ダブルクロス The 3rd EDITON リプレイ『Crumble Days』 > シーン14

scene14~帰るべき場所~




GM:では『バックトラック』に移りますかね!
エルミナ:はい、これが真のクライマックスです
鍵助:うおおおお



【バックトラック】

 『バックトラック』は、クライマックスフェイズの直後に発生する超重要処理である。
 実質的には、プレイヤーに立ちはだかる最後の壁と言っても過言ではないだろう。
 オーヴァードのキャラクターは、《リザレクト》そしてタイタス昇華による戦闘不能回復の存在から、戦闘中に倒れることはほとんどない。
 このゲームにおいて真にキャラクターの命運を分けるのは、このバックトラックである。

理人:裏ボス現る
57:果たして日常に戻れるのか!
GM:みんなの侵蝕率と、タイタスになっていないロイスの数を教えてください!

鍵助:侵蝕率125、ロイス4個!
理人:侵蝕率145!ロイス5個!
エルミナ:侵蝕率は127、ロイスは5個残ってます
57:侵蝕率113にロイス5個ですわ。

GM:バックトラックは、残ってるロイスの数だけダイスを振って、出目のぶんだけ侵蝕率を減らせます
GM99以下になれば無事ジャーム化せず生還!
GM:絶対足りねえ!ってときはダイスの数を2倍にできます!
GM:ただし、その場合はほんのちょっとだけ経験点が減りますね!
GM:振ってみたけど帰れんかった!アカン!ってときも最後の救済があるので怖がらずにバーンと振ってみましょう

 このバックトラックを終えた時点で侵蝕率が100を超えたままだったキャラクターはジャーム化する。
 ジャーム化したキャラクターはプレイヤーの制御を離れたNPCと化し、キャラクターシートをGMに提出しなければならない。
 事実上のキャラクターロストである。
 そうならない為にも、PCは帰還しなければならない。残された絆(ロイス)を頼りに、日常へと再び帰るのだ。
 ロイスをタイタスに変えすぎると、帰還は困難なものとなる。そのため、タイタス昇華が強力だからと言って切り崩しすぎるのは御法度である。
 また、エフェクトを乱発し侵蝕率を高め過ぎることも危険である。
 刹那的な力に溺れたオーヴァードは、いとも簡単に理性無き獣へと姿を変えてしまうのだ。

 バックトラック時に振る事のできるダイス数は2種類から選択できる。
 一つはロイスの個数に等しいダイス、もう一つはその2倍である。俗称だが、前者を「等倍振り」後者を「二倍振り」と呼ぶ卓も多い。
 一見等倍振りは二倍振りの下位互換でしかないように見えるが、等倍振りで帰還に成功した場合、経験点にボーナスがつく可能性が生まれる。
 その為、狙えそうならチャレンジしてみるのも手ではある。

GM:では準備できた人からどうぞ!

鍵助:ワイは二倍で振った方ええよな流石に
エルミナ:ロイス4個の期待値は22だからまあ……等倍振りは危ない賭けやね
GM:せやねー
鍵助:なら二倍ンゴ!

鍵助:8d10 DoubleCross : (8D10) > 48[8,7,1,9,10,3,3,7] > 48
鍵助:[ PC1 ] 侵蝕率 : 125 → 94
鍵助:お、減った減った
理人:リヒトは二倍でいくで

理人:10d10 DoubleCross : (10D10) > 71[8,4,9,10,9,6,9,8,3,5] > 71
理人:[ PC2 ] 侵蝕率 : 145 → 74
理人:めっちゃ減ったわ 74まで減った

 鍵助、理人は共に二倍振りを試み、無事生還

57:等倍で行くでゲス

57:5d10 DoubleCross : (5D10) > 31[3,6,6,6,10] > 31
57:[ PC4 ] 侵蝕率 : 113 → 82

 57も等倍振りで危なげなく帰還に成功である。

エルミナ:どうしよっかな~俺もな~
GM:支部長は一番悩むとこね

 エルミナの侵蝕率は127。それほど高い訳ではない。
 残ったロイスは5個だが、等倍振りで5個振った場合、期待値にして27.5という非常に微妙な数値である。

エルミナ:いいや!等倍振りしろ!
GM:頑張れ!

エルミナ:5d10 DoubleCross : (5D10) > 30[5,4,8,8,5] > 30
エルミナ:[ PC3 ] 侵蝕率 : 127 → 97
エルミナあぶ
鍵助ひゃあああぶない
57ギリギリ!

 経験値欲しさに等倍振りの賭けにでたエルミナだが、ギリギリで帰還!
 これで、全PC無事にバックトラックに成功した。
 今回は誰も使うことは無かったが、等倍振りor二倍振りに失敗したキャラクターにも最後のセーフティネットが存在している。
 いわゆる「追加振り」と呼ばれるもので、ボーナス経験点が0点になってしまう代わりにさらに追加でロイスに等しい個数のダイスを振ることが出来る。
 これでも帰還できなかった場合は残念ながらジャーム化ということになる。
 等倍振りで欲をかいた結果100を下回れなかった場合も、この追加振りのお世話にならなければいけない。気を付けよう。

GM:次のシーンはPC3,PC4のエンディングです
エルミナ:ウス
57:オッス
GM:霧谷雄吾に事件の顛末について報告した、というところから開始したいと思います
GM:また、鍵助くんと綾瀬の今後についてですが、支部長に決めていただくのがいいかなと思うのですが、如何でしょう
エルミナ:ふむ……分かりました、会話の流れで決めます
GM:OKですー
GM:では全員無事生還したところで、エンディングに行きましょう!



