ゼニガメ(本物)

登録日:2011/06/21 (火) 15:43:57
更新日:2024/10/17 Thu 10:01:28
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【概要】

ゼニガメとはペットショップや縁日の露店とかで良く売ってたりするニホンイシガメやクサガメの幼体を指す。
成体になっても普通に飼えるが尻尾がフサフサになったりはしない。
元々はニホンイシガメをゼニガメと称していたが、個体数が少なくなりクサガメの幼体もゼニガメと言われるようになった。
本項目では原則ニホンイシガメについて紹介する。

よく一緒に見かけるミドリガメと比べると、瞳が黒く大きく可愛らしい顔をしていてサイズもこちらの方が小さめ。
メスの方が大きくなり、若干気性も荒い傾向にある。
甲羅はオスだと中央にやや凹みが出来て、メスだと中央がドーム型で、一貫して言えることは瘤状に所々盛り上がってる所。

ミドリガメと違い体色は様々で、褐色、灰褐色、暗褐色、橙褐色、黄褐色、などがあり体調や加齢に伴い変化するため見ていて飽きないだろう。

ゼニガメと言う名前は幼体の甲羅が硬貨に見えることから。

現在は環境悪化、乱獲、生息地の減少に伴い個体数は減少しているため、露店でもニホンイシガメではなくクサガメが売っている方が多い。
といっても世話の仕方や雌雄差等の大まかな特徴はニホンイシガメと殆ど同じ。
法律の改正によりミドリガメの販売も終了したため、これからクサガメを飼おうと考える人も参考になるだろう。


■ゼニガメの一日

→起きてご飯をモシャモシャ食べる。
→陸に上がり甲羅を乾かしながらお昼寝。
→ご飯をモシャモシャ食べて寝る。

と、いざペットとして飼うとまぁ何と言うか自堕落な生活をするが非常に可愛らしい。
ご飯をモシャモシャ食べるとことか、眠たくなってウトウトしてるとことか、泳いでるとことか見てるだけで癒され一日が終わってしまうかもしれない。
また、割と人懐っこく人の気配を感じると寄ってくる。指を見せたりして遊んでやると元気にホニョホニョ泳ぐ。
単に腹が減っただけという可能性もあるが、飼っていると爬虫類は人に懐かない説が若干怪しく思えてくる。

とは言え、やはり捕食性の雑食動物であり、野生から捕えてきた個体は運動神経の優れた個体も多く、水槽の壁を乗り越えて脱走したり、生餌に機敏に襲い掛かったりする。
ザリガニを水槽に入れて置くと、無関心な様子を演技しつつ、食べ易くなる脱皮の瞬間を虎視眈々と狙っていたりするので案外知恵が回る。
ただし、耳が良いので大声や物音は基本苦手。甲羅や物陰に即引っ込んでしまう。
成長すると爪も結構鋭くなるので、持ち上げた時に手などを引っ掻かれないように。

実はカメは驚異的な筋肉の性能を有している
なんと、有胎盤哺乳類の2倍に達するエネルギーの動力変換効率70%
だからこそ、長時間潜水の省エネルギーモード→急加速の襲撃と言う切り替えが可能なのである。



■飼育法

上手に飼育すれば30年くらい生きる亀だが、結構デリケートな生き物で、水質やご飯に敏感で、
ちょっと世話の手を抜くと病気になってしまうため大事に飼育する必要あり。

  • サイズの10倍くらいの水槽
  • 底砂(粗目が良い)
  • 陸地
  • シェルター
  • ホットスポット(日光を浴びさせられる環境にあるなら不要)
  • ヒーター(特に室内)
  • 餌や各種掃除用の道具

などは最低限必要。亀は変温動物のため、温度差がある時期は中途半端に冬眠(仮死状態に近く場合によっては危険)してしまう。そのため早めのヒーターは必須。
また、水の量は亀の高さの2倍くらいが呼吸しやすくて良い。

エラ呼吸する訳ではないので*1、フィルターやエアポンプはこまめに手入れできる人なら不要。ただ、水を淀ませず適度に循環させると汚れ方が目に見えて遅くなるので、余裕があれば手入れを楽にするという意味でも入れておきたい。
性格次第ではあるが水や泡の吐出口をジャグジー感覚で楽しむ亀もいるので和む意味でも。

