都市(都市シリーズ)

登録日:2012/04/03(火) 23:47:07
更新日:2024/01/01 Mon 22:48:48
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川上稔の長編ライトノベルシリーズ、都市シリーズの舞台となる土地の総称。
基本的な地理は現実に存在する都市とそう違い無いが、現実世界の都市には無く、都市シリーズの都市には存在するものも多々存在する。


□概要

まず前提として、都市シリーズは遥か未来の地球を舞台としており、これは便宜上「都市世界」と呼ばれている。
途中で滅んだり繰り返したりを挟んでいるが、とりあえず超未来という認識で問題無い。一度滅ぶと遺伝詞の影響により同じような歴史の流れを繰り返したりするが、その辺絡むと説明が長くなるので割愛。詳しくは遺伝詞の項目にて。

とりあえず総括すると都市世界とは、我々の世界とよく似た歴史や地理を持つが本質的に全く違う世界ということになる。
本項目ではそんな、都市世界における都市について説明する。


□都市理力

都市世界の都市を語る上で欠かせないのが、都市理力である。
これはその都市でのみ通用する“地方ルール”の超強化版と言って差し支え無いだろう。
「郷に入りては郷に従え」という言葉が存在するが、都市理力は“従うべき郷”をその都市に存在する生物に対し押し付けるのである。
例えば最も解りやすい例が「電詞都市DT」である。
電詞都市DTに入市する際、たとえそれがどんな生物であろうとも、そのままで入市することは出来ない。
DTは言わば「ネトゲの世界」であり、本人の遺伝詞情報を基に作られた“通常外殻”と呼ばれる――解りやすく言えば“アバター”を介してでしか入市することが出来ないのである。更にDT内では、定期的に言定義状態と呼ばれる、映像情報の無い「チャット」の状態にならなければいけない。

こういった都市のルール(個性)が各都市毎に存在しているのである。
また、この都市理力は旅行者には作用せず、純粋な「その都市の住人」にのみ作用するようなものもあるが、後述のためここでは割愛。

では何故都市理力が存在するのか、と言えば、それは一重に領土の防衛にある。
都市は、他の都市や国からの侵略を受けた際(勿論、兵器や個人の能力も使用するが)都市理力を使用して迎撃する。
前述のDTの例を挙げれば、DTはそもそも通常外殻を使用しなければ入る事も出来ないし、入ったところでDTの環境に馴れていなければ戦う事も出来ない。
そして極めつけは“亜神”と呼ばれるDT内の一部の住人の持つ“亜神己動詞(プログラム)”――DTのOSを操作する上位プログラム――を無力化しなければならない。
身も蓋も無い言い方をしてしまえば、どんなに強いPCを作り出したところでアカウントの削除やOSそのものの操作を行うゲームマスターには勝てないのである。
ただ、実際は兵糧攻め(DTでいえば外界との接触をすべてぶった切られれば)などを行われれば余裕で負ける。


□天蓋

第二次世界大戦末期、敗戦色濃厚な独逸軍が全世界を言詞爆弾で絨毯爆撃した結果、言詞崩壊により生まれた世界中を覆う二種類の透明な力場。
全世界規模の“大天蓋”と各都市上空にそれぞれ存在する“天蓋”の二つに分けられる。

天蓋
各都市の上空にそれぞれ存在する天蓋。
この天蓋の存在により、都市間での電波のやり取りが出来なくなり、全世界規模での無線通信ネットワークの構築が事実上不可能となる。(都市内での無線通信や、都市間であっても有線の通信は可能)

大天蓋
天蓋の更に上に、地球全体を取り囲むように存在する天蓋。
これにより地球上の生物は宇宙へと行くことが出来なくなった。(大天蓋発生以前に宇宙へ行った航空艦は存在する)


□都市一覧

各都市には、都市の存在する国、地方毎に

(漢字二字)(都市or街都)(都市名)

の形で、命名のルールが存在する。
都市名は日本、米国以外は基本的に漢字表記、日本は基本的にローマ字、米国はアルファベット略称での表記となる。

日本
他国にはない日本全体の規則として“総長連合”が存在する。
これは「子供のケンカに大人がしゃしゃり出るってどーよ?」という主義の下、子供達(18歳以下)に独自の警察や政治機構等の運営を任せる事で大人のそれとは違う子供だけのコミュニティを構成を構成する規則である。

