シルフィーヌ二世がエイダに一週間のスキンシップ禁止を言い渡してから次の日のことだった。
「全くもう……、エイダ様は本当にエッチな人です」
水浴びの後、鍛錬の休憩中であったシグルの隣でエイダのことで愚痴をこぼしていた。どうやらシルフィーヌは根に持つタイプらしいとシグルは学んだ。
「本当にエッチなお方です。私がそのようなはしたないことをするような女だと思っているのでしょうか」
「エイダが失礼なことを言ってすまない」
怒りが収まらない様子のシルフィーヌにエイダの事をシグルは謝罪する。
「……別にシグル様に謝ってほしいわけではないのですよ?」
シグルの謝罪に対してシルフィーヌは拗ねたように呟く。
「身内の失態だ。仕事でここにいる以上その責任は弟の俺にもある。少なくとも俺はそう考えている」
「…………仕事……ですか……」
シグルの言葉にシルフィーヌは考えこむ。そして恐る恐るといった様子で口を開く。
「……仕事でなければシグル様もエイダ様もここにはいないのですね。そうですよね。所詮私たちは依頼主と冒険者。それ以上でもないですよね……。すみません。所詮それだけの関係なのに酷いわがままを言ってしまって……。私は貴方たちに何を求めているのでしょうね……」
そう言って落ち込む様子を見せる彼女にシグルは余計なことを言ったと後悔する。どうやら彼女は繊細であったようだ。落ち込み膝を抱え込んでいるシルフィーヌにシグルはどう言葉を掛けようかしばらく悩み、そして口を開く。
「……俺もエイダもここにいるのは仕事だからだ。でもシルフィーヌ様のことは単なる依頼主だと考えていない」
その言葉にシルフィーヌはシグルの方をちらっと見る。
「俺もエイダもシルフィーヌ様が放っておけないんだ。だからわがままくらいいくらでも言ってくれていい」
「……だったら、仕事が終わっても私のそばにいてくれますか?」
シグルの言葉に恐る恐るといったように尋ねるシルフィーヌ。その瞳は不安に揺れている。シルフィーヌは恐れているのだ。シグルとエイダに嫌われることを。仕事でなければすぐにいなくなってしまいそうで。また、一人になってしまうことを恐れているのだった。
「傍にいるさ。仕事でなくてもシルフィーヌ様が望んでくれるなら」
シルフィーヌの不安を断ち切るように断言する。それはうわべの言葉ではない本心だった。エルヴン帝国に来て、シルフィーヌの護衛についてそんなに長い時間は立っていない。しかし、シグルはシルフィーヌに対して情を移してしまっていた。依頼終了後も彼女のそばにいることを望むくらいに。
シグルの言葉を聞き、シルフィーヌは安堵したかのように彼の肩に身を寄せる。そのことに驚きを見せるもシグルは何も言わずそれを受け入れた。そしてしばらくの間、二人はそのまま過ごしていた。
「全くもう……、エイダ様は本当にエッチな人です」
水浴びの後、鍛錬の休憩中であったシグルの隣でエイダのことで愚痴をこぼしていた。どうやらシルフィーヌは根に持つタイプらしいとシグルは学んだ。
「本当にエッチなお方です。私がそのようなはしたないことをするような女だと思っているのでしょうか」
「エイダが失礼なことを言ってすまない」
怒りが収まらない様子のシルフィーヌにエイダの事をシグルは謝罪する。
「……別にシグル様に謝ってほしいわけではないのですよ?」
シグルの謝罪に対してシルフィーヌは拗ねたように呟く。
「身内の失態だ。仕事でここにいる以上その責任は弟の俺にもある。少なくとも俺はそう考えている」
「…………仕事……ですか……」
シグルの言葉にシルフィーヌは考えこむ。そして恐る恐るといった様子で口を開く。
「……仕事でなければシグル様もエイダ様もここにはいないのですね。そうですよね。所詮私たちは依頼主と冒険者。それ以上でもないですよね……。すみません。所詮それだけの関係なのに酷いわがままを言ってしまって……。私は貴方たちに何を求めているのでしょうね……」
そう言って落ち込む様子を見せる彼女にシグルは余計なことを言ったと後悔する。どうやら彼女は繊細であったようだ。落ち込み膝を抱え込んでいるシルフィーヌにシグルはどう言葉を掛けようかしばらく悩み、そして口を開く。
「……俺もエイダもここにいるのは仕事だからだ。でもシルフィーヌ様のことは単なる依頼主だと考えていない」
その言葉にシルフィーヌはシグルの方をちらっと見る。
「俺もエイダもシルフィーヌ様が放っておけないんだ。だからわがままくらいいくらでも言ってくれていい」
「……だったら、仕事が終わっても私のそばにいてくれますか?」
シグルの言葉に恐る恐るといったように尋ねるシルフィーヌ。その瞳は不安に揺れている。シルフィーヌは恐れているのだ。シグルとエイダに嫌われることを。仕事でなければすぐにいなくなってしまいそうで。また、一人になってしまうことを恐れているのだった。
「傍にいるさ。仕事でなくてもシルフィーヌ様が望んでくれるなら」
シルフィーヌの不安を断ち切るように断言する。それはうわべの言葉ではない本心だった。エルヴン帝国に来て、シルフィーヌの護衛についてそんなに長い時間は立っていない。しかし、シグルはシルフィーヌに対して情を移してしまっていた。依頼終了後も彼女のそばにいることを望むくらいに。
シグルの言葉を聞き、シルフィーヌは安堵したかのように彼の肩に身を寄せる。そのことに驚きを見せるもシグルは何も言わずそれを受け入れた。そしてしばらくの間、二人はそのまま過ごしていた。