魍魎
魍魎(もうりょう)は、日本や中国の伝承に登場する
妖怪で、自然界や死者に関連する精霊的な存在です。
概要
魍魎の起源と定義
- 中国の伝承
- 魍魎は、中国の古典『山海経』や『淮南子』などに登場する妖怪で、「魑魅魍魎」という言葉の一部を構成します
- ここでは「魑」は山の怪物、「魅」は沼沢の怪物、「魍」は山に住む犬のような怪物、「魎」は水中の人面魚とされています
- 日本の伝承
- 日本では、平安時代以降「魑魅魍魎」という表現が広まり、山川や木石など自然物に宿る精霊や妖怪全般を指す言葉となりました
- また、死者に関わる妖怪としても語られ、墓地や死体を荒らす存在とされています
- 特徴と描写
- 魍魎は3~4歳の子供のような姿で、赤黒い皮膚、赤い目、長い耳、美しい髪を持つとされます
- また、水神や木石の精霊としても描かれます
- 墓を暴き死体を奪い、その肝を食べるという恐ろしい行動が伝えられています
- この点で、日本では火車(かしゃ)という妖怪と混同されることもあります
- 弱点
- 魍魎は虎や柏を恐れるとされ、これらを用いることで退けられるとも言われています
- 象徴的な意味
- 魍魎は自然への畏怖や死への恐れを象徴する存在です
- 特に「魑魅魍魎」という表現は、混沌や得体の知れないものたちを指す比喩として使われることも多く、「政治の世界」などで比喩的に用いられることがあります
- 文化的影響
- 日本文学や妖怪文化で広く取り上げられており、『源氏物語』や『平家物語』など古典文学にも登場します
- 現代では京極夏彦の小説『魍魎の匣』などで象徴的に描かれ、人間心理や社会の闇を映し出す存在として再解釈されています
- 関連する妖怪
- 魑魅(ちみ):山林に住む妖怪
- 火車(かしゃ):死体を奪う妖怪で、しばしば魍魎と混同される
- 水神(みずは):日本では「みずは」とも呼ばれ、水に関連する精霊として扱われることがあります
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最終更新:2025年01月13日 23:32