都市理力:音楽による戦闘?
奏(騒)楽都市OSAKA[小説版]及び奏(騒)楽都市OSAKA[ゲーム版]の舞台。
機械工学を攻撃的に発達させサイバーパンクレベルまで発展させており、技能(テック)を使う事で格闘ゲームのコマンド入力の様に自身の肉体を操作し、「神器」と呼ばれる音楽を身体に流しそれに自らの「詞」を載せて様々な力を上乗せして戦うことが出来る。
また全体的に住人の耐久力が高く、それに伴い喧嘩も盛んで時に銃撃すら飛び交うことがあるそうな。

1993~4年の近畿動乱と名古屋近辺での格爆発により生まれたオルタードラインにより東西日本は分裂していたが、1999年の和解動乱により統合。

都市理力:矛盾力
イラストノベル、矛盾都市TOKYOの舞台。
世界七大最強都市の一つで日本では唯一のランクイン
地理的には東京大空襲で三鷹あたりが底無しの谷(東京大断層)になった他、その近辺の陥没した地域の上に都市を築いた事で地上東京と地下東京の二つに分かれている。
矛盾力により星や月、風といったものが擬人化している他、一部の人間は矛盾力を使用した起動力が使用出来る。
1999年8月に世界破滅に至る不幸を内包し閉鎖。そしてある事件によってその閉鎖事件が「東京が閉鎖されかけるも世界が壊れる程の変動で解放された1999年7月」に改編された事で、都市世界は新しい段階へと移行する事になる。

欧州
  • 機甲都市伯林
都市理力:なし→言実化
パンツァーポリス1935及び機甲都市伯林の舞台。
もともとは個性の薄い都市だったが、機甲都市化計画により言実化能力を手に入れる。
言実化については強臓式機械を参照。

  • 架空都市倫敦
都市理力:文字世界
エアリアルシティの舞台。
人間以外の異族が多く住む都市。産業革命以前に欧州での異族狩りに対抗する為全異族が団結抵抗。当時の倫敦を制圧、本に封印した
本の世界であり、自分の感情や存在等、全てのものが文字で表記される世界。また、英国全土の空に天界へと繋がる扉があったが、二度の大戦で殆ど消失。
入ることも出ることも難しい。

  • 閉鎖都市巴里

都市理力:文字世界
閉鎖都市巴里の舞台。
倫敦を真似て作られた文字結界により覆われており、住人や滞在者達は毎日日記や書簡等に「記録」しなければ自らの行動を確定出来ない。
1944年に言詞爆弾が爆発し(独逸の絨毯爆撃に寄るものではない)、都市そのものが終戦間際の一年間を繰り返しており、解放した場合「巴里無しで進んできた歴史」に巴里が出現する事による矛盾で世界全体が巴里が存在する時間まで後退してしまうため1995年時点まで放置されていた。
後に『閉鎖都市巴里』の事件によって解放され、「巴里の閉鎖・解放」についての記録だけを残して『巴里が閉鎖されかけ解放された』と言う歴史に改変。時間の閉鎖は「連環(メタフィジコーズ)」と呼ばれる様になった。
これにより『機甲都市伯林5』終章では時間閉鎖未遂の解決手段がG機関に伝わり、『創雅都市S.F』では1995年時点で巴里からの来訪者が登場している。


米国
都市理力:電詞化世界
電詞都市DTの舞台。デトロイトの略。
かつては普通の工業都市だったが、WW2末期に言詞爆弾製造時の事故で壊滅。戦後紆余曲折を経て体感時間100倍かつ普通のネットにも接続可能な電詞世界に改造された。
詳しくは前述されているが、時間100倍だが燃費は百分の一にならず、そのくせ農作物の収穫間隔も100倍遅くなるため、食料等は外部からの輸入に頼っている。

都市理力:不明(絵の世界?)
創雅都市S.Fの舞台。サンフランシスコの略。
あらゆるものが絵で出来た都市。夜空に朝焼けを描く事で都市全体を朝にしたり、人間を“落書き化(コミカライズ)”することで強力な攻撃をギャグとして受け流す事が出来る。

中国(亜細亜?)
  • 風水都市香港
都市理力:不明
風水街都香港の舞台。
現実の香港に存在しない香港洞と呼ばれる地下大空洞が存在し、多くの匪天(天使と人間のハーフ)が住む。
風水五行に優れた都市であるが、風水五行自体は他の都市にも存在するため、都市理力は不明。


他にも名前の明らかな都市はあるが、舞台になっていないため割愛。




追記、修正頼みます。

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最終更新:2024年01月01日 22:48