ディアーナ
概要
ディアーナは自然界や人間生活に深く関わる多面的な存在であり、狩猟から月、貞節まで幅広い領域を司りました。
その信仰はローマ時代だけでなく、中世から現代に至るまで続いており、人々に強い影響を与えています。
概要と起源
- 起源
- ディアーナは元々イタリアの先住民が崇拝していた森や自然の女神であり、後にギリシア神話のアルテミスと融合しました
- 役割
- 狩猟や野生動物の守護神であると同時に、月や貞節、出産を司る女神としても崇拝されました
- 家族関係
象徴と描写
- 外見
- ディアーナはしばしば短いチュニックを着た姿で描かれ、弓矢や矢筒を持ち、猟犬や鹿を伴っています
- また、頭には三日月の冠が飾られることが多いです
- 象徴物
- 弓矢: 狩猟の象徴
- 三日月: 月との結びつきを示す
- 鹿や猟犬: 野生動物との関係を表現
信仰と祭祀
- 主な聖地
- ネミ湖畔のアリキア(Diana Nemorensis): 森林のディアーナとして崇拝され、特に「森の王」と呼ばれる祭司制度が有名です。この祭司職は決闘によって継承されました
- アヴェンティヌス丘(ローマ): サービウス・トゥッリウス王によって建てられた神殿があり、ラテン同盟全体で崇拝されました
- 祭り
- 毎年8月13日に行われた祭りでは、奴隷にも休日が与えられました。この日はディアーナへの感謝と祈りの日でした
特徴と神話
- 処女神
- ディアーナは純潔を守る処女神として知られ、多くの神話ではその貞節を守るために他者を罰する姿が描かれています
- 例えば、狩人アクタイオンが彼女の入浴を覗いた際には鹿に変えられ、自身の猟犬に襲われました
- 三重性(トリフォルミス)
- 天上では月の女神ルナ(セレーネ)、
- 地上では狩猟と貞節の女神ディアーナ、
- 地下では魔術や冥界を司るヘカーテとして表現されます
- 後世への影響
- ディアーナは中世ヨーロッパでも異教信仰として残り、「魔女たちの女神」として語られることもありました
- また、近代以降ではネオペイガニズムやウィッカなどで再び崇拝されています
- その名前は現代でも女性名として広く使用されており、有名な例としてイギリス皇太子妃ダイアナが挙げられます
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最終更新:2025年01月12日 17:18