竹になった娘

登録日:2011/05/13(金) 01:22:32
更新日:2024/12/29 Sun 19:12:40
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「竹になった娘」は朝鮮に伝わる民話である。







~竹になった娘~

昔々ある所に、タエという可愛い可愛い娘がおりました。タエはお父さんとお母さんと、とても仲良く幸せに暮らしていました。

しかし、タエが十一歳になった時の事です。お母さんが重い病気にかかってしまい、程なくして亡くなってしまいました。

タエは悲しくて、ずっと泣き続けました。それを見たお父さんは娘が不憫でなりません。
そこでお父さんは新しい奥さんをもらい、娘を可愛がってくれるように言いました。


ところがこの継母、タエが邪魔でなりません。何とかできないものか、とタエを見るたびに疎ましく思っていました。


そんなある日の事です。
お父さんが、長い間遠くへ旅に行く事になりました。
お父さんは継母へ言います。


「しばらく帰って来れないからその間、どうか娘を頼むよ」


「はい、あなた」











継母はタエを毒饅頭で殺してしまいました。


そしてその死体を、ばれないように裏庭に埋めました。


それからしばらく経って、タエの死体の埋まっていた所からは見慣れない植物の茎が生えてきました。その植物は、にょきにょきと伸びていきました。

ある日、そこを通り掛かった男の人が継母にその植物をくれないかと頼みました。

継母は鎌でばっさり切って男に茎を渡しました。男はその茎で笛を作り、吹き始めました。

すると笛からは、こんな音が聞こえてきました。













♪いや参った参った。いやね、普段からあの新しい母さんには意地悪されてたんだけどぉ、あの日は不思議と優しくね、
美味しいお餅だよ美味しいお餅だよ越後のお鏡押すだけぽんなんて言うもんだから私も食べちゃった訳。
そしたらほら、ぽっくり私死んじゃったのよー。お父さんお母さん聞いてますかー?
あなた方の娘は、お父さんの再婚相手に殺されましたぁ♪ この植物は、私の骨なんでっす! てへりんこ♪











継母は男を止めようとしましたが、男はそこら中を走り回って笛を吹き続けました。

そうこうしているうち、お父さんが旅から帰ってきました。











怒ったお父さんは、継母……つまり自分の後妻を殺しました。


タエの埋められた場所からは、いつも同じ植物が生えてきます。
いつしか人々は、この植物をタエの名前から竹と呼ぶようになったということです。とっぴんぱらりのぷう。





追記・修正は竹笛を吹きながらお願いします。

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最終更新:2024年12月29日 19:12