ちなみに金魚や熱帯魚ではよく言われる「生物ろ過」*2はカメでも勿論有効…ではあるのだが、魚以上にとにかく水を汚すため、効果を期待するくらいなら物理ろ過(ゴミ取り)だけ任せてさっさと水換えした方が早いと一般的には言われやすい。
実際、カメ向けの市販のろ材は一般的なセラミックリングなどよりは直接吸収するゼオライトの方がメジャー。一応すぐ捨てずにある程度使っていればゼオライトでも生物ろ過にはなるが。

■冬眠

ご存知の通り野生の亀は冬眠をする。大体期間は11月~3、4月でその間はピクリともしないが死んでる訳ではないので心配は無用。
春、夏にしっかり栄養を取らせたり、多めの水や寝床を用意したりしてちゃんと冬眠するようにお手伝いをしてあげよう。
一方でヒーターを利用して冬眠させずに越冬することも出来る。これは主に室内で飼う場合に行われる。


どちらもメリット・デメリットがある。
  • 冬眠させる
    • ◆メリット
      • 日本の気候と亀の生活のサイクルに則した自然な形。
      • 寿命は長くなる。
      • 餌代、電気代が掛からない。
    • ◆デメリット
      • 春、夏の栄養管理が難しい。
      • 愛でれない
      • 様子を確認出来ないため、問題が発生しても対処し辛い。
        特に、栄養管理は徹底しないとそのまま永眠ということもある。

  • 冬眠させない
    • ◆メリット
      • 年中愛でられる。
      • 冬眠→永眠というリスクがない。
      • 異常の発見が楽。
    • ◆デメリット
      • 金が掛かる。
      • 年中世話しなきゃならない。
      • 寿命が短くなりがち。
などがある。
どちらか一方を貫くのではなく、亀の体調を見て柔軟な飼育方針を決めよう。

また、亀は甲羅を日光に当てて乾かし固く丈夫にするのが日課である。
これを疎かにすると甲羅が柔らかくなってしまって病気にかかりやすくなったり、怪我したりしてしまう。
ちゃんと日光を当てる場所を確保すること。
爬虫類用のバスキングライトでもいいが、紫外線が出ないタイプもあるので2台用意すると理想的。
逆に暖かくないタイプのライトは亀が甲羅干ししてくれない。
水の入れ替えは最低週に1回。幼体は水道水を使う場合はカルキを抜いてから、大きくなったら水道水でも大丈夫だが、中には苦手とする個体もいるため注意。


■病気の対処法

異変を感じたらすぐにお医者さんに見てもらう。これに尽きる。
  • 目の腫れ→目薬で。
  • 甲羅にカビ→水の手入れを怠らないように。しっかり日光を浴びさせる。
  • 口から泡→カルシウム不足、ご飯をしっかりあげる。

などが代表的な病気などで見かけたらすぐにお医者さんに。


■求愛行動

男女を同じ水槽に入れているとオスがたまに求愛行動をとる。
これがスゴく可愛い。
まず、メスの顔を引っ叩いたりウザいことして顔を引っ込ませる。次にメスが顔を出してきた時にすかさずメスの顔の前で手をヒラヒラと動かす。

この時ばかりは遅い亀も手がスゴく早く動くので必見である。
…が前述の通りメスは気性の荒い子が多く、体も大きいため「ウゼェ」と言わんばかりに噛み付いたり、引っ掻いたりする場合もある。
そんな時は可哀想だが別々の水槽で飼ってあげた方が良いかも知れない。


追記、修正は雨より晴れの方が好きなゼニガメと一緒にお願いします。

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最終更新:2024年10月17日 10:01

*1 とは言え、亀の仲間は喉等の粘膜からある程度水中の酸素を吸収出来る上に、人間等の哺乳類と比べると脳の酸素消費量が少ないので長時間の潜水を得意とする種が多い

*2 無害なバクテリアをフィルターに定住させて有害物質を分解させる役割