石(ソーシャルゲーム)

登録日:2019/09/19 Thu 08:24:41
更新日:2024/04/24 Wed 11:11:09
所要時間:約 4 分で読めます




石(ソーシャルゲーム)とは、ソーシャルゲームで使われる仮想通貨(?)の通称である。
別名「誠意」、もしくは「欲望の形」



概要

課金等で入手できる、交換用の宝石などの事。アイテムとしては扱わず、通貨の様に個数単位で管理される。
いつ頃「石」という呼び名が生まれたのかは不明。本当に「石」という品名や単位を用いているゲームもまず無い。
だが、少なくとも近年のソシャゲーでは「クリスタル」「オーブ」「魔法石」等といった「宝石状の何か」となっていることが多い。
無論、石とはかけ離れた「そのゲームに由来する何か」であることも結構多い。例えば『にゃんこ大戦争』では「ネコ缶」が、『ラストオリジン』では「ツナ缶」が石の役割を果たしている。
作品によっては「ゲーム内通貨とはまた違う特別なコイン」とされる事もある。

基本的にプレイヤーはコレの入手を求めてゲームをプレイすることになる。
まぁ細かく言えば石の収集そのものではなく、手に入れた石でガチャを回したり、スタミナを回復したりという方が目的になるのだが。

大抵の場合「石」と「ゲーム内通貨」は明確に区別されており、前者の方が希少価値は遥かに高い。
後者は普通のクエストでいくらでも手に入るが、前者は「クエスト初回クリア時のみ」などと限定されている。
多くの場合はそれぞれの使う場面が全く異なるが、「ゲーム内通貨」が「石」と同じ用途で使える場合もある。そう言ったケースでは「石」は課金以外で一切手に入らなかったりすることも多い。
高レアキャラクター入手用のガチャを回したり、スタミナ回復をするためには「石」しか使えないケースが大半。
「ゲーム内通貨」の方は、キャラクターや装備の合成や強化、アイテムや低レアしか手に入らないノーマルガチャを回すためなどに使われることが多い。

入手手段は限定されているが、実はいくらでも手に入れる手段もある。
その方法と言うのがいわゆる「課金」である。
というか、本来は「課金で手に入る限定アイテムが特別にゲーム内で無償で手に入るようになっている」と見た方が妥当か。
昔は本気で「課金しないことには一つも石が手に入らず、無料の範囲では全くゲームを進められないorガチャを回せない」というケースも散見された。

なお、ゲームの世界観的にどういう存在なのか、というと ろくに説明されていないケースが大半 である。
多少説明があったとしても、「不思議な力を纏った存在」だとか「神の力の欠片」だとか、トレーディングカードゲーム(TCG)における軽いフレーバーテキスト並みに、雰囲気重視で他のゲーム内要素への影響が少なそうな解説に終始している事がほとんど。

ゲーム開始当初はログインボーナスやステージ初クリアボーナスで腐るほど手に入るが、ある程度ゲームが進むと全く、もしくは極端に手に入らなくなり、多くのプレイヤーは石を求めて彷徨うことになる。
この「無償石の供給量と消費量のバランス」は非常にシビアかつゲームを商品として成り立たせるための重要な要素であるため、
「程よくガチャを回せつつ、なおかつ無償石だけでは限定キャラをコンプできないように」というギリギリのバランスで計算されている。
緩すぎると課金する意味がなくなり運営が成り立たなくなる危険があるが、絞りすぎても無・微課金勢の不満が溜まって過疎化する危険もあるため、この辺のバランスはかなり考えなければならない。

ソーシャルゲームの氾濫につれ、法律絡みなのか詳細は不明だが「課金で手に入る有償石と無課金で手に入る無償石を明確に区別する」という処理が増えており、それに合わせてか「有償石だけで回せるガチャを用意する」様なソシャゲも近年は多くなっている。
有償石限定ガチャは確定でレアキャラが当たったり、値引きされた石数で回せたりするのでお得。
また、いわゆる「福袋」のようなお得なセット販売も有償石か現金でないと購入できない場合が多い。

なお、『千年戦争アイギス』のように、複数のハードでデータを共有できるゲームだと、それぞれの媒体でゲームの進行度合いは共有できても石の数を共有できないケースがあるので注意。
これはゲーム内容は同じでも、ゲームを提供している(課金先の)会社が異なるため、課金データを共有できない事情によるもの。
iOSとAndroidの端末間を移動すると石が消えるゲームも多い。
この理由から『プリンセスコネクト!Re:Dive』の様に「有償石は共有できないが無償石は共有できる」と設定している場合もある。

