニコーン……)

実況「The greatest day of baseball history! This is not real life... He's not human!! Hahaha...*13

なお、その翌日即座に記録を52-52に伸ばした。いったいどこまで伸びるというのか。※繰り返しますが、この人は今シーズンはリハビリ中でプレイに制限がかかっている投手です。
それとこの一試合で元チームメイト杉谷拳士の2021年度54試合の成績(2本塁打 9打点 2盗塁)を超えた。

そしてドジャースは9月26日には地区優勝も決め、大谷が熱望していたポストシーズンにも駒を進めることとなった。

2024年度レギュラーシーズンの最終成績は打率.310、54本塁打、130打点、59盗塁、OPS1.036
主要タイトルは本塁打王、打点王の2冠を達成。打率、盗塁もリーグ2位。
そしてMLB歴代16位タイとなる411塁打を記録し、リーグ2位の331塁打のオズナに実に80もの大差をつけた。400塁打を超えたのは2001年に達成したバリー・ボンズ、サミー・ソーサ、ルイス・ゴンザレス、トッド・ヘルトン以来となった。
更にWARも守備分のマイナスがあるDHでありながら9.2という異常と呼ぶ他ない数値を記録*14し、ナ・リーグではダントツのトップとなっている。
最終的な達成記録は「54-59」。更にイチローの56盗塁、松井秀喜の116打点の日本人シーズン記録をも塗り替え、まさに記録ずくめと呼ぶほかないシーズンを送った。

この勢いにチームも影響されたか、怪我人多数で特に先発投手が不足する中ドジャースもポストシーズンではチーム全体で奮闘。
ディビジョンシリーズでは同地区のライバル・パドレスを、リーグチャンピオンシップシリーズでは数々の奇跡的な勝利を重ね勝ち上がったメッツを退けヤンキースとの東西名門対決となるワールドシリーズに進出。フレディ・フリーマンがCSからFive Nightsどころか6夜連続でホームランを打つ・山本由伸が7回途中1安打1失点と完全復活の投球を見せるなどして白星を積み上げた。
第4戦は満塁ホームランを浴びるなどして4-11と大差で落としたものの、10月31日の第5戦は0-5の大差ビハインドをヤンキースの怠慢プレーやエラーが主因となり7-6とひっくり返して勝利したことでついにワールドシリーズ制覇、世界一の称号を手に入れた
ただし大谷自身はDS第1戦で試合をひっくり返す逆転3ランを放ちチームに良い流れを引き寄せるといった活躍こそ見せたものの、ポストシーズン全体を通すと16試合でHR3本・盗塁0回とやや低調寄りで、さらにはWS第2戦での盗塁企図時にスライディングで左肩を痛めてしまうというアクシデントにも見舞われ、シーズン最終打席も相手捕手による打撃妨害での出塁という何とも言えない結果になったが、それでも欠場することなく戦った。
大谷とは関係ないが、第4戦でベッツが捕ったファウルフライを腕ごと掴んで奪い取ろうとしたヤンキースファンが非難の的となり大炎上したり*15優勝決定後ドジャースの本拠地・ロサンゼルスでは熱狂したファンが暴徒化する騒ぎになったりと色々話題には事欠かなかった。
シーズン終了後は上記のスライディング時に断裂した左肩関節唇の修復手術を行った。
そして2024年11月、史上初の「DH専門」、史上2人目の「他チームで2年連続」「両リーグで獲得」、そして自己記録を更新する「3回目の満票」にてMVPに表彰された。なお「リーグをまたいでの移籍で2年連続MVP」も初の記録だとか*16

