サイバー空間ヴィッテンクレイル人傷害事件は1760年に発したサイバー空間内の傷害事件である。サーバー時代における最初の問題提起となり、サーバー戦争の発端の1つとして考えられている。サイバー空間における技術に関しては仮想現実空間を参照。


概要

事件の発端

 1760年に開放されたヴァルエルクネットワーク圏内で、傷害事件が発生する。仮想空間にアクセスし布教活動を展開していたヴィッテンクレイル人男性が酒に酔った状態でアクセスしていたヴァルエルク人男性に殴られ、負傷したのである。
 通常、ゲームなどのために用意された「超現実的仮想空間」では、その現実離れした環境から現実における肉体の脳が「彼は仮想空間だ」と認識するため、空間内で負傷、死亡したとしても安全に現実空間で覚醒することができる。しかし、本事件が発生したのは「現実的物理的仮想空間」内であり、今回被害者のヴィッテンクレイル人男性は現実の肉体が「これは現実である」と誤認していたため、現実空間では肉体的な損傷がないのにかかわらず、「死誤認」が発生したことにより多臓器不全が発生した。被害者男性は富裕層であり、高価な接続デバイスを使用していたことから生命維持機能が働き一命はとりとめたものの、身体に障害が残ってしまう。加害者のヴァルエルク人男性はその後行方を晦ました。

責任の所在

 被害者男性はサーバ所有者を起訴したが、ヴァルエルク司法は仮想現実空間はあくまでゲームのような仮想上の空間であり、加害者は「暴行罪」には当たらないし、サーバ所有者は場を提供しているだけなので賠償責任はない。ただし、製造物責任法に基づきサーバ製造元である「帝連中央電信」に責任があるという判決を下した。
 帝連中央電信とジエール帝国連邦はこれに猛抗議し、直ちに控訴した。ジエール政府の認識は「仮想現実空間における、現実的物理的空間はあくまで現実の延長線上にあり、現実と同等な法が適応されるべき」と主張した。事実、ジエールでは仮想現実空間のリリースと同時に仮想現実空間内での法が解釈通りに整備されていた。
 この時に発表した談話が「惑星レーウスで傷害事件が発生した。惑星レーウスに罪はあるのか?」である。ヴァルエルク人はジエール人得意の屁理屈であると批判したが、いずれにせよこの問題は大きな関心を集めた。
 仮想現実空間は「現実」なのか「仮想」なのか、法律はどうなるのかが問われる本裁判は全世界の注目を集め、また各国の法整備と解釈を急がせるきっかけとなった。結局ヴァルエルク司法は帝連中央電信に対する賠償責任を認め、同社は判決を待たずして予期せぬログアウト時にも人体への影響を無効化する「セーフ・アウト」の機能を開発し導入した。

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最終更新:2023年08月20日 18:25