ティアマト
ティアマト(Tiamat)は、メソポタミア神話に登場する原初の海の女神であり、また現代のファンタジー作品(特に『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』)では多頭の邪竜として知られる存在です。
概要
ティアマトは創造と破壊という
二面性を持つ存在であり、その壮大な物語や象徴性から古代神話から現代ファンタジーまで幅広く影響を与えるキャラクターです。
メソポタミア神話におけるティアマト
- 起源と役割
- ティアマトは「塩水」を象徴する女神で、淡水を象徴する神アプスーと結びつき、すべての神々を生み出した母神です
- 彼女は創造と秩序を象徴する側面と、混沌と破壊を象徴する側面という二重性を持っています
- 神話上の物語
- バビロニアの創世叙事詩『エヌマ・エリシュ』では、ティアマトは若い神々による夫アプスーの殺害に怒り、混沌の怪物たちを生み出して復讐を企てます
- 最終的に天空神マルドゥクとの戦いで敗北し、その体は天と地に分けられて世界が創造されました
- 彼女の目からはチグリス川とユーフラテス川が流れ出たとされています
- 象徴
- ティアマトは「原初の海」や「混沌」の具現化として描かれ、巨大な海蛇や竜として表現されることもあります
『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』におけるティアマト
- 設定
- ティアマトは「クロマティック・ドラゴン」(色彩竜)の邪悪な女神であり、五つの頭を持つ巨大なドラゴンとして描かれます
- それぞれの頭は黒、青、緑、赤、白という色で異なる属性(炎や毒など)を象徴しています
- 善なるドラゴン神バハムートや死と憎悪を司る竜神ヌルとは兄弟関係にあり、互いに敵対しています
- 役割
- ティアマトは地下世界「九層地獄」の第一階層「アヴェルナス」を支配していましたが、現在はその地位を失い、「五悲の穴」に幽閉されています。彼女は分身(アスペクト)を通じて外界に影響を及ぼします
- クロマティック・ドラゴンや悪魔的存在から崇拝されており、その圧倒的な力は恐怖と畏敬の対象となっています
- 能力
- 各色の頭が持つ異なるブレス攻撃(炎や冷気など)、強力な魔法能力、そして軍隊すら壊滅させる物理攻撃力を有しています
- 文化的影響
- ティアマトは『D&D』以外にも多くのファンタジー作品やゲームで採用されています
- 例えば、『ファイナルファンタジー』シリーズ、『ブレス オブ ファイア』、『モンスターストライク』などに登場し、多頭竜として描かれることが一般的です
- メソポタミア神話由来の側面と、『D&D』で確立された邪悪なドラゴンというイメージが融合し、多様な解釈が生まれています
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最終更新:2025年01月07日 22:36