scene13~二重交差③~
ラウンド2
セットアップでは、例によって理人が再び《黄金領域》を使用する。
これで3回目、このシナリオ中では最後の1回になるが、既に戦闘も佳境が近づきつつある。
エルミナ:さて行動だ
矢神 :18
鍵助 :10
理人 : 6
エルミナ: 5
57 : 3
春日が退場したが、行動値に特に変化はない。
位置関係も依然、PC達と矢神が5m挟んで睨みあう、という状況のままである。
GM:イニシアチブ!矢神の手番ですね!
“シューラ・ヴァラ”:マイナーで《ハンドレッドガンズ》
“シューラ・ヴァラ”:メジャーでふたたびルーイナスレイン(《カスタマイズ》《ギガンティックモード》《クリスタライズ》《コンセントレイト:モルフェウス》)を使用します!
“シューラ・ヴァラ”:対象はPC全員!妨害などなければそのまま判定へ行きますが!
鍵助:ひえー
再び、PC全員を狙う凶悪な攻撃が襲い掛かる。だが、またも躍り出るはエルミナだ!
エルミナ:やらせねーよ!エフェクト《時の棺》宣言!
GM:エルミナ姉貴ィ!
57:し、支部長…!
理人:支部長~
鍵助:し、支部長~!!
《時の棺》はバロールの切り札級エフェクトだ。
100%以上という使用制限に加え、侵蝕率増加も10と多く、さらに使用回数も1シナリオ中たった1回という非常に重いエフェクトである。
しかし、その効果は単純にして強烈。相手の行う判定を、問答無用で失敗させる!
エルミナ:その命中判定を自動失敗にします
理人:最強のエフェクトや シンプルイズベスト
“シューラ・ヴァラ”:「一度でダメなら、二度三度と繰り返すまでだ…!」矢神の槍が飛び交いますが!
エルミナ:「いいえ、あなたは私と踊り続けるのです。永遠に!」エルミナの右目が錆色に光り、矢神を一瞬切り取られた時間に閉じ込める!
“シューラ・ヴァラ”:「なーー!!」その攻撃は、みなさんに直撃することはない!
“シューラ・ヴァラ”:投げられた槍は、制止した時間の中で勢いを失い落下する
エルミナ:その時間の中で行った攻撃は、現実の時の流れにいかなる影響も及ぼさない。無為な行為の脱力感だけが矢神に残る
“シューラ・ヴァラ”:「っ……ハァ……貴様、一度ならず二度までも……!!」
鍵助:か、かっこいいタル~
再び、エルミナにやり込められた矢神。しかし、彼はシナリオボス。この程度ではまだ終わらない。
GM:では、矢神の手番はこれで終わりなのですが
57:おっ
GM:矢神はイニシアチブで《加速する刻》を使用します!
鍵助:なんやそれ!
エルミナ:てめえ!ずるいぞ!
GM:これはイニシアチブで再びメインプロセスを行えるというエネミー専用エフェクトですね!いわゆる二回行動!
鍵助:二回行動!?
57:こいつ〜!!
《加速する刻》は、主に人数で劣るボスが手数でPC達に対抗するために所持していることが多い。
お約束みたいなものである。
“シューラ・ヴァラ”:「僕を怒らせたなぁーーー!!!」
“シューラ・ヴァラ”:みたびマイナーで《ハンドレッドガンズ》、メジャーでルーイナスレイン(《カスタマイズ》《ギガンティックモード》《クリスタライズ》《コンセントレイト:モルフェウス》)
鍵助:えらいこっちゃ!!
“シューラ・ヴァラ”:攻撃対象はPC全員!
3度目の正直と言わんばかりに、矢神の渾身の攻撃が降り注ぐ!しかし!しかしである!
エルミナ:うるせー!《孤独の魔眼》!
