アスモデウス
アスモデウス(Asmodeus)は、主に
キリスト教やユダヤ教の伝承、さらには中世の悪魔学において重要な存在とされる
悪魔です。
概要
起源と由来
アスモデウスの名前は、
ゾロアスター教の悪神アエーシュマ・デーヴァ(Aēšma-dēva)に由来し、「激怒」や「情欲」を象徴する存在とされています。この悪神がユダヤ教やキリスト教の伝承に取り入れられ、後に「色欲」を司る悪魔として知られるようになりました
特徴と役割
- 七つの大罪「色欲」の象徴
- アスモデウスは、キリスト教の七つの大罪の一つである「色欲」を司る悪魔です
- 人間の情欲を操り、不貞を促したり、夫婦や恋人の仲を引き裂く存在として描かれています
- また、破壊や復讐を司るとも言われています
- 外見
- 文献によって異なりますが、一般的には以下のような特徴を持つとされています:
- 牛、人間、羊の三つの頭
- ガチョウの足と蛇の尾
- 地獄の竜に跨り、口から火を噴く姿
- 能力
- アスモデウスは非常に知識豊富で、人間に幾何学や天文学などの秘術を教えることができるとされています
- また、召喚者には指輪や財宝を与えることもあると言われています
- ただし、契約を破ると残酷な復讐者となるとも伝えられています
主な伝承
- トビト記
- 旧約聖書外典『トビト記』では、アスモデウスはサラという女性に取り憑き、新婚初夜に彼女の夫たちを次々と殺害する悪魔として登場します
- しかし、大天使ラファエルによって封印されました。この物語では、魚の内臓を用いた儀式がアスモデウスを退ける手段として描かれています
- ソロモン王との関係
- ソロモン王は魔術によってアスモデウスを召喚し、エルサレム神殿建設に協力させたとされています
- しかし、一時的にソロモン王を欺き、その権力を奪うエピソードも伝えられています
- この物語ではアスモデウスが知恵深い反面、小心者としても描かれています
- 文化的影響
- 中世ヨーロッパ以降、アスモデウスは文学や芸術で頻繁に取り上げられました
- また、現代でもゲームや小説など、多くのフィクション作品でその名前やイメージが利用されています
アスモデウスは、「色欲」と「知識」の象徴として、多面的な性格と能力を持つ悪魔です。その起源は古代ペルシアに遡り、ユダヤ教・キリスト教・中世ヨーロッパ文化を通じて広く知られる存在となりました。彼は恐ろしい破壊者である一方で、人間に知恵や恩恵を与える側面も持つ複雑なキャラクターです。
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最終更新:2025年01月14日 15:15