最後の審判
概要
最後の審判については、宗教的な概念と芸術作品としての両面があります。
宗教的な概念
最後の審判は、
キリスト教における
終末論の一部であり、世界の終わりに神が全人類を裁くという信仰です。
この審判では、
イエス・キリストが再臨し、死者を含むすべての人々が復活して神の前で裁きを受けます。善人は天国へ、悪人は地獄へ送られるとされています。この思想は、古代イランの
ゾロアスター教から
ユダヤ教を経て
キリスト教へと伝わったものです。
ミケランジェロの『最後の審判』
ミケランジェロ・ブオナローティによる『最後の審判』は、バチカン宮殿内システィーナ礼拝堂に描かれたフレスコ画であり、ルネサンス期を代表する芸術作品です。この作品は1536年から1541年にかけて制作されました。
- 構図と内容
- 中央には再臨したキリストが描かれ、その周囲には天国へ昇る者と地獄へ堕ちる者が配置されています
- 約400人以上の人物が描かれており、非常にダイナミックな構図となっています
- 技法と影響
- ミケランジェロはこの作品で、ダンテの『神曲』からインスピレーションを得ており、地獄や天国の描写に反映されています
- また、彼の現実主義的なアプローチにより、天使には羽が描かれていないなど独自の表現も見られます
- 宗教的議論
- この作品はその生々しい肉体表現から宗教界で議論を巻き起こし、一部修正が加えられました
- 特に裸体表現については批判があり、その後布が加筆されましたが、20世紀後半の修復で一部が除去されています
ミケランジェロの『最後の審判』は、西洋美術史において重要な位置を占める作品であり、その宗教的背景と芸術的価値から多くの研究対象となっています。
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最終更新:2024年12月15日 16:02