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エーテリック・インパルス・プラットフォーム


概要

 エーテリック・インパルス・プラットフォーム(EIPP:Etheric ImPulse Platform)は、エーテルエネルギーの投射と次元への干渉を破壊手段に据えた円柱形の巨大兵器である。
攻撃と防護の双方を単一の構造体へ束ねており、戦略級の兵器体系にあたる。

歴史

 エーテリック・インパルス・プラットフォーム(EIPP)に繋がるプロトタイプの起源は、宇宙新暦初期の時代にまで遡る。当時、すべての区画宇宙域(セクター)において猛威を振るった星間文明統一機構(星間機構)の主力兵器として知られており、その高度なテクノロジーを誇示しつつ、バブルレーンエネルギーによるワープ航法(バブルワープ航法とロマクト・ゲート航法をもって版図を広げた。時は進み、宇宙新暦1265年。星間機構支配下の全域にて独立運動が激化すると、ソルキア諸星域首長国連合も動き出し、第三次存続戦争が勃発。これにより、星間機構の支配下に組み込まれていた多くの植民地が独立し、残された遺産を巡る新興諸国の争奪戦が始まったとされる。同1428年に新秩序世界大戦が勃発すると、その火種は多くのセクターへと波及していき、最終的には種の存続を巡る長き総力戦へと発展した。そのような混乱の中、ユミル・イドゥアム連合帝国の調査艦隊がクロキルシ星系を囲う小惑星帯の中に正体不明のモノリスを発見。世にも珍しい鉱石の塊としてイドゥニア本国に持ち帰り、そのまま日の目を見ることなくイドラム1世の広大な私室に飾られた。

 しかし、同2300年代における『歴史の空白期』において事の真相に気づき、大量破壊兵器としての実用化を命じたという。同2610年に劣化バージョンたる初期EIPPの完成に漕ぎ着けると、イドラム1世は対セトルラーム遠征艦隊にそれを配備させ、同2614年。共立史上の中でも凄惨を極めた絶滅戦争への道を突き進んだ。そして、同3900年代に未曾有の逆襲を受け、自らの死を招いたとされる。後退する連合帝国艦隊の混乱をよそに、劣化EIPPの技術は世界中に広まる様相となり、更に多くの犠牲者を生み出した。セトルラーム共立連邦は、帝国艦隊から奪った劣化EIPPに更なる軍事改良を施し、複数の帝国支配惑星にインパルス攻撃を加える壮絶な報復を加えた。イドゥニア星内においてもテラソルカトル王政連合が劣化EIPPを配備。これに遅れまいと続いたロフィルナ王国のEIPP大量生産をもって数多くの派生シリーズが登場し、更なる破滅をもたらす悪循環に陥った。同4495年。あまりにも長く続いた世界大戦の惨状を前に厭戦ムードが高まると、ここで漸く停戦を迎え、同4500年に正式な和睦を迎えた。EIPPの悪名は実に1000億を超える数の犠牲をもって広く知れ渡り、その後の共立時代におけるラムティス条約の規制対象となった。それでも技術的な改良自体は続いており、共立公暦1000年時点で以下の内容が認められる。

構造

外殻
 エーテリック・インパルス・プラットフォームの機体は円柱形を基本とし、小型の系列で全長1000メートル、大型の系列で10キロメートルへ達する。大型機の一部は航宙機関を積んでおり、随伴の艦隊から離れた位置でも恒星系の間を単独で渡る。外殻の表面には召スクリプト・ルーン文字とエネルギー回路が刻み込まれ、エーテルエネルギーの集束路を成しながら通電時に青白い発光を示す。装甲の母材はエクシフ素材(Ekcf:エーテル・カーボン・ナノ・ファイバー)であり、質量を抑えたまま被弾への耐性を確保する。被膜として現象迷彩コーティングを重ねた表面は電磁的な観測から機体像を外し、現象学的な検出へも同じ効力を及ぼす。外殻の内側では重キメラ装甲プレートが層を成し、貫通体の運動エネルギーを層ごとに食い潰す。装甲層の外周には重力シールドが張り出し、接近する投射体の軌道を装甲へ触れる前に落とす。新造の系列には次元シールドを併載した機体もあり、異相干渉による攻撃の入射を装甲へ届く前に反らす。