【選手としての特徴】

  • 投手と野手双方でプレーができる、「二刀流」(Two-way player)を現代プロ野球、更には選手層が比較にならないMLBに渡っても尚通用させる傑物。アマチュア野球でなら誰でも憧れる、所謂『エースで4番』をプロで続けるのは本当に希少な例で、冗談抜きで稀代の天才と語り継がれそうな偉業を現実にやっている。
    • 投手と野手(打者)では求められる能力が全く異なるため、プロレベルで両方の能力を磨くというのは非常にコスパが悪い。
      指名打者制がない環境に限れば投手の打撃力は馬鹿にできないが肝心の投球能力が劣っていたら使いたくないし、野手の評価に投球能力は微塵も関係せず、両立に構造的なメリットはほぼない。
      例外は、投手としても野手としても腐らせるには惜しい最高レベルの能力を持つ場合だけなのである。
    • そもそもとして二刀流の困難さは、当時のMLBのルールにおいて二刀流でプレーする選手のことが想定されていなかったということも示している。
      大谷の活躍を受けてMLBは
      今シーズンか前シーズンに二刀流で一定以上プレーした選手は「野手」でも「投手」でもない「二刀流選手」の区分で登録できる*17ルール、
      先発投手が指名打者を兼任でき、どちらかを下りても片方で出場続行できる*18ルール
      を新たに制定。これらのルールは(いちルールであり名称はないので)「大谷ルール」と国内外を問わず通称される。
  • 投手としては最速165km/hに達するストレート(フォーシーム)とそこから落とすフォークボール(スプリッター)を武器としているほか、2022年頃からは横滑りするスライダーであるスイーパーを軸に加えている。この他にはカーブ、カットボール、シンカー(ツーシーム)を投げる。
  • 奪三振能力が非常に高いが、制球はかなりアバウトで特に若手時代は四球から崩れる場面もあった。フィールディングにも優れている。
  • 野手としてはMLBでも指折りの5ツールプレイヤーであり、規格外のパワーに加え盗塁やセーフティバントを試みることもあるなど脚も速い。投手なので当然肩も強いが、負担を考慮して外野守備に付くことはほとんどないので外野守備の能力は未知数。
    • 規格外のパワーを物語るエピソードとして2016年に東京ドームにて行われた侍ジャパンの強化試合で、打球が天井に挟まったため球場特別ルールに基づき二塁打という珍事を経験している。これは2002年に松井秀喜が記録して以来である。
      また、MLBでの打球速度ランキングの上位を大谷の打席結果が占めるなんてことも珍しくない。
  • 強打者の宿命ではあるが三振は多いほか、対左投手は苦手としており、左腕を集中的に当てられたことも。
  • 理由は不明だが6月になると打撃の調子が上向く傾向にあり、2021年には月間13本塁打、2023年は前述の通りエンゼルス球団記録となる15本塁打、2024年ナ・リーグ移籍後も12本塁打を記録するなどMLB移籍後7年間合計で135試合に出場し、打率.327、55本塁打、115打点、長打率.756、OPS1.177ととにかく打ちまくっている。
    6月の圧倒的な無双ぶりから海外でも「Mr.June」と呼ばれることも。
  • これだけバカ当たりするなら敬遠したほうがマシというのはよく聞く意見だが、上述の通りたとえビジターゲームですら大谷を敬遠すると少なからぬ数のブーイングが飛んで来る上に、塁に出してしまうと自分でどんどん盗塁していく上に、それをケアしながら打席にいるムーキー・ベッツやフレディ・フリーマンといった強力な打者も抑えにかからなければならなくなるので、普通に勝負するか最低でもソロホームランで抑えたほうが良いという異常な計算が成立してしまう。*19ホームベースが空いていたからという理由で満塁で敬遠されたこともあるバリー・ボンズとは別ベクトルで規格外ぶりを表すエピソードである。
    • 特に50-50達成直前には打率が7割にまで達していて「敬遠すると盗塁までセットなので実質2塁打、打たれれば実質2塁打orホームラン。なら3割の確率でアウトにできる方がマシ」というメチャクチャなアレで全員勝負を挑んでいた模様。
    • なお、かつて同様の扱いをされていた選手として『世界のホームラン王』王貞治がいる。「ホームラン記録を作らせるくらいなら敬遠すれば良かったのでは?」との意見はよく出るが、王を敬遠すると塁が一つ埋まった上で次の打席に長嶋茂雄を迎えなければならなかったので、当時の対戦相手は王と勝負せざるを得なかった。


