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前回 「資金繰り」について

 

資金運用表 当期において資産や負債、資本が増減すると、調達と運用が前期と比べて増減します。

どのように調達と運用がなされたかを表にしたのが資金運用表といえます

資金運用表は貸借対照表の前期と当期の増減額から作られます。 まず、資金運用表の作成の前段階として、比較貸借対照表をつくります。

 

図1:比較貸借対照表

  前期 当期 差額   前期 当期 差額
現金預金       仕入債務      
売上債権       短期借入金      
棚卸資産       未払法人税等      
その他流動資産       その他流動負債      
有形固定資産       長期借入金      
その他固定資産       純資産     (A)
合計       合計      

 

資金運用表を作る前に、科目を変えずに 長期の資金(固定資金)と短期の資金(運転資金)、財務資金(現預金と短期借入金)で単 純に並び替えしてみましょう。 これを「簡易資金運用表」と勝手に名づけます。

 

固定資金
運用 調達
固定資産増   純資産増 (A)
固定資金運用   長期借入金増加  
    未払法人税等  
    固定資金調達  
合計   合計  
運転資金
売掛金増加   仕入債務増加  
棚卸資産増加   その他流動負債増加  
その他流動資産増加      
合計   合計  
財務資金
固定資金不足   短期借入金増加  
運転資金不足      
現金預金増加      
合計   合計  

 

固定資金で運用か調達に過不足が生じた場合、 例えば調達よりも運用の方が多くなった場合は、固定資金調達という欄を作り 合計額を合わせます。 帳尻を合わせるため、固定資金調達と同額分、財務資金の運用に固定資金不足の欄を 作り同額記入します。 運転資金も同様です。 また、運用よりも調達が多くなった場合は、固定資金運用の欄を作り、合計額を合わせま す。そして財務資金の調達の欄に、固定資金余剰の欄を作ります。 簡易資金運用表は単純に比較貸借対照表の差額欄を並び替えただけで作れるので簡単に作成できます。 ただし、この表だけだと何から調達して、何に運用されているのかが分析しにくいのです。 もう少し表に一工夫を加えたものが、本物の資金運用表となります。

次回 財務3級 財務2級 資金運用表

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最終更新:2019年09月15日 12:04