トレーディングカードゲーム(TCG)

登録日:2012/06/08(金) 22:32:12
更新日:2021/05/04 Tue 23:28:32
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トレーディングカードゲーム(TCG)とは、一般的にメーカーが独自にデザインしたカードを用いたゲームである。
ネット界隈などではその隆盛具合から単に「カードゲーム(カドゲ)」と呼称・表記される場合が多いが、カードゲームとは「カードを使用するゲームの総称」、つまりTCG以外のカードゲームも含む名称であり、TCGはあくまで「カードゲームの下位分類」である。
なので、TCGを話題に挙げたりする場合は他のカードゲームとの混同・誤解を避けるため、キチンと記事名同様の表記・呼称を使うのが望ましい。

●目次

概要

一枚一枚が美術品や名品のように市場流通(トレード)されうるトレーディングカードに、トランプゲームUNOのような既存カードゲームの要素を付加して遊べるようにもしたもので、アメリカのウィザーズ・オブ・ザ・コースト(ウィザーズ)が発売するマジック:ザ・ギャザリング(MtG)を直接の開祖としている。
その形態ゆえか公式にかはともかく「ソリティア」や「エラッタ」など、一部の用語がその他カードゲームやTRPGといった他のテーブルゲームからの流用されている。

なお、TCGなど交換要素を重視した名称は日中韓や日本産TCGの国外名*1以外にはほとんど用いられておらず、代わりに収集性やデッキ構築要素を重視した『コレクティブル(カスタマイザブル)カードゲーム(CCG)』やそれを直訳した名称で呼ばれる事が多い。
その理由は一説によると、(杞憂に終わったが)ウィザーズによるTCGの商標化を危惧した後発のTCGメーカーが、TCGに代わる普通名称として提唱したものがそのまま定着したためとの事だが、後述するトラブルやそれへの対応を見るとこちらの方がより実情に即した名称と言えるだろう。
元のトレーディングカードもこれまた東アジア圏外では英語でのコレクティブルカード(Collectible Card)やその直訳で呼称されているが、これ以上は割愛する。

歴史

MtG登場

そんなTCGだが、当初はカードの収集がそれなりの経済力を必要とすることもあって、決して子ども向きの遊びではなかった。
また、実質唯一のタイトルであったMtGのルールも、当時から単純でこそあるが膨大で子ども向けとは言い難く、少年誌であるコロコロコミック題材としたストーリーを連載したり、紹介記事も時折組まれたが、市場拡大にはあまり貢献できなかった。

1999〜2000年代遊戯王登場

そんな中、1999年頃に登場したのが、今や日本でのTCGの代名詞となった、遊戯王である。
原作は週刊少年ジャンプというビッグネームの雑誌で連載していた、テーブルゲーム全般が題材の漫画であったが、MtG(とウィザーズ)をモチーフとした架空のTCG『マジック&ウィザーズ』を独自に設定・登場させた事から元々それなりにあった人気が爆発し、そこから現在も続く路線を確立。

当時の日本で起きていたTCGブームを加速させ、そのM&Wをベースにコナミが遊戯王OCGを製作・発売したのがこのブームの一つの頂点となる。
混沌そのものとも言えたルールを手探りで失敗を繰り返しながら整え・拡げていき、現在の TCGの日本国内売り上げでトップに君臨する 遊戯王OCGとなっていったのは、多くの決闘者の知るところ。
アニヲタにとってもアニメ・漫画・OCG・デュエルリンクス・ラッシュデュエルのその全てがホットな話題を絶えず提供してくれる、無くてはならない存在だろう。

その他、日本産初のTCGポケモンカードゲームや、MtGを低年齢層向けに簡略化してマジックブランドを廃しオリジナル化したデュエルマスターズといったビッグタイトルを始めとする多くのTCGがこの頃生み出され、2000年代前半にはムシキング三国志大戦などの所謂TCAG(トレーディングカードアーケードゲーム)が台頭・確立。

2010年代前半再ブーム

その後は一度ブームが沈静化するも、2010年頃に再度ブームが到来。

この頃にバトルスピリッツカードファイト!!ヴァンガードフューチャーカード バディファイトなど、(発売当初は)子供も対象としたTCGが誕生しており、販促アニメと合わさって人気を獲得していった。

DCG戦国時代

2014年頃からはハースストーンを広め役として、そのフォロワーと言えるネイティブのDCGも多数誕生し、その概念を確立。
TCGとの相互参入も起きており、TCG側からはそれまでの主流だったゲーム機に留まらず、PCやスマホへ参入するものも。

しかしジャンルとしての歴史が浅く、参入障壁の高さによって市場の拡張性が乏しい事もあってか、ルール不備やカードデザインのミスを抱えがち。
加えて利益を上げることと常に新規参入者を増やしたいシステム上、新弾ごとに「購入(課金)」を狙う必要があるため効果のインフレが極めて激しく、それらがカニバリゼーション(市場の共食い)と合わさった結果、多くが減退・サービス終了に至っている。
そのため結局のところ、遊戯王デュエルリンクスなどのように元々のファン層の大きさを活かしたり、資金力を活かしたコラボで新規層を取り込み続けたりしないと、ゲームサービスを続けるのが難しいのが現状である。

