ヨハネの黙示録
ヨハネの黙示録は、新約聖書の最後に位置する書物で、
キリスト教の終末論を描いた預言的な文書です。
概要
- 著者
- 伝統的に使徒ヨハネとされます
- 彼はローマ帝国による迫害下で、エーゲ海のパトモス島に流刑されていた際にこの書を記したとされています
- 成立時期
- 目的
- 当時迫害を受けていたキリスト教徒たちに希望を与え、神の最終的な勝利と信仰者の救済を確信させること
内容と構成
ヨハネの黙示録は象徴や比喩を多用し、以下のような構成になっています。
- 序章(1章): ヨハネが啓示を受けた背景とイエス・キリストの姿が描かれる
- 七つの教会へのメッセージ(2-3章): 小アジア(現トルコ)の7つの教会に宛てた称賛、警告、約束
- 天上での出来事(4-11章): 神の玉座、小羊(キリスト)、七つの封印、ラッパによる裁きなど
- 善悪の戦い(12-16章): 天での戦い、獣や竜など象徴的な存在との対立
- バビロンの滅亡と最終的な勝利(17-22章): サタンと悪勢力の敗北、新しい天と地、神との永遠の交わり
主要テーマ
- 終末と再臨
- キリストが再び現れ、悪を滅ぼして神の国が完成すること
- 象徴的表現
- 竜: サタン
- 獣: 悪や迫害者(ローマ帝国など)
- バビロン: 堕落した社会や権力
- 数字(7は完全性、12はイスラエルや教会など)も象徴的意味を持つ
- 神の勝利: 善が悪に勝ち、信仰者には救済がもたらされるという希望
解釈と意義
- ヨハネの黙示録は象徴性が強いため、多様な解釈が存在します
- 一部では具体的な歴史的出来事や現代社会との関連付けが試みられますが、本来は普遍的な真理を伝えるものです
- その中心メッセージは「神が歴史を支配し、最終的には正義が勝利する」という希望です
この書物は恐怖を煽るものではなく、困難な時代において信仰者に希望と勇気を与えるために記されたものです。
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最終更新:2024年12月07日 08:01