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ハロルド・ヒューイック(.hack)

登録日:2026/10/02 (Fri) 00:03:27
更新日:2026/10/02 Fri 00:03:54NEW!
所要時間:約 20 分で読めます




人には物理的に避けがたい限界がある
しかし、AIには成長の限界がない
私は、その行きつく先を知りたい
そこにあるものを見たい



ハロルド・ヒューイックとは、『.hack』シリーズの登場人物である。
シリーズにおける現実世界のキーパーソンとして作品を跨いで登場する。

CV:山崎たくみ


【人物像】

白い長髪で痩せぎすのドイツ人男性で、AI関連の技術が得意な超が付くほどの天才プログラマー。
とはいえAI学者としての肩書よりも、シリーズの舞台となるネットゲーム『The World』のプロトタイプにあたる『fragment』を独力で作成して、ゲーム会社のCC社*1に売り込んだ人物としての方が知名度が高い。
そしてシリーズにおける2009年時点では、既に消息不明としていくつかの文献に彼の情報が残る程度となっている。

彼の様子を描いた作品がほとんど存在しないため、詳しい人物像はある一点を除けば不明なままにされることは多い。

無印のパラレル作品『新約小説 .hack』においては、典型的な「見た目に反して非常に優秀」なタイプで、誰が見ても容易に理解できて演算を最小限で済ませるような隙のない完璧なプログラム作成を得意とする。
この手の開発者畑の人間にしては珍しくコミュ障というわけでもないが、自分の目的に関わらない話については興味を持たないことが多く、それ以前にも自分の研究に没頭しすぎて連絡が途絶えたり、体調を無視して一心不乱に開発に臨んだりと自身を顧みない行動もよく取っていた。
また、消息を絶つその時まで英語はマスターできなかったようで、CC社内では終始カタコトの英語を喋っていたようだ。

ハロルドは何を想ってThe Worldをデザインしたのか?
それがシリーズ第1期における最大の謎として登場し、同時にシリーズにおける大事件の原因ともなる。

【来歴】

以下、.hackシリーズの各ストーリーに関わる重大なネタバレしかないので、これからシリーズに触れようとしている場合は特に閲覧注意。














彼の人生を端的に表すなら「愛した女に狂って破滅した」とでも言うべきだろう。
その愛と妄執から生まれた産物が、The Worldどころか世界のネットワークを大きく揺るがすことになる。
言ってしまえば彼こそが.hackシリーズの全ての元凶に当たる。



シリーズ開始以前

2000年以前。
AI学者として「分散処理と人工知能の可能性およびその未来」という論文を発表。
この論文は人類とAIの親和性を求めた内容として一躍脚光を浴び、彼もそれを証明するべくAI開発に乗り出す。
「人と同じように成功と失敗を繰り返して学習する」、そんな機能を持った究極のAI。
しかし、開発は難航を極め、途中段階で完全に行き詰まってしまって挫折してしまう。

その後、知性の根幹を成すもの、あるいはAI開発の助け舟となる何かを求めてシュタイナーの神智学と人智学に傾倒するかの如く興味の領域を広げていく。
その時に参加したセミナーで出会ったのが、彼が生涯に渡って愛した女性のエマ・ウィーラントである。
エマの美貌と感性、何より彼女が執筆していたネット叙事詩『黄昏の碑文』に一目惚れしたハロルドは交際を申し出る。
彼女もAI学者としての才能を高く評価して交際の申し出を承諾する。

交際を続け、銀杏の木の下で待ち合わせをすることになったハロルドだが、思わぬ事態が発生する。
エマが交通事故に遭い亡くなってしまったのだ。
彼女の死を知らないまま待ち続けたハロルドも後にこれを知り、悲嘆と後悔に暮れる日々を送る。


とある雨の日。
エマの墓石の前で傘もささずに立ち尽くしていたハロルドは呟く。


「まだ終わりじゃない…… 僕が終わらせはしない……」


自分の叶わぬ恋を実現するために。
エマへの愛を形として残すために。
全ては、エマとの子を成すために。
自分のAI開発の技術を結集させ、エマが遺した黄昏の碑文の世界をベースにしたプログラムで成長する究極AIの開発に没頭する。

だから私は、彼女をアウラと名付けよう
君なしに、この子はありえなかった
光り輝く子、アウラ
彼女に私たちの意志を託そう
彼女に私たちの未来を託そう
彼女こそ私たちの…


.hack//黄昏の碑文

究極AIは人と同様に過ちを犯す
過ちを知らずして成長はありえない
違いは、同じ過ちをくり返さないこと
ハロルド、ここが正念場だ
おまえのエマは
モルガナになりかかってはいないか?