機関
 動力の中核をなすのはフルイド・バブルレーンエネルギーであり、ハイパースペースの一種にあたる量子バブル異相線(バブルレーン空間から物質を汲み上げる。汲み上げた物質は高効率の熱交換器を経て出力へ変わり、補給路から切り離された状態でも長期の運転が続く。中枢部に座る主制御装置は、エーテルエネルギーの流量を監視しながら雷スクリプト次元操作装置へ配分を割り振る。制御の主体はAIであり、戦況の推移に合わせながら出力の水準を秒単位で組み替えていく。操作卓はタッチパネルと音声認識の二系統を備えており、戦域の外からの遠隔指令も受け付ける。動力系から制御系まで冗長設計が徹底されており、片系が停止した局面では残る系統が処理を引き継ぐ。自己診断機能が損傷を検出すると、ナノロボット(流動微細機械群)が破断面へ集まって母材を再構成する。運用中に蓄積した記録は機械学習の工程へ回り、制御の精度が稼働年数に応じて上がっていく。

運用

破壊
 実戦でエーテリック・インパルス・プラットフォームが示す破壊の形式は、三つの系統へ分かれる。次元崩壊は次元の壁を破って目標を別の位相へ送り出す処理であり、送られた物体の復元は永久に閉ざされる。副次的に生じる事象災害は地形を変動させ、周辺の気候系へも長期にわたる影響を残していく。エネルギーインパルスは蓄積したエーテルエネルギーを一挙に放出し、目標地帯の構造物を蒸発させる。放出の波が電子機器の動作を奪うため、目標側では通信の途絶と制御の麻痺が着弾と同時に生じる。波動の作用は感覚質(クオリア)の層へも及び、抽象的な改変効果を打ち消す働きはフェノメノン・リプレーサーの性質に近い。空間歪曲は入射する攻撃の軌道をねじ曲げてしまい、砲弾の到達点を機体の輪郭の外へ逃がす。歪めた空間へ敵部隊を送り込む使い方も採られ、逸らした砲火の撃ち返しから幻影による錯乱まで手口が広がる。三系統を束ねる量子バブル・オルタネイティブ・システム(QbOs)は、量子ポートアルターを介した物体の空間転移まで守備範囲へ収める。出力の総体は通常の『量子熱核兵器』を上回り、脅威度の格付けでもクレスト・デバステーターの上位へ据えられる。

支援
 戦線の中軸へ据えられた機体は、破壊の行使と並行して友軍の後援へ出力を振り向け、前線の部隊が抱える動力の不足を補っていく。 量子ビルド・ネットワーク との接続が開けば、分配の経路が戦域の全域へ通じる。補給物資の転送には空間転移の系が流用されるため、輸送船団の到着を待つ工程がまるごと省かれ、消耗した部隊の手元へ物資が即座に届く。友軍機の防御装置へエーテルエネルギーを注ぎ込む運用も採られ、遮蔽の耐久が上乗せされる。観測に基づく照準の補正値は友軍の兵器系統へ送り出され、遠距離での射撃精度が引き上げられる。敵側の通信網へ向かうのは電子戦の手段であり、指揮系統の連絡が寸断された戦区では、部隊の再集結までに長い時間が費やされる。支援の優先順位はAIが戦況の解析から算出しており、劣勢へ傾いた戦区から順に資源が回る。観測系の情報は友軍へ常時共有されるため、部隊の索敵範囲が機体の探知距離まで押し広がる。

保有勢力

 フルスペックの攻撃型を15基温存している。高出力最大火力の想定で、全てを解き放つと20以上の恒星域を吹き飛ばせる。基本的には対魔法戦闘を意識することから、異能防衛の要(最終手段)として温存されているのが現状とされる。

 ラムティス条約の規定に則り、戦略攻撃相当部分を取り外した。現在は領域防衛に係る最新の防御タワーとしての活用を継続している。

 宇宙新暦仕様の旧式EIPP(旧暦第3世代型)を一定数温存している。最終的には完全な破棄に向けて努力しているらしい。(だいたいロフィルナのせい)

 ラムティス条約に批准して久しいが、『クソ喰らえ』と言わんばかりに一定数の旧式EIPPを温存している。
とはいえ、旧暦第3世代の水準に留まっているのが不幸中の幸いといったところか。その程度であれば、最新の防護システムをもって対処できる可能性に期待できるため。(セ連大統領の談)
尤も、対抗手段を持たない中小諸国にとっては恐怖以外のなにものでもないが……

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技術
最終更新:2026年07月31日 00:22