猫又
猫又(ねこまた)は、日本の妖怪伝承に登場する猫を
モチーフとした
妖怪で、長い年月を生きた猫が変化した
化け猫とされています。
概要
特徴
- 尻尾が二股に分かれる
- 猫又の名前の由来であり、最も特徴的な外見
- 長生きした猫が妖力を得ると尻尾が分かれるとされています
- 長寿の猫が変化
- 一般的に10年以上(地域によっては20年以上)生きた猫が猫又になると言われています
- 人間の言葉を話す
- 猫又は人間の言葉を理解し、話す能力を持つとされます
- 二足歩行や踊り
- 二本足で立ち、人間のように踊る姿も伝えられています
- 性格の多様性
- 凶暴で人間に害をなすものから、恩返しをする温厚なものまでさまざまです
- 起源と背景
- 猫又の起源は、中国の「仙狸(せんり)」という妖怪に由来するとされます
- 仙狸は年老いた猫が神通力を得た存在で、美男美女に化けて人間を惑わすといいます
- 日本では、鎌倉時代から猫又の記述が見られ、『徒然草』や『明月記』などにも登場しています
- この時代には「長生きした猫は化ける」という迷信が広く信じられていました
伝承と逸話
- 飼い猫型と山猫型
- 猫又には、人家で飼われていた猫が変化するものと、山中で野生化した猫が変化するものの2種類があります
- 新潟県や富山県の逸話
- 新潟県では、権現堂山に現れた黒い猫又が人々を襲った話や、退治された猫又が神社に祀られている話があります
- 富山県には「猫魔ヶ岳」という地名も残っています
- 恩返しの伝承
- 元の飼い主に恩返しする温厚な性格の猫又もおり、そのような話も各地で語られています
- 文化的意義
- 江戸時代には『百怪図巻』や『画図百鬼夜行』などの妖怪絵巻にも描かれ、浮世絵師・歌川国芳による「猫又踊り」なども有名です
- 現代ではアニメやゲームなどでも頻繁に登場し、日本文化における象徴的な妖怪として親しまれています
- 関連する迷信
- 「猫を長く飼うと化ける」「死体に近づけると蘇る」など、猫にまつわる迷信が背景となり、猫又伝説が広まりました
- これらは猫の神秘的な習性や姿への畏怖心から生まれたものと考えられます
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最終更新:2025年01月13日 16:54