概要
当記事ではセトルラームの君主・貴族、爵位制度に関する記録を纏める。
歴史
今日、採用される社会文化的階級としての君主制は、旧暦時代のロフィルナ連合王国に起源を持ち、セトルラームの建国に伴って独自の変遷を遂げてきた。そのため、各種爵位に関する権能も時代によって全く異なる様相を帯びており、一人の筆頭公爵(大公)の意思に左右された時期もあれば、連邦侯爵たる有力者(国軍元帥、大統領など)の要請に従って叙勲していた時期もあった。宇宙新暦4900年以降の改革段階に至っては一時的に
アリウス女大公が叙勲の主導権を取り戻し、宮廷主導による全面的な爵位制度の改革を成し遂げた経緯がある。以上を踏まえた上で共通しているのは、どの時代においても筆頭公爵が叙勲の権能を担っており、時の法が許す限りにおいて必要とされる人物に爵位を与えてきたことである。民主化以降の今日では君主大権を共有する三大公爵(三元君主)の総意として叙勲されるが、下々(行政、立法、信託両会議)の助言を定めた法律上の解釈に従って検討されなければならないことが明文化されている。
階級
現代セトルラームにおける貴族号は、時の信託会議(公爵会議と首長会議)の助言に基づいて叙勲される。そのため、連邦君主に相当する上位階級に対しても同様の手続きを取っており、民主的枠組みにおける社会文化的階級としての身分制を確立させた。一般的に位が高ければ高いほど審査が厳しく、相応の義務を負うことになるが、立憲主義を採用する現代社会においては名誉称号としての側面が強く特権の大部分が廃止されて久しい。共同大権を有する三元君主であっても夫々の同意を得なければならない縛りがある以上、必然的にボトムアップ型の審査構造に従っており、不適切な叙勲を避けられる仕組みとされた。
君主号
叙勲の大前提として、即位した君主の間に儀礼上の主従関係は存在しない。
一方、課せられた任務に応じて特有の権限を持つことから、法律の定めに則って移爵することがある。
現状の王家にあたるレミソルトインフリー家は、通称、トインフリー総家の名で知られる。
アリウス女大公率いるレミソルト公家を始め、エルク公家、セトルラーム公家の三大一族から構成された。
エルクール大公国を治めるロフィーリア女大公は通常、ウール侯との婚姻で授かったエルクールの姓を名乗るが、状況に応じてエルク姓を名乗る場合もある。
同家の中で、ともに共同当主の重責を担うセレーナ女大公との担当国事を切り分けた。
連邦筆頭公爵(王大公)
公爵会議に参画する地方領主のうち、然るべき信任投票を得て任命された国家元首に与えられる。
行政のトップである連邦筆頭公爵を始め、立法の左位連邦公爵、司法の右位連邦公爵を三元君主として認定した。
形式上、政府の上に立つ者として連邦評議会を統率する資格を持つ。
平時における政策立案等は、民主的な手続きによって構成される行政評議会、連邦総議会の役割となる。
ロフィルナ連邦唯一の象徴たる
アリウス女大公を始め、ともにトインフリー総家を構成する
セレーナ女大公、同
ウラジス女大公もここに入る。
連邦公爵(大公)
現代連邦を構成する地方土着の王族など、所定の要件を満たした然るべき領主(地方君主)に与えられる。
公爵会議に列席する資格を有し、別途構成される首長会議とともに三元君主の選出、罷免、続投に関する投票権を持つ。
国内儀礼においては最も高貴とされる位であり、法律上の定めを除いて如何なる命令も受け付けない。
中央公爵(准大公)
上位公家に属する有力者のうち、筆頭公爵、または地方君主としての努めを果たした歴代の功労者に与えられる。名誉称号。
帝国貴族となって久しい
アルバス大公(第2代連邦筆頭公爵)もここに入る。
その他の叙勲受章者
地方公爵(准大公)
首長会議に列席する代表者のうち、調整の要職を担う者に与えられる。在職中の身分となるため、世襲は認められない。
名誉公爵(准大公)
セトルラームの国益に功績のある他国の元首、または相応の政治家、歴任者に対して与えられる。
等族に相当する身分であり如何なる履行義務も負わないが、政治的権限を有しておらずオブザーバーとしての地位に留まった。
原則として一代限りとなっており、名誉称号であることから血筋による世襲は認められない。
主な叙勲受章者
貴族号
叙勲された貴族の間に法的な主従関係は存在しないが、功労の度合いに応じた序列が存在する。
連邦侯爵
侯爵
三権の歴代指導者に与えられる。原則として一代限りとなっており、如何なる政治的権限も持たないが名誉称号の一つとして留置された。
連邦伯爵
共立連邦を構成する地方自治体の首長クラス(星区長を始め、公国宰相や、それに相当する総知事など)に与えられる。
在職中の身分となるため、世襲は認められない。首長会議に列席する資格を有し、筆頭公爵の選出、罷免、続投に関する投票権を持つ。
伯爵
各地方自治体において所定の要件を満たした歴代功労者に与えられる。一代限りの名誉称号。
連邦子爵
上位(君主号相当者)に連なる公族のうち、所定の成績を認めた血縁者に与えられる。法律上、必要とされる資質を持たない場合は公籍離脱の対象となるために非常な重責を負わなければならない。
リティーア公女は現状、この身分に相当する者として遇せられた。
中央子爵
連邦議会を構成する三院のうち、共立院、法理院に参加資格を持つ功労者、または地方議会所属の貴族院議員などに与えられる。
在職中の称号となるため、世襲は認められない。
上子爵
分野を問わず、一定の成果を収めた国家功労者に与えられる。一代限りの名誉称号。
連邦男爵
連邦議会を構成する三院のうち、同胞院に参加資格を持つ政治家に与えられる。在職中の称号となるため、世襲は認められない。
男爵
連邦議会に参列した政治家のうち、職を退いた有資格者(議員年金支給対象者)に与えられる。名誉称号。
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最終更新:2023年09月21日 00:27