レート

石の1個あたりの価値はゲームによって異なる。
そもそもゲームシステムが全く違えば単純比較ができないのは当たり前として、似たゲームでも300石でガチャ1回だったり1000石でガチャ1回だったりする。
そのため、「課金で買う場合に何円分か」が重要になる。
大抵のゲームにはまとめ買いした場合の石の割り増しあるが、基本的に購入分は有償石、割増分は無償石と明確に区別される。
つまり「有償石1個あたりの価格」は各ゲーム内で固定になっている。

特に純日本産のゲームの場合、基本的には1個1円、つまり300個であれば300円分に近い値に設定されることが多い。
多くの作品はこの1/2~2倍程度の範囲に収まっている。
これについては、運営側も、課金するプレイヤー側も実際の「円」とほぼ同じ価値であるほうが理解、計算しやすいという単純な理由が大きいだろう。
またiOS(App Store)では販売価格の最低金額というものが存在する(2019年9月現在だと120円)うえ、これが為替変動などに合わせて改訂されることがある*1ので、これに対応しやすくするという意味もあると思われる。
そこら辺があまり関係ないことが多いDMM GAMESのゲームでは1個100円前後という設定もよく見られる。

一方、実際の課金換算、つまり円換算に直してみると、「用途ごとに掛かる金額」はどんなゲームでもそんなに変わらないことが多い。
ガチャを1回50円で引けるゲームも、1000円掛かるゲームもなかなか見ない。
大抵はメインとなるガチャは1回300~500円相当ぐらいに設定されているものである。

また、まとめ買いすると安くなったり、1日1回限定で安く買えたり他のアイテムがついてきたりする、
お得な買い方が存在するゲームも多い。

主な用途

石を最も使うであろう用途。それだけに消費も最も激しい。

貴重な石を消費する割には見返りが運次第であり確実性に欠けるため、初心者は他の用途に使ったほうが良いとよく言われるが、それをやる人は割と少ない。
1回に配られる程度の石では到底目当てのものは手に入らない(上記の通り)ので、貯蓄してから回すという人が多い。天井*2が設定されている場合はなおさらである。
ただしそれまで我慢できる人も割と少ない。ちょっと回すだけと言って気がついたら石が消えてるなんてこともよくある。

特にコラボガチャや期間限定ガチャの場合は次に入手できるのがいつになるのか不明なことがほとんどであり、
高性能なキャラを求めてガチャを回しまくるプレイヤーが続出する。
高レアが出やすくなるイベントでは湯水のように石が消費され足りない石を購入するため資金が投入され
SNSには目当てのものを引いたスクリーンショット画像引けなかった怨嗟や悲しみの声が溢れる一種のお祭りと化す。
イベント中は一時的にアプリのセールスランキング上位に踊り出ることも多く、いかに大量の石が消費されているか(すなわちいかに大量の資金が突っ込まれているか)がわかる。


プレイに自然回復するポイントが必要なゲームでは、自然回復を待たずに石を消費して全回復できる。

最大値を超える場合、余剰分が消えるゲームも有れば、一時的に最大値を超えて余剰分を残してくれるゲームも存在する。
石の使用と同じ効果を持つスタミナ回復アイテムを配布するゲームも多く、
これに石を使うのはそのアイテムすら足りない時の最終手段であることが多い。

その一方で、イベントなどのランキング上位を争う者やレアドロップを狙う者たちにとっては「当たり前の行為」でもある。
特にイベント報酬ラインギリギリにいる者達は、逃げ切るためor追い抜くために大量の石を消費する。
人気キャラが報酬の場合などは争いも当然激化するため、これまた湯水のように石が消費される。上記のガチャもそうだが、引くに引けなくなった者たちの争いは壮絶の一言
こっちもイベント終了時や結果発表時に悲喜こもごもの騒ぎとなる。

なお、『プリンセスコネクト!Re:Dive』のようにプレイヤーLv=キャラのLv上限となっているゲームでは
スタミナの価値が通常のゲームと比べて高く、概して装備などのアイテム集めやイベントでも多めに必要とされるためむしろスタミナ回復こそが主な使用用途となったりもする。


  • BOX拡張
アイテムやキャラクターなどの所持上限を上げる。

石でしか出来ないタイプや、手間はかかるがゲーム内通貨や広告視聴の報酬でも可能なタイプなどが存在する。
頻繁にアイテムやキャラクターを整理する手間が省けるので、すぐには実感できないが見返りはかなり大きい。
後にゲームの仕様変更でデフォルトの所持上限が上がった場合は、消費分が返ってくることが多い。


