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ヒグチユースケ(TOUGH 第二章)

登録日:2026/08/11 Tue 23:21:41
更新日:2026/08/15 Sat 00:17:44
所要時間:約 7 分で読めます






暑さのせいか…
バカが湧いて出てくる


ヒグチユースケは30年以上の歴史をほこる超人気格闘漫画タフ・シリーズの登場人物。
第4部『TOUGH 第二章』に登場し、『高校鉄拳伝タフ』の黒田や『TOUGH』のシオンのような最初の強敵ポジションとして活躍する。



【人物】

モサモサのパーマ・ヘアにヒゲを蓄えたナイス・ミドルな風貌の男。
名前は終始カタカナで表記されているため漢字表記は不明。

敵の骨を瞬時に損傷させる古武術“ヒグチ流剛骨術”の使い手であり、一瞬にして相手の骨を破壊する技を持つ。
「折る」というよりも「切る」という感覚で骨を断ち、その術技から“骨切りユースケ”と呼ばれていた。『龍を継ぐ男』に登場した骨切りユーリと被ってる気がするけどマイ・ペンライ(大丈夫)
ヒグチ家は500年の歴史を誇るこの“剛骨術”の司家であり、“ヒグチ式変形徒手矯正療法”という整体術を伝承している。

剛骨術の腕前は宗家である父を上回るほど優れており、格闘家としての能力も高いが、素行不良という理由で正統な伝承者として認められていない。
父曰く、ヒグチ流剛骨術を継ぐ者は人格者でなければならず、素行の悪いユースケではいずれ名を穢すだろうとのこと。
かつて故郷が大災害に見舞われて被災した過去があり、そのときの出来事からサバイバーズ・ギルト*1に罹っている。

見た目や強気な言動のわりに父をパパと呼ぶなど可愛らしいところもある。


【戦闘能力】

前述の通り、敵の骨を切るように損傷させる“ヒグチ流剛骨術”の使い手。
ユースケは並外れた指筋力と巧緻性を持ち、打撃の速さで触れるとほぼ同時に骨を切ることができる。
その術技は一触即発ならぬ一触骨折とも呼ばれる。
更に剛骨術の使い手は“骨のエキスパート”であり、相手の骨がどんな形成で、どこの骨がどのくらいの強度なのかを見抜く洞察力も持ち合わせている。

ヒグチ流剛骨術には攻撃だけでなく防御の術技もある。
通常の格闘家は首の筋肉や僧帽筋を鍛えて脳への衝撃を抑えるが、剛骨術の使い手は首の環椎・軸椎・頸椎の骨密度を上げて骨そのものを強固に鍛え、動きの中で衝撃を逃がす術技によって防御力を高めている。
要約すると骨を硬くしてダメージを無効化しているそうっス

◇技

  • 剛骨指斬(ごうこつしざん)
ヒグチ流剛骨術の主たる術技。
親指、人差し指、中指の3本指で相手の骨に触れ、瞬時にへし折る。
その鮮やかな手さばきにより、骨はまるで切られたように断たれる。
ユースケの指筋力と巧緻性を持ってすれば、指を引っ掻けただけでも骨にヒビを入れることができる。


【活躍】

初登場はepisode.3「骨切り」。
“闘神”のライト級チャンピオンである“塩漬け王者”こと緒方正史に挑戦していた。
始めは緒方の塩漬け戦法*2に嵌まりマウント・ポジションからのパンチを浴びていたが、一瞬の隙を突いて彼の両鎖骨を掴んで“切った”。
緒方のしょっぱい試合に飽き飽きしていた観客は大歓声を上げ、レフェリーが即座に試合を止める。
緒方に取って変わって新たなライト級チャンピオンとなる鮮烈のデビューを果たす。

そして花道に乱入したキー坊とあわや場外乱闘に発展しそうになるが、スタッフたちに抑えられその場は収まった。
なおキー坊は本気で乱闘を起こそうとしたわけではなく、注目を集めるためにわざと騒ぎを起こしただけであり、ユースケもプロレスとわかっててキー坊の“挨拶”に乗っていた。


後日、キー坊の思惑通りにタイトル・マッチが組まれ、リングの上で再びキー坊と対峙。
試合開始直後に接近戦を仕掛け、超高速の打ち合いが繰り広げられる。
その最中にキー坊の顎関節に指を引っかけ、一瞬で顎を外してみせた。
しかし指の引っ掛かりが若干甘く骨を切るには至らなかったため、キー坊も灘神影流の技術で即座に顎をはめて戦闘を再開する。