鍵助:草
“シューラ・ヴァラ”:さすがに草
理人:まだあるんか孤独の魔眼 支部長つよ
エルミナ:1シナリオにレベル回ですね。1レベルなんですが、侵蝕率でエフェクトレベルが上がったので2回使えます。
57:かっこよかばい…
エルミナ:さあこいよ(震え声)
鍵助:支部長!なにやってんだよ、支部長!!
理人:メイン盾!
“シューラ・ヴァラ”:「ダブルクロス……何度僕の前に立ちふさがれば気が済むというんだ……!!」
“シューラ・ヴァラ”:では判定!
“シューラ・ヴァラ”:11dx7+4 DoubleCross : (11R10+4[7]) > 10[2,3,5,6,6,8,8,8,9,10,10]+10[1,2,2,3,5,10]+10[9]+10[7]+10[10]+10[7]+4[4]+4 > 68
鍵助:ひ、ひえー!!
理人:延々クリティカルしとるな
57:ウヒーッ
矢神の怒りを表すかのように荒ぶるダイス。
クリティカルが乱発した結果。達成値は絶望的な高さとなった。
エルミナ:ドッジですかね!(即答)
GM:どうぞ!
エルミナ:4DX+1>=47 DoubleCross : (4R10+1[10]) > 9[1,6,9,9]+1 > 10 > 失敗
エルミナ:^^
鍵助:骨も残らなそう
“シューラ・ヴァラ”:DoubleCross : (7D10+16) > 34[2,9,5,2,4,2,10]+16 > 50
エルミナ:HP:11 → 0
“シューラ・ヴァラ”:矢神による渾身の攻撃、しかし、それはやはり、エルミナ以外に被害を齎すことは無い!
エルミナ:おっやべえタイタス化だな。春日恭二のロイスをタイタス化します!
“シューラ・ヴァラ”:OKです!立ち上がれ!
鍵助:ギリギリの戦いええぞ!
ここでエルミナは2度目のタイタス昇華。昇華にはロイスの総数以外にこれといった回数制限は存在しない。
エルミナ:FHエージェントとの骨肉の殺し合いがかつての同僚への僅かな想いを断ち切る!昇華!
エルミナ:HP:0 → 11
エルミナ:一回HPゼロになりましたがすぐ復活して、差し引きHPは変わりませんね。
“シューラ・ヴァラ”:矢神は肩で息をしている。無茶な力の乱用により相当にレネゲイドの侵蝕を受けているようだ!
GM:では鍵助くんの手番!
鍵助:キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!マイナーで移動!
GM:矢神にエンゲージですね!
理人:決めたれ主人公!
57:行っけー!
鍵助:「バスの爆発事故」をタイタス化!あと可能なら矢神のも!
GM:両方構いませんよ!
鍵助:お!両方昇華は可能です?!
GM:タイタスは同時に3つでも4つでも使える(確か)
鍵助:おー!ならそうします!!綾瀬のタイタス使いたくないねんな
エルミナ:さて、そのタイタスを何に使うのか
鍵助:判定にダイス乗っけます!
昇華で得られる力は、戦闘不能の回復以外にも数種類存在する。
そのうちの一つが「判定ダイスの増加」。増加量はタイタスひとつにつき、ドカンと10dである!
GM:GMからアドバイスしておくと片方はC値下げるのに使ったほうが出目走るかも!
鍵助:あ、クリティカル値下げられるのか!
そしてさらにもう一つは、「クリティカル値の下降」である。
タイタスひとつに付き、C値を1下げることが可能となる。
つまり、判定ダイスの増加とC値下降を組み合わせることで、相乗効果が期待できるという訳だ。
エルミナ:《妖精の手》があるPTなのでC値を下げておく価値は高い
GM:せやね、むしろこれが一番熱いまである
クリティカル誘発エフェクトの《妖精の手》の存在も、C値下降の意義をより大きなものとする。
鍵助:じゃあ片方はそうしよう!
GM:OK!ダイス+10、C値-1で判定ですね!
鍵助:《タクティカルソート》+《コンセントレイト》で攻撃!