2021年現在もTCG界隈はある種の転換期にあると言えなくもない。

関連用語



TCG・DCGタイトル一覧

各TCGについて興味の出た人は、 TCG タグの検索か、みんな大好きGoogle先生に聞いてみよう。



コミュニケーション

TCGの想定された楽しみ方としては、コレクションゲームプレイの二つ。
どちらも対人コミュニケーションが最大の肝である。

コレクションにおいては、自分が持つ市場の情報とカードプールを照らし合わせ、いかに経済的に効率良く目的のカードを手に入れられるか、相手を説得・納得させられる交渉能力が重要となる。
ただし、明らかに価値の釣り合わない不当なトレード(シャークトレード)は モラルに反する行為 であり、場合によっては詐欺罪に問われる可能性もあるので絶対にやってはいけない。

このようなトラブル防止の為、そしてシングルカード取扱店舗の増加もあり「TCGのトレード行為禁止」という対応を取る店舗・イベントが激増、今やそれが一般化している。おい、トレードさせろよ
「trading」という語に「貿易」、「取引」の意味もあるので、店舗を経由して不特定多数とトレードしていると見ればまだTCGと名乗れそうではあるが。
それでもTCGの元来の意義を軽視した、不合理と取るには十分な対応と言える。ポケモン(≠ポケカ)のプレイヤーに対し「ポケモンセンターでポケモンの交換を禁止する」ようなものといえばその度合いがよくわかるはず。
とはいえ事件に発展しかねないトラブルが起きているのもまた事実である為、このような対応も一概に不合理とは呼べなくなってしまっている。 同じ厚さの1万円札より高価なデッキを持ち寄って、警備員が配備された中で対戦するイベントもあるのだから尚更である。
概要で述べた東アジア圏外でのCCGという呼称を実状にそぐうと評したのは、上述したトラブルから交換要素の強調が難しいためである。
実際、デッキ構築要素に重きを置いてブースターパックなどを用いない(≒固定封入でのみ販売する)タイトルも登場しつつあり、ファンタジーフライトゲームズのリビングカードゲーム(LCG)に分類されるカードゲームはその代表格と言える。
改めて、TCGは長い転換期の只中に置かれていると言えるのである。



ここまではゲーム部分や別メディアでの展開が主だったが、TCGは腐ってもトレカ。
昨今のTCG全体の競技性の高まり*2やトレードの禁止、シングルカード市場の広がり等により、
『大会での活躍・再録・再販中止等の理由により相場が乱高下する事があるシングルカード市場に一喜一憂する』というプレイヤーやコレクターも多く、カードの売買を株取引に、カードを株券に例えられる事もある。

対戦においても人とのコミュニケーション、特に他者に対する理解力が問われる場合が多い。
対戦が強い人とはすなわち、プレイングもデッキ構築も上手い人である。
プレイングが上手い人というのは単純に自分のデッキを回せるだけでなく、戦局に合った動きができる人である。
当然の事ながら戦局というのは自分(や味方)と対戦相手の二者(以上)によって生み出される。
すなわち、いかに相手の考えを読めるか→理解できるか。そう言い換える事もできる。
デッキ構築においても同様で、環境に対するメタゲームは結局の所、いかに他者が使うであろう=使いたいと思うデッキを予測し、それへの対抗策を講じるか、と言える。

その性質上、一方的な展開になりやすいソリティア系列のデッキはTCGの根幹を否定するものとして賛否両論あり、またそのようなデッキのキーカードは規制対象にされやすい。

最後に

TCGは対人コミュニケーションの要素が強い為か、トラブルも起こりやすい。
人と人の関わりなので、トラブルが起こらない方がおかしいのかもしれない。
しかし、楽しむためのゲームで不快感を覚えるようでは本末転倒も甚だしい。

特にトラブルの原因となりやすいのが、価値観の相違である。
多様かつ広大なカードプールを持つべきと推奨されているTCGでは、特にそれが表れやすい。
誇りとする点も、妥協する点も、人それぞれ異なる。
大事な事はそれらを頭ごなしに否定したりも、逆に盲信したりもせず、お互いを尊重し合うことである。


――たかがTCG、されどTCG。
TCGで一つの事に囚われ周りが見えなくなった時や、逆に何かを発見し勉強になった時には是非、この言葉を思い出してもらいたい。









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最終更新:2021年05月04日 23:28

*1 代表例に『Yu-Gi-Oh! Trading Card Game』、『Pokémon Trading Card Game』など。

*2 大規模な公認大会のサポートや「チャンピオンシップ(CS)}」と呼ばれる、有志による金品等の報酬を伴う中~大規模大会が頻繁に開催されており、DCGからはeスポーツタイトルに躍り出ているものもある。