■■祈った者たちを星は空へと引っ張り上げた。いつかは落ちるという契約とともに■■
願いの魔王エストレリャ・フガス
原初の悪魔と死闘を繰り広げていた当時のエルフたちと契約を結んだ、古の大悪魔であり魔王。
それは強烈な後光を背負った神々しい影であったという。
それはエルフたちの祈りの声に応えて、エルフ全体に強い力を授けた。
「この力は大きすぎる。あなたは我々にどのような対価を求めようというのですか?」
そう問われて、エストレリャ・フガスは答えた。
──何もいらないよ。あなたたちが力を望んだから、一時的に貸す。それだけだ。
願いの魔王エストレリャ・フガス
原初の悪魔と死闘を繰り広げていた当時のエルフたちと契約を結んだ、古の大悪魔であり魔王。
それは強烈な後光を背負った神々しい影であったという。
それはエルフたちの祈りの声に応えて、エルフ全体に強い力を授けた。
「この力は大きすぎる。あなたは我々にどのような対価を求めようというのですか?」
そう問われて、エストレリャ・フガスは答えた。
──何もいらないよ。あなたたちが力を望んだから、一時的に貸す。それだけだ。
確かにその魔王は何も求めなかった。
生け贄も求めず、魔力も受け取らず、金銭も、尊敬の念も、感謝の言葉も、なにひとつ受け取らなかった。
ただ……原初の悪魔が倒れてから、しばらくの年月が経ったのちに……。
「契約期間は今日で終わった。あなたたちは願った通りに力を得て、望みを叶えた。おめでとう」
それだけの言葉を残して、それは立ち去った。
強大な力で国を盛り上げ、他の種族たちを征服して支配し、君臨してきたエルニア帝国の終焉を……。
自分が力を貸した相手の末路を、じっと見て──ゆっくりとうなずいてから。
真っ暗な深淵へと、帰っていった。
生け贄も求めず、魔力も受け取らず、金銭も、尊敬の念も、感謝の言葉も、なにひとつ受け取らなかった。
ただ……原初の悪魔が倒れてから、しばらくの年月が経ったのちに……。
「契約期間は今日で終わった。あなたたちは願った通りに力を得て、望みを叶えた。おめでとう」
それだけの言葉を残して、それは立ち去った。
強大な力で国を盛り上げ、他の種族たちを征服して支配し、君臨してきたエルニア帝国の終焉を……。
自分が力を貸した相手の末路を、じっと見て──ゆっくりとうなずいてから。
真っ暗な深淵へと、帰っていった。