アリアドネ
アリアドネ(Ariadne)は、
ギリシア神話に登場するクレタ島の王女で、ミノス王とその妃パシパエの娘です。
彼女は特に、英雄
テセウスを助けた物語やその後の運命で知られています。
概要
アリアドネは
ギリシア神話で重要な役割を果たす女性であり、その物語には愛と裏切り、再生と幸福というテーマが込められています。
彼女の行動や運命は、多くの文学作品や芸術作品で取り上げられています。また、「
アリアドネの糸」という概念や「かんむり座」という星座にもその影響が残されています。
- ミノタウロス退治の助力
- クレタ島では、ミノス王が迷宮(ラビリントス)を建造し、牛頭人身の怪物ミノタウロスを閉じ込めていました
- アテナイからは毎年(または9年ごと)、若者たちが生贄として送られていました
- アテナイの王子テセウスがミノタウロスを討伐するため迷宮に挑む際、アリアドネは彼に恋をし、助けることを決意します
- アリアドネはテセウスに「糸玉」と剣を渡しました。糸玉は迷宮内で道を見失わないようにするためのもので、これが後に「アリアドネの糸」として知られるようになります
- テセウスは糸を頼りに迷宮を進み、剣でミノタウロスを討伐。その後、無事に迷宮から脱出しました
- ナクソス島での別れ
- ミノタウロス退治後、アリアドネはテセウスと共にクレタ島を脱出しました
- しかし旅の途中でナクソス島に立ち寄った際、アリアドネはテセウスに置き去りにされます
- アリアドネが置き去りにされた理由
- テセウスがアリアドネに飽きて捨てた
- テセウスが神々(特に戦いの女神アテナ)の指示を受けて彼女を残した
- 酒の神ディオニュソス(バッカス)がアリアドネを見初めたため、テセウスが引き渡した
- ナクソス島で絶望していたアリアドネは、酒と狂気の神ディオニュソスと出会います
- ディオニュソスは彼女に一目惚れし、熱烈な求婚の末に結婚しました
- ディオニュソスとの結婚後、アリアドネは彼との間に複数の子供(オイノピオン、トアースなど)をもうけました
- ディオニュソスは彼女への愛情の証として金冠(冠)を贈り、この冠は後に天へ昇り「かんむり座」(Corona Borealis)となったとされています
- アリアドネがテセウスに渡した糸玉は、「複雑な問題や困難な状況から抜け出すための手段」を象徴するものとして知られています
- この逸話から「解決の糸口」を意味する表現「アリアドネの糸」が生まれました
神格化されたアリアドネ
- 一部の伝承では、アリアドネは単なる人間ではなく月や豊穣を司る女神として崇拝されていたともされています
- 彼女の名前には「潔らかで聖なる娘」という意味があり、古代ギリシアでは重要な象徴的存在でした
- また、ディオニュソスとの結婚後にはオリンポス山へ迎えられ、不死となったとも言われています
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最終更新:2024年12月29日 19:00