【人物】

  • テレビ朝日系列で放送された『ファン1万人が選ぶプロ野球総選挙』では1位に選出された。
    尤も放送当時は活躍していたとはいえ「長嶋茂雄や野村克也といった名選手を差し置いて1位に選ぶとは何事だ」という意見も多くちょっとした炎上騒ぎになったが、今となっては1位に選ばれて当然と言えよう。
  • 世界屈指の盛り場でもあるニューヨークに遠征しても遊びに行かないというストイックさで知られ、黙々と練習に打ち込む『努力する天才』と言える選手である。
    ただストイックな生活をしていてもやはりメジャーの過密スケジュールと二刀流は負担が激しいらしく、右肘を2度手術している。
  • 野球選手はいわゆる『飲む打つ買う』タイプの人間が目立ちがちな一方、クリーンでストイックな性格から好きなスポーツ選手でも例年上位にランキングされており、近年では数少ない全国区のCMに出演している野球選手である。
    そのためマスコミからも優等生キャラ扱いをされることもあるが、素顔はとにかくイタズラ好きであり、試合中などにチームメイトにちょっかいをかけている姿が映されている。
    日ハム時代の先輩の近藤健介や上沢直之曰く大谷は「生意気なガキ」「くそガキ」とのこと。
  • 億単位の高額年俸を貰うようになっても私生活はかなり質素らしく、コンビニスイーツ(特にクレープ)を好むなど庶民的な一面もあり、また愛犬家でもある。2023年から飼い始めたという犬の犬種は『コーイケルホンディエ』という希少な犬種で名前は『デコピン』。
  • 何一つ浮いた話が報道されていなかったため交際情報なども全く漏れておらず本人の性癖なども含めて色々憶測が流れていたが、2024年のシーズン開幕前に一般女性との入籍を発表。
    スター選手の結婚ということでどのような相手か当然ながら様々な噂が飛び交ったが、韓国での開幕戦前にドジャース公式SNSで写真を公表している。
    • この時に引っ越し予定の新居をマスコミに勝手にすっぱ抜かれ、諸々のリスクを考慮させられた結果入居前に手放す羽目になっている。*20選手としての知名度や躍進ぶりは桁違いといっても、中の人(?)はもちろん平凡な人間であり、温和な彼にも許せないこと位はあると応援する側も弁えるべきである。
  • 社会貢献活動にも積極的で、日本全国の小学校に自身のモデルであるグラブ6万個を寄贈したほか、2024年1月に発生した能登半島地震でも100万ドル(日本円で約1億5000万円)を寄付するという規格外の寄付を行うなどして、話題となった。このグラブも一部で展示に回した学校が出て炎上したりもした
  • 英会話もチームメイトとの会話は当然問題なく可能であるが、公の場での通訳は水原一平が務めていた。
    移動の際の運転手や試合前のウォーミングアップではキャッチボールの相手、前述のホームランダービーに出場した際は捕手を務め、オールスターのレッドカーペットショーでは大谷に同伴してともに歩く*21など大谷からも一介の通訳の枠を超えた信頼を寄せられており、第5回WBCでも侍JAPANチームの通訳として活躍、ラーズ・ヌートバー選手の日本代表への勧誘にも一役買っていた。
    しかし、2024年シーズン開幕直後に違法賭博に手を出していたことが発覚し通訳を解任され、大谷の口座から総額62億円以上の大金をだまし取った銀行詐欺罪の容疑で逮捕されてしまった。
    世界的スターを支える裏方という地位から一挙に転落したこともあってか、逮捕後も一挙手一投足が大谷同様に注目されているのは何ともいえない皮肉である。

【主な獲得タイトル】

NPB時代

最優秀選手1回(MVP)(2016)
最多勝1回(2015)
最優秀防御率(2015)
最優秀勝率(2015)
月間MVP2回(2015年4月・2016年6月)
ベストナイン3回(2015年・2016年・2016年は投手と指名打者両部門で受賞)
正力松太郎賞(特別賞)(2021・2023)

MLB時代

最優秀選手2回(MVP)(2021、2023)
新人王(2018)
本塁打王2回(2023、2024)
打点王1回(2024)
オールMLBチーム 先発投手・指名打者(2021〜2023)
シルバースラッガー賞2回(2021・2023)
エドガー・マルティネス賞3回(2021~2023)
ハンク・アーロン賞1回(2023)

国際大会

WBC最優秀選手1回(MVP)(2023)(第5回大会)

【余談】

  • テレビゲームも趣味の一つらしく、『大乱闘スマッシュブラザーズ』、『マリオカート』、『クラッシュ・ロワイヤル』等を好んでいる模様。ただ本人的には暇つぶし程度のものらしく、趣味はないということもある。日ハム時代は「何したいとか特に無い」という理由で休日でもめったに外出しなかったというエピソードもある「。
  • 学生時代に好きだった科目は日本史で、特に幕末の時代を好んでいた模様。
  • 2021年に米国のニュース雑誌『TIME』誌に『世界で最も影響力のある100人』に選ばれた。彼の活躍は野球不毛の地と言われることが多い英国をはじめとする欧州でも取り上げられることが少なくない。
  • 2024年には彼の年俸は100億越えらしく、金額が途方もなさすぎて想像つかないが、これはわかりやすく言うと『1秒で牛丼チェーン店の牛丼が買え、時給だと約170万円。一般サラリーマンの平均年収を約3~4時間で稼ぐ計算』である。
  • ドジャース移籍が発表された直後、当然ながら日本国内ではドジャース関連のグッズの需要が高まり一気に店頭在庫が品薄になった。その際ユニフォームデザインがよく似ていることから中日ドラゴンズの柳裕也投手のレプリカユニフォームを妥協して買い求めるファンが発生し、品薄になるなどの影響が出たと報じられた。
  • 現実離れした活躍を続けていることから、世の野球漫画家達は頭を抱えているとか。
    打力もある剛腕投手が荒唐無稽なくらいの活躍でメジャーに渡る」様を描いた『MAJOR』の作者、満田拓也氏も「大谷選手の異次元の活躍には創作物では太刀打ちできない」「こんな選手を描いたら担当編集にボツにされる」などと語っている。このラノベ然り、異次元の活躍をするスターがいる舞台の創作物は大変である。
    このあたりはゲーム制作者の間でも同様らしく、上記通り盗塁でも記録を作った2024年には、大谷がアンバサダーを務めるプロ野球スピリッツでとんでもないステータスになってしまうと阿部洋介プロデューサーが苦笑いするインタビューがYahoo!ニュースでも掲載された。ちなみに大谷自身の弁は「パワーはSでもいいんじゃないかなと(笑)」。
    なお、「MLB The Show 23」では大谷翔平の超人ぶりを表してかホームラン後のパフォーマンスの際にウルトラマンのように飛行してしまうと言うものがある。(もちろんバグではない)
  • 上述のようにプロフィールにおける身長は193㎝、体重は95㎏だが、これは『ポケットモンスター』に登場するポケモンの一体・ガブリアス*22とほぼ合致する。
    もっと付け加えると過去に大谷は北海道日本ハムファイターズに所属しており、ガブリアスは北海道モチーフのシンオウ地方で初登場したポケモンと、互いに北海道に繋がりがある。
    ネット上であの強さは納得という声が溢れたのは言うまでもない。
  • ドジャース移籍後の2024年、MLBデビューから865試合目にしてポストシーズン初進出を決めたが、このPS未経験記録はなんと現役選手最長という不名誉な記録であった。もちろん大谷1人に原因があるわけではないのだが、2度のMVPを受賞しながらポストシーズンに進めなかったエンゼルス時代の大谷の孤軍奮闘ぶりが露わになった記録となった。


