コボルト
コボルト(Kobold)は、ドイツの民間伝承に由来する
妖精や
精霊の一種です。
概要
コボルトは元々ドイツの民間伝承における家霊や鉱山の
精霊でしたが、近代以降はファンタジー作品を通じて犬頭や爬虫類型の
モンスターとして広く知られるようになりました。
その背景には、人間社会との関わりや自然現象への解釈が色濃く反映されています。
コボルトの起源と伝承
- 語源
- 「コボルト」という名前は、ドイツ語の「家」(kob/kof)と「力・支配者」(walt)を組み合わせたものとされ、「家の守護者」を意味します
- また、ギリシャ語の「コバロス」(Kobalos、「子供」や「悪戯者」を意味する)に由来するという説もあります
- 伝承
- ドイツでは、家や鉱山に住む精霊として知られています
- 家に住むコボルトは家事を手伝う一方で、礼儀を欠いた人間にはいたずらをするとされます
- 一方、鉱山に住むコボルトは、鉱夫を助けたり困らせたりする存在として語られています
特徴
- 外見
- 伝承では小柄で醜い妖精や小人として描かれますが、近代ファンタジー作品では犬の頭を持つヒューマノイドや爬虫類型の姿が一般的です
- 体高は約90cm程度で、小柄で敏捷性が高い反面、筋力や耐久力は低いとされています
- 性格
- いたずら好きで狡猾ですが、自分より強い存在には従順な傾向があります
- 社会的には集団で行動し、罠作りや地下生活に長けています
文化的な描写
- 鉱物との関係
- 金属元素「コバルト」の名前はコボルトに由来します
- 古代では鉱山で見つかる銀色の鉱石(実際には毒性のある鉱物)が銀だと思われて採掘されたものの、精錬しても役立たずだったため、「コボルトが人間を騙した」と考えられました
- RPGやファンタジー作品
- 「ダンジョンズ&ドラゴンズ」などのRPGでは犬頭または爬虫類型の小型モンスターとして登場し、多くの場合、弱い雑魚キャラクターとして描かれます
- しかし、その罠作りや集団戦術で冒険者を苦しめることもあります
- 一部の作品では、ドラゴンとの関係が強調され、自分たちをドラゴンの血族と主張する設定もあります
- 社会と信仰
- コボルト社会は階層的で、罠職人など特定の技能を持つ者が尊敬されます
- また、多くの場合、ドラゴンや専制的な神々への信仰を持っています
- 一部地域では、大地や鉱物と結びついた守護神的な役割も担っているとされています
関連ページ
最終更新:2025年01月07日 16:26