恐らく2004年頃。*2
この時にはAIの学習先となる人間の思考・行動に関するサンプリングデータの収集先として最も相応しいものがネットゲームであるという結論にたどり着いており、黄昏の碑文をベースにしたゲーム作りの真っ最中だった。
エマの遺した物語を完結させることが自分の責務と思い、「エマが信じた輪廻転生を題材にした薄明の物語」という解釈をもとにプログラムを作成するも、そのせいでゲームそのものが一種のループ状態に陥ってしまう。
AIに必要な「成長」の概念は「何度でもやり直して繰り返す」黄昏の碑文の世界観にマッチしていなかったのだ。
おまけに「一度アクセスするとゲームに肉体ごと取り込まれ、外部から干渉されない限り脱出不能」という何故そんなヤバい仕様なのか未だに分からない仕様のせいでテストプレイもできず途方に暮れていた。

そんな中、開発に没頭して周囲との連絡が途絶えていたところを心配して、彼の兄との娘(姪)のララ・ヒューイックが自宅を訪れる。
ララが黄昏の碑文に興味を持っていることを兄から聞いていたハロルドは、自分たちが外に出ている間にララが勝手に開発版fragmentをプレイすると思って執務室をそのままにしていた。
目論見通り、ララはfragmentを勝手にプレイしてゲームの中に取り込んでしまうが、それに気づいていたので脱出を手助けする。
一見すると計画通りに見えるが、実際はララが本当にプレイするとは思っていなかった。
仮に執務室に入り込んでいなかった場合、きっと遠回しにプレイするように誘導したかもしれないが……。

結果として、ララの冒険によりプログラムは「成長」という概念を覚えた。
彼にしてみれば繰り返しの物語を壊されたついでに面倒な仕様変更を余儀なくされたものだが、そのおかげでプログラムが正常化したので咎めることはしなかった。
そして後年、消息不明になる前に事の真実を記載した手紙を執務室に遺す。
兄に送った自宅の鍵を使って、ララが再び執務室を訪れ真実を知ることを信じて。


新約小説 .hack

進化とは
必ずしも進歩を意味するものではない
進化は往々にして
人の望まぬ方向に変化のベクトルを持つ
望まぬという理由で
変化を拒否するのは、ごう慢である
変化の拒否は
可能性の否定でもある
可能性を許容せよ

※パラレル作品なので、無印とその周辺作品のストーリーと一部異なる箇所あり。

ハロルドがCC社に姿を現したのは2006年頃。
当時まだ『黄昏(トワイライト)』という企画名だったゲームをCC社に売り込み、娯楽に飢えていた時代にMMORPGを持ち込んだことを気に入ったCC社上層部により契約が決定。
プレゼンまで食事を取っていた際に米ドルを持っておらず、天才らしかぬ凡ミスにより食い逃げで捕まりそうになるも、その場に居合わせていたCC社社員のヴェロニカとカーシュに助けられる。
そのままCC社に招待されたハロルドは、そこで才能を遺憾無く発揮してゲームの未完成部分を開発。
途中、企画名に難色を示した上層部によってタイトルが『断片(フラグメント)』に変更されるが、ハロルドはそれに全く興味を持ってなかったので素通しした。

開発が進むにつれてハロルドの体調も悪化していく。
開発自体は順調だったが、時間がないと言わんばかりに一心不乱な姿を見たヴェロニカによりバーに誘われる。
そこでプライベートの話にならないよう誘導されながらも身の丈話をしていた際に、酒に酔った勢いで一言漏らす。


「僕は彼女に会わなくては。彼女は嫌だと言っている。なんとしてでも説得しなくては……」


自分がとんでもないことを喋っていることに気づいて軌道修正したが、ヴェロニカは彼の言葉が頭に残り続ける。
彼女、モルガナ、娘。何か別の思惑があることに気づいたヴェロニカだったが時すでに遅し。
この日を最後にハロルドは行方をくらましてしまった。