GM:どうぞ!21dx6-2かな
理人:《妖精の手》も準備
ダイス数21、C値6という驚異の判定値!鍵助の攻撃が、矢神を狙う!
鍵助:21dx6-2 DoubleCross : (21R10-2[6]) > 10[1,2,2,2,2,2,2,3,5,6,6,6,7,7,7,8,8,8,8,9,10]+10[2,2,2,2,2,5,5,7,8,9,9,9]+10[2,2,4,8,8]+10[1,9]+10[7]+10[9]+3[3]-2 > 61
57:うおおおおおお!!!!!
エルミナ:おほ~
鍵助:よしゃあああ
理人:《妖精の手》持ってけ!
GM:さらに《妖精の手》が乗る! 1dx6+68で振り足しだ!
鍵助:1dx6+68 DoubleCross : (1R10+68[6]) > 3[3]+68 > 71
エルミナ:繰り上がってよかった
GM:ダメージダイス、8d10!
鍵助:やったー!!!!!リヒトサンガツ!!
最終達成値は71!鍵助の、渾身の一発である!
GM:ダメージ……どうぞ!
鍵助:8d10+12 DoubleCross : (8D10+12) > 42[2,4,7,5,3,9,7,5]+12 > 54
GM:54!?……そうですね、先に演出あればどうぞ!
鍵助:「矢神ぃいいいい!!!!」
“シューラ・ヴァラ”:「門西手ぇぇええええ……!!! お前だけは、お前だけはぁ……!!!」
“シューラ・ヴァラ”:二人の咆哮が、廃ビルに響き合う!
鍵助:「今はこう呼ぶべきだろう、”シューラ・ヴァラ”!!」
鍵助:「事故を起こしたこと、私利私欲で綾瀬や沢山の人を巻き込んだこと!!!」
鍵助:「勝利へ至る門にして鍵!!“ヨグ・ソトース”がお前を裁く!!!!」
“シューラ・ヴァラ”:「うぁああああ!!!!!」あなたの声が聞こえているのかはわからない。矢神は咆哮を上げ、次の攻撃に移ろうとしている!
鍵助:「地獄で反省しろおおおおおお!!!!!」
GM:みんなの思いを乗せたであろう、その一撃は——
“シューラ・ヴァラ”:「ッ———」 矢神に致命的なダメージを与える!
GM:残りHP54、装甲値はなし!
理人:ぴったり!?
鍵助の高速振動ブレードは、確かに“シューラ・ヴァラ”を捉えた。万感の想いを込めた一撃は彼の体を引き裂いた。
鍵助:あああ、よかったこれで倒してなかったら…
57:【主人公】ですわあ…
GM:矢神は倒れ、床に沈み、——動かなくなる。
綾瀬:「……終わっ……た……?」
戦闘不能になった矢神が、タイタス昇華で起き上がることは無い。
ジャーム化し日常に背を向けた彼には、奇跡をもたらしてくれる絆が、ひとつも残っていないからだ。
鍵助:「ハア、ハア……」
GM:そう思った瞬間のことだった。
理人:おっと
鍵助:え!
“シューラ・ヴァラ”:《魂の錬成》
“シューラ・ヴァラ”:……矢神はゆっくりと起き上がったかと思うと、その身体が、みるみる異形のものに変わっていく!
鍵助:え!?え!?!?
エルミナ:あっ、ふーん……
“シューラ・ヴァラ”:「——ァ、ァ……」
理人:「まだ立ち上がるか矢神秀人」
GM:彼は目に見えるものを手あたり次第に襲おうとしている
鍵助:「まずい、綾瀬ッ」
《魂の錬成》は、エネミー専用エフェクト……ではない。
モルフェウスのエフェクトで、戦闘不能を回復し復活するものである。
使用制限が120%以上と非常に厳しいのだが、既に侵蝕率が振り切れている矢神には些細な問題だ。
GM:ということで、もう少しだけあるのです、リヒト君の手番!
鍵助:頼むー!!