追記・修正は彼が世界一の野球選手になる事を望んでいる方にお願いします。

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最終更新:2025年01月16日 03:57

*1 他の3人は野口明、西沢道夫、関根順三の三名で、平成では氏が唯一。

*2 この時決勝戦(日本vsアメリカ)への参加を見送るのでは?と思われたが、球団側からきっちりOKが出た。曰く「大谷vsトラウトを見たくない野球ファンがいると思うか?(意訳)」。最終的にそのトラウトから三振を奪って試合終了という決着を迎えた。

*3 エンゼルスの球団記録を更新

*4 3年連続受賞はデービッド・オルティス以来で史上2人目の快挙

*5 投球回数や打率、試合会場の構造などを統計学的に解析し、それを選手の評価や戦略に反映させるもの。MLBではこれによりホームランが急増した一方、盗塁やバントが減少し試合展開が単調化してしまう弊害が出てしまった。

*6 「(大谷の活躍を紹介した後)なお、エンゼルスは試合に敗れました」とニュース等で紹介されるさまを表す。発祥はマリナーズ時代のイチロー(なおマ)。

*7 先発は良くともリリーフが崩壊し続ける様から言われていた。

*8 一見すると美談のようだが、MLBはいわゆるサラリーキャップ制で「優れた選手には相応の金額が払われることを前提としたパワーバランス調整」を行っているので、それが覆ってしまう「ルールの穴を突いた行為」ではある。

*9 イチローはランニングホームランであったためオーバーフェンスは日本人初

*10 勝利投手は2021年時に記録

*11 30本塁打30盗塁。日本では打率3割を含めた「トリプルスリー」として顕彰されるが、MLBでは本塁打・盗塁のみが評価される。

*12 この時投げていた野手は消耗を抑えるべくスローボールばかり投げていた。スローボールは反発力が落ち長打にしにくいのだが、大谷はそれをパワーだけでホームランにしてしまったことになる。

*13 51号本塁打の際の発言。訳すと「野球史上最高の日だ! まったく夢のようだ…スーパーマンみたいに実は異星人だった!!なーんてな…」といったところか。

*14 シーズンの65%以上をDHとして出場した選手のこれまでの最高記録は、最優秀DH賞に名を冠するエドガー・マルティネスが1995年に記録した7.0

*15 当然この観客達は退場の上第5戦を出禁になった。

*16 同一リーグ間で移籍して2年連続MVPは先駆者が存在する。

*17 この区分では野手・投手の登録で存在する縛りを全て無視できるので、「二刀流で試合に出せる選手がいるなら」得しかない。

*18 従来のルールだと指名打者の有無は試合前に選択する必要があり、指名打者なしの場合は大谷の後に続いた別の投手も打撃をする羽目になり、ありの場合も一試合ごとに打つ日は投げれない、投げる日は打てないというチグハグな出場の仕方をすることになっていた。

*19 事実、大谷の後続を打つベッツは大谷が敬遠された状況でホームランを打っている。それも2度も。

*20 なおその原因となったマスコミ(某Fテレビと某NTV)は大谷選手のみならずドジャースからも取材禁止=出禁を食らった。アメリカの治安を考えると残念でもないし当然の処遇である。

*21 妻や子供、恋人を連れて歩くケースが大半

*22 ポケモン図鑑における高さ1.9メートル、重さ95キロ