筆物(理:kuhanteerl)とは、ファルトクノアの文学批評理論家フィリン・エス・ラーシアルス(Filine Esse lashials)がその著書「普遍主義的クハンテールと主体的統一のイェスカ主義復興論」(理:inijeskaverarlstustu'd la asvieu fon paskadaleranasch kuhanteerl ad ixfanto cilylista)で提唱した新イェスカ主義的文学批評理論の術語の一つである。

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燐帝字母の「筆」の字

概要

筆物は新イェスカ主義的文学批評理論においてイェスカ主義の派生哲学流派である憶理学を応用した文学存在の解釈の仕方である。憶理学においてはアンハルティア・ド・ヴェアンがレクタール・ド・シャーシュの憶論を捉え直して、器質の外への自主性と連続性を「憶え」と捉えて、それが無限に続きこの無限の自律を破壊しつつ、追求し続ける姿を人間の倫理的な姿であると見做した。このような考え方を彼女は「人間はクハたれ」(Deliu larta es kuha)と表したが、このクハが問題になる。クハは燐帝字母の「筆」の祖語により近い単語(実際には祖語は*kura)である。クハは燐字学者であるキャスカ・ファルザー・ユミリアの「筆」の字源に登場する。「クハ」は生贄を殺めるための道具で、その際に血液などが飛び散るさまから「痕跡を残す」と言う意味に変わり、後に「書く」という意味になったとした。字源自体は誤った解釈の元に考えられたものであったが、ヴェアンはこの「殺害」という倫理の痕跡を残しながら進んでゆくクハを自らの理論の象徴と見做した。
筆物はこのkuhaと書くもの≒書物≒読まれるもの≒エクリチュールを表すkranteerlを合成した単語である。このような倫理の痕跡――クハの跡こそ文学であり、文学批評とはそれを辿るのである。

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最終更新:2020年08月06日 20:53
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