57:「……まだ、まだ立ち上がるか…」
理人:「見苦しいよ、矢神君。妄執に飲まれた君はもう美学の欠片もないただの悪だ」
理人:矢神のロイスをタイタス化!
GM:おお!
理人:マイナーでボルトアクションライフルの効果発動!達成値+5!
理人:メジャーで《形なき剣》《アニマルテイマー》《コンセントレイトオルクス》
理人:タイタス昇華!《妖精の手》を考慮で、C値をマイナス1します!!
理人:「悪は…僕が消し去るのみ、消えろ」
GM:OKです!命中判定どうぞ!
鍵助:いったれリヒトーーー!《支援射撃》!
GM:ダイス+4個だね!
理人:15dx6+6 DoubleCross : (15R10+6[6]) > 10[1,2,2,3,3,3,4,4,4,7,7,7,8,9,9]+10[1,3,3,3,8,9]+10[5,9]+3[3]+6 > 39
理人:《妖精の手》!
最期の《妖精の手》が唸る!
GM:良い出目…!振り足しどうぞ!1dx6+46かな!
理人:1dx6+46 DoubleCross : (1R10+46[6]) > 10[6]+2[2]+46 > 58
鍵助:いったー!
GM:素晴らしい…!回避は無理だな!ダメージもどうぞ!
理人:6d10+18 DoubleCross : (6D10+18) > 30[2,5,8,5,8,2]+18 > 48
理人:ダメージ48点!倒れろ!
GM:では——
“シューラ・ヴァラ”:「そんな——馬鹿な……」
GM:その一撃を受け、”シューラ・ヴァラ”の身体に風穴が空き、——今度こそ、倒れる
GM:——戦闘終了です!
鍵助:や、やったあああ!!!
57:勝ったぞおお…!
エルミナ:ふう~
57:ギリギリと拳と歯を鳴らし「……終った、か。春日とも…シューラ・ヴァラとも」
GM:まもなく、UGNの事後処理班が駆け付けることになるでしょう
綾瀬:「……」綾瀬は放心状態になっている
鍵助:「綾瀬!無事か!?ケガしてないか?」
綾瀬:「門西手……くん」
綾瀬:「これは……夢、夢だよね……?」うわごとのように呟く
綾瀬:怪我はない。矢神は、大事に扱っていたようだ
鍵助:ここって抱きしめるのってありですか?
GM:いいよ!
鍵助:じゃあ抱きしめる!
鍵助は、綾瀬を抱擁する。
綾瀬:「——ぁ……」
綾瀬:「ぁぁ……」
綾瀬:あなたの抱擁を受けると、綾瀬の目から、堰を切ったように涙が流れる
鍵助:「大丈夫だ、綾瀬。もう大丈夫だ。僕が…ボクがついている。言ったじゃないか、夢じゃないって」
綾瀬:「……夢じゃ、ないんだね……」
綾瀬:「じゃあ、やっぱり、あの事故の時も……」
鍵助:「ああ。夢じゃない…もう、今までとは違う現実に僕らはいるんだ」
綾瀬:「う」
綾瀬:「うぁぁ……」
綾瀬:あなたの胸の中で、綾瀬はわんわんと泣いた。整理しきれない感情を洗い流すように……
エルミナ:「……(あの娘、きっと……)」
エルミナ:エルミナはいまだ興奮する57をなだめながら、鍵助と綾瀬の様子を悲し気に見つめています
GM:……そうして、UGNの事後処理班が現れます。
GM:ここでいったんシーン終了としようかと思うのですが、ほかにやっておくことがあれば!
鍵助:大丈夫やで~満足満足
理人:ワイは満足したんで特にないで
GM:なさそうかな!では……シーンエンドです!
ついにシューラ・ヴァラを倒し、無事に綾瀬を救うことに成功した鍵助。
だが、事件が終わろうとも、変わってしまった日常は元には戻らない。
それでも、オーヴァードは日常へと帰らなければならない。
ほかの誰でもない、自分の為に。
最終更新:2020年01月04日 20:16