消息を絶ったハロルドは、自分専用の開発ツールを使っていたことが発覚。
それで作っていたシステムはCC社の誰にも解析できないブラックボックスと化しており、排除しようとするとゲームがクラッシュする曰く付きだった。
CC社内部が大混乱に陥るが、システムがそのままでもゲームは普通に動くため、fragmentのテストプレイを実施。
7月~9月と少しの間だけテストプレイが実施された後、CC社の手によりThe Worldに改題して機能拡張が実施された。

その後、ハロルドの仕事を眼の前で見ていたヴェロニカは、彼が遺していた開発者ツールを誰にもバレないように隠し持つことでシステムを解析することに成功させる。
ブラックボックスの中身を閲覧した結果出てきたハロルドの苦悩、黄昏の碑文、エマ・ウィーラント、そして娘たるアウラのことを知ったヴェロニカ。
自問自答の末に「The Worldの行く末を見守りたいが、そこにハロルドの妄執はいらない」という結論にたどり着き、システムの自己認識能力に歪みが生じるよう改ざんする。
ハロルドを苦しめたエマとその娘アウラに不幸が訪れるよう、呪いをかけるように……。


fragmentベータテスト期

碑文は終末の物語ではない
創世の物語なのだ、とエマは語った
では始めよう
究極AIが人とともに生きる
新しい世界の創造を

ネット災害『Pluto Kiss(冥王の口づけ)』により全世界のネットワークが致命的な打撃を受け、その再建に勤しんでいた2006年。
かくして完成したfragmentは、CC社サンディエゴ本社に売り込まれる。
当時、ALTMIT OSの普及・移行に伴うドタバタに全世界が巻き込まれている中、どこの誰とも分からない人間の作ったゲームの企画を取り含める余裕のある会社など無いのが当然。
なのだが、CC社だけはその余裕があった。なんなら経営母体にALTIMIT OSの制作会社たるALTIMIT社がいるおかげで余裕がありまくってた。

上記の理由からネット上のエンターテイメントは厳しい規制を敷かれていたため、娯楽に乏しい時代でもあったのだが、そんな時代に唐突とゲームのプレゼンがやってきたということで当然警戒はしたものの、その内容を気に入った上層部により正式契約が決定する。
契約を結ぶに当たってハロルドは金銭も知的財産も権力の類も一切求めることはしなかったのだが、ただ一つの条件として「全世界対応のネットゲームとしてリリースすること」だけを要求し続けた。

ALTIMIT OS普及後の世界におけるエンターテイメントとなるものを求めていたCC社にとって、ハロルドの要求は蹴る理由など一切無い。
それどころか新時代のネットワークに相応しい新時代のネットゲームとしてfragmentをとにかく欲した。
普通のOSなら負荷に負けて動かしきれないであろうfragmentも、ALTIMIT OSなら完璧に動かせるしネット対応もできる。
それを実現すればALTIMIT OSの優秀さを全世界に知らしめることができる。
そうなればfragmentをよりアップデートさせた作品をリリースすることもできるし、それが全世界に普及すればALTIMIT社とCC社がネットワークのイニシアチブを得られる。
信じがたいほどの好条件、しかも金銭どころか権利も要求してこない男からの提案。
ハロルドは絶対にネットゲームとするよう何度も念押ししたが、CC社も利害の一致からネットゲームとして公開を決定。
まずは人数を絞ったベータテストからということでハロルドを迎え入れるのであった。

ハロルドが何のためにネットゲームであることを重視したか、なんて考えもせずに……。


第二次ネットワーククライシス以前

作物は土から生まれ、枯れて土に返り
春には再び芽吹く
大地は死と再生の母胎であるがゆえに
母なる女神は生の女神であると同時に
死者を受け入れる死の女神でもある

かくて、母性は生と死の両面性をもつ
ならば彼女の顕現は必然であったのか
モルガナ・モード・ゴン――
彼女は私の介入を拒絶する

時は進んで2007年頃。
fragmentのベータテストは国連の特別な許可を得る形で実施。
あまりに大人気過ぎて当初6ヶ月のところ3ヶ月に短縮され、プレイヤー数も約1,000人程だったが順調に終わった。
テストプレイによって得た人間の思考・行動のサンプリングデータによりアウラも誕生を迎えようとしていた。
ところが、そのサンプリングデータを母となるプログラム『モルガナ・モード・ゴン』も傍受し続けたことで自我を得るという予想外の出来事が発生。
「娘が誕生したら最後、母の存在は不要となる」という点に気づいたモルガナは自己保存に目覚め、アウラの誕生を妨害し始める。
最悪の事態を前にハロルドは何度もアクションを行うも、モルガナの暴走は止まらない。
いよいよ後がなくなった彼は、とうとう「プログラムの内部に入って直接モルガナと対話する」ことを選ぶ。
「一度アクセスするとゲームに肉体ごと取り込まれ、外部から干渉されない限り脱出不能」という仕様はそのままなので、文字通り命がけの行為。
それでも「彼女に会わなければならない」という使命感のもと、ハロルドはモルガナと対話すべくプログラムに入り込む。

