本項ではクルッタの形式について取り扱う。


概要

クルッタと一言で言っても多種多様の形式とルール、マナーやタブーが存在するため本項ではその中でもメジャーなものを取り扱うことにする。

形式の構成について

クルッタを構成するのは「形式」であり、形式に沿った文が書かれることによってクルッタに相応しい詩であると認識される。注意すべきは形式に沿って書かれた詩自体がクルッタではないということである。何故なら、クルッタとは詩の記号的存在だけではなくそれに付随する文化的慣例やマナー、タブーなどを包括するからである。
形式は大きく二つのルールが重なったものとして現れる。その一つが押韻規則であり、二つ目が律動規則である。この二つが合わさって韻律形式=「形式」が構成される。

押韻規則

押韻規則とは韻を踏む規則である。韻を踏むとは複数の詩行の中で聴覚的に似たような聞こえを実現するように単語や接辞を配置することである。なお、機能的な接辞や品詞語尾で押韻することはつまらない押韻と見做される(いわゆる文法韻の概念)。

律動規則

律動規則とはリズムの規則である。ここでいう“リズム”とは詩の中で一定数繰り返されるリズムである。チャンタ語の場合は母音の長短を弁別しないため、(現世における)西洋古典韻律詩よりもその規則が複雑になっている。

韻脚

韻脚とは律動の単位となる存在である。韻脚単位によって構成され、律動規則を構成する中間的な単位となる。

韻脚単位(モーラ)

韻脚単位は言語の音素の組み合わせによって構成される。単純なCVCのような音節単位で一モーラとして数える。

詩の例

無律動詞

gʰobr̩ːi!ati˧˥ !aɳtʼa! ʘatʼo goʈaʈ͡ʂa
o↓ɳ!egaŋ ŋr̩:p ̚iti↓ a↓!ep ̚qʼʔo gʰobr̩ːo
br̩ti!ati˧˥ !aɳtʼa! qʼʔl̩t ̚ʈa↓ŋ ɖ͡ʐet'ʔa
ap ̚ap ̚iŋati↓ ʘoʘo pʰentʼo d͡ʒaɳe!o 
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戦おう、チャンタのために、戦線の国民達よ!
闘争と信念においてホンチェガは我々の護り
集まれ、チャンタのために、(集まった)言葉によって編まれた歌によって
進め!――共和国・自由・民主主義
12モーラ・押韻形式ABAB詩行末脚韻

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最終更新:2020年04月03日 18:49