いただきます/ごちそうさま

登録日:2012/02/03(金) 22:03:17
更新日:2024/07/06 Sat 19:03:27
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「いただきます」とは日本における食前の挨拶、掛け声である。

「もらう」の謙譲語「いただく」と同義語であり、全く同じ意味。

「ごちそうさま」は、食事が終わった後に言う挨拶。

馳走(ちそう)」とは走り回ると言う意味であり、それに丁寧型を意味する「御」と尊敬を意味して敬称である「様」をつけた言葉である。

どちらも手を合わせて大きな声で言うのが正しい。
これは加工や調理をしてくれた人達はもちろん、自分が食べる為に命を落としてくれた動植物に向けての感謝の言葉でもある。
「命」をいただきます、なのだ。
なので、自分で調理した食事を食べる場合にも言うのが正式。
だが、「ごちそうさま」は「自分の為に走り回って良い材料を探し、料理をしてくれてありがとう」と言う意味なので、
これはもしかしたら調理者への言葉かもしれない。

因みに「お粗末様でした」は自らが提供した料理が粗末であったと謙遜する言葉。つまり調理手が言う語。


■発祥

起源は定かでは無いが、動物や植物、その他自然物に信仰を置く日本ならではの挨拶と言え、驚く程昔から言われてきたようだ。
他の命を奪わなければ生きていけないと言う人間の「原罪」を説いた仏教的な意味合いだとする説もあり、実際仏教圏では割と「食前の挨拶」が存在する。

一方、天上から追放された者の末裔である人間にのみ「魂」があると信じ、他の動植物にその存在を認めないキリスト教圏は食前の挨拶に重きを置いていない。

だが、その中でも日本程「いただきます」「ごちそうさま」を重要視する国も実は珍しい。

アニミズムと仏教、それらの価値観が見事に融合したまさしく日本の美観がよくあらわれた言葉と言える。

現在では手を合わせて唱えるだけの簡単なものになっているが、
本来は一拝一拍手の後に和歌を詠み、続けて「いただきます」もしくは「ごちそうさまでした」を唱えるのが作法である。
数が違うだけで神社参拝の二拝二拍手一拝と同じ作法であることからも、料理そのものが神であることがわかる。


因みに食前の和歌は
「たなつもの百(もも)の木草も天照らす日の大神のめぐみえてこそ」

食後の和歌は
「朝よひに物くふごとに豊受(とようけ)の神のめぐみを思へ世の人」

最初の歌は全ての草木が育つのは太陽の神である天照大御神の恵みを得ているからという意味で、
次の歌は食事をするたびに豊受大御神の恵みに感謝しましょうという意味。

和歌こそ詠まなくともせめて一拝一拍手は試してみてほしい。清々しい気持ちで美味しく食事を頂くことができるだろう。


■言わない人々

だが近年おかしな事を言う人々が現れた。

小学校の学校給食にて「自分達は給食費を払っているのだから、いただきますなんてコジキみたいな事言わせないで」と、
変な解釈をしてクレームをつけたイカれた親 がいるのだ。

だが、前述のように「いただきます」とは命をくれた動植物に向けての言葉であり、お金の有無は関係無い。
お金を払おうが払うまいが「命」をいただく事実には変わり無いので、理屈から言ってもこれはおかしい。

この屁理屈がまかり通り、日本の美点としての「いただきます」「ごちそうさま」文化が絶えない事を切に祈る。

さて、この項目を見ている貴方も最近きちんと「いただきます」「ごちそうさま」を言っているだろうか?

もう1つこの言葉を言わない理由がある。
それは「面倒臭い」「恥ずかしい」からだ。
それは誰にでも起こり得る感情だと言える。

だが、もう一度自分が生きている意味、命を頂いていると言う意味を見つめ直し、そして食前にはそれらへの感謝と共に手を合わせ、口に出して言おう。

「いただきます」( ^人^)

食べおわったら

「ごちそうさまでした」( ^人^)



追記・修正は次の食事ではちゃんと「いただきます」「ごちそうさまでした」と言うと誓ってからお願いします

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最終更新:2024年07月06日 19:03