ある日の昼下がり、本当に偶然なのだがリリアーナとグラジオが話す時間があった。
これは、その時のやり取りを記したものだという。
これは、その時のやり取りを記したものだという。
「そういえばですが、リリアーナ様。ガスペリ家の方々は黒と金が中心ですが。リリアーナ様とアメーリア……様は銀の髪をしていますね」
「ああ。それは……少し長くなりますが、私から教えましょうか」
「よろしいのでしょうか?」
「ええ。アメーリアとの仲の進展の祝い、ということでここは一つ」
「ああ。それは……少し長くなりますが、私から教えましょうか」
「よろしいのでしょうか?」
「ええ。アメーリアとの仲の進展の祝い、ということでここは一つ」
そう、茶目っ気(なのだが、人族らしからぬ風格のリリアーナがこれをやるとえらく怖くなる)を出しながら、リリアーナは一拍置いたあと続けた。
「私の父とカルロ叔父様は同じ両親から産まれました。『おばあ様』からです。
『おばあ様』は私も本人を見た記憶はないのですが、アメーリアと同じように美しい銀の髪をした女性だったようです」
「成程、だからお二人は従姉妹でありながら……」
「ええ。そして、カルロ叔父様の色については――老いたから、金から黒になったのです」
「ああ……馬が加齢でまだ若いのにも関わらず真っ白になるように」
「……叔父様を葦毛の馬扱いするのはどうかとも思いますが。まあ同じようなものでしょうね。とにかく、叔父様は若い頃は金髪だったので。別に兄と弟で腹違いとかそういう話ではない、ということです」
「成程、ありがとうございました」
『おばあ様』は私も本人を見た記憶はないのですが、アメーリアと同じように美しい銀の髪をした女性だったようです」
「成程、だからお二人は従姉妹でありながら……」
「ええ。そして、カルロ叔父様の色については――老いたから、金から黒になったのです」
「ああ……馬が加齢でまだ若いのにも関わらず真っ白になるように」
「……叔父様を葦毛の馬扱いするのはどうかとも思いますが。まあ同じようなものでしょうね。とにかく、叔父様は若い頃は金髪だったので。別に兄と弟で腹違いとかそういう話ではない、ということです」
「成程、ありがとうございました」
なんとなくグラジオはリリアーナの母親についても聞きたかったが、聞いてしまえばなにかとんでもないことがあるのではないかとも考え、今は避けた。
また、アメーリアの母親については、当人から聞く。それが良いと信じていたから。
また、アメーリアの母親については、当人から聞く。それが良いと信じていたから。