ババヘラ

登録日:2011/03/18 Fri 22:17:48
更新日:2024/01/11 Thu 19:17:32
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ババヘラ(婆経羅)とは、主に秋田県に出没する妖怪の一種。

活動時期は春から秋がメインで冬はあまり見かけない。
大型連休中の道端や、運動会・海水浴場等人集りの多い場所での目撃例が多い。
見た目は農家の女性のような格好をしていており、冷えたドラム缶のようなものを近くに置いている。
また、海岸沿いでなくてもビーチパラソルを差している。

似たような妖怪としてジジヘラ(爺経羅)、ネネヘラ(祢々経羅)またはギャルヘラ(妓遣経羅)が存在する。


追記修正お願いします















   *   *
 *   + うそです
  n ∧_∧ n
+ (ヨ(*´∀`)E)
  Y   Y  *

ババヘラとは秋田名物のアイスクリームの一種。
一部地域ではババベラとも呼ばれる。


秋田県では基本的に、春(3月後半)から秋(10月後半くらい)までの土日や祝日(夏休みやゴールデンウィークも含む)に、
道端にビーチパラソルを差して座っているおばあさんやおばさんがいることがある。
これがババヘラである。

そこには給食で使うようなステンレス製の缶があり、中には黄色ピンクの2色のシャーベットに近いアイスが入っている。
黄色はバナナ味、ピンクはイチゴ味。ぶっちゃけあんまり味変わらないけどね

それをヘラでコーンに盛り付ける。

さんがヘラで盛り付けるからババヘラアイス。
いや、マジで。

値段は主に200円。
一昔前は150円だったが、様々な事情により200円に値上げした。

基本的には普通に盛り付けるのだが、ベテランの人はまるで薔薇の花のような盛りかた「バラ盛り」をしてくれることがある。
画像は編者がこのページのために撮影したもの。
ちなみにおばさんたちは、朝6時半頃に専用の送迎車に数人単位で乗り込み、販売機材と共に送迎され、夕方まで仕事をする。
酷い大雨でも販売している時もある。

かつては国道や大規模道路沿いの空き地にパラソルを立てて販売しており、
ドライブ中に親子連れがそのまま停車して買うのが昭和の秋田県の休日の日常だった。
のだが、道路やその周辺を長時間占有して商売するには道路使用許可が必要で もちろん取っていなかった。
露店や屋台を公道で行うのは大規模な祭りならともかく一介のアイス屋では申請しても簡単には通らない。
秋田のババヘラは昔からの慣例で大目に見られていただけで他県の警官や役人が国道で堂々とババヘラを売るパラソルを見てびっくりするのも風物詩だった。
現在はそうも言っていられない上にババヘラの知名度も上がって置かせてくれる土地も増えたので
公道で無許可で売る例はほとんど無くなり、私有地やイベント会場でちゃんと土地管理者の許諾を取っての販売をしている。100%なのかって?さあ…?

実はあのおばちゃん達は正社員が多く、アイスが売れない冬季は失業給付金で食べている。
なので明らかに客が来ないであろう僻地や悪天候で売っている場合は
失業給付がもらえる基準となる勤務日数を稼ぐため の出店であることが多い(全てがそうとは限りません)
大変だとは思うが彼女たちもわかってやっていることなのだ。
売れなくてもペナルティはなくちゃんと基本給をもらっており、たくさん売ると歩合が付くそうな。
またそういう給与制度な上に、ほぼ立地で売り上げが決まる商品のため
「たくさん売れる場所で売りたい」「歩合いらないから客が来ない楽なところがいい」と
売り子の好みが出るので、なるべく均等にローテーションを組んでいて(メインの稼ぎ所になる大規模イベントにはベテランを回すが)
嫌な場所に当たったから休むということがないように
どこで販売するのかを売り子に教えるのは当日朝、 車でそこに着いてから だとか。

ついでに、アイスを盛る量は人によってまちまちである。
同じ値段でも、当たり外れが激しかったりするのだ。

男が販売する場合はジジヘラ、若い女性の場合はネネヘラまたはギャルヘラと言うらしいがぶっちゃけ殆ど言わない。
言わないし見かけない。
ギャルヘラは見かけるとしたら秋田の中学校・高校の学校祭くらいである。
つーかギャルって(笑)


路上販売の他に一応訪問販売もしている。
その場合はタッパーに入ったアイスとコーンを売ってくれる。
でもやっぱりババヘラはババがヘラでやることに意義があるので道端で買うのをオススメする。
最近は最中タイプも販売している。
正直あんまり合わな…あや?だいだ、くた時間に…

名称についてだが、ババァがヘラで盛るからババヘラアイスで あからさまに蔑称である
地元の人間の間で定着した呼び名だが、蔑称だからこそわざわざその相手にその蔑称で呼んだりする奴はいない。
なのでババヘラを売るアイス屋さんの立場にしてみれば自分たちの売ってる商品をそんな蔑称で呼ばれてることを知ったのは比較的最近で
県外客にババヘラちょうだいと言われてショックを受けるババ…売り子のご婦人もいたそうな。
ババヘラアイス自体は、進藤冷菓という会社の商標登録であり、他の会社の場合は正式にはババヘラではない。*1
が、消費者から見れば知ったこっちゃないので、いずれもババヘラで統一されている。
しかし、ぶっちゃけると進藤冷菓が最初に作った訳ではなく、児玉冷菓という会社が作った商品を児玉冷菓から独立した進藤冷菓が勝手に商標登録をした。

前述の通り自分たちは知らないまま徐々に秋田のババヘラが全国区で有名になり、
東京の業者が商標登録をしそうだという情報をつかんでいたためそれよりはと進藤冷菓が商標登録したが
その当初は「 そんな蔑称を商標登録してどうすんだ? 」と同業者は呆れていて
後になってからババヘラが全国レベルの知名度があると知ったらしい。
それが理由で、児玉冷菓は《秋田名物・元祖アイスクリーム》として販売している。
またそういう事情なので商標登録される以前はどこのババヘラ屋も違う名前でアイスを売っていた。
その中には「 交通安全アイス 」という名称も多く、実際ババヘラのパラソルや表記には交通安全とでっかく書いてるものが多い。これについては前述の公道で無許可で売るババヘラをお目溢ししていた警察も
「交通量多い路上で目立つパラソルを付けてアイスを売る?ふーん…取り締まっちゃおっかな〜?
交通安全とか掲げて車両に注意喚起とかする交通安全運動に協力する販売業者とかいないかな〜(チラッチラっ」
とやり出したのが由来らしい。

創作作品におけるババヘラ

漫画

  • 駅前グルメの歩き方
森田信吾の漫画で、所謂「地方食」を取り扱った作品。ババヘラアイスは第3話のエピソードで題材にされている。
ちなみに雑誌掲載時&2005年版の単行本(当時のタイトルは『駅前の歩き方』)では普通にババヘラと呼称されているが、
2011年版の新装版単行本ではババヘラの名称が使われず「おばあさんの露店販売アイス」となっている。
前述した商標の関係だろうか?


追記・修正はババヘラアイスを一度食べてからお願いします。

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最終更新:2024年01月11日 19:17

*1 令和になったあたりでは他社もババヘラの名称を使い出しているため使用についての話し合いができたのかもしれない。