どうしても……
モルガナと話し合う必要がある
彼女のところに行くには
生身の身体が邪魔になる
だとしても、行かなくては
私たちのアウラのために
エマ、私にあと少しの勇気を――

その後何が起きたか詳細を描いた作品が存在しないので定かではない。
わかっているのは、ハロルドは現実世界に復帰することはなく、表向きには失踪扱いとして消息を絶ったことだけである。

ハロルドの突如の失踪にCC者は混乱するも、幸運にも開発中のゲームはそのまま取り残されたまま。
遺されたfragmentはブラックボックス化して誰も開くことができなかったが、そのままThe Worldに改修されて販売された。
結果としてアウラ、モルガナ、そしてハロルドの思念がThe Worldに搭載されたまま公開され、モルガナの暴走がThe Worldのウイルス汚染、ひいては第二次ネットワーククライシスを引き起こすのであった。


.hack//AI buster

なぜ、お前が来たのか
お前では、アウラになれない
リコリス お前はできそこないなのだ

The World公開後の2009年。
The Worldが世界的人気を博す中、その元になったfragmentと黄昏の碑文の関係、更にはゲーム内の不可思議現象に関する噂が流れ始める。
ハロルドに関する情報もBBSに流れはしたものの、行方不明になったプログラマーであること以上は何も分からず、そういう人がいたという噂程度の存在だった。

一度挫折した究極AIの開発がそう簡単に進むわけがなく、その過程でいくつもの失敗作が生まれていた。
アルビレオが遭遇した放浪AIリコリスもアウラ誕生の過程で発生した失敗作の1体であり、アウラになれなかった彼女は本来モルガナからもハロルドからも見捨てられた存在だった。
しかしアウラ覚醒を促すために自分の存在をロールし始めたことでモルガナに捕捉されてしまい、自らをセグメントに分割して逃れていたのがアルビレオの遭遇した出来事の発端だった。


.hack//SIGN

私は 君と私との想いを 形にして残したかった
君が生きた証 私が君を愛した証 それを形に
彼女 彼女は私の 私たちの希望

史上初の未帰還者が確認された2009年。
ハロルドの残留思念はいくつかのエリアに焼き付くように存在していた。
黄昏の目の謎を解いて逆城都市を訪れたBTと、彼女を追って司の力を使い追いかけてきたベアとミミルが残留思念と出会う。
黄昏の鍵を探していたBTにとっては何の収穫も得られない結果に終わり、ベアとミミルも壊れた中年男性のうわ言を延々と聞かされるハメになったが、司だけはハロルドの言葉に隠された真意に気づいていた。

司が何か気付いていたことを知ったベアは、黄昏の鍵を探求する最中にあの時出会ったのがハロルドであることを突き止め、行方をくらました司の代わりに昴を連れ、ヘルバの助力を受けて再び残留思念と出会う。
前回と同じうわ言を繰り返すだけだったハロルドだったが、ベアの「彼女とは何者か」という質問を聞いた瞬間、まるで自我を取り戻したかのようにアウラとモルガナについて語り始める。
アウラを歪めさせるなと忠告をするもそれを聞いていたモルガナの逆鱗に触れてしまい、残留思念はその場で消去されてしまった。


.hack

否。 時 の 流 れ は
不 可逆 ゆえに
誕 生  か  死 か
今 と な っ ては
い ず れ か しか  ない 

第二次ネットワーククライシスが発生した2010年。
PCの間で噂になっていた奇妙な部屋の情報を突き止めたカイト達は、その部屋に残されていたハロルドの手記を手に入れる。
最初は自分たちが会った少女がアウラという名前であることしか分からなかったが、物語が進むにつれて「The Worldのプロトタイプ版の作者」、「黄昏の碑文をベースにデザインした世界で何かを成そうとした」と、次第に彼の本当の目的が明らかになっていく。

