フォボス
フォボス(Phobos、古希: Φόβος)は、
ギリシア神話に登場する恐怖の神です。
その名前は「敗走」や「恐怖」を意味し、戦場での混乱や狼狽を象徴する存在として描かれています。
概要
神話上の背景と家族
- 父母
- フォボスは、戦争の神アレス(ローマ神話ではマルス)と美の女神アプロディーテー(ローマ神話ではウェヌス)の息子です
- 兄弟
- デイモス(Deimos、恐慌を司る神)
- ハルモニアー(調和の女神)
- エロース(愛の神)とも兄弟とされる場合があります
- 役割
- フォボスは、兄弟のデイモスや叔母であるエニューオー(戦いの女神)と共に、父アレスに従属して戦場を駆け巡り、敵軍に恐怖と混乱をもたらしました
- 象徴と影響
- フォボスは、戦争において兵士たちが感じる「恐怖」そのものを神格化した存在です
- 彼の名は現在でも「フォビア(phobia)」という言葉の語源となっており、特定の対象への恐怖症を指します
- 戦場では、彼とデイモスが敵軍に敗走を引き起こす役割を担い、恐怖による心理的な支配力を象徴しています
- 火星の衛星との関係
- 1877年、アメリカの天文学者アサフ・ホールが火星の2つの衛星を発見した際、それらにフォボスとデイモスという名前が付けられました
- これはギリシア神話でアレス(火星に対応する神)の息子である二柱にちなんだものです
- 文化的意義
- フォボスは単なる「恐怖」の象徴としてだけでなく、人間が感じる感情や心理的な弱さを具現化した存在としても捉えられます
- 彼の存在は、戦争や対立だけでなく、人間の内面的な葛藤や不安にも通じるテーマを提供しています
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最終更新:2025年01月16日 08:52