【シーン11:失うもの】

GM:PC3、PC4のエンディングです

GM:あなたたちは、日本支部長の執務室で事後報告を行っている。
GM:FHの活動は摘発され、事態は解決した。
霧谷:「——お疲れ様でした。みなさんFHの計画は、無事阻止されました」
57:「…ふぅ、アンタに言われるとこう…改めて実感が湧くよな」少し疲れた様子で
エルミナ:「……計画と呼ぶには、稚拙なものでした。シューラ・ヴァラの独断行動に、春日恭二が便乗した、といったところでしょう」
57:「ああ、たしかにな…連携らしい連携は見て取れなかった」
霧谷:「そうですね。連携らしい連携はありませんでしたが、シューラ・ヴァラは強力なエージェントでした。あのままにしておけば甚大な被害が出ていました」
エルミナ:「FHとしても、彼を持て余していたのでしょう。……その意味では、哀れな存在でした」

霧谷:「……その彼が執着していた少女——綾瀬真花さんの話になるのですが」
エルミナ:「……ええ」
霧谷:「彼女は、適格者ではありませんでした」
57:「…!」
鍵助:そうなの…?
GM:そう、だから矢神が無理やり覚醒させようとしたら綾瀬はジャームになっていた
霧谷:「門西手鍵助くんの近くにいたことで、レネゲイド反応を誤認した可能性が高いでしょう」
57:「つーことは、今回の記憶って……」
鍵助:Oh…
霧谷:「……彼女は、今回の一件を通して相応にこの世界の事情を知ってしまったようです」
霧谷:「いまはN市内の病院で保護観察状態にありますが、このまま日常へ帰すわけにはいかないでしょう」
霧谷:「……彼女の今後については、エルミナさん、あなたにお任せしようと考えていますが」


エルミナ:「……」


エルミナ:「……記憶処理は必要でしょう。彼女の人生には、不要なものです」
霧谷:「……そうですね。日本支部としても、同様の見解です」
エルミナ:「ですが……そうですね、一つだけ」
霧谷:「何でしょうか」

エルミナ:「あの事故の事については……彼女の命が、『誰か』の挺身によって救われたのだという事だけは、彼女に教えようと思います」
霧谷:「……なるほど」
鍵助:支部長……
霧谷:「そのくらいであれば、構わないでしょう。むしろ、変に記憶がフラッシュバックした際の蓋になるかもしれません」
霧谷:「では、そのように手続きを進めていただく形で」
エルミナ:「ええ、お任せください。……私は、彼女……いえ、彼らから、想いまで取り上げることは出来ませんから」
霧谷:「……ええ」霧谷はいつものにこやかな笑顔のまま、だが、その瞳の奥は、どこかいつもより嬉しそうだった

57:「……そうだ、キースケは?あいつはどうなるんだ?」
霧谷:「彼は覚醒してしまいましたので、UGNの観察は必須となるでしょう」
エルミナ:「鍵助くんに関しては、後日正式にUGNに勧誘するつもりです。ただし、」
エルミナ:「しばらくの間は、イリーガル……『協力者』として生活してもらいます」

 イリーガルは、UGNに所属しているわけではないが協力関係を結んでいるオーヴァードを指す。
 普段は各々の日常を送り、要請のあったときだけUGNと協力して事件の解決などに努める。

霧谷:「そうですね、急な生活の変動は、ストレスを与えかねない」
エルミナ:「今回の事件は、きっと彼の心を傷つけた。でも、だからこそ、その衝動のままに戦いに身を投じるようなことをしてほしくはない」
エルミナ:「ゆっくりと……考えてほしいのです。レネゲイドのこと、UGNのこと、FHのこと……オーヴァードの事を」
霧谷:「……私はあなたの判断を尊重します」
鍵助:支部長ぉ…!ズビビ


57:「……」
57:「…あのさ、俺からもいいか?私見だし、ちょっと長くなるんだけど」小さく手を挙げて
霧谷:「ええ、もちろん」
57:「キースケなんだけど…アイツ、お嬢ちゃんが攫われて…シューラ・ヴァラと対峙してもさ、暴走しないで最後まで戦ったんだよな」