いよいよ最終決戦が近づく中、カイト達はついに「創造主の部屋」を発見。
そこで椅子の上に浮かぶ巨大な石碑の形をした残留思念と、戦いを経て解放されたアウラと出会う。
同行したブラックローズが「完全にイっちゃってる」と呟くくらいには壊れていたものの、アウラがハロルドとエマの娘として生まれた存在であることを明かす。
しかし、クビアが決着をつけるべく出現した余波により、まるでこの後起きる出来事を予感させるような言葉を残して部屋もろとも粉々に崩壊した。

旅人 よ  心 せよ
夜明け前 が もっとも 暗いのだ と




.hack//Liminality

私は大きな過ちを犯してしまった
取り返しのつかない過ちを
私の想いを捻じ曲げようとするものを

物語が進むにつれて「ハロルドが内部に持ち込んだ外部とは何か?」というのが重要ワードとなっていく。

当初は外部にあるはずのプレイヤーの精神が内部に取り込まれてしまったことを指していたと思われていたが、
黒のビトによって「究極AIの成長のために必要な人間の行動のサンプリングデータ」こそが内部に持ち込まれた外部であると推察されている。
同時に、ハロルドシステムには1つ大きな誤算があり、それが一連の事件を引き起こしていたこと、無印では台詞でしか推察できなかった「何を目的としていたのか」も黒のビトによる的確な推察により判明する。
比喩表現のせいで死んだ女と子供を作ろうとするハロルドの狂気に徳岡はドン引きしていたが。

大きな誤算については、京により「多分、彼は女を知らなすぎたんじゃないかな」と一言で言い当てられている。
母は子が成長すれば最後、その存在意義を失う。
ならば自身を存続させるべく、あらゆる手段で子の成長を妨害するようになる。
それが一連の事件の真相であり、モルガナによるウイルス汚染が曖昧になった境界性(リミナリティー)により現実に波及してしまったのだと。

ハロルドがもう少し女を理解していれば、母という役割しか無かったモルガナの暴走を抑えることくらいできたはずだったが、
エマに一目惚れして彼女の心を理解しないまま死別してしまった彼にとっては皮肉な話である。


.hack//Roots

我、お前に問う 

『The World R:2』に移行した2016年。
SIGNで登場した逆さまの赤い人型の模型として登場。当時はそこに本人が座っていたがいなくなっている。
舞台となるR:2は、R:1時代のハロルドシステムが未解析のまま搭載されているため、彼の残留思念もまたR:2内に取り込まれていた。
しかし、これまでのような複数のエリアに点在している訳ではなく、ロストグラウンド『罪界 ラーン・バティ』の最深部にいた。

復讐のためのレベル上げを目的に痛みの森イベントに参加していたハセヲの前に姿を現す。
ひたすら質問攻めした挙げ句、ハセヲの答えに対して剣を授けるに値しないと断言するも、望みを叶えるとして本来経由しないといけない2ndフォームを飛ばして3rdフォームにジョブエクステンドを行う。
また、同時期にトッププレイヤーの太白が残留思念と出会っており、こちらは全呪紋無効のすごいチートスキルを持った武器を手にしている。


.hack//G.U.

お前は何者かに自分の大切な宝を奪われる
お前は略奪者を追いかけるか
それとも他のもので満足して諦めるか

物語完結後、痛みの森イベントを踏破した際にその場にあった剣に触れたハセヲの前に姿を現す。
Roots同様の姿でひたすら質問攻めを仕掛けるも、内容からランダム出題と思ったハセヲは前回と違う回答を選ぶ。
問答の末、触れた剣を授けるに値しないが「オーヴァンともう一度話す」という願いを叶えてみせた。


.hack//Link

アウラに腕輪を与えられた者よ
願う 彼女を助けてほしい

逆さまの男、あるいはハロルドとしてSIGN~無印の時代(2009年~2010年)に登場。
トキオが介入している以外は原作通りだが、台詞周りは若干変更されている。
歴史改変モノとはいえトキオの視点で各作品のストーリーを追体験していく形式のゲームなので、ハロルドの言葉からトキオが真相を導き出す流れが多い。


関連人物

  • エマ・ウィーラント
ハロルドと同じドイツ人の女性で、『黄昏の碑文』の作者。
フランスでの神秘体験により人智学へ傾倒した矢先にハロルドと出会い、彼の才能に惹かれ交際を始めるも交通事故により死去。
彼女の死をもってハロルドは「自分とエマの子を成す」という妄執に取り憑かれることになる。

