レイヤーエフェクト
オートシェイド効果

Auto Shade/オートシェードエフェクトの解説:

レイヤー内に存在しているピクセルに立体陰影を表現する効果を被せます。ハイライト部と段階的に暗くなる周辺部が自動的に生成されることで疑似的な立体陰影を表現します。ピクセルの形状にあわせた自然な陰影になるよう、一応Pixelmashが努力しています。
  • レイヤーエフェクトなのでレイヤー内にピクセルがペイントされていなければ何も起こらない
  • ピクセルでハイライトと陰影を表現する性質上、対象物がある程度のサイズ・ピクセル数であることが望ましい。小さな…例えば8×8ピクセルのキャラに立体陰影をつけたところで表現ができない!というのはお門違いでありアンフェアといえる。
  • とはいえ、オートシェイドの単純なアルゴリズムの性質上、大きなサイズであっても細部を描きこんだピクセルアートにかけると不自然なことにしかならない
  • 単純な図形に対しては小さなサイズでもそれなりの雰囲気は出せるので、やはり使いどころが肝要といったところか

オートシェイドの項目・設定方法
エフェクトをかけたいレイヤーを選択している状態でレイヤータブ内「Add Effect」ボタンを押し、ドロップダウンリストから「AutoShade」を選ぶと設定パネルが追加される。

  • 効果オンオフ切り替えスイッチ:レイヤーエフェクト共通の機能。設定を保持したままエフェクトのオンオフを切り替えることができる。

  • レイヤーエフェクトの削除:こちらも共通の機能。外見は「閉じるボタン」のそれだが、これを押した瞬間に確認も警告もなしに管理パネルから削除されるので十分に注意を。
    • 削除した直後なら「Undo」で復活させることができる。

  • 陰影スタイル:レイヤーの内容物(=ペイントしたピクセル)にかける陰影を、2つの形式から選ぶことができる。
    • Directional:「線形指向」。線状の陰影を好みの方向を指定してかける。単純な線形なので、ガラス板や金属プレート、モノリスといった板状のものやインゴットといった金属・石材などにしか使いづらい印象。窓ガラスのイラストに斜め線でテカリを表現するのが好きな人にはいいかもしれない。
      • 1枚のレイヤーに存在するピクセル全てに均質に配分されるので内容物が複数のオブジェクトだったりするとものすごく投げやりな仕上がりになる。
      • 文字列に適用した場合は明暗の線形グラデーションを一様にかけた結果が得られるのでロゴデザインに使えないこともない。
    • Rounded:「曲線的、丸みを帯びた形状」。レイヤー内のピクセル形状に即した形状のハイライトと陰影がかかるので、疑似的に立体的に見せることができる。
      • こちらは1枚のレイヤーに複数のオブジェクトとしてピクセルが存在していてもそれぞれに立体陰影がかかるので、比較的使いやすいといえる。
      • ジェル状の物体、流体金属などの表現に向いている

  • 陰影レベルの追加・削除:おまかせでは3つの色つまり3段階で表現する陰影レベルが用意されるが、陰影を表現するレベルを更に追加することも削除することもできる。

  • 陰影のアングル:ジョグシャトルのような外観のインターフェースで光源の角度と位置を自由に設定できる。



Style: Directional、「線形オートシェイド」の適用例




Style: Rounded、「曲線形状オートシェイド」の適用例

→レイヤー内にペイントした形状それぞれに個別で陰影表現がついている。一応。
→グリッドフィールドではなく、プレビューウィンドウのほうを見ると、「それなりにアリかも」と思えるような、そんなような・・・。



文字列への「曲線形状オートシェイド」の適用例

→やはり相応のサイズでないと立体陰影がつけにくいし、付与されるハイライトがくどい印象がある。いや、実寸表示(小さなボックス内の表示のほう)をiPadで見てみたら結構雰囲気は出ているか。説明用に拡大しているものをPCモニターで見るとさすがにアラのほうが先に目立つものだしな。



文字列への「曲線形状オートシェイド」の適用例その2
いくらなんでもかわいそうなので、陰影効果がつきやすい巨大ピクセル数での適用例を。
→おお!なんかDos/Vゲー感が!(※誉め言葉)



「曲線形状オートシェイド」の適用例その3
攻略wikiというからには、使い所のむずかしい機能になんとか役割を見いだせないかフォローしてあげたい作業を効率よく進められるようなテクニックとかを紹介してみたいものである。
とりあえず、簡単に思いつく例として、『何十枚もあるビルの窓ガラスだけに対して一斉に光沢・反射をかけられるとナンカいいんじゃない?』というシチュエーションで実践してみよう。
※前述の通り、レイヤー内のオブジェクト毎に立体陰影をつけるには「Rounded/曲線形状シェイド」でなければいけない




全く向かない・利用に適さない例
バキバキに描きこんだピクセルワークに、仕上げとしてオートシェイドをかけよう・・・
<適用前>

<適用後>

ペイントされたピクセルの形状に応じたハイライト込みのグラデーションを適当に生成するだけなので、ごらんの通り「描きこまれたグラフィックに対してはまるで適さない」。陰影の段階を増やしても自然とはいえないので、自分でレイヤーを増やして上から影を描きこんだほうが手っ取り早い。



よりによってピクセルアート作成ツールの花形でもあるエフェクトメニューの一番上のエフェクトがこの使いどころの難しいAutoShadeになっている(アルファベット順なので)。
そのため、紹介本数をウリにするような浅いレビュー系の記事・動画ではPixelmashのファーストインプレッションが若干可哀そうなことになりがちだが…このツール自体なかなかにトンチキで不親切な部分が目立つので自業自得だと思う。
逆にこのエフェクトの特性を把握したうえで効果的効率的にピクセルアートを制作できる人は優れたセンスの持ち主に違いない(公式やここの管理人に期待してはいけない)。


最終更新:2022年05月07日 17:54