 鍵助は、クライマックス開始時の衝動判定に成功し、暴走を受ける事が無かった。
 それを汲んでのロールである。

57:「……恥ずかしいことに、俺は駄目だった。まだまだ甘いよな、それは今後がんばる。」頭をかいて
霧谷:「……」
57:「まあなんつーか、…アイツは初めてのオーヴァードとしての戦闘で、自分の意志を強く持って戦い抜いたんだ。」
57:「キースケ…いや、【ヨグ・ソトース】は、いつか俺らの重要な【鍵】になってくれると思うぜ」
57:「……つーことで俺の意見終わりっ!」
鍵助:57兄貴……
エルミナ:「ふふ……それは、次に本人に会ったときに言ってあげなさい」
57:「…おうさ、またアイツと会う日が楽しみだぜ!」ぴょこんと犬の耳を生やして
霧谷:「……珍しいですね、“57”がそのようなことを言うのは」
57:「……へへ!長々話しちまったけどよ、つまりは賛成ってこった!」恥ずかしさを誤魔化すように豪快に笑う

霧谷:「では、今後の方針については問題なさそうですね」
エルミナ:「……私たちは彼を拒む理由はありません。ですから、彼の事はお任せを」
霧谷:「ええ、よろしくお願いします」
エルミナ:「あとは……日常が、彼を拒まぬことを祈るだけです」

エルミナ:ワイはこんなとこで
57:ワイからも以上や!
GM:GMからも以上かな!
理人:支部長ほんと支部長してるわ 良い
鍵助:ありがてぇてぇなァ…
GM:支部長の難しい役どころを完璧にこなすとこうなるのだ
57:かっこいいよなァ…
GM:ではシーンエンド、最後のシーンになります。次はPC1,PC2だ!行くぞ!
鍵助:ほいよ~



【シーン13:日常】

GM:——数日後の学校。
GM:そこには、何事もなかったように日常の光景が繰り返されていた。
GM:何気ない光景——あの日を境に、ひどく崩れやすいものへと変わった。

GM:朝、退院した綾瀬が、いつものようにあなたを出迎える。
綾瀬:「あ、おはよー、門西手くん」
鍵助:「あぁ、おはよう綾瀬」

綾瀬:少し遅れて入ってきたリヒトくんにも声を掛けます
綾瀬:「天羽くんも、もうこの学校には慣れたかな?」
理人:「おはよう真花さん、そうだね、もうだいぶ慣れてきたよ」
綾瀬:「そっか、それならよかった!」

綾瀬:「あ、こないだは門西手くんのおかげで助かったよー」

綾瀬:何気なく、綾瀬はそう口にする
鍵助:「…。あぁ、なんだったか」
綾瀬:「え? えっと……ほら」
綾瀬:「宿題見せてもらったよね? 覚えてないかな?」
鍵助:「……いや、覚えている。まあ風紀委員として、学級委員として当然だ」
鍵助:「ただし次はないと思ってもらおう」ニヤッ
綾瀬:「うー、ちゃんと勉強します」

綾瀬:それから、綾瀬は、空席となった矢神の席に目をやった
綾瀬:「……そうそう、私が休んでる間に矢神くん、転校しちゃったらしいね……」
鍵助:「あぁ、急な事だったな…」
綾瀬:「ちょっと様子がおかしかったのは、そのせいだったのかな……ちょっと寂しくなるね」
鍵助:「そうだな」

綾瀬:「ほんといろんなことあった一週間だったな…! 門西手くんも事故の怪我、もう大丈夫?」
鍵助:「ボクの方はすっかりいいよ。むしろ心配したのはこっちだ」
鍵助:「去っていった者の事を嘆くのもいいが、新しいクラスメイトと仲良くなる方もおろそかには出来ないよな?」リヒトを見つつ
綾瀬:「ん、そうだね。落ち着いたら、リヒトくんの歓迎会もやりたいよねー」
綾瀬:「学校も事故あってから結構ドタバタしてて結局まだやれてないし!」
理人:「いいね、楽しみだよ」あいまいな微笑み
理人:多分リヒトはこの後本部帰るんじゃなかろうか このままN市に残るのかな?
GM:しばらく鍵助くんの監察したあと戻ることになるかな、N市支部のほかの人にバトンタッチする形で
エルミナ:もう少しの間は学生でいてもらうことになるでしょう
GM:せっかく仲良くなったもんな!
理人:じゃあもうちょっとは残る感じか。残って欲しいという気持ちの表れだと思おう
57:切ないね…
鍵助:「綾瀬はまた入院するしな!ははは」
綾瀬:「ちょっとー! 笑いごとじゃないでしょー!」頬を膨らませながらもどこか楽しそうに
綾瀬:「あ、入院といえば、こないだの事故だけど」
鍵助:「…!」

綾瀬:「私が無事だったのって、だれかが庇ってくれたからみたいなんだよね。それが誰かまでは教えてくれなかったけど……」
綾瀬:「……その人への感謝、忘れないようにしようと思う。いつか会えるかもしれないからね」

鍵助:「ああ…綾瀬らしいな」
綾瀬:「何それ、ふふ」

綾瀬:綾瀬は花のような笑みを見せる。もう、彼女は世界の真実と関わることはないのだろう


GM——いつものように始業を告げるチャイムが鳴る

GM当たり前の日常。昨日と同じ今日。

GMそれは、二度と手に入ることはない。

GM【Crumble Days】 -完-



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最終更新:2020年01月04日 20:15