「ニーナさん悩み事っスか?」
その夜。
わたくしの不安げな顔を見てなのか、わたくしのルームメイトであるジーナさんが声をかけてる。
「近々行われる黄道祭のこと、やはりお母様とお父様が………強制的に止めてくる。そんな気がして仕方ないのです」
「それなら問題ないっスです。カエルムがジーナの歌を認めたっス。つまり、親であろうと文句はつけられないその規則っス」
「それでも………」
私の不安は晴れない。
顔色も声色も、治らない。
「大丈夫っス。きっとどうにかなりますっス。私が言い切るですっスそれに、この学園には姐さんもいるっスから心配ないですっス」
姐さん、よくジーナが出してくる先輩。
とは言ってもジーナさんの実の姉というわけでも、再婚や側室の娘で、義理の姉というわけでもないらしい
名前はガロム・ドゴン=グレゴリオ・ウニャさんと言って、何度も彼女から話されたことのある先輩だった。
「姐さんは、関係ないと思います」
「関係なくても、実際に起きたらどうにかしてくれますっス。不良に襲われてたわたしを姐さんは助けてくれましたっス」
それでも、やはり心は晴れなくて、そっと話を打ち切るように、カーテンを開けて、夜空を見た。
そして、その数分後。
キラリ、流れ星が舞った。カエルムこの世界で、人がたどり着ける範囲で一番高い場所で。
「何を祈りましたっス?」
「黄道祭のことをお願いいたしました」
ジーナさんは私を見て、また星を見た。
「きっとうまくいくっス」
ジーナさんが何を願ったのかはわかりません。けれど、ほんの少し暖かい何かを感じ、その日眠りについたのでした。
その夜。
わたくしの不安げな顔を見てなのか、わたくしのルームメイトであるジーナさんが声をかけてる。
「近々行われる黄道祭のこと、やはりお母様とお父様が………強制的に止めてくる。そんな気がして仕方ないのです」
「それなら問題ないっスです。カエルムがジーナの歌を認めたっス。つまり、親であろうと文句はつけられないその規則っス」
「それでも………」
私の不安は晴れない。
顔色も声色も、治らない。
「大丈夫っス。きっとどうにかなりますっス。私が言い切るですっスそれに、この学園には姐さんもいるっスから心配ないですっス」
姐さん、よくジーナが出してくる先輩。
とは言ってもジーナさんの実の姉というわけでも、再婚や側室の娘で、義理の姉というわけでもないらしい
名前はガロム・ドゴン=グレゴリオ・ウニャさんと言って、何度も彼女から話されたことのある先輩だった。
「姐さんは、関係ないと思います」
「関係なくても、実際に起きたらどうにかしてくれますっス。不良に襲われてたわたしを姐さんは助けてくれましたっス」
それでも、やはり心は晴れなくて、そっと話を打ち切るように、カーテンを開けて、夜空を見た。
そして、その数分後。
キラリ、流れ星が舞った。カエルムこの世界で、人がたどり着ける範囲で一番高い場所で。
「何を祈りましたっス?」
「黄道祭のことをお願いいたしました」
ジーナさんは私を見て、また星を見た。
「きっとうまくいくっス」
ジーナさんが何を願ったのかはわかりません。けれど、ほんの少し暖かい何かを感じ、その日眠りについたのでした。
わたくしの予想通り、両親が「はしたない、やめなさい」と襲撃してきたことも、姐さんが、ガロム・ドゴン=グレゴリオ・ウニャさんが助けてくださったことも。そしてより深く尊敬し、家を出て彼女の行く先について行きたいと願ったことも。もちろん本来のアシュリー・レインのような歌で人々の心の救いたいという夢はあきらめていないことも。
この頃の私はまだ知らないのでした。
この頃の私はまだ知らないのでした。