  • スキン
キャラクターの衣装など。
あくまで見た目が変わるだけで、性能には影響がないことが殆ど。
「性能も元キャラとは違う別衣装キャラ」とはまた異なる(そちらは内部的には別キャラ扱いのため)。
ただ『グランブルーファンタジー』では「性能自体は変わらないが、スキンによって演出の時間が(コンマ数秒)変わるため、所持している方が有利」ということがある。
PvPにおいて表示されるキャラを高レアリティ、高レベル、スキンありにしていると「高額課金者=撃破難易度が高い」と思わせることができるなんて言う副次的効果も。


  • アイテムの購入
ゲーム内で使えるアイテムに必要になることもある。
買えるものは作品によって様々で装備品、消費アイテム、限定キャラクターなど。上記のスキンもその一種。
必ずしも石で買うしかないものばかりが売っているわけではなく、中には普通にプレイして入手できる(ただし入手に時間がかかる)ものが売っている場合もある。

中には石で直接スタミナ回復はできず、「石でスタミナ回復アイテム購入→そのアイテム消費でスタミナを回復」という手順を踏むゲームもある。


  • 復活(コンテニュー)
クエストで敗北・失敗してしまった場合に、そのままの状態で「復活」して続行するのに石を必要とされることもある。
この「復活」というのは「やり直せる」ということであり、連戦であればその戦闘からやり直せたり、1戦であれば敵のHPが減ったままやり直せたりする。

クリア報酬目当てにどうしてもクリアしたい場合は、石を割ってでも挑戦する意味はある。
敵のHP等を引き継げる形式の場合は、何回も再挑戦すればそのうち倒せることになるため利用されやすい。
他にも、1ステージが長いとかでどうしてもやり直ししたくない場合なども利用される。
一方、同じ難易度の戦闘を初めからやり直せる形式の場合は、そもそもの戦力が足りておらず再挑戦してもまた失敗するだけになることが多い。
また、ランキングが存在するゲームの場合は、数をこなすことが重要であるため、1回の失敗をカバーするより上記のスタミナ回復に回して試行回数自体を増やす方が良い結果を生む。

こういった理由で、ゲームシステムにもよるが、多くのゲームではさっさとやり直した方がいい場合の方が多い。
ついでに言うと高難易度クエストではコンティニューできないゲームも結構多い。


詫び石

ソーシャルゲーム界隈で「石」を一番よく聞くのがこのケース。
要は「ゲーム内で何かしらの不手際が起きたのでお詫びに石を配ります」ということ。

不具合があったとしても、実際に被害を被るプレイヤーは多くの場合全体からするとごくわずかな割合であることが多く、
「トラブルへの補償」という建前ではあるが基本的にプレイヤーからは歓迎される。
というか、トラブルがあると 「詫び石はよ」 などと軽く祭り状態になるのも一種の風物詩とも言える。
「誠意は石の形をしている」と言われたりすることも。

場合によっては、別に詫びるようなことでもないのにサービス的に配布されることもある。
エイプリルフールイベントでジョークイベントを実装した『お詫び』というパターンもあった。
また、事前に告知してある定期メンテが延長もなく無事に終わった場合でも配布する場合もある。この場合は石というよりゲーム内通貨を配る場合が多いが。(例:アズールレーン

ただ、概ね歓迎されるイベントではあるが、「不具合があっても詫び石配ればいいんでしょ」的なスタンスが見え隠れすると流石に炎上することもある。
まずは真摯な謝罪があってこそ、であろうか。

FLOWER KNIGHT GIRLは詫び石を配りまくることで有名。
1回の量も回数も配布理由もちょっと理解不能なレベルであり、一部では「詫び石爆撃」「詫び石芸」と呼ばれることも。
特に配布理由は常人の発想ではない事が多く、「この運営は石を配りたい病なのでは?」と疑われることも。
詳しくは項目参照。


石詐欺

ソーシャルゲームの人気に乗じた悪質な代物。

ネット上にはまとめサイトなどを装って「石を無料で大量ゲット!」、「レアガチャ回し放題!」などの刺激的な文言と共にポイント系サイトに登録させたり謎のアプリをDLさせたりする悪質なサイトが非常に多く存在する。

ポイントサイトの場合は下限がとんでもなく高くてまともに使えなかったりすることが多く、登録の際に個人情報を要求されて悪用されるケースも多い。
石は本来課金して手に入れるものなので、ゲームの運営会社以外がやっている「無料で手に入る」類のものは必ず裏があると思って良い。


最近は公式がそういうサイトで掲載されている数十個~数百個単位でバラ撒きをやったり、数十回分のガチャを無料解放したりといった大盤振る舞いをやってしまうケースも有るが。



追記・修正は石を購入してからお願いします。

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最終更新:2024年04月24日 11:11

*1 実際に、2013年10月に85円から100円に改訂、2015年4月に120円に改訂されている。

*2 特定の回数ガチャを回すと決められた物を手に入れられるというシステム