イスラム教
イスラム教は、7世紀初頭にアラビア半島で誕生した一神教で、現在では世界で約20億人の信者を持つ、
キリスト教に次ぐ規模の宗教です。
基本的な教義
イスラム教は唯一神「アッラー」への信仰を中心とし、預言者
ムハンマドが神から啓示を受けたことを基盤としています。
ムハンマドは最後の預言者とされ、彼を通じて神の言葉が伝えられたとされています。イスラム教の聖典は「クルアーン(コーラン)」であり、これは神がムハンマドに啓示した言葉をまとめたものです。クルアーンはアラビア語で書かれており、その内容はムスリム(イスラム教徒)の日常生活や信仰の指針となっています。
六信五行
イスラム教には「六信五行」という重要な実践と信仰があります。
六信(信じるべき6つのこと)
- アッラー(唯一神)への信仰
- 天使への信仰
- 啓典(クルアーンなど)への信仰
- 預言者への信仰(ムハンマドを含む)
- 来世への信仰(死後の世界や最後の審判)
- 天命(すべてが神の意志によるもの)への信仰
五行(実践すべき5つの義務)
- シャハーダ(信仰告白):アッラーが唯一の神であり、ムハンマドがその使徒であることを宣言する
- サラート(礼拝):1日5回、メッカの方向に向かって祈りを捧げる
- ザカート(喜捨):貧しい人々や社会全体に対して富を分け与えること
- サウム(断食):ラマダン月に日の出から日没まで飲食を断つ
- ハッジ(巡礼):一生に一度、可能であれば聖地メッカへ巡礼する
歴史と拡大
イスラム教は610年頃、預言者ムハンマドが天使ジブリール(
ガブリエル)から最初の啓示を受けたことで始まりました。彼はメッカで布教活動を行いましたが迫害され、622年にメディナへ移住しました。この移住(ヒジュラ)はイスラム暦の始まりとされています。ムハンマドの死後もイスラム教は急速に拡大し、現在では中東・北アフリカだけでなく、アジアやヨーロッパにも広く普及しています。
宗派
イスラム教には主に二つの大きな宗派があります。
- スンニ派:全体の約85~90%を占める多数派
- シーア派:少数派で、特にイランやイラクなどに多く見られます。指導者選びなど歴史的な背景から分かれました
生活規範と文化
イスラム教には多くの日常生活に関わる規範があります。例えば、
- 豚肉やアルコールは禁止されています
- 女性は肌をあまり見せない服装が推奨されます
- ハラールという概念では、許された食品や行動が定められています
また、礼拝や断食などの宗教的義務だけでなく、日常生活全般が神への服従として捉えられています。
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最終更新:2025年01月14日 23:31