スタミナ(ソーシャルゲーム)

登録日:2019/09/28 Sat 21:38:56
更新日:2024/12/22 Sun 23:23:49
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ここではソーシャルゲームにおける「スタミナ制」と、その単位としての「スタミナ」について解説する。


概要

ゲームによって呼び方は異なるが、要は「ゲームプレイに必須のポイント」のこと。
買い切り型のゲームソフトには基本的に(後述)ない。

クエスト(バトル、お仕事等様々な呼称があるが、本記事ではこれで統一する)をプレイするのに必要なコスト。
大半のゲームでは開始ボタン付近に消費量が数値として表示され、開始時にスタミナが消費される。

「スタミナ」と呼んでいる作品が多いが、「魔力」だったり「AP」だったり「やるき」だったりする。ただ、「」に比べると呼び方の種類はあまり多くない。
大抵は時間経過で回復し、最大値になるとそれ以上は増えなくなる。

スタミナの回復速度は作品によって異なるが、大体3分~5分で1回復というタイプが主流だろうか。短いと1分という場合もある。
スタミナとは別に時間回復するポイントが設定されている場合、そちらは30分や1時間で1回復になっていることも。
最大値はプレイヤーレベル上昇に伴い増えていく事が多い。
0から最大まで溜まるのにどれだけ時間がかかるのかは重要で、これが長いほど無駄なくスタミナ消化できる余裕が大きくなる。
ここは非常に差が大きい部分でもあり、かなりプレイヤーレベルが高くても2~3時間程度で満タンになってしまう忙しないものもあれば、20時間以上かかる余裕たっぷりなものも存在する。
最近は「クエスト高速スキップ」機能などが搭載されて余ったスタミナの消費が楽になったゲームが増えてきている。

また、プレイヤーレベルが上がった際には全回復するのがお約束。
そのため寝る直前などに「これで最後」と挑んだクエストでレベルが上がってしまい更に周回する羽目になることも多い
その際、余剰分が最大値を超えて蓄積されるかどうかは作品による。
切り捨ての場合、経験値をギリギリまで計算して余剰分を使い切ってからレベルを上げないと少しもったいない。
スタミナ全回復直後のレベルアップが回避できなかったりすると悔しい気分になるためか、近年は余剰分切り捨て作品は減少傾向にある。
千年戦争アイギス』のように、切り捨てから蓄積にシステムが変更になった作品も。
また、余剰分が蓄積される作品だと、ゲーム開始直後は怒涛の勢いでプレイヤーレベルが上がるせいで全くスタミナが減らなくなるのはよくある話。
それどころか、ある程度サービス開始から時間が経過した作品だと「初心者応援サービス」として「一定レベルまでスタミナ消費なし」などの大盤振る舞いがされることもある。



スタミナ制を採用する理由

ゲーム毎に多少事情は異なるが、概ね下記の理由で説明される。

基本的に時間経過以外でスタミナを回復させるには、「石」を使ったり直接購入する必要がある。
ゲーム内アイテムで回復できることも多いが、プレイ時間当たりの消費量が多ければ当然それでは追いつかない。
こうすることで、課金プレイヤーだけがより多くのプレイ回数を重ねられるようになり、無課金プレイヤーとの進行度に差が生まれるようになるのだ。

  • ②プレイヤーのログイン回数を増やすため
一杯になった後は溢れるだけなので、適度にゲームを開いてスタミナを消費しないことには「もったいない」精神が働いてしまうのが人の常。
さらにゲーム通知をONにしておくと、スタミナが一杯になると通知が来るためそれもログインさせる心理に繋がる。
作品・プレイヤーレベルにもよるが、丸一日分を越えてスタミナを貯めておけるゲームはまずないため大抵は毎日ログインすることになる。

  • ③プレイ時間を制限するため
近年ではソーシャルゲームにドップリハマってしまい、勉学も仕事もせず1日中プレイしている中毒・依存症状も社会問題として提起されるようになった。
日本にはまだ無いが、海外では中国の「オンラインゲーム管理暫定弁法」等、ゲームのプレイ時間に制限を設ける法律を制定する動きもあり、そういった諸問題に対応するため「スタミナによるプレイ回数の上限」を設けていることもある。でも課金で回復できるので意味が無い場合も
他にも過剰なサーバー負荷を抑えたり、競争要素がある場合「時間はあるけど金はない」プレイヤーの台頭を抑制したりするために24時間体制のプレイをシステム上不可能にしている。

いずれにしても、ソーシャルゲームを商品として成り立たせるための重要な要素であると言える。



スタミナ制を採用していないソーシャルゲーム

近年はスタミナ制の無いソーシャルゲームも少しずつ増えている。
特に伝統的なRPGに回帰したタイプのソーシャルゲームはほぼプレイ制限がない。
また、『Shadowverse』のようなデジタルカードゲーム系の作品でも一日の対戦回数には制限がないタイプが中心。「課金しないとまともに対戦できない」ではプレイヤーが離れるのは必然だからである。
その代わり、この手のタイプだと「毎日デイリーミッションが更新され、デイリーミッションをこなさないと報酬がほとんど手に入らない」「プレイ自体は制限がないが、クエスト報酬の獲得に何らかの制限がある」という形式をとっていることが多い。
また、ログインボーナス、デイリーミッションでの無償石の供給量が比較的搾られている傾向にあり、スタミナ課金の代わりにガチャ課金に重点を置いている。
「通常プレイの範疇ではいくらでもプレイできるが、一部のボーナスダンジョンのプレイ回数は時間経過及び課金で回復」というパターンも多い。