キー坊のキックのコンビネーションを受けても完全にノーダメージで、骨そのものを強固に鍛えて衝撃を逃がす術技についてドヤ顔で語る余裕を見せる。
それを聞いたキー坊(と彼のセコンドのリカルド)はあまり内容を理解できていなかったものの、ユースケの強さに目を輝かせ、感謝をこめてぶちのめそうとパンチの連撃を仕掛けてくる。
これにも冷静に対処し、キー坊の右手の指と肋骨を掴んで折り、同時に肋骨に指を差し込んでヒビを入れた。

肋骨へ大ダメージを与えたが指は完全にへし折れてはおらず、軽く修復されてしまう。
そして骨で守られていない横隔膜へのキックをモロにくらい、続けて飛び膝蹴り→空中での蹴り上げの二段蹴りを顔面に受ける。
リングに崩れ落ちて決着と思われたが、意識が朦朧とするなかで再び立ち上がるユースケ。
彼は脳裏に焼き付いたある光景がフラッシュ・バックしていた。



なぜ俺が生きているんだ

出来のいい弟…マストモが生き残るべきだった



彼の故郷である某県A市で大規模な土石流災害が起きた。
記録的な豪雨と地盤の緩みに加え、上流山間部の違法な盛土が原因の土石流が発生して甚大な被害をもたらした。
ユースケと弟のマストモは車に乗っている最中に土石流に飲み込まれ、泥水の中でもみくちゃにされてしまった。
その中でユースケがかすかに見えたものは岩石や流木の衝突によって即死したマストモの無惨な姿だった。

ユースケは肩の関節を自力で外して車から脱出し、奇跡的に生還したが、マストモの遺体は災害から一週間経ってようやく発見された。
その遺体は土砂と瓦礫に埋もれ、胃の中まで泥で埋め尽くされるほどの凄惨な状態であった。
父もマストモの死に深く哀しみ、その哀しみは「生き延びてしまった罪悪感」となってユースケの心を蝕んだ。


「俺が死ねばよかったんだ」
「俺はいつ死んでもいいんだ」


キー坊の連撃を浴びてグロッキーになり、生きる気力まで失いかけていたが、ヒグチ流剛骨術の名を世に知らしめるという「生き残った者の使命」を思い出して再起。
キー坊に剛骨術の怖さを思い知らせるため、再び立ち向かう。

キー坊の渾身のハイキックをガードし、剛骨指斬のカウンターを仕掛ける。
しかしキー坊はユースケのガードをすり抜けるように足の親指をこめかみに突き刺しており、彼の剛骨指斬はキー坊には届かなかった。
骨切りは不発に終わり、このこめかみへの一撃がフィニッシュ・ブローとなってユースケはリングに沈んだ。

キー坊が新たなライト級チャンピオンとなったがベルトはすぐに返上し、次の階級への挑戦を高らかに宣言。
そして二人は爽やかに互いの健闘を讃え合う。

「お前は恐ろしく強い…」
「“最強”のワシがいうんやから間違いない」

「バーカッ」
「バカにほめられて本気で喜ぶ奴はいねぇよ」

「そやな…けど闘ってくれて“ありがとう”や」


その後、A市から100km以上離れた試合会場へたまたま通りがかった父と顔を合わせ、試合に負けてヒグチ流剛骨術の名を貶めてしまったことを詫びる。

しかし父は…

So What(それがどうした)?」

「“負け”はない」
「お前には“勝つ”か“学ぶ”かのどちらかしかないんだ」

「武道の本質は“生きのこる”こと」

「お前は“生きのこった”」
「マストモの分まで学べ」


と息子を激励するのであった。


【余談】

  • 『TOUGH 第二章』の単行本第1巻の裏表紙を飾っている。

  • 外見のモデル説はアパレル・ブランド「UNRESS」のデザイナー矢嶋勇亮氏。
    ユースケのパンツにもUNRESSのスポンサーロゴが入れられている。

  • キー坊もアメリカ行きを譲った龍星がそのアメリカ行きの飛行機事故に巻き込まれて消息を絶ったことを気に病んでおり、本来あの飛行機に乗っていたのは自分だったと自責の念に駆られていた。
    しかし、ユースケは弟を目の前で亡くし死の瞬間をその目で見た影響もあってか、「俺が死ねばよかった」と考えるほど深い罪悪感を持っていたのに対し、キー坊は「自分が死ぬべきだった」とまでは考えておらず、龍星の分もしっかり生き抜くとポジティブに考えていた。

    要約すると身内を事故や災害で失い、サバイバーズギルトに苦しむ者同士だが、過去に縛られてしまった者と前向きに未来を見る者という対比になっていると考えられるっス。





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最終更新:2026年08月15日 00:17

*1 戦争・災害・事故・事件などに遭いながら自分だけ生き残ってしまったことに罪悪感や自責の念に駆られてしまう状態

*2 相手を漬物石で固められたように身動きできない状態にすること