登録日:2026/10/01 Thu 21:48:58
更新日:2026/10/01 Thu 23:16:35NEW!
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もう1度会いたいあの人……。その願い、日本生類創研にお任せください。
前提
まず、日本生類創研とは、簡単に言えば異常な技術を持った生物学者集団。
異常な生物を創ったり、生物に異常な改造を施したり、異常な医学・生物学的アイテムを製造したりしている。
なお彼らは、常識や倫理観が欠けている傾向がある。
日本生類創研は非営利組織だとされることもあるが、
その一方で、顧客向けに商品を販売し資金源とする側面もある。
そして、この商品カタログが、日本生類創研が書いた
GoIフォーマットの一種なのだ。
概要
よ-B-035 "霊銀式ヒューマノイド"とは、日本生類創研がシガスタン式人体錬成術を元に開発したヒューマノイドである。
さて、シガスタンという見慣れない語が出てきたが、これは財団が指定する「要注意領域」の一つであり、
中央アジア西部に位置する、複数の平行宇宙が空間上に重複した領域である。
この平行宇宙は3種に分類されるが、この記事で重要となるのは"昼"と呼ばれる平行宇宙である。
"昼"は、古くから超常的な錬金術を発展させた歴史がある。
そして"昼"は、異常なコミュニティに属する人の中には知っている人もいるが、一般には知られていないという。
この記事では、「錬金術が発達している平行宇宙」程度に理解しておけば問題ないだろう。
よ-B-035は、「次世代型ヒューマノイド」をコンセプトに、多彩な感情機能を持つヒューマノイドとして開発されたそうだ。
長年の研究により蓄積したノウハウを注ぎ込み完成した霊銀式ヒューマノイドは、本物の人物とは一見見分けがつかないほど精巧であり、
たくさんのユーザーよりお褒めの言葉を頂戴している……らしい。
よ-B-035の主成分は霊銀である。
霊銀とは、とある冒険家が、シガスタン北部の遺跡から発見した鉱石である。
この冒険家の著作によると、『霊銀はアダマン、オリハルに並び高い錬成変換効率を持つ金属であり、古代シガスタン人はこれをミスリルと呼び愛用した。』そうだ。
実際に、人体培養においては「従来の素材とは一線を画す培養効率を持つ」という。
そして、日本生類創研は、この著作にて記されているシガスタン式人体錬成術を研究し、更なる改良を加え現代に復活させたのだ。
なお、霊銀式ヒューマノイドは、ユーザーから提供された情報を基に、オーダーメイドで作られるようだ。
霊銀式ヒューマノイドのスペックなどを以下に示す。
| 品番 |
型番 |
個数 |
価格 |
| よ-B-035 |
E01-α |
1体 |
¥ 8,000,000~ |
特徴
- 従来のヒューマノイドより遥かに躍進した行動パターン。
- 錬金術の本場シガスタンが産んだ高品質ヒューマノイドの日創研カスタム。
- リアルな質感。リアルな挙動。リアルな重量。
- デザイン、サイズはカスタマイズ自在。お気軽にご相談ください。
仕様
- シガスタン式錬金術により霊銀を変換し、人体に酷似したヒューマノイドを創り出します。
- 豊富な行動パターン。従来品の行動パターンに加え、「散歩」「農業」「布団干し」が新登場。
- 日本生類創研の高い人体培養技術により実現する高い再現能力。
- 当製品は外見のレプリカであり臓器等は再現できません。ラブドールなどの目的には向きません。
最後の一言が不穏だが、まあそれはそれとして、非常に高い性能を持ったヒューマノイドだといえるだろう。
なお、冒頭のコメントより、日本生類創研は「亡くなった人を蘇らせる」目的でこの商品を販売していると思われる。
実際に、依頼の際には遺体を参考にして製品を作るようにも読める。
ちなみに、依頼の際に遺体の下取りを申請した顧客は、当製品を99%オフで購入可能だという。
日本生類創研が下取りした遺体を何に使うのかはわからないが、ロクな使われ方をしなさそうな気がする……
研究者コメント
さて、この商品の開発にも携わっている、Bエリア第3研究所 ヒト科生物研究室長 久能 尚史のコメントを以下に示す。
亡くなった人を蘇らせること……、それは深い悲しみからくる祈りであり、不死への欲求でもあります。悲しみの螺旋から人類が脱却するため、高い錬金技術を持った古代シガスタン人は死の克服を試みました。そして完成したシガスタン式人体錬成術はシガスタンの錬金文明を衰退へと追い込み、人々に不死が存在しないことを証明しました。しかし私は彼らの描いた夢が絵空事だったとは思いません。この製品をお買いいただければ人類が彼らの夢に一歩ずつ近づいていることが解るかと思います。是非、貴方の大切な人と奇跡の一時を過してください。
シガスタンの技術は、死の克服や死者の蘇生自体には成功しなかった。
しかし、シガスタンと日本生類創研との技術を合わせれば、「死者を再現したヒューマノイド」なら作れたのである。
これが「人類が彼らの夢に一歩ずつ近づいている」ということなのだろう。
「再現された死者」がその死者本人なのか、遺された人々は「再現された死者」をどう思うのか、といった問題は残るだろうが……
お客様の声
さて、実際にこの製品を購入し、死者と再会したお客様の声を見てみよう。
- お金もないし、死体をどうすればよいか解らなかったので助かりました。 ――51歳男性 無職
- 口コミで知りました。ありがとうございます。 ――57歳男性 無職
- おかげさまでまだ自殺しなくても済みそうです。助かりました。 ――56歳男性 無職
……?
購入者は、無職の50代男性ばかり。
そして、死者との再会を喜ぶのではなく、何か「助かった」というような事柄を述べている。
これらの発言を考察するヒントとして、
ディスカッション(コメント欄だが、雰囲気は堅め)に投稿された、著者・indonootoko氏のコメントが挙げられる。
これがニッソ流、年金不正受給の術。
……このコメントから考察すると、
この商品を購入した無職の50代男性らは、両親の年金に依存して暮らしていたのではないか。
しかし、そろそろ両親は死んでもおかしくない年齢である。
実際に両親が死んでしまい、年金が入ってこず、生活ができなくなったのだろう。
そこで、この商品を購入すれば、あたかも両親は生きているかのように振る舞うことになる。
よって、少なくとも年金は入ってくることになるのだろう。
確かに、この息子たちは、死者の復活を望んでいた。
ただしそれは、「深い悲しみからくる祈り」などではなく、
「働かずに手に入る収入源の喪失からくる祈り」に過ぎない。
そしてこの息子らにとっては、先述の「再現された死者がその死者本人なのか」的な問題も関係ないだろう。
なぜなら、単に、周りの人が「両親は生きてる」と判断してくれればいいのだから。
年金の不正受給は、この商品の使い道としてうってつけだった……のかもしれない。
日本生類創研も倫理観がアレだが、生前・死後を問わず両親を不労所得の収入源とする息子らも相当アレである。
売り手も売り手なら買い手も買い手なのであった。
追記・修正、日本生類創研にお任せください。
- ニッソ君、補助金目当てのところから評価受けがち -- 名無しさん (2026-10-01 23:16:35)
最終更新:2026年10月01日 23:16