交際を始めた時点でエマには歳の離れた愛人が存在していたので、ハロルドのことを心から愛していたわけではない。
後のことを考えれば、自分の所属する団体の企てにハロルドの才能を利用するつもりだったのかもしれないが、団体自体が後付け設定なのでハロルドはそんなことを知る由もなかった。

  • アウラ
ア  ウ ラ……光 の  子
エ マ の  娘
私  の  娘
あ と  少し

ハロルドが生み出した「人のように成長する究極AI」。
エマの碑文を土台にした世界で生まれた自身のAI、つまり娘の覚醒を最後まで見届けられなかったことについて、残留思念が「父親失格」と未練を残している。
最終的にアウラは究極AIどころかネットに偏在する女神とも呼べる存在へと進化し、「世界を創るのは神ではなく人である」という結論にたどり着いたことでハロルドの目論見通り「極限まで人間に近い存在」に成長を遂げた。

しかし、それがネットどころか全世界の機関を巻き込むアウラ争奪戦を招いてしまい、一時は全人類電脳化を促進する存在と化してしまった。
食い止めるべく破壊されほぼ初期状態になってしまったことをハロルドが知ったらどうなっていただろうか……。

  • モルガナ・モード・ゴン
ハロルドがゲームに仕込んだ管理・運営用の自律プログラム。
当初はプレイヤーのサンプリングデータを受け取りアウラに還元させる役割を持っていたのだが、この時に自我が発現。
アウラ覚醒後に自身が不要になることを恐れてアウラの成長を妨害するようになってしまう。

自身を止めようとネット空間に姿を現したハロルドの精神を破壊して幽閉した後、直接手を下さない方法で妨害を行うも、最期は腕輪の勇者とアウラに滅ぼされた。
ハロルドのにとってモルガナの自我獲得は完全に誤算であり、残留思念に成り果ててなお何故こんな事になってしまったのかずっと後悔していた。

19歳という年齢で経産省からCC社に引き抜かれた早熟の天才。
ハロルドと直接会ったわけではないのだが、『プロジェクトG.U.』においてハロルドの天才性に触れ続けたことで、次第に強い嫉妬と対抗心を抱き始めてしまう。

プロジェクトを共に推進していた番匠屋淳にクビア発生の懸念を指摘されても「あれはハロルドのシステムが産んだバグに過ぎない」と一蹴するくらいには対抗心を燃やしていた。
膨れ上がった対抗心は最終的に計画の失敗を招き、その余波で重度の精神障害を負うついでにThe World R:1の終焉という最悪の事態を起こしてしまう。
その末路を見た番匠屋は「ハロルドの亡霊に最も呪われていたのは天城だった」と述懐している。

  • ヴェロニカ・ベイン
CC社の社員で、ハロルドを自社に引き入れた女性。
最初に案内した縁からハロルドの世話係を担当し、誰よりも早く成果物を見ることを楽しみとしていた。

彼女もエマ同様に才能に惚れ込んでおり、開発が進むにつれてやつれていくハロルドが何か深い悩みを抱えていると思い酒の席に誘うも、酔った彼から知らない女の名前と娘というワードが出たことに困惑。その日を最後に二度と会うことはなかった。
大混乱の最中The Worldは無事に公開され、彼の遺したThe Worldを見守り愛することを誓う。
ハロルドを狂わせた女共に不幸が訪れるようにプログラムに仕込みを入れるけど。

余談

ハロルドを演じた山崎たくみ氏は、同作においてワイズマンを始めとする数々の役を演じている。
他のキャラクターもそうだが、無印は予算都合で声優の兼役が滅茶苦茶に多い。
その後、.hack//G.U.にてワイズマンと同一人物が操作するPC八咫を演じている。




だとしても、追記しなくては
私たちのアニヲタwikiのために
冥殿、私にあと少しの勇気を――

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最終更新:2026年10月02日 00:03

*1 サイバーコネクト社。元ネタはもちろんサイバーコネクトツー社。

*2 .hack//Linkでは2007年の物語となっているが、恐らくfragmentのテストプレイが2007年だったからだと思われる。でないと2006年にCC社に売り込まれた設定と矛盾が生じる。

*3 ユングが提唱した女性の無意識の中にある男性的側面のこと。

*4 超自我。専らユングが言うところのと話すが、超自我を提唱したのはフロイトなので間違ってる。