他には、協力プレイに重点を置いている作品もスタミナ制とは相性が悪い。
理由は単純で、「他のプレイヤーはスタミナがあるのに自分だけスタミナ切れで参加できない」というのはパーティー内の空気を圧倒的に悪くする上、そこで他のプレイヤーから課金を強いられたりするとトラブルの種になるからである。
そのためか、MMORPGなどは昔から「月額課金」が主流でスタミナ制はあまり見られない。
通常はスタミナ制のソーシャルゲームでも、例えば『星のドラゴンクエスト』では「レイドバトルではホスト側はスタミナを消費するが参加側は無償で参加できる」などの救済措置を設ける事がある。


なお、スタミナ制というものは、ソーシャルゲーム特有のものであり、ソーシャルゲームだからこそ存在が許容されているものである。
これは、ソーシャルゲームの「基本無料で、キャラクターやステージの追加などのアップデートも無料で享受できる代わりに、効率よく進めるには金か時間が必要になる」というビジネスモデルが共通認識としてあることによる。
そのため、「そもそもがお金を払って購入しないと遊ぶことができない」かつ「基本的に売り切りで、バグ修正以外での定期的なアップデートはない」一般的なコンシューマーゲームでスタミナ制が採用されると、まず間違いなく批判される
だがコンシューマ機向けのフルプライス作品で全く存在しないかというとそうでもなく、『モンスターハンター』シリーズではMHX/MHXXの特殊許可クエストやMHST2の一部の共闘探索クエストのように、後述の「アイテム制」の仕様になっているエンドコンテンツがある。
このモードは、エネルギーが溜まっている分だけ、無料で遊べちまうんだ!



スタミナのタイプ

  • ゲージ制
クエストに行く際にスタミナ何ポイントを消費してプレイする、というタイプ。
ある程度計算してクエスト挑戦をしないと無課金プレイヤーにとってはガチャや装備に回す石を泣く泣く消費しかねないため、ケチって回復しないと余計に課金プレイヤーとの格差が開くのだ…

  • コスト制
上記のゲージ制の派生で、編成するキャラにコストが設定されており、クエストの消費スタミナがそれに左右されるタイプ。
このタイプはスタミナがゲーム内リソースとして設定されているパターンが多く、回復手段も消費手段も多岐に渡る。

  • 1消費制
●●●●●
といったような、決まった数のポイントゲージがあり、クエストに行くと種類難易度問わずに1消費する。計算しなくても楽なのがよい。
ボスと1戦するようなレイド系クエスト用のスタミナとして通常のスタミナとは別にこのステータスが存在する場合が多い。
回復手段は通常のスタミナより限られているのが常。


  • アイテム制
上記の1消費制の派生で、一定時間(だいたい1日)おきに配られるチケット等を消費してクエストに行くタイプ。
メインのシステムとして採用されることは少なく、ボーナスクエストや追加要素の特殊クエストなどに用いられる。
ついついため込みすぎて消化で地獄を見るのはお約束。

  • キャラ制
キャラごとにスタミナゲージや一日の使用上限が設定されているタイプ。
こちらもメインのシステムとして採用される事は少なく、主にイベントギミックや通常のスタミナと独立したサブ要素として用いられる。
とにかくキャラの数が優位性に直結するため、弱いキャラでもお役御免になりにくく、多少質は悪くても数の暴力でカバーできる半面、強いキャラによるカタルシスを得辛く、育てるキャラを絞ると露骨に不利になるなど、わりとプレイスタイルによって相性差が激しい。



スタミナの回復アイテム

殆どのゲームで「石」(もしくは課金による直接回復)により能動的にスタミナ回復できるが、それ以外にも回復用のゲーム内アイテムが配布されることもある。
○○回復薬などのそっけない名称が多いが、作品によっては「エリクシールハーフ」「林檎」「スタミナドリンク」等の独自名称(俗称)がつけられている物もある。
もちろん世界観上合致するものがあればそちらの名前+外見デザインを使用することも多い。クルマゲーだとたいていは「ガソリン」で表現される。
周回数が重要になるタイプのゲームでは回復アイテムの貯蓄数が勝負の分かれ目となりがち。
逆に一切存在しないケースもあり、そちらはデイリーミッション等の回復分を折り込んだ効率を追求させる設計になっている。

配布ペースはまちまちで、課金のおまけ以外では1週間に数個レベルしか手に入らないものもあれば、放っておいても大量にたまるケースもある。
中には獲得量>消費量になってシステム上のスタミナの概念が崩壊し、実質プレイヤーのリアルスタミナが取って代わっている?ことも……




「追記」消費スタミナ:10
「修正」消費スタミナ:20

スタミナ回復まで……49:23(※課金して今すぐ回復!)

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最終更新